快適な1人暮らしのために欠かせないのが、家具・家電の上手なレイアウト。そのためには、必要な家具・家電を配置しやすい部屋を選ぶことも重要だ。そこで、一人暮らしの人によく選ばれる間取り例をもとに、家具・家電のレイアウトのポイントを解説。選んだ部屋に何をどう置くかはもちろん、部屋を選ぶ際に知っておきたい注意点などについて、インテリアコーディネーターの住吉さやかさんに教えてもらった。
1人暮らしの部屋は、限られた面積の中でどうにか家具を置こうと頭を悩ませることが多いはず。そこでまず知っておきたいのが、「同じ面積の部屋でも、部屋の形などによって家具のレイアウトのしやすさは変わるということ。ポイントとなるのは、家具を寄せて置くことのできる『壁面』の広さです」と住吉さん。
当然ながら、ドアや収納扉の前には家具が置けないし、窓の前には高さのある家具が置きにくい。そこで、家具を置ける壁面の広さがポイントとなると「部屋の形も重要に。一般的には、細長い部屋より四角い部屋が好まれがちですが、実は細長い部屋のほうが家具を置きやすいというケースも多いんです」
もちろん、部屋に置く家具のサイズや数などによっても違い、細長い部屋が四角い部屋より優れているというわけではない。部屋の広さだけではなく、物件の間取図を見て、家具が置きやすそうかチェックしよう。
また、上手に家具・家電をレイアウトするには、そもそもレイアウトのしやすい部屋を選ぶことが大切。部屋選びのときにチェックしたいこと、知っておくといいポイントを聞いてみたので参考にしよう。
家具レイアウトを考えるとき、見た目に収まりがいいことも大事だが「動線もよく考えて」と住吉さん。
「例えば、窓とくっつけてベッドを置くレイアウト。多くの人がこのような配置にしがちですが、ベランダに出るのに回り込んだり、ベッドの上をまたいだり、と動線が悪くなります。しかも、窓は外の気温の影響を受けやすいので、冬は寒く、夏は暑い場所になってしまいます」
理想的なのは、部屋のドアからベランダの窓までがほぼまっすぐにつながるように家具をレイアウトすること。どうしても窓と平行にしか置けない場合は「窓際にグリーンやナイトテーブルなどを置いて、ベッドとの間隔を少し開けてみては。シーツの交換もしやすくなり、インテリアのアクセントにもなります」
ロフト付きの場合にも注意点が。「なんでもロフトにしまえばいいと考えるのは危険。はしごの上り下りがストレスにならないよう、使用頻度の高いものをしまわなくていいような収納計画を考えましょう」
ワンルームのレイアウトについて詳しくは
1人暮らしの間取り「ワンルーム」で家具はどう置く? レイアウト例6
~やりがちNG例に学ぶ部屋づくりのコツ
1人暮らしの先輩たちの話を聞くと、ソファを買ったけれど床に座って背もたれにしていたり、ベッドを買わずに布団が万年床になってしまったり…という失敗談も。そうならないためには「その部屋でどう過ごしたいのかを具体的にイメージして、配置を考えたり、それに合った家具を選ぶことが大切です」
また、それぞれのライフスタイルや習慣によって、どんな家具をどう置けばいいのかは大きく変わるそう。
1人暮らしの部屋は、スペースにあまり余裕がないケースも多いはず。誰かの部屋をまるごと真似るのではなく、自分の暮らしにとって本当に必要な家具は何かを考え、優先順位をつけて選ぼう。
1LDKのレイアウトについて詳しくは
1人暮らしの間取り「1LDK」で家具はどう置く? レイアウト例6
~メリハリのあるレイアウトで趣味も暮らしも快適に
上手く家具・家電をレイアウトするためには、部屋自体、レイアウトのしやすい形を選ぶことが重要。でもそれ以上に大切なことは、どのように暮らしたいかを部屋選びの前によく考えておくこと。そのために必要な家具を厳選し、それらを上手に置くことができるかどうかを考えて、快適な生活をスタートさせよう。
部屋選びでは、面積だけでなく「形」もチェック
きれいなレイアウトだけでなく「動線」も考えよう
部屋で「どう過ごしたいのか」を考えたレイアウトに
家具・家電のレイアウトは「部屋を選ぶ段階で」イメージしよう