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間取りや設備、インテリアなどを自分で選んでいく注文住宅は、予算に合わせて何にお金をかけるかのやりくりができる。しかし、いくらでどんな家が建てられるのかが分からなければ、自分の予算が満足できる家を建てられる金額なのか、どんなグレードの設備を選べばいいのかイメージすることも難しいだろう。そこで、注文住宅の平均床面積と平均建築費のデータをもとに相場観を参考にしてみよう。注文住宅の建築費の価格帯によって、どんな家が建てられるのか、ハウスメーカー選びのポイントなどを、一級建築士の佐川旭さんに聞いた。
※2025年8月、注文住宅の平均床面積と平均建築費のデータを2025年発表のデータに更新
人生最大の買い物ともいえる、住宅の購入。はじめて購入する場合は「何にいくら必要か」が想像できない人も多いだろう。まずは、注文住宅の購入にかかる費用の全体像と内訳から解説しよう。
家を建てるときは、「土地の取得費用」と「家の建築費用」、そして「頭金」の大きく3つの費用がかかる。ただし、頭金は別途加算されるわけではなく、あくまで住宅費用の一部を先払いするものだ。
『2024年度 フラット35利用者調査』における「土地付注文住宅融資利用者の主要指標」によると、建設費の全国平均は約3512万円、土地取得費の全国平均は約1495万円。ケースバイケースだが、土地の取得費用と建築費用は「3:7」の比率になっているようだ。
内訳としては、手付金(物件価格の5%~10%)、購入物件の残代金(物件価格-手付金-住宅ローン借入金)、購入諸費用(印紙税・仲介手数料の半金)となる。購入諸費用は「土地代金+家の工事費用」の6%~10%が目安となる。ただし、土地の条件や建築工事のスケジュールや住宅ローンの借り方によってはこれより多くなることも。家の建築を行う会社(工務店、ハウスメーカー、ビルダー、設計事務所、など)には、全体的なスケジュールや資金計画の相談ができる会社もあるので、建築会社を先に選んで相談しながら土地を選ぶのも方法のひとつだ。
工事契約時に工事契約金・建築確認申請費、着工時に着工金・地鎮祭費用、上棟時に中間金・上棟式費用、引渡し前には建築費の残代金・建物の登記費用(不動産登記・抵当権設定登記時に必要な登録免許税など)などがかかる。(地盤に不安がある場合は、見積もりのタイミングで地盤調査費用などが別途発生するケースもある)
また、上記以外で引渡しまでに支払う購入諸費用としては、ローン借入費用(事務手数料・保証料・火災保険料など。つなぎ融資が必要なローンもある)、これに加えて税金などの清算金。
(詳細については、SUUMO住活マニュアル「家を建てる・土地を買う手続きと費用」を参照)
(価格帯注)
※建築費1000万円台・2000万円台・3000万円台・4000万円台の価格帯に分けて解説するが、各価格帯でどんな家が建てられるかはハウスメーカーによって異なるため、詳細は依頼先のハウスメーカー担当者やモデルハウスで確認をしよう
※各価格帯には土地取得費は含まれない
頭金とは、住宅購入の際、先に支払う代金の一部のことだ。現在、住宅ローンは住宅の代金すべてを借り入れる「フルローン」を利用できることも多いが、頭金を支払うことで、住宅ローンの借入金を減らし毎月の返済負担を楽にすることができる。また、住宅ローン審査が比較的通りやすくなるというメリットも見逃せない。
一般的に、頭金として、住宅価格の2割程度の金額を準備しておいたほうがよいとされるが、住宅購入者は実際にどの程度の割合の自己資金を準備していたのかを、国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」から見てみよう。
| 住宅の種類 | 自己資金比率 |
|---|---|
| 既存(中古)集合住宅 | 43.8% |
| 建て替え住宅 | 57.1% |
| 既存(中古)戸建住宅 | 36.6% |
| 分譲集合住宅 | 44.7% |
| 土地を購入した注文住宅(新築) | 32.2% |
| 分譲戸建住宅 | 27.3% |
上記の自己資金には、住宅ローン事務手数料などの諸費用も含まれているため、すべてが頭金として支払われたものというわけではない。しかし、多くの住宅購入者がある程度の金額は準備していたことがお分かりいただけるだろう。
注文住宅を建てている人は、どれくらいの広さの家に、いくらくらいの費用をかけているのだろう。「令和6年度 住宅市場動向調査」のデータによると、住宅面積の全国平均は約113.8m2、建築費は注文住宅 土地購入費用含まない場合は約4695万円(三大都市圏平均で5243万円)、土地購入費用を含むと約6188万円。地域によって平均的な広さや建築費にバラツキはあるが、約130m2(約40坪)くらいの広さの家を建てる場合、注文住宅であれば建築費に4000万円ほどの費用がかかりそうというイメージができるだろう。
※2023年度に住み替え・建て替えられた住宅の平均床面積と一次取得者(はじめて住宅を購入した人)の平均建築費(土地購入資金も含む)
| 床面積 | |
|---|---|
| 全国 | 113.8m2 |
| 三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏) | 121.5m2 |
| 建築費 | |
|---|---|
| 注文住宅※ | 6188万円 |
| 分譲戸建住宅 | 4591万円 |
| 分譲集合住宅 | 4679万円 |
| 中古戸建住宅 | 2917万円 |
| 中古集合住宅 | 2919万円 |
販売価格が決まっている建売住宅と違い、予算によって建築費を調整できるのが注文住宅のメリット。ハウスメーカーでも1000万円前後から建てられる家や、2000万円台、3000万円台、4000万円台など、さまざまな価格帯の住宅商品を用意している。
「床面積100m2~120m2(30坪~40坪程度)の注文住宅で考えた場合、建築費として多いのは2000万円~3000万円台。この価格帯は住宅商品も多いボリュームゾーンです。1000万円台はさまざまな工夫で建築費を抑えた家。4000万円台以上は高級仕様な家といえます」(佐川さん、以下同)
価格帯別の特徴と実例を見ながら、それぞれの価格帯でどのような家が建てられるのかを見ていこう。
「まだ若くて予算はないけれど早く家を持ちたい、教育費や趣味など家以外のことにお金をかけたい、予算を抑えて早くローンを完済してしまいたいなど、コスト重視の人に選ばれる価格帯です。建築費は家の形に左右されることが多いので、凹凸の少ない長方形や正方形のシンプルな家が多い傾向にあります」
材料費の単価が高い外壁材や屋根は、使う量が多いほど材料費がかさんで建築費を押し上げる。また、コの字型やL字型、中庭を建物で囲んだロの字型の家、出窓が多くあったり、外壁を凹ませてベランダを多く設けたりなど凹凸の多い外観デザインは、同じ床面積でも建物の表面積が多くなるため、材料費も足場代も高くなる。複雑なデザインは施工の手間もかかるので人件費も増える。1000万円台で家を建てたい場合は、このようなコストのかかる要素をなくした、シンプルな外観デザインで建築費を低く抑える必要があることができたのが1000万円台の家だ。
長方形や正方形で、1階と2階の床面積が同じ総2階建てで、屋根は本を伏せたような形の山形の切妻屋根や、傾斜が1方向の片流れ屋根の家ならコストが低くなるだろう。

