出窓をどう使う?おしゃれで快適なインテリアにするためのアイデアや注意点を解説

公開日 2023年08月29日
出窓をどう使う?おしゃれで快適なインテリアにするためのアイデアや注意点を解説

室内を明るくおしゃれに演出してくれる出窓。出窓のある家に憧れている人も多いはず。そこで、出窓の特徴やメリット・デメリット、出窓のアイデアやプランニングの際の注意点について、さまざまな出窓のプランを提案するTAU設計工房の小宮 歩さんに伺った。

出窓とは?タイプ別の特徴について

出窓とは、部屋の壁から外側に突き出す造りになっている窓のこと。外側に突き出した部分が50cm未満、床面からカウンター部分の高さが30cm以上、外側に突き出した部分の半分以上が窓であることなどの条件をクリアすれば、出窓部分を床面積に含まないと定められている。
出窓の種類は、台形出窓、角型出窓、三角出窓、弓形出窓(ボウウィンドウ)、ハーフ出窓、トップライト出窓などさまざまな形状のものがある。

(1)台形出窓

出っ張っている窓部分の形が台形もしくは角型になっている出窓のこと。窓の面数は、台形なので正面と左右の計3面。どのテイストのデザインにもマッチするので採用しやすい。

(2)角型出窓

掃き出し窓や腰高窓を外側に出っ張らせた出窓。窓の開閉がしやすい。

(3)三角出窓

出っ張っている部分が三角形になっているタイプの出窓。廊下や洗面所などちょっとしたスペースに設けると、空間を明るくすることができる。

(4)弓形出窓(ボウウィンドウ)

外に向かって弓形の曲線状に張り出した出窓。4~6面にするのが一般的。エレガントな雰囲気を演出できるため、洋館建築などに用いられることが多い。

(5)ハーフ出窓

通常の出窓より奥行きを抑えたタイプ。手が届きにくいキッチンや大きな出窓が設置できない場所に採用されることが多い。

(6)トップライト出窓

出窓の屋根にあたる部分がガラスになっている出窓。天井側からも採光が確保できるので、より明るい空間にすることが可能に。

「出窓は大きく既製品と造作に分けられます。既製品でもさまざまなタイプのものがありますが、造作にすればより自由度が高い出窓をつくることができます」(小宮さん、以下同)

出窓の種類のイラスト
出窓としてポピュラーなのが台形出窓や角形出窓。エレガントな雰囲気の弓形出窓や、より空間を明るくできるトップライト出窓など、デザインや用途に合わせて選べる(イラスト/藤井昌子)

出窓のメリット

出窓をつくることで空間に奥行きが生まれ、広々とした印象にすることができる。出窓は外側に突き出しているため、室内は出っ張りがなくすっきりとした空間に。日当たりも良く、室内で観葉植物を育てるのにも最適だ。出窓のカウンター部分に写真やお気に入りのアイテムを飾るなど、ディスプレースペースとして活用し、インテリアをおしゃれに演出することもできる。

「また、先ほど述べたように、条件をクリアしていれば、出窓部分は床面積に算入しなくてよいので、その分有効に空間を活用することも可能です。都市型住宅など限られたスペースを上手に使いこなしたいという場合にもおすすめです」

出窓のメリット
  • 空間に奥行きが生まれ、すっきり広々とした印象に
  • 日当たりが良いため、観葉植物を育てやすい
  • カウンター部分をディスプレースペースとして活用できる
  • 条件をクリアすれば床面積に算入しなくて良いため、空間の有効活用が可能

出窓のデメリット

一方で、出窓はガラス部分が多くなるため壁に比べて断熱効果が低く、結露しやすくなるという点がデメリットとして挙げられる。

「最近はサッシの性能が高くなっているので、ペアガラスやトリプルガラスで一定程度の断熱性能を有したサッシを使えば結露の心配もありません。しかし、その分コストが高くなります。造作の場合は、出窓周辺の壁にしっかりと断熱材を施して、結露を防ぎましょう」

また、一般的にガラス面が多いと壁に比べると熱損失が多くなるため、音の遮断性能も低くなり、強風や交通音がうるさく感じるケースも。

「寝室には大きい出窓は避けるなど工夫が必要です。サッシをダブルで設置する二重サッシにすることで遮音性を高め、これらのデメリットを最小限にすることができます」

出窓のデメリット
  • 壁面に比べて断熱性能が低くなるため、結露しやすい
  • サッシなどの性能によってはコストが高めになる
  • 壁面に比べて遮音性が低い
出窓がある部屋のイメージ
空間に奥行きが生まれ、観葉植物も育てやすい(イラスト/藤井昌子)

出窓をおしゃれに活用するプランアイデア

出窓パントリーでキッチンまわりをすっきり収納

コンパクトな間取りのためキッチンまわりに収納スペースを設けづらいという場合におすすめなのが、出窓をパントリーとして活用するアイデア。

「出窓のスペースをうまく活用すれば、出窓パントリーとして活用することができます。もちろん植物を飾ったりと、飾り棚としても使えます。収納として使う場合は、前提として建築面積に入るかどうかはケースバイケースなので、建築基準法的に事前に相談は必要になります」

