SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。
トラブルや犯罪被害などを予防するため、防犯カメラを家に設置するケースが増えています。
今はまだ設置していなくても、そのうち設置しようと考えている方や、どのような防犯カメラがあるのか気になっている方、そもそも一般の家で防犯カメラが本当に必要なのか気になっている方も多いでしょう。
そこで本記事では、一戸建て住宅での防犯カメラの必要性や、目的について解説します。
また、代表的な防犯カメラの種類や機能、費用のほか、防犯カメラの選び方や設置する場所について、元・大阪府警刑事で、一般社団法人全国防犯啓蒙推進機構・理事長の折元洋巳さんにわかりやすく教えてもらいました。
一戸建て住宅に防犯カメラを設置する方が増えていますが、設置を迷っている方や、本当に必要かどうか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、まずは防犯カメラをつけている家の割合や、設置している目的を紹介し、一戸建て住宅における防犯カメラの必要性について解説します。
ALSOKの「第2回 防犯カメラに関する意識調査」(2018年12月)によると、自宅に防犯カメラを設置している割合は「23.8%」でした。
そのうち、集合住宅などで最初から防犯カメラが設置してあったケースを除くと、自分自身で防犯カメラを設置したという割合は「7.4%」で、それほど高くはありません。

しかし、全国の警察が犯人の逮捕にいたる過程で、防犯カメラなどの映像が容疑者特定のおもなきっかけになったケースは増えています。
実際、令和5年中に警視庁本部で録画した1022件の映像データのうち、540件(約53%)が容疑者の検挙活動・事件解決等に活用されました。
元・大阪府警刑事、一般社団法人全国防犯啓蒙推進機構・理事長の折元洋巳さんも、昨今の防犯カメラの設置状況について以下のように話します。
「地方自治体によって制度の有無や条件、補助金額などは異なりますが、個人の家でも防犯カメラの設置費用の一部を補助してもらえる制度があり、防犯カメラを設置する方は少なくありません。
防犯カメラの映像が犯人を特定するきっかけになったといったニュースを見て、導入を検討する方もいて、一般の家庭でも設置する方が増えていると実感しています」(以下、「」内は折元さん)
防犯対策補助金を導入している自治体の例
東京都荒川区「荒川区住まいの防犯対策補助金交付制度」
東京都江戸川区「防犯カメラ設置に関する補助」
東京都品川区「品川区住まいの防犯対策補助金交付制度(一戸建て住宅における防犯カメラ等の設置)」
防犯カメラ設置の補助金やその条件については、お住まいの自治体に確認するとよいでしょう。
先述のALSOKの「第2回 防犯カメラに関する意識調査」を見ると、自宅に防犯カメラを設置している理由として、侵入窃盗犯対策を挙げる方が多くいます。

「防犯カメラを設置する目的は『証拠を残すため』と思われがちですが、窃盗犯や強盗はマスクと帽子で顔を隠すので、顔がはっきり写らないこともあります。常習犯や明らかに顔がわかる顔見知りであれば、本人の特定や余罪追及に役立つことはありますが、万全な解決ではありません。
防犯カメラを設置することで、防犯に気を付けている家だと示すことができ、窃盗犯侵入の抑止効果につながるのです」
つまり、防犯カメラは窃盗犯や強盗犯の特定のためではなく、おもに犯罪の抑止のため、そして抑止効果によって安心感を得ることを目的とする場合に有効だといえます。
一戸建て住宅の防犯について知りたい方は、こちらの記事もチェックしてください。
→平屋は防犯面からやめたほうがいい?後悔しないための防犯対策とは
防犯のプロから見て、一般の家に防犯カメラは必要でしょうか。
「防犯対策としてベストではないが、ベターです。侵入窃盗犯や不審者を防ぐには、まず窓と扉が重要なので、窓対策としての防犯フィルムと補助錠、玄関・勝手口の『ワンドアツーロック・スリーロック』を行なうことで、防犯性がかなり向上します。
そして、予算に余裕があれば、死角を補完するという意味で防犯カメラを検討することはベターです。犯罪者側の手口と発想を知ったうえで、狙われる箇所をしっかりカバーしてほしいですね」

防犯カメラのおもな種類(形状)は、ドーム型、ボックス型、バレット型、PTZ型です。それぞれの違いを見ていきましょう。
「半球状のドーム型カメラは、『おどろおどろしくないシンプルなものを』という需要がある病院や店舗、マンションのエントランス、会社や事務所などによく設置されます。
抑止効果はボックス型、バレット型より低めです。屋内・屋外ともに使われ、天井や壁がある場所に設置できます。
エレベーターのように、手が届くところに防犯カメラを設置する場合は、ボックス型・バレット型は手で向きを変えられてしまうので、耐衝撃タイプのドーム型カメラを設置しましょう」
一般価格 10,300円~(2024年6月 SUUMO編集部調べ)