「1000万円台の家は、内装も単価が安く、塗り壁に比べて施工日数も短くて済むビニールクロスを主に使い、間取りもシンプルです」
あまり凝った間取りや無垢(むく)材(合板や集成材ではなく、丸太から切り出した自然のままの木材)や漆喰(しっくい・消石灰に糊などを加えて水で練った塗料)などの自然素材を多く使うことはできないが、シンプルな空間だからこそどんなテイストの家具でも合わせやすく、カーテンやソファのカバーなどファブリックを替えるだけで部屋の雰囲気を違うものにできたりなどのメリットもある。
ハウスメーカーによっては、複数の家族構成やライフスタイル、年代に合わせた基本設計プランを用意して設計にかかる手間や日数を削減したり、標準仕様の設備や内装材、外壁材などを大量仕入れすることでコストを抑えたり、設計から施工、現場管理まで自社内で行うことで中間マージンを省いたりなどの工夫で価格を1000万円台に抑えている。つまり、性能を落とした結果の1000万円台ではなく、性能は保ったままで手頃な価格に抑えて提案することも可能なのだ。
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ブルーと白の爽やかな色のラップサイディングの外観デザインが、西海岸の明るい陽射しを思わせるフラットハウス。アメリカンスタイルのカバードポーチでリビングと庭をつなげてフェンスで囲い道路と分離し、室内と庭を自由に行き来して遊ぶ子どもと愛犬の安全・安心を確保している。

