一人暮らしの部屋の上手なレイアウトとは 家電や家具配置の工夫で狭くても快適に暮らす

最終更新日 2023年03月27日
一人暮らしの部屋の上手なレイアウトとは 家電や家具配置の工夫で狭くても快適に暮らす

快適な1人暮らしのために欠かせないのが、家具・家電の上手なレイアウト。そのためには、必要な家具・家電を配置しやすい部屋を選ぶことも重要だ。そこで、一人暮らしの人によく選ばれる間取り例をもとに、家具・家電のレイアウトのポイントを解説。選んだ部屋に何をどう置くかはもちろん、部屋を選ぶ際に知っておきたい注意点などについて、インテリアコーディネーターの住吉さやかさんに教えてもらった。

【1】部屋選びでは、面積だけでなく「形」もチェック

四角い部屋より、細長い部屋のほうが家具を置きやすい?

1人暮らしの部屋は、限られた面積の中でどうにか家具を置こうと頭を悩ませることが多いはず。そこでまず知っておきたいのが、「同じ面積の部屋でも、部屋の形などによって家具のレイアウトのしやすさは変わるということ。ポイントとなるのは、家具を寄せて置くことのできる『壁面』の広さです」と住吉さん。

当然ながら、ドアや収納扉の前には家具が置けないし、窓の前には高さのある家具が置きにくい。そこで、家具を置ける壁面の広さがポイントとなると「部屋の形も重要に。一般的には、細長い部屋より四角い部屋が好まれがちですが、実は細長い部屋のほうが家具を置きやすいというケースも多いんです」

もちろん、部屋に置く家具のサイズや数などによっても違い、細長い部屋が四角い部屋より優れているというわけではない。部屋の広さだけではなく、物件の間取図を見て、家具が置きやすそうかチェックしよう。

細長い部屋・四角い部屋に家具を置いてみると…?
(画像右)空の状態の細長い部屋(画像左)空の正方形の部屋のイラスト
家具が入った細長い部屋と正方形の部屋
細長い部屋は壁面が多く取れる分、置ける家具が多い。一方、四角い部屋は中央が広い割に、置けない家具も

また、上手に家具・家電をレイアウトするには、そもそもレイアウトのしやすい部屋を選ぶことが大切。部屋選びのときにチェックしたいこと、知っておくといいポイントを聞いてみたので参考にしよう。

●レイアウトしやすい部屋選びのチェックポイント

□ 壁面の広さ
広くて真四角に近い形の部屋より、細長くて壁面が広い部屋のほうが、家具を置きやすいことも(下図参照)

□ ドアの位置・種類
ドアの開閉スペースには家具を置けない。引き戸が2枚以上あり、出入りに1枚しか使わなくてよい場合、使わない引き戸の前には家具を置くこともできる

□ 収納扉の位置・種類
クロゼットなど収納扉のすぐ前には家具を置けない。開き戸より折れ戸の方が開閉スペースは少なくて済む

□ 窓の位置・大きさ
ベランダに出入りする窓の前には家具が置けない。腰高窓の前には、窓より低い家具なら置くことができる

□ キッチンの冷蔵庫置き場
キッチン内にあるのが理想。1Kなど独立したキッチンに冷蔵庫が置けない場合、居室に置くスペースが必要

【2】きれいなレイアウトだけでなく「動線」も考えよう

ついやりがちな「窓の前にベッド」もできれば避けたい…

家具レイアウトを考えるとき、見た目に収まりがいいことも大事だが「動線もよく考えて」と住吉さん。

「例えば、窓とくっつけてベッドを置くレイアウト。多くの人がこのような配置にしがちですが、ベランダに出るのに回り込んだり、ベッドの上をまたいだり、と動線が悪くなります。しかも、窓は外の気温の影響を受けやすいので、冬は寒く、夏は暑い場所になってしまいます」

理想的なのは、部屋のドアからベランダの窓までがほぼまっすぐにつながるように家具をレイアウトすること。どうしても窓と平行にしか置けない場合は「窓際にグリーンやナイトテーブルなどを置いて、ベッドとの間隔を少し開けてみては。シーツの交換もしやすくなり、インテリアのアクセントにもなります」

ロフト付きの場合にも注意点が。「なんでもロフトにしまえばいいと考えるのは危険。はしごの上り下りがストレスにならないよう、使用頻度の高いものをしまわなくていいような収納計画を考えましょう」

やりがちな家具レイアウトのNG例
家具が入った細長い部屋と正方形の部屋
ベッドを窓とくっつけて置くと、ベランダに出るとき邪魔に。垂直に置くと動線がよくなり、さらに先述の「壁面の広さ」もアップして置ける家具が増える

【3】部屋で「どう過ごしたいのか」を考えたレイアウトに

自分のライフスタイルや習慣に合った家具を選ぼう

1人暮らしの先輩たちの話を聞くと、ソファを買ったけれど床に座って背もたれにしていたり、ベッドを買わずに布団が万年床になってしまったり…という失敗談も。そうならないためには「その部屋でどう過ごしたいのかを具体的にイメージして、配置を考えたり、それに合った家具を選ぶことが大切です」

●ライフスタイルや希望に合わせた家具の配置・アイデア例

・家ではくつろぎたい:ソファやビーズクッションを置く
・テレビを観る時間が長い:ソファの正面にテレビボードを配置
・椅子に座って食事をしたい人:ローテーブルよりもダイニングテーブル&チェアを置く
・床に座るほうが好き:床に厚手のラグを敷いたり、ビーズクッションを置く
・ソファを置きたいけれど置けない:ベッドをマルチカバーでくるんでソファと兼用にする
・家で勉強や仕事をする、パソコンでゲームをする:デスク&チェア、本棚を置く

また、それぞれのライフスタイルや習慣によって、どんな家具をどう置けばいいのかは大きく変わるそう。

1人暮らしの部屋は、スペースにあまり余裕がないケースも多いはず。誰かの部屋をまるごと真似るのではなく、自分の暮らしにとって本当に必要な家具は何かを考え、優先順位をつけて選ぼう。

リビングにソファを置いた例とテーブル&チェアを置いた例
ソファとローテーブルを置いたレイアウト例
ダイニングテーブルとチェアを置いたレイアウト例
1枚目はソファ&ローテーブルを置いてリビング的な要素を、2枚目はダイニングテーブル&チェアを置いてダイニング的な要素を重視した例。どちらも置くのは難しいという場合は、置きたいものに優先順位をつけて厳選しよう

家具・家電のレイアウトの失敗を防ぐ部屋選びのコツは?

家具・家電のレイアウトは「部屋を選ぶ段階で」イメージしよう

上手く家具・家電をレイアウトするためには、部屋自体、レイアウトのしやすい形を選ぶことが重要。でもそれ以上に大切なことは、どのように暮らしたいかを部屋選びの前によく考えておくこと。そのために必要な家具を厳選し、それらを上手に置くことができるかどうかを考えて、快適な生活をスタートさせよう。

まとめ

部屋選びでは、面積だけでなく「形」もチェック

きれいなレイアウトだけでなく「動線」も考えよう

部屋で「どう過ごしたいのか」を考えたレイアウトに

家具・家電のレイアウトは「部屋を選ぶ段階で」イメージしよう

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取材・文/前川ミチコ イラスト/もり谷ゆみ
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