「ボックス型は箱のような形状で、一目で防犯カメラだと認識しやすく存在感があるため、高い抑止効果が期待できます。カメラの向きは一方向に固定されており、撮影範囲が限られることから、複数台設置するのが基本です。
ボックス型は屋内で使われることが多いですが、ハウジングケースに収納することで屋外でも使用できます」
一般価格 47,089円~(2024年6月 SUUMO編集部調べ)

「防犯カメラにおける昨今の主流はバレット型で、ビューレット型、弾丸型、ガンタイプとも呼ばれます。ボックス型よりややスッキリした筒状のデザインです。
ボックス型と同様、存在感のある形状で、高い抑止効果が期待できます。また、バレット型は防塵(ぼうじん)・防水機能があるため、屋外設置に適しています」
一般価格 約15,000円~(2024年6月 SUUMO編集部調べ)

「PTZ型(PTZカメラ)とは、レンズを遠隔操作できる防犯カメラを指します。下記の頭文字の略で、カメラの視点の自由度が高いのが特徴です。
工場や駐車場、自然災害の監視など、屋外での利用のほか、子どもやペットなどの家庭用見守りカメラとして用いられています。屋内用より、さまざまな天候に対応できる屋外用のほうが割高になるため、設置したい場所と予算に応じて選ぶとよいでしょう」
一般価格 9,580円~(2024年6月 SUUMO編集部調べ)

防犯カメラにはさまざまな機能が備わっています。ここでは、以下の機能について詳しく解説しましょう。
防塵(ぼうじん)・防水機能は、IPコード(「IP○○」)という英数字で表され、IPの次の数字が防塵(ぼうじん)性、その次の数字が防水性を表しています。
防犯カメラを屋外で使用する場合、雨風に耐えられる防塵(ぼうじん)・防水性能は特に重要です。基準となるのが「IP66」で、強風や豪雨でも粉塵による影響や水没の可能性が低いといわれています。
防犯カメラの焦点距離は4~6ミリメートルで、それ以下は広角、それ以上は望遠です。
広角レンズは幅広い範囲の撮影が可能ですが、対象物は小さく写ります。一方、望遠レンズは撮影範囲が狭い反面、対象物は大きく写ります。
なお、360度撮影できる全方位カメラもありますが、一般家庭で用いられることは少なめです。

光学ズーム機能とは、カメラのレンズを物理的に動かして焦点距離を変化させ、被写体を大きく撮影するものです。映像を拡大しても画質が劣化せず、きれいな映像を確認できます。
遠くに写っている人物や車のナンバーなどを鮮明に拡大したい場合や、店舗における商品の陳列状況、生産現場の安全管理を徹底したい場合などに適していますが、ズームしすぎると撮影範囲が限られます。
音声録音機能のある防犯カメラでは、マイクが内蔵されているタイプや、外部マイクを接続するタイプなどがあります。
内蔵マイクの場合は、風雨の影響がない場所に設置するのが基本です。外部マイクを接続する場合は、別途マイクの購入が必要となります。
また、音声録音機能だけでなく、不審者に対して注意や威嚇をする「スピーカー機能」がついている双方向通話タイプもあります。
2024年現在、防犯カメラの画素数は200万~400万画素(フルHDからフルHD+)が主流です。画素数が高いほど鮮明な映像になりますが、その分費用が高くなり、録画時間が短くなります。
100万画素やそれ以下は古い商品で、現在ではほとんど出回っていません。400万~500万画素が高画質、800万画素以上が最高画質です。
不審者の姿や車のナンバーなどをはっきり撮影するためには、最低でも200万画素以上のものを選ぶとよいでしょう。
夜間に撮影したい場合は、赤外線撮影機能や夜間暗視機能などがある防犯カメラを使用します。
赤外線撮影機能があるカメラは、人の目で感知できない赤外線という特殊な光線を照射するため、暗闇でも撮影できます。映像は白黒が多いですが、最近はカラーで撮影できるカメラも登場しました。
赤外線撮影機能で注意したいのは、窓ガラス越しや至近距離で撮影する場合に、赤外線がガラスや壁に反射して白飛びし、うまく撮影できない点と、撮影範囲が狭い点です。
実際の撮影範囲については、カタログなどに書かれている最大数値の半分くらいを目安にしたほうがよいでしょう。
赤外線ではなく、夜間暗視機能があるカメラは、シャッタースピードを調整することで、明かりが少なくても撮影できるようになっています。
ただし、シャッタースピードが遅いため、人が素早く通ると写らない場合があるので注意しましょう。

