一人暮らしをしたいけれど、家賃を最低限に抑えたい人もいるでしょう。4畳や4畳半の部屋は狭いイメージがあるけれど、ベッドや家具のレイアウト次第で快適に住むことができるのでしょうか。この記事では、4畳や4畳半の部屋がどのくらいの広さなのか、ワンルームと1Kの違い、狭い空間でも快適に過ごせるベッドや家具のレイアウトやおしゃれに見せるコツなどについて、インテリアコーディネーターのMAKOさんに聞いてみました。
畳には中京間、江戸間、本間(京間)、団地間などの種類があり、それぞれ面積・サイズが異なります。使われる地域も違うため、物件情報に「〇畳」と記載されていた場合は、使われている畳の種類を不動産業者に確認するといいでしょう。畳の単位は「帖」と表記される場合がありますが、「畳」と広さの違いはありません。
名称 | 4畳のm2数(面積) | 4畳の広さ |
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京間(西日本エリア) | 7.31m2 | 382cm×191cm |
中京間(東海エリア) | 6.61m2 | 364cm×182cm |
江戸間(東日本エリア) | 6.18m2 | 352cm×176cm |
団地間(エリアに関係なく多くの団地で採用) | 5.79m2 | 340cm×170cm |
名称 | 4畳半のm2数(面積) | 4畳半の広さ |
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京間(西日本エリア) | 8.20m2 | 286cm×286cm |
中京間(東海エリア) | 7.45m2 | 273cm×273cm |
江戸間(東日本エリア) | 6.95m2 | 261cm×261cm |
団地間(エリアに関係なく多くの団地で採用) | 6.5m2 | 255cm×255cm |
不動産公正取引協議会では、「1畳は1.62m2以上」と全国で統一しています。畳数から専有面積を計算する時は、「畳数×1.62m2=部屋の専有面積」となります。逆に専有面積から畳数を計算する場合は、「専有面積÷1.62m2=畳数」です。つまり、4畳の専有面積は「4畳×1.62=6.48m2」で約3.6m×1.8m、4.5畳は「4.5畳×1.62=7.29m2」で約2.7m×2.7mが基本です。賃貸の部屋の広さは畳でなく専有面積(〇m2)で記載されていることが多いので、この公式で「この専有面積なら〇畳くらい」と把握することが出来ます。
4畳の専有面積:4×1.62=6.48m2(約3.6m×1.8m)
4.5畳の専有面積:4.5×1.62=7.29m2(約2.7m×2.7m)
畳の種類や専有面積は分かりましたが、実際の広さ、サイズ感はどのくらいなのでしょうか。
4畳の部屋は中京間で364cm×182cmの縦長なので、シングルベッド(長さ195cm、横幅100cmが基本)を置くと、床の半分弱がベッドで埋まります。ベッドのほかに、机かサイドテーブル、幅を取らない棚なども置くことが可能です。4畳半の場合は273cm×273cm(中京間)の正方形で、4畳と同じようにシングルベッドを置くと床の3分の1弱が埋まります。ベッドのほか、チェストや小さなテーブルなどは置けるでしょう。
4畳でも4畳半でも、シングルベッドをセミシングルにしてもOKです。セミシングルベッドはシングルベッドよりも横幅が10~20cm狭いので、ベッドはコンパクトでいいという人は検討してみてください。ほか、折り畳みベッドやロフトベッドなどにして、空間を確保するのも一つの方法です。
種類 | 長さ×横幅(cm) |
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セミシングル | 約195×80~90 |
シングル | 約195×100 |
セミダブル | 約195×120 |
ダブル | 約195×140 |
ワンルームと1Kの大きな違いは、キッチンが独立しているかどうかです。ワンルームはキッチンが部屋の中にありますが、1Kは部屋とキッチンの間に仕切り(扉)があり、キッチンが独立しています。自炊をよくする人、生活の場と調理の場を分けたいという人は1Kの間取りがおすすめです。
「4畳、4畳半の部屋は広さとしては十分ではないですが、広さがない分電気代やガス代などの光熱費や、エアコンなどの空調費は抑えられるメリットがあります」(MAKOさん)。また、職場や学校に近い、都心などの中心地に近いことを優先したい人や所有物が少ない人、忙しくて家で過ごす時間が少ない人には家賃が抑えられるのでメリットといえるでしょう。
デメリットは、スペースが狭く、どんな家具でも置けるわけではないことが挙げられます。背が高い家具や幅を取る家具を置くと圧迫感が出るので、広く見せるためにコンパクトな家具や兼用家具を選ぶことになり、家具の選択肢が狭く、家具にかける費用が高くなる可能性があります。また、収納スペースが限られるため、ものを増やせないことや、壁面のスペースが少なく壁を使う収納が難しいなどのデメリットもあります。
