玄関アプローチの素材やデザインはどう選べばいいの?おしゃれで機能的なエクステリアにするポイントを紹介

公開日 2021年04月28日
玄関アプローチの素材やデザインはどう選べばいいの?おしゃれで機能的なエクステリアにするポイントを紹介

住まいの印象を大きく左右する玄関アプローチ。外構工事やリフォーム工事を計画するときにはデザイン性はもちろんのこと、安全性や防犯性にも配慮する必要がある。そこで、玄関アプローチの役割やメリット・デメリットを把握し、おしゃれで機能的な玄関アプローチづくりのコツについて、数多くのエクステリア商材を取り扱うLIXILに伺った。エクステリア空間づくりの参考にしてほしい。

玄関アプローチの役割とは?

パブリックからプライベートへつなぐ「道」

玄関アプローチは、門から玄関扉までをつなぐ「道」のこと。屋外のパブリックな空間から、プライベート空間である住まいへ誘う導入部分の役割を果たしている。住まい手にとっては毎日目にする場所であるだけでなく、訪れる人が初めに目にする場所でもあるため、住まいの第一印象を決める役割も。門柱との組み合わせや外観とのコーディネートなど住まう人のこだわりやセンスの良さを表現することができる。

防犯やバリアフリーの機能をもたせることも

玄関は人の往来があり人目につきやすい場所であるため、アプローチをカーブさせたり、門壁や樹木によってプライバシーを確保したりと、防犯面の役割も大きい。
また、ベビーカーや車いすを使用する場合など、目的に合わせたバリアフリー機能をもたせることも可能だ。道路から建物までに高低差のある土地でも、アプローチをカーブさせれば傾斜が緩やかになる。

プライバシーを守りながら奥行き感を演出した回廊のようなアプローチ
玄関アプローチのデザインをこだわることで、行き来する度に心地よさを感じることができる(画像/PIXTA)

玄関アプローチのプランニングで注意するポイント

アプローチはゆとりのある幅を確保しよう

玄関のアプローチ幅に明確な基準はないが、最低限必要な幅は約0.6mとされている。ただし、実際には圧迫感を感じることが多いので、傘をさす、荷物を持つ、すれ違う、自転車を押すといった行動を考慮して1.2m程度の幅をもたせておくと安心だ。
また、滑りにくく凹凸が少なく歩きやすい素材を選び、安全面にも配慮しよう。

アプローチを曲線に仕上げておしゃれな印象に

玄関ドアを開けたときに、家の中が道路側から丸見えになるのを避けるため、アプローチはできるだけ玄関の正面に設けないよう計画しよう。また、アプローチをカーブさせたり変化をつけることで、奥行きや空間の広がりを感じさせ、おしゃれな雰囲気を演出できる。

カーブさせてたアプローチ
曲線を描くことで、空間に奥行きや広がりが生まれる(画像/PIXTA)

オープン外構は玄関アプローチで侵入防止効果も

住まいの周囲を塀や柵で囲わないオープン外構は、外から玄関までが見渡せるので、明るく開放的な印象になる。一方で、外からの見通しの良さが防犯面ではデメリットにも。そこで、周辺環境に応じて、見られたくない部分には樹木などで目隠しをしてプライバシーを守る工夫が必要だ。また、道路との境界が曖昧になるため、侵入や敷地内を横断されるリスクもある。玄関アプローチの演出で敷地と道路との境界線を明確にし、開放感を損なうことなく侵入や横断を防ごう。

玄関前に目隠しになる壁を設けたアプローチ
玄関前に目隠しになる壁を設けることで、プライバシーを確保できる(画像提供/LIXIL)

外観デザインとの調和を意識した空間づくりを

外観と玄関アプローチは、それぞれの意匠性が高くてもテイストが合っていないとちぐはぐな印象になり、お互いのデザインの良さを活かすことができない。玄関アプローチをプランニングする際は、外観デザインとのバランスを考えてコーディネートしよう。照明計画も併せて検討すれば、夜間には違った雰囲気を楽しむこともできる。その際は、足元が暗くなり過ぎないよう注意が必要だ。
また、さまざまな素材を組み合わせたデザインが可能だが、あまり多くの色を使い過ぎるとまとまりのない印象になってしまうため、色調のトーンをそろえるのがオススメ。

門まわりを下からライトアップすることで、足元の明るさを確保しながら幻想的な雰囲気を演出したアプローチ
照明による演出次第で雰囲気はガラリと変わる。樹木や花をライトに当てる演出をすると景観も楽しめる(画像提供/LIXIL)

それぞれの素材の特徴を活かし、おしゃれな玄関アプローチに

玄関アプローチ部分の素材によって、印象はガラリと変わる。外構に使用されるさまざまな素材の特徴やメリットを押さえておこう。

敷石

石灰岩や御影石などが多く使われ、和風と洋風どちらのデザインにも合わせやすく、玄関アプローチに高級感を生み出す。高級感のある大理石は濡れると滑りやすいため、滑りにくい加工を施してあるものを選ぼう。