「防犯カメラには、ケーブルで電源と接続する有線タイプと、電池やバッテリー充電、太陽光によって稼働させる無線タイプがあります。
電池やバッテリーの場合、いざというときに電池が切れて使えないことがあるため、安定して録画ができる有線タイプがおすすめです。
また、防犯カメラの映像を録画・閲覧するには、録画機器やモニターなどと接続することが多いですが、SDカードに映像を保存したり、無線LANでクラウドストレージに映像を保存したりして、パソコンやスマートフォンで閲覧するケースもあります」
数ある防犯カメラのなかから、自宅にぴったりのものを選びたいのであれば、以下のポイントに着目し、1つずつクリアにしていきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
まずは、何のために防犯カメラを設置するのか、その目的を明確にしましょう。一戸建て住宅で防犯カメラを設置する目的は、犯罪を抑止するためというのが一般的です。
家庭用の防犯カメラは、数千円で購入できる安価なものから高額なものまで、幅広く展開されているため、目的に沿った製品を選ぶことが重要です。
例えば、夜間も撮影したいのであれば赤外線撮影機能つきを、不審者の映像を撮影したいのであれば、光学ズーム機能があるものを選ぶとよいでしょう。加えて、録音機能があれば安心感も増すはずです。
防犯カメラの存在をアピールして犯罪の抑止につなげたいのであれば、存在感のあるボックス型やバレット型がおすすめです。
一方、防犯カメラを目立たせたくない場合には、ドーム型やPTZカメラが適しています。また、ドーム型はカメラの向きがわかりにくいため、どこを撮影しているのか隠したいときにもおすすめです。
設置する場所が屋内か屋外かによっても、選ぶべき防犯カメラは異なります。
屋内に設置するのであれば、雨風の心配がないため、防塵(ぼうじん)・防水機能は基本的に必要ありません。また、スペースが限られることから、比較的コンパクトなドーム型やPTZカメラがおすすめです。
反対に、設置する場所が屋外であれば、「IP66」を基準にしてなるべく防塵(ぼうじん)・防水機能が高いものを選びましょう。
また、著しく暑い場所や寒い場所は不具合が起こる可能性があるため、適度な温度に保つ機能のある、寒冷地・温暖地用専用の防犯カメラを設置することをおすすめします。
さらに、電源の取り込みや、配線がしやすい設置場所を選ぶことも大切です。
先述のとおり、防犯カメラは画素数が高いほど、きれいな映像での撮影が可能です。選択肢は幅広く、100万画素程度の低画質のものもあれば、200万~400万画素のフルHD・フルHD+、さらには800万画素の4Kの防犯カメラもあります。
ただし、画素数が高ければ良いというわけではありません。画素数が高いものほど価格が高くなるため、どの程度詳細に写したいかに加えて、予算も考慮することが大切です。また、画質がきれいな防犯カメラは、データ通信量が増えることで、映像に遅延が発生する可能性もあります。
写った人物の顔や車のナンバープレートを認識したい、証拠画像を鮮明に残したいといった希望があれば、画素数が高いものを選ぶのがおすすめです。価格を抑えたい、スムーズな映像で確認したいということであれば、ある程度画素数を落とすとよいでしょう。
防犯カメラの種類によって撮影できる範囲は異なります。防犯カメラの撮影可能な範囲を把握せずに購入してしまい、映像がぼやけていたり、対象物が鮮明に見えなかったりすると、せっかくの防犯カメラの意味がなくなってしまいます。
防犯カメラを選ぶときは、目的に沿った範囲を撮影できるかどうかチェックしましょう。傾向として、屋内であれば近距離用の防犯カメラ、屋外であれば長距離用の防犯カメラが多く用いられます。
防犯カメラを購入するときにかかる初期費用は、防犯カメラ本体+録画機器+モニターの費用が基本です。
ただし、録画機能一体型カメラや、モニターつきのカメラ、スマートフォンと連携していてモニター不要で使えるものもあります。
さらに、別途設置費用(工事費)がかかる場合もありますが、自分で設置できて工事不要の場合もあるので、事前にしっかり調べておきましょう。
そのほか、SDカード、ケーブル、外部マイクの費用などが必要なこともあります。