狭い部屋に背の高い家具を置いてしまうと圧迫感が出てしまいます。低い家具で高さを揃えたほうが目線の高さが低くなり、天井までが高く感じられるので、開放感が得られます。「一番いけないのは背が低い家具と高い家具をミックスすること。例えば背の低いマットレスと背の高いカウンターデスクなどを隣同士に置いてしまうと高低差が生まれ、圧迫感が出て狭く感じます。家具の高さは出来るだけ一定に揃えるのがおすすめです」(MAKOさん)。家具の背の高さだけでなく家具の奥行きも一定に揃え、差がないほうがすっきり見えます。背の高さの奥行きも、差が出るようなら家具同士を離すなどの工夫をしましょう。
築年数が古い物件では、部屋に収納(クローゼットや押し入れ)がないケースがあります。所有するものが多く減らせない人、収納の優先順位が高い人は、収納付ベッドやロフトベッドの下を収納として利用するなど、家具選びで工夫しましょう。「収納付ベッドはロータイプのほうがハイタイプより空間が広く感じます。ロフトベッドなど背が高い家具を選ぶときは、がっしりしたフレームより細くて直線のスッキリしたデザイン、色は白や膨張色、壁紙に合わせた色を選ぶとスッキリ見えます」(MAKOさん)。ほか、テレビをキャビネットの上に置いたり、パソコンで代用しテレビ台は使わない、壁を利用した収納を手作りするなど、場所を有効活用するのもポイントの一つです。
家具やベッドカバーなどは濃い色ではなく白や膨張色を使うと空間が広く見えます。また、色数が多いと雑多な印象になるので、色を数色使う場合は同系色のグラデーションを意識するとスッキリするでしょう。また、家具の色を「茶色」にするなら「濃い茶色」「薄い茶色」というように色味も揃えたほうが、部屋全体にまとまりが出ておしゃれに見えます。
部屋の形状によって異なりますが、家具は出来るだけ壁に沿って置くのが基本です。また、窓の前にはものを置かず空間の抜けを作ったり、ドアを開けて部屋の中を見たときに、部屋の中央部分に抜けがある(何もない)と全体がすっきり見えます。部屋の形状によって窓のそばにものを置かなければならない場合は、窓と家具との間に出来るだけ距離を置くなど工夫をしましょう。また、「ロフトベッドなど高さのある家具を置いた場合には、そちらに目がいかないよう壁にポスターを貼るなどアイキャッチを作るといいでしょう」(MAKOさん)。
ラグはベッドから下りる足元や、テーブルの下などに敷くほかに、壁に貼ってタペストリーのような使い方をしたり、椅子の上に置いてポイント使いするのもおすすめです。「掃除が大変なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、毛足が短いラグや平織りのものを選べば問題ありません。「広い範囲にラグを敷く場合は他のファブリックや壁の色と同系色を選ぶと広くは見えますが、全体的にのっぺりした印象になります。同系色でも濃淡を出したり、シーツがウールならラグはリネンにするなど、素材を変えてみると変化が出ておしゃれになります。足元に敷くくらいの広さなら、好きな色やポイントカラーを選んでOKです」(MAKOさん)。
4.5畳はスペースに余裕がないので、置く家具を厳選しましょう。ベッドチェスト(洋服などを収納)、テレビボード(収納がついているもの)、小さなテーブル(折り畳みもOK)、座椅子(コンパクトなもの)を基本に、ラグ、フロアライトを置くとおしゃれな部屋になります。
ゲーミングPCをデスクに置き、ゲーム用のデスクチェア、ベッドのほかに、洋服や本などを収納するキャビネットはあるといいでしょう。フロアライトは背が高いものを選び、ラグは毛足が短いものだと掃除がしやすいです。カッコいい部屋を目指すなら、ファブリックは濃い目の色を選ぶといいでしょう。
ロフトベッドは出来るだけ背の低いものを選ぶと圧迫感がありません。ベッドの下はデスクや収納棚を置いて、できるだけそのほかの床部分に余裕を持たせましょう。大きめの姿見(鏡)を置くと部屋が広く見えます。ほか、ドアを開けたときにパッと目がいく大き目のポスターなどを貼るといいでしょう。
手間がかかるのが問題ないなら、昼間はソファ、夜はベッドになるソファベッドも便利です。ソファベッドは収納が必要か、置くスペースを考えて引き込みタイプか、背もたれを倒すタイプかを考えて選びます。和室の場合は、スペースを広く取りたいなら布団もいいでしょう。布団をしまう手間が嫌な人はベッドがおすすめです。
TYPE1の部屋が5畳になった場合、同じ家具やベッドを置くと床面積は左側の部屋くらいに増えます。床部分が増えると空間に余裕が生まれます。テーブルを少し大きめにしたり、テレビボードの横に小さなキャビネットを置くことも可能になります。
5畳や6畳の平米数もチェックしてみよう
5畳ワンルームや1Kは狭い? 部屋のレイアウトはどうなる? ベッドは置ける?
6畳ワンルームや1Kを借りる前に、畳の寸法や6畳は何平米か、何坪かを知っておこう
4畳も家具やファブリックの工夫や、ものの収納方法、壁の使い方などで快適に過ごす空間を作ることはできます。狭いからとあきらめず、使いやすいレイアウトを工夫して快適な部屋を目指しましょう。
4畳の専有面積は6.48m2(約3.6m×1.8m)、4.5畳は7.29m2(約2.7m×2.7m)
4畳、4.5畳の部屋は