いつでも家族が集まってくる広々としたLDK。キッチンとダイニングは横並びのレイアウトのため、配膳やあと片付けの動線もスムーズ。キッチンは、木枠の飾り棚をホワイトでペイントしてもらい、可愛いナチュラルカフェスタイルに。

カウンタートップをモザイクタイルのブルーにし、鏡の縁取りはゴールドと、好みの色とスタイルでデザインしてもらったハンドメイドの洗面台。
建築費 :1383万円
延床面積:76.18m2
竣工 :2023年4月
設計・施工:アットナチュレ
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可愛い系だけど可愛すぎない家を目指し、アクセントカラーをべージュで統一。眺めるだけで気持ちがホッと和らぐ古民家のような佇まいの外観、それでいてシンプルな家が完成。

モデルハウスを参考にレイアウトしたLDKは、大きな窓からウッドデッキや庭へのつながりと吹き抜けも相まり、のびのびと開放的。デザインだけでなく回遊動線の暮らしやすさにもこだわった。

リビング横のプラスα空間をキッズスペースに。客間にもなり、あると安心な一角となった。右側のアール型のミニドアは、階段下を有効活用した大容量の階段下収納。
建築費 :1850万円
延床面積:109.92m2
竣工 :2024年7月
設計・施工:アットナチュレ
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2000万円台でどんな家が建てられるかは、どこにお金をかけるかによって違ってくるので一概にはいえない。予算配分のメリハリをうまくつけて、理想の住まいにしていこう。
1000万円台に比べれば予算に余裕はあるため、せっかくの注文住宅なのだからと、家づくりへの希望を次から次へと盛り込んで、予算オーバーになりがちな価格帯でもある。予算内に収めようとすると希望のすべてを実現することはできないかもしれないが、内装は安価なものにしてシステムバスはミストサウナなどの機能もあるグレードの高いものにするなど、予算配分を工夫することで夢を実現できることも。
「家を建てると、建築費以外にも家具を買い替えるなどのお金がかかります。建築費の予算が2000万円台という人は、建築費以外も含めた家にかかわるコスト全体で予算配分を考えてもいいでしょう。例えば、内装にはコストをかけずに自然素材のいい家具を入れるとか、家具の買い替えはせずに今使っているものをそのまま使い、家具購入費を圧縮した分でドアや窓にいいものを使うといったこともできます」
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グレイッシュグリーンの木目調サイディングと、ベージュのレンガ調サイディングの外壁が印象的。屋根は、外壁との相性もいいネイビーを選んだ。太陽光発電パネルも搭載し家計にも優しい。

リビング全面が吹抜けの開放的なLDKは、17帖とは思えない広がりと空間を囲む高窓からの光で、明るいくつろぎの場に。階段下に設けたこじんまりとしたヌックは居心地よく、適度に囲まれたこもれる空間となっている。

リビングやテラスまで見渡せるオープンキッチン。ペニンシュラキッチンの中と外に廊下への出入り口を設け、キッチンを中心にぐるりと回れるレイアウトに。廊下~ファミリークロゼット~水回り~LDK~ホールという回遊動線にすることで、効率的な暮らしを実現した。
建築費 :2000万円台前半
延床面積:105.16m2
竣工 :2023年1月
設計・施工:木下工務店
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“緑の中でゆったりと暮らす”をテーマに、2つの大きな窓とテラスを設け、豊かな緑や川の眺めを愉しめるようプランニングしたLDK。内装は景色の映えるホワイト×温かみのある木目を選び、ナチュラルで心地よい空間を実現。中央奥の階段下には、プリンターやWi-Fi機器などをしまえる収納も造作した。