防犯カメラ本体の価格は、安価なものだと数千円くらいからありますが、録画時間や画素数、防犯の目的などによって異なります。また、電源をつなぐなどの工事が必要な場合は、数十万円程度かかるため、詳しくは設置する会社にご確認ください。
予算の項目で解説したように、防犯カメラを設置する際に配線工事が必要な場合があります。専門業者による大がかりな工事を避けたいのであれば、自分で設置できる配線不要の機種を選ぶとよいでしょう。
ただし、無線の防犯カメラは、壁の厚さによっては映像が写らないことがあるので注意してください。
なお、配線工事の有無にかかわらず、防犯カメラの設置を専門業者に依頼することもできます。
専門業者に依頼するメリットとしては、自分では設置しにくい場所にも設置が可能である点や、プロの知見を活かし、目的に合わせた最適な設置場所・設置方法を提案してもらえる点などが挙げられるでしょう。
反対に、デメリットとしては工事費用が挙げられます。費用は防犯カメラの種類や設置場所、業者によって異なりますが、先述のとおり数十万円程度が一般的です。
工事日程のすり合わせも必要になり、希望したときにすぐ設置できるわけではないことも、デメリットといえるでしょう。
インターネット環境の有無によって、設置できる防犯カメラが異なります。
自宅にインターネット環境があれば、映像をリアルタイムで確認したり、クラウドストレージに保存したりできる「ネットワークカメラ(IPカメラ)」が選択肢に入ります。映像データの送信にはデジタル信号を用いているため、画質も高めです。
一方、インターネット環境を利用できない場合は、AHD(アナログハイビジョン)のような、専用回線を用いた防犯カメラが利用可能です。
AHDは従来のアナログカメラよりも高画質なのが特徴ですが、電源への接続が必要であり、屋外設置には業者による設置工事も必要になります。
インターネット環境がないケースでは、録画したデータは防犯カメラ内部や専用機器に保存されます。そのため、リアルタイムでの映像確認は難しく、一度、録画機器やメディアにアクセスしなければなりません。
このように、インターネット環境の有無は、防犯カメラの選び方や利用方法に大きく影響を与えます。設置する目的や環境に合わせて、適した防犯カメラを選びましょう。
「防犯カメラの選び方は、使う方が何を求めているかによります。
例えば、不審者にわからないように撮影がしたいなら、ぱっと見てそれとわかりにくい防犯カメラ、夜間の映像も残したいなら暗い場所でも写る防犯カメラなど、設置する目的や予算、欲しい機能、性能など、最初にコンセプトをしっかり決めてからプロに相談しましょう。
防犯のコンサルタントなど、良心的で商品知識が正確な担当者に聞くことも大切です」