それぞれの石のニュアンスの違いから、重厚感が感じられる敷石のアプローチ
割れにくく丈夫なため、メンテナンスがしやすいのもメリット(画像/PIXTA)

レンガ

自然素材ならではの温かみのある質感があり、色合いには濃淡のバリエーションがあるのが特徴。コストを抑えたい場合には、レンガ風の安価な素材を使っても雰囲気を楽しめる。

洋風デザインやグリーンとの相性が良いレンガアプローチ
レンガは組み合わせしやすく、DIYにも活用しやすい(提供/PIXTA)

枕木

アンティークな味わいが人気の枕木は、安価で和洋どちらのテイストにもマッチする。木材なので経年劣化はあるものの、かえって味わいのある演出に一役買ってくれる。最近ではコンクリート製の疑似枕木もある。

石やレンガなどの素材と組み合わせてこなれ感のあるナチュラルなテイストの枕木のアプローチ
フレンチカントリースタイルなどアンティークな雰囲気のエクステリアとマッチする(画像/PIXTA)

タイル

タイルは、大きさや質感、カラーが豊富で、品質にバラつきが少ない。また、汚れが落としやすく、メンテナンス性も◎。水に濡れると滑りやすくなるタイルもあるため、玄関アプローチに使うときは、滑りにくい加工が施されている屋外専用のタイルを選ぼう。

ガラスブロックなど無機質な素材と組み合わせることで、直線的なデザインに統一されたタイルのアプローチ
色柄などデザインバリエーションも豊富なので、さまざまなデザインを楽しむことが可能だ(画像提供/LIXIL)

コンクリート

コンクリート仕上げは、無機質でスッキリしたモダンな印象に。天然石や木材、レンガなどの型があり、カラーも選べる。他の施工法に比べて容易で経済的だが、仕上げ方によっては濡れると滑りやすいこともあるので配慮が必要だ。

アーチ状のライン部分に芝生を植えて、おしゃれなデザインにしたコンクリートのアプローチ
明るくポップに仕上げたり、重厚な雰囲気に仕上げたり、イメージに合わせて自在な意匠性を表現可能(画像/PIXTA)

インターロッキング

コンクリートの一種で、お互いがかみ合うような形でレンガ調に組み合わせた工法。隙間は水はけが良いが、そこから雑草が生えてくる場合があるため、メンテナンスが必要だ。

サイズの違うコンクリートブロックを組み合わせてリズム感のあるデザインにしたインターロッキングのアプローチ
素材・カラーバリエーションが豊富で、滑りにくく、デザイン性に優れている(画像/PIXTA)

砂利

敷き詰めて仕上げるだけで手軽な砂利は、イメージを変えたいときやDIYにも向いている素材。アプローチには、形がきれいで種類が選べる「化粧砂利」と呼ばれるものが適している。地面の上に防草シートを敷くと、雑草が生えにくくなる。

白を基調にした外観に合わせて、白の砂利を敷いてコーディネートしたアプローチ
大きめの砂利は人が歩くと音が鳴ることから、防犯対策としても効果的(画像提供/LIXIL)

洗い出し

コンクリートが固まりきる前に表面を水で洗い流し、原料である砂利や砕石を浮かび上がらせる工法。きれいに仕上げるためには熟練された職人の技術が必要となる。

砂利や砕石の凹凸により表情が生まれ、上品な雰囲気に仕上げた洗い出しのアプローチ
和洋どちらの雰囲気にもマッチし、滑り止めの効果がある(画像/PIXTA)

自然の温かみを感じるグリーンをプラス

アプローチに欠かせない植物は自然の温かみで、石やコンクリートなどの素材の無機質さを緩和し、配置によって目隠しや日よけの役割も。ただし、植栽を増やしすぎたり複雑なデザインにすると、死角が生まれ、侵入者が隠れやすい場所ができるので、見通しの良さは確保しておくようにしよう。

また、芝生は自然の緑を演出するだけでなく、クッション性があるため安全面のメリットも。芝生には天然芝と人工芝があり、天然芝は四季の変化を楽しめるが、メンテナンスの手間がかかる。人工芝は一年を通じて見た目の変化がないため、メンテナンスの手間を省きたい人向きだ。

さまざまな種類の植栽によって四季を感じられる玄関アプローチ
シンボルツリーを植えたり、花壇や鉢植えなどで空間に彩りをプラスすることができる(画像/PIXTA)
まとめ

玄関アプローチは、門から玄関扉までをつなぐ「道」のこと。屋外のパブリックな空間から、プライベート空間である住まいへ誘う導入部分の役割や、住まいの第一印象を決める役割を果たしている

人目につきやすい玄関を玄関アプローチによってプライバシー確保し、防犯面も強化できる。また、ベビーカーや車いすなどの使用する場合などバリアフリー機能をもたせることも可能

玄関アプローチをプランニングする際は、外観デザインとのバランスを考えてコーディネートを。アプローチの素材やグリーンを効果的に取り入れながら、気持ちの良い空間を演出しよう

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取材・文/金井さとこ
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