施主支給でキッチンやトイレ、照明などをそろえる際の注意点とは?

施主支給でキッチンやトイレ、照明などをそろえる際の注意点とは?

インターネットや家電量販店で見つけた設備を、新築する家やリフォームする家に備えたいけれど、どうすればいいの? 施主支給で注意すべき事って何? そんな施主支給に関する疑問について一級建築士の橋本さんと、リフォーム会社の東京ガスリモデリングの一級建築士、星さんに教えてもらいました。

施主支給とは? 施工会社は受けてくれるの?

施主支給が可能かは確認が必要

「施主支給」とは住宅の設備を施主が自ら購入して取り付けることです。最近は特にインターネットや大手のインテリア店で簡単に設備を購入できたり、家電量販店やECサイトでは購入することでポイントが貯まるケースもあり関心が高まっていますが、施工会社によっては施主支給を受けていない場合や、受けてもらえる設備や建材、家電が限られる場合もあります。

その理由は後述しますが、基本的に事前に相談してみて施工する側が「これなら他の工事の妨げにならない」や「引き渡し後に施主自ら付けられる」と判断されたものなら多くの施工会社で受けてもらえる可能性は高いです。

「例えば照明やタオル掛けなどを施主支給で受けることがあります」(橋本さん)

逆にキッチンをはじめとした水まわり設備など専門業者による取り付け工事が発生するものは、施主支給することは難しいと考えたほうがいいでしょう。また高額な設備も施主支給を断られがちです。これらの理由は後述しますが、中には条件次第で受けてくれることもありますので、施主支給を依頼する際にひとつずつ確認する必要があります。

キッチン

施主支給のメリットとデメリット

施主支給のメリット

そもそも施主支給のメリットは何でしょう? 1つは「安く手に入れられる」ことではないでしょうか。特にインターネットで検索すれば、同じ商品でもサイトによって価格が違うほどですし、ポイントが加算されるサイト(実質の値引き)もあります。また、商品がモデルチェンジする前の商品が安く手に入るケースもあります。同様に家電量販店で購入する場合もポイントが貯められたり、モデルチェンジ前の商品を安く購入できる場合があります。

もう1つのメリットは「こだわりの一品を備えられる」ことでしょう。従来は施工会社のオススメする設備の中から選ぶのが当たり前でしたが、今や誰でも世界中から設備を取り寄せられる時代ですから、好みの設備を自宅に備えやすいと言えるでしょう。同様に、長年使ってきた思い入れのある品を新しい家でも使うことができます。

施主支給のデメリット

一方でデメリットは下記の通りです。

(1)施主支給の設備は施工会社の保証の対象外
設備自体の保証はもちろんですが、注意したいのは施主支給した設備によって他の部分にも損傷を与えた場合です。例えば施主支給したキッチンの内部の配管に問題があって、それがもとで漏水が起こって床を腐らせてしまった場合、床の張り替え工事はたいてい有料になります。また設備が届いたけれど、梱包を開けてみたらキズが付いていたり割れていた場合、それが輸入元やメーカーの責任なのか、配送会社なのか、それとも現場で移動させた際に付いたキズや割れなのかがわかりません。そのため高額な設備は施主支給を断られるケースが多いのです。

また設備や家電等の部品は、生産終了後の保管については一定の期間が決まっています。そのためモデルチェンジ前の商品など、カタログ落ちしている商品に関してはその期間終了を早めに迎えることになり、修理しようと思ったときに部品が手に入れられなくなる可能性も大きくなります。

(2)製品は安く手に入っても、施工費は発生する
設備は取り付けてはじめて機能します。その工事を施主自ら行えるもの(ex.照明の引掛シーリングに取り付けるだけ)であれば問題ありませんが、例えばキッチンなどの水まわり設備は施主が行えるものではありません。施工会社にその取り付けを依頼するなら当然その費用が発生します。

そうなると、思ったほど費用が安くならない場合もあります。例えば施工会社が一括で仕入れることで価格を抑えられる設備の場合、施主支給よりトータルで安くなるケースもあります。

(3)製品の受け取りを依頼する場合も費用が発生することがある
施主としては設備を現場に直接送ったほうが楽でしょうが、本来は施主が受け取り、現場の所定の位置に(例えば2階のトイレなら2階まで)運ぶのが基本です。なぜなら施工現場には「設備を受け取る仕事」をしている人はいないからです(例えばシステムバスなら通常は設備メーカー指定の担当業者が搬入や取り付けなどを行います)。

もし施工会社に受け取りを依頼するなら、大工工事や電気工事といった本来は他の仕事をしている人が代わりに受け取ることになります。当然受け取る際に仕事の手を止めて受け取らなくてはなりませんし、配送の日時が不明の場合は受け取れる人自体いないことも考えられます。そのために別途「受け取り」のための人員を用意するなら、その分の人件費が発生してもおかしくありません。

(4)工期が延び、施工費が上がる可能性がある
施主支給の設備が予定日に届かないと予定していた工事を行えず、それによって他の工事もできなくなります(ex.洗面台の水栓が届かないと配管工事ができない。そうなると内装工事が始められない)。工期が延び、施工費も余計にかかる可能性があります。また予定日より前に届いてしまうと、現場で邪魔になり、下手をすれば屋外で雨ざらしになる危険もあります。そのため、施主が一度受け取り、予定日に持ち込むことになります。

「また、例えばフローリング材の場合、6枚セットで送られてきたら、そのうち何枚かが反っていたり曲がっていたりして使えないとなれば、改めて送ってもらうことになります。タイルが何枚か割れていて必要な枚数が足りない場合も同様です。そうなると当然工期が延びてしまいます」(星さん)。