「一戸建て住宅の場合は、玄関や、庭に面したリビングの掃き出し窓、勝手口、駐車場などに設置するのがよいでしょう。
レコーダーに接続できる防犯カメラの数(チャンネル数)は、4チャンネル・8チャンネル・16チャンネルが多いため、4台を超えるとレコーダーがもう1台必要になります」
玄関は、どの家庭でも最優先で防犯カメラを設置すべきでしょう。
玄関は、ピッキングによる空き巣のおもな侵入経路であり、第三者による不法投棄や悪質セールスによる押し売り、ピンポンダッシュ、落書きなど、さまざまなトラブルが起こりやすい場所です。
特に、表の通りから見て玄関が見えにくい場合は、狙われやすい傾向にあります。
玄関に防犯カメラを設置する場合は、あえて見える位置に設置することで、トラブルの抑止につながるでしょう。加えて、防犯カメラが壊されないように、手の届かない高さに設置するのがおすすめです。
空き巣の侵入ルートの一つでもある庭や、庭につながるリビングの掃き出し窓に、防犯カメラを設置するパターンもよく見られます。
特に表の通りから死角になっている場合は、通りから見えるように防犯カメラを設置することで、空き巣や不法侵入への強い抑止力になるでしょう。
また、掃き出し窓に防犯カメラを設置することは隣近所の防犯にもつながります。結果的に地域全体の安全にも貢献できるでしょう。
なお、同じく泥棒や空き巣の侵入経路になりやすいベランダの防犯について知りたい方は、ぜひこちらもチェックしてください。
駐車場・駐輪場には広画角の防犯カメラの設置がおすすめです。
特に自転車は盗難の被害に遭いやすく、家の前の通りが通学路の場合は、子どもによるいたずらが発生するおそれもあります。
近年ではインターネットで気軽に転売できることから、自動車・二輪車・自転車のパーツや子ども用遊具が盗まれる事件も増えています。
万が一盗難の被害に遭っても、防犯カメラの映像が証拠になるでしょう。
また、防犯カメラの設置と併せてセンサーライトを設置すると、より高い犯罪抑止効果が期待できます。
防犯カメラには死角があります。種類にもよりますが、防犯カメラの真下や防犯カメラに近すぎる場所はその代表といえるでしょう。
また、家の構造の関係でどうしても死角が生まれることもあります。防犯カメラを設置する際は、死角を減らすことが大切です。
防犯カメラ1台ではどうしても死角ができてしまう場合は、2台以上を設置するのがおすすめです。防犯カメラを複数設置することで、1台では追いきれない侵入者の動向を、より詳しく追うことができるでしょう。
もちろん、全方位カメラや広範囲を撮影できる防犯カメラでも、死角のカバーは可能です。ただし、これらの防犯カメラは高額なため、予算に余裕がない場合は比較的安価なバレット型とボックス型などを組み合わせるとよいでしょう。
最後に、家の防犯カメラ設置に関するよくある質問をまとめました。防犯カメラのコストや映像の確認頻度、ご近所トラブルなどが気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
「防犯カメラのランニングコストは、おもに電気代と、消耗品の交換などのメンテナンス費用です。
録画機器と有線接続して撮影する場合、最も故障しやすいのは、常時稼働しているハードディスクと冷却ファンで、約3年で交換というケースもあります。メーカーや機種によって保証期間が異なるため、確認のうえ検討したほうがよいでしょう」
「防犯カメラの映像は、少なくとも1週間に1回は確認しましょう。
防犯カメラには、雷などで過電圧・過電流が発生した際に、防犯カメラの故障や映像データが消失するなどのリスクがあります。いざ映像が必要になって防犯カメラを確認したら、何ヵ月も前から録画されていなかったということもあり得るでしょう。
きちんとカメラが作動しているかは、録画機器やモニターと有線で接続するタイプの場合、録画機器の電源ランプがついているか、モニターが真っ暗になっていないかを確認します。
無線タイプの場合も、録画マークである赤いランプが点灯しているかを確認してください。
映像の確認方法は、防犯カメラの種類によって異なります。インターネット経由でパソコンやスマートフォンから確認する、SDカードのような記録メディアを取り出して確認する、録画機器とパソコンを接続するなどさまざまです」
「家族が安心して暮らすため、予算に余裕があれば、注文住宅計画時に防犯カメラ設置を盛り込むのがおすすめです。
有線タイプの防犯カメラの場合、家を建てる前に防犯カメラの設置を計画して、室内に配線ルートを確保しておくと、あとから設置するより簡単で、見た目もきれいにできます。壁の中に配線を通すと、風雨にさらされず傷みにくいでしょう」
「ひと昔前だと、防犯カメラはプライバシーの侵害などといわれましたが、現在は防犯カメラの映像が犯罪の検挙に役立っているイメージがあり、寛容になりつつあります。
また、現在の防犯カメラにはマスキング機能があり、特定の箇所を写さないこともできるため、ご近所から防犯カメラについて聞かれたときは、マスキングされた映像を見せるなどして、問題ないことを説明するとよいでしょう」
「ダミーカメラは、プロが見ると一発で偽物だとわかる安価なものもあれば、本物の筐体(きょうたい)が使われているものもあります。
防犯カメラの台数が多く、本物の防犯カメラのなかにダミーカメラが混じっている場合は見破られにくいかもしれませんが、設置数の少ない一戸建て住宅だと、防犯にお金をかけない家だと思われ、逆効果になることもあるでしょう。
なお、『防犯カメラ作動中』といったステッカーを貼るのも、一定の抑止効果につながります」

これまで見てきたように、防犯カメラを設置する場合は、防犯計画を立てて、予算、目的を明確にし、環境に合わせて最大限の抑止効果が得られるものを選ぶとよいでしょう。一口に防犯カメラといっても種類が多いため、自宅に最適なものを選んでください。
ただし、防犯カメラを設置したことで安心するのではなく、電源や録画されているかのチェックも忘れずに行ないましょう。
防犯カメラは、犯罪を抑止するため、そして安心感を得るために設置する
防犯カメラを設置する場所は、おもに玄関、庭に面したリビングの掃き出し窓、家の裏側などにある勝手口、駐車場の4ヵ所
防犯カメラは、設置目的や予算、欲しい機能などを考えて必要なものを選ぶのがおすすめ