玄関からパントリー経由でキッチンへ出る動線にしたため、帰宅後すぐに購入した食材をしまうことができて便利。パントリーの扉は玄関にいる来客からも見えるので、洗練されたルーバー扉を選択。

壁色をグレーのグラデーションでまとめ、落ち着いた雰囲気に仕上げた寝室。南側に設けた窓から豊かな緑と鳥の声が届き、気持ちよく目覚めることができる。左奥には大容量のウォークインクロゼットも設け、すっきり片付く住まいに。
建築費 :2000万円台
延床面積:114.27m2
竣工 :2023年4月
設計・施工:アイ工務店
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3000万円台の家というのは、3000万円前半までは平均的なグレードと広さの家を建てられる価格帯、3000万円後半は平均よりも設備や建築資材のグレードをアップさせたり、家の大きさを広げたりすることが可能な価格帯といえる。
すべての希望は実現できなくても、好きなデザインや間取り、憧れの設備などをいくつか導入できるのがメリット。
「3000万円台で建てるなら、予算に合わせてお金をかけるところ、コストを抑えるところのバランスをとるといいでしょう。壁は部屋によってビニールクロスと漆喰(しっくい)などの自然素材を使い分けるとか、外観デザインに凝りたいなら内装材を安いものにするとか。LDKの床には無垢材を使い他の部屋はクッションフロア(クッション性のある発泡層を含んだシート状の床材)にするなど、自分たちが家の中で何を、どこを重視するかを考えることが必要です。予算の中でできること、できないことを選ぶことになるため、プランを決めるまでの時間がかかりがちなのがこの価格帯で建てるケース。家族で迷ったり話し合ったりする時間を通して、自分たちがどんなライフスタイルを望むのかを考えるよい機会にもなるはずです」
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西側に林が広がる高台の土地に、ロケーションを借景として活かして建てたガレージハウス。白い壁と目隠しを兼ねたアクセントウッドの格子が美しい、ガレージを併設した家。

リビングからフラットに続くウッドデッキは室内のような落ち着きある佇まい。床はイタウバ、天井には燻した無垢材を使用し、自然と融合する空間に。

アウトドアが趣味のため、アウトドアギアを入れる広いガレージは必須だった。アウトドアグッズの他、自転車やSUPなどが収められている。玄関からシューズクロークを経てガレージに行く動線も用意。
建築費 :3000万円台前半
延床面積:165.33m2
竣工 :2023年3月
設計・施工:エーセンス建築設計
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“モダンヨーロピアン”なカラーリングにこだわった、モノトーンに木の風合いが映える外観。庭先への動線は門扉をつけることによってプライバシーを確保している。

スキップフロアの下にキッズスペースを設けた個性的なLDK。落ち着いたモノトーンを採用し、スキップフロアが際立つように、隣接するキッチンは色もプランもシンプルに。

シックなグレーの作業カウンターと、木調のカップボードの組み合わせがおしゃれなグラフテクトのキッチン。ダイニングテーブルをカウンターと横並びにできるように設計した。
建築費 :3200万円
延床面積:119.07m2
竣工 :2023年8月
設計・施工:TAINN DESIGN 一級建築士事務所
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延床面積100m2~120m2(30坪~40坪程度)の注文住宅とすると、建築価格4000万円台は予算に余裕のある価格帯だ。
「家へのこだわりの強い人が希望をプランに盛り込んでいくと、4000万円以上の建築費になる傾向があります。つまり、4000万円台の家というのは、さまざまなプランが実現可能な価格帯だということです」
中庭のあるロの字型やコの字型の家など、凹凸が多く外壁面積が多くなるプランも選択可能。室内の素材も施工に手間と日数がかかるためコストがかさむ漆喰などの自然素材をふんだんに使える。建築費4000万円台は、予算内に抑えることを一番のポイントとせずにプランニングができる価格帯といえそうだ。