これらの施主支給のデメリットは、施工会社からすれば施主とのトラブルというリスクでもあります。そのため施工会社によっては施主支給を断るケースがあるのです。

タイル

施主支給する場合は、事前の入念な打ち合わせが重要

施主支給は、本来施工会社が行っていた手間を施主自ら行うこと

施主支給を受けてもらえた場合も、事前の入念な打ち合わせが必要です。例えばキッチンを備える場合は、サイズはもちろん、どこにどんな径の配管が必要かといった詳細な図面が必要になります。また工事のスケジュールに影響しますから納品日時の確定も必要です。

本来なら施工会社がメーカー等と直接やりとりして図面を取り寄せ、建物の図面に反映し、必要な部材(ex.キッチンの排水口と建物の排水口を繋ぐ配管)を用意して、工事の段取りを決め……という作業を行います。ところが施主支給の場合は施主が購入先とのやりとりを行って図面など必要な情報を収集し、それらをもとに施工会社と打ち合わせて、配送の日時の確認や、必要な部材を手配……といった作業が必要になります。

こうした施工会社や購入先との入念なやりとりが施主には必要になり、しかも重要になります。逆にいえば、こうした手間を施主自ら行うからこそ、施主支給のメリットの1つである「安く手に入れられる」のだと考えたほうがいいでしょう。

施工会社

施主支給OKの設備でも事前の打ち合わせが重要

施主支給を受けてもらえた設備でも、事前の打ち合わせが重要です。「エアコンでたまにあるのが、施主が使用電圧を200Vと100Vで勘違いしていたケースです。200Vと100Vではコンセント形状等も違いますから、間違えると電気工事をやり直すことになります」(星さん)

エアコンには他にも注意点があります。「製品の中には加湿機能付きタイプがあるのですが、その場合加湿ホースを設置するための工事が必要になります。ですからあらかじめメーカー名や品番名は必須です」(星さん)

また家電量販店でエアコンを購入した場合、家電量販店側で用意した施工業者が配送から取り付けまで行ってくれることがよくありますが、「施工期間中に届けられても我々の作業もありますし、到着してすぐに取り付けられるとは限りません。その場合商品を我々が預かって取り付けるのか? 取り付けるまでどこにそのエアコンを置いておけばいいのかという問題が出てきます」(星さん)
そのため橋本さんは「エアコンの施主支給の場合、引き渡し後に配送&取り付け作業を行ってもらうようにしています」

タイルや壁のクロス、フローリングも「施主としては何m2だからこれでピッタリの枚数やサイズだと思っても、実際に施工すると足りないケースはよくあります。施工中の破損や割り付けによる余分を見るため、多めに材料を用意しなければなりません。ですから数量は施工会社に判断してもらったほうがいいでしょう」(橋本さん)

輸入品は特に注意が必要

例えば輸入品の照明の場合、電圧が異なったり日本の法律に定められた基準に適合していない場合があり、そのまま使用してしまうと火災を起こす危険性もあります。

「水栓も輸入品の場合は日本の規格に適合していないことがあります。また水栓と水道管を繋ぐ配管も異なることが多く、そのための配管を事前に準備しておかないと取り付け作業ができなくなります」(橋本さん)

そのため輸入品の場合は、施工会社や設計士と細かな打ち合わせや、事前の資料等の入手が欠かせないのです。

さらに輸入品の建材やタイルなどに多いのですが、送られてきたものにキズや割れがあって必要な数量が足りなくなった場合、再度送ってもらう必要があることは先述しましたが、「特に輸入品で船便の場合、3カ月かかることもあります」(星さん)。当然それだけの期間の工事がストップしてしまいます。輸入品にはこのようなリスクもあると知っておいたほうがいいでしょう。

「本当に施主支給でなければならないか?」確認を

施主支給が向いている人、向いていない人

これまで述べたように、何かと施主の手間が増えるのが施主支給です。家を建てたりリフォームする場合、それ以外にも施主は何かと決めなければならないことが多いハズ。「安いから施主支給しようと思ったんだけど、そんなに手間が増えるんじゃなぁ……」と思うなら、後悔する前に施工会社にお願いしたほうがいいでしょう。

逆に「こだわりの設備や建材など我が家に備えられるなら、手間暇を惜しまない」という「こだわり」に重きを置いている人なら、施主支給が向いている人と言えるでしょう。

なお、施主が購入できるということは、施工会社でも購入できる可能性も十分あります。自分で購入するより費用がかかる場合がありますが、少なくとも自分の手間は省けます。「こだわりはあるけれど、別に安く済ませたいわけじゃない」という人は施工会社に相談してみましょう。

考える女性

設備選びはプロのアドバイスを受けたほうがいい

施主支給を希望した設備の中には、プロが知っている設備もあるでしょう。「プロの多くは、さまざまな設備を実際にショールームへ足を運んで見て確かめていると思います。私も以前、ネットを見ていいなと思った輸入設備を見に行ったことがあったのですが、実物を見たら『あれ?』と思う部分が多くて採用しませんでした。たまたま後日その設備を施主支給したいというお施主さまがいらっしゃったので、その旨をお伝えした結果、別の設備にすることになりました」(橋本さん)

このようにインターネット上の写真ではわからない品質や使い勝手があります。プロの判断を仰いでみてから決めたほうがいいでしょう。

このように安易に「安いから」で施主支給するのはオススメしません。こだわりの設備や建材をそろえたいという人が施主支給に向いていると言えるでしょう。ただし素人にはわからない部分もありますから、施主支給は最初にプロに相談することから始めるようにしましょう。

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取材・文/籠島康弘
公開日 2019年07月22日
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