出窓パントリーの実例
出窓パントリーを設けることで、キッチンを明るく、収納スペースを確保できるので一石二鳥だ(画像/TAU設計工房)

出窓ベンチで眺望を楽しむお気に入りの居場所に

家の中で一番日が当たって眺めもよく単純に気持ちの良い場所で、外からのプライバシーも確保されている場所にベンチのある出窓をつくると、「過ごす場所」としても活用することができる。

「例えば、向かいの家には小さい窓しかない2階などプライバシーが確保しやすい場所を狙って、アルコーブ的なスペースを出窓でつくると、ちょっと腰掛けてのんびり過ごせるお気に入りの居場所になります」

出窓ベンチから景色を眺めている様子
眺めのいい場所に出窓ベンチを設けて、ほっとひと息つけるおこもりスペースに。読書など自分時間を楽しめる(画像/TAU設計工房)
出窓をデザインにも活かした外観
外からの視線を気にすることなく眺望を楽しむことができる。出窓の部分は外観デザインのアクセントにもなっている(画像/TAU設計工房)

ディスプレースペースでダイニングをおしゃれに演出

ダイニングテーブルの高さに合わせて出窓をつくり、花や写真などのアイテムを飾るスペースに。ダイニングテーブルに奥行きができることでテーブルのスペースを邪魔することなく、食卓を華やかに演出。

「光がダイレクトに差し込む場合などは、カーテンやブラインドなどを付けましょう。壁と同系色でまとめれば、空間がすっきりとした印象になります」

ダイニングテーブル横に設けた出窓
ダイニングテーブルと高さを合わせた出窓。おしゃれなインテリアに(画像/TAU設計工房)

ベンチとスクリーンの2WAY出窓

出窓の奥行きをうまく利用して、出窓の上にホームシアターのスクリーンを格納。普段はベンチ出窓として使い、天井のスクリーンを下ろして窓をすっぽりと隠せば、ホームシアターとして大画面で映画などを楽しむことができる。

「壁面にホームシアターを設ける場合、壁面に何も置けないので活用の幅が狭くなってしまいます。出窓を活用することで別の用途としても使えるので、空間を有効活用することができます。
ホームシアターのスクリーンを設ける場合は、室内を暗くするためにブラインドを付けましょう」

ホームシアターを設けた出窓
出窓上部の100インチのスクリーンを下ろせば、おうちシアターに。大画面で迫力満点の映像を楽しめる(画像/TAU設計工房)
ホームシアターのスクリーンを上げた状態の出窓
普段は出窓ベンチとして利用し、2WAYの使い方ができる。部屋を暗くするためにブラインドも取り付けている(画像/TAU設計工房)

出窓をつくる際に注意するポイント

ライフスタイルや生活動線を考慮して、最適な位置に出窓をつくる

出窓をつくる際には、まずライフスタイルや普段の生活動線などを考慮してプランを検討することが重要だ。

「生活動線に合わせた位置に出窓を設けると、省スペース化できたり、日当たりも良く居心地のいい場所になります。例えば、リビングに家族が集まることが多い場合は、仕事するスペースをリビング付近に設けてしまうと集中できないですよね。リビングから少し離れた階段付近などに出窓をつくり、カウンター部分をデスクにしてワークスペースにすると、程よい距離感で過ごしやすくなります」

使い勝手にも配慮してプランニングを

出窓は空間に奥行きが出るのがメリットではあるが、使用シーンをイメージしながらレイアウトをしないと、使いづらくなることも。

「例えば、キッチンの奥側に出窓を設けた場合、キッチンの奥行きが60cm、さらにそこから出窓の奥行きが30cmあるとすると、窓まで90cmの距離があるので窓が開けづらいことも。操作性などにも配慮してプランニングしましょう」

キッチンの出窓のイメージ
キッチンの奥側に出窓を設ける場合は、窓の開閉がしやすいか確認を(イラスト/藤井昌子)

このように、出窓は物を飾ったりしまうためのスペースとしてだけでなく、工夫次第では+αの空間として「過ごす場所」にもなる。ライフスタイルに合わせて、出窓を取り入れたおしゃれで快適なインテリアをつくろう。

まとめ

出窓とは、部屋の壁から外側に突き出す造りになっている窓のこと。条件を満たしていれば、出窓部分を床面積に算入せず、空間を有効活用できる

出窓をつくることで空間に奥行きが生まれ、すっきり広々とした印象に

ガラス面は壁面に比べて断熱性や遮音性が低下するので高性能なサッシを選ぶ

出窓はものを飾ったりするだけでなく、工夫次第で+αのスペースとして活用もできる

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取材・文/金井 さとこ
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