「玄関から廊下、LDKまで同じ無垢材のフローリングにして空間の一体感と高級感を出して、吹抜けなど施工にコストがかかるプランも取り入れやすくなるなど、家の中のプランのバリエーションも多くなります。150万円~180万円の高価格帯のシステムバスを設置するなど、100万円程度かかる無垢材のウッドデッキをつくることも難しくありません」
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大きな車も置けるハーフビルトインガレージの家。コテむらが個性的な漆喰塗りの壁、レッドシダーの鎧張りをアクセントにした、ほどよくナチュラル感の外観に。

大きな格子窓を配置し、日当たりがよく抜け感のある明るいリビング。床材は温かみのあるブラックチェリー、天井のピーリングにはヘムを使用。ヘリンボーン張りの床、レトロなスイッチカバー、インダストリアルなタイルやアイアンなど、インテリアにこだわり、好きなものを選んで組み合わせた。

キッチンの奥にパントリーを設け、冷蔵庫や家電類を収納。パントリー内の壁は、家全体のアクセントで使っているブルーに。
建築費 :4000万円
延床面積:87.16m2
竣工 :2023年11月
設計・施工:オモシロ設計集団 ecomo(エコモ)
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注文住宅づくりのパートナーともいえるのが、ハウスメーカーや施工会社。次のポイントを参考に、自分に合うパートナーを見極めよう。
注文住宅を建てる際は、安心感の高いハウスメーカーのほか、デザイン性の高い物件を得意とする設計事務所、地域に根ざした会社が多い工務店などから1社を選ぶことになる。それぞれ特徴や得意分野が異なるが、ハウスメーカーには「会社の規模が大きい」「ある程度規格化されているため品質が一定」「アフターサービス含めサポート体制が充実している」などのメリットが挙げられる。
ハウスメーカーを選ぶときのポイントとなるのが「工法」だ。次のどの工法が用いられているかによって設計自由度や耐震性、コスト、仕上がりなどが変化するため、契約前によく確認しよう。
| 設計自由度 | 耐震性、耐火性 | 工期 | コスト |
|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | △ | △ |
| 設計自由度 | 耐震性、耐火性 | 工期 | コスト |
|---|---|---|---|
| △ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 設計自由度 | 耐震性、耐火性 | 工期 | コスト |
|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | △ | △ |
| 設計自由度 | 耐震性、耐火性 | 工期 | コスト |
|---|---|---|---|
| 〇 | ◎ | △ | △ |
| 設計自由度 | 耐震性、耐火性 | 工期 | コスト |
|---|---|---|---|
| △ | 〇 | 〇 | 〇 |
多くのハウスメーカーで、手頃な予算で建てられる家からハイグレードな家まで、幅広い価格帯の住宅商品が用意されている。自分の予算内で建てられそうな住宅商品はないかをホームページで情報収集して、気になるハウスメーカーのモデルハウスや完成見学会で担当者に聞いてみるといいだろう。
では、工法やコスト面などのほかにどんなことに注意すればいいのだろうか。
「家を建てたあとのアフターフォロー体制をよくチェックすることも大切。ハウスメーカーの営業担当者は、転勤や異動で家を建てたエリアを離れることもあります。時には、後任の担当者の対応がそれまでと違ってトラブルになることも。会社として引渡し後のメンテナンスや点検、対応などが整備されていると安心です」
ハウスメーカーの中には、20年~30年を超える長期保証を掲げている会社も。ただし、数字だけを見るのではなく、アフターフォローは有償か無償か、どの範囲まで保証対象か、どのような場合に保証適用外となるのかなど、細かな部分まで確認しておこう。
人付き合いにおいては人柄や相性が大切だが、ハウスメーカー選びでは「営業担当者と話が合った」「営業担当者が親切だった」という理由だけで決めるのはNG。
「家づくりにどんな知識を持っているか、プロとしての視点でアドバイスをしてくれる人かを重視するべきです。ハウスメーカーは営業と設計は違う人が担当することが多いので、営業担当者が家づくりに精通していなければ、施主からの希望がその家族に合っていないプランであってもそのまま通してしまい、暮らしにくい家が完成してしまう可能性もあります」
次のような質問を投げかけて、知識量や対応力などについて確認するのもいいだろう。とくに敷地調査の結果については、しっかり中身を精査していればすぐに回答できるはず。契約の獲得だけにとらわれず、顧客と真摯(しんし)に向き合っているかを判断する要素にもなるだろう。
<質問例>
最後に、実際に注文住宅を建てるときの一連の流れを解説する。資金計画から本契約、そして引渡しまで、どのようなプロセスになるのだろうか。
注文住宅に限らず、物件購入の最初のステップが予算と資金計画を決めること。予算の上限は住宅ローンで借りられる金額と自己資金(貯蓄や親族からの援助など)の合計額となり、住宅ローン借入額は物件費用の80%以下を目安にしよう。借入の上限額は年収や年齢、勤続年数や働き方などによって異なるが、ここで大切なのが上限額いっぱいではなく、現実的に余裕を持って返せる金額を見極めること。毎月のローン返済額のほかにも、保険料や税金、修繕費などの諸費用がかかることを考えると無理をするのは禁物だ。
注文住宅は同じ価格帯でも、施主がどこにお金をかけるかによってプランが違ってくる。同じ広さや建築費でも、「内装は安価な材料を選び、キッチンにたくさんお金をかけた」という家もあれば、「設備も内装も外装も、平均的なものを選んだ」という家も。どんな家が建てられるかは、まずは無理のない予算、そしてどこにどれくらいお金をかけるかという施主の考え方次第。注文住宅を建てるなら、どんな家だと居心地がいいか、暮らしやすいかを家族で話し合うことから始めよう。
「契約してから詳細を詰めていけばいいか」と思う人も多いが、大まかな間取りや設備、仕様などについては本契約前に確定させておくのが賢明。ざっくりとしたプランのまま進めてしまうと、のちのち費用がかかりすぎたり、工期が遅れたりといったリスクにつながるためだ。十分なプランニングと話し合いによって、トラブルを回避しよう。
資金計画だけでなく、段取りの確認やハウスメーカー選び、コンセプト決めなど、注文住宅づくりは考えることが多い。はじめての家づくりの際は、経験豊富なプロに相談するのが安心だろう。住宅購入を考えている方は、ぜひ個別相談や講座などがすべて無料の「スーモカウンター」に相談してみてほしい。「段取りについて知りたい」「自分に合うハウスメーカーを選びたい」など、気になる疑問をクリアにしながら一緒にプランニングしていけるのが魅力だ。
無事に施工会社が決まれば、一般的に「本契約→詳細設計→追加変更契約→着工→上棟→完成引渡し」という流れで進んでいく。契約時には「工事請負誓約書約款」や「重要事項説明書」、「工事見積書」、「建物図面・設計図」など、さまざまな重要書面が交わされる。のちに後悔しないよう、気になる点については徹底的に確認し、本契約の7~10日前にはクリアにしておこう。
とくに、マネープランにも影響することなので、「どのタイミングで何割の支払いが必要になるのか」や「住宅完成保証制度の加入有無・条件」などは確認必須だ。
注文住宅でかかる費用の内訳は、「土地の購入時」と「家の建築時」の2段階の手続きで支払いが発生する
注文住宅の建築費は「1000万円前後」から「上限なし」までと、建てる人の予算次第
建築の依頼先をどのハウスメーカーにするかは価格帯のほかに、営業担当者が家づくりに精通しているか、家を建てたあとのアフターフォロー体制のチェックも大切
注文住宅はプランニングが重要。まずは、基本の段取りや資金計画などについて経験豊富プロに相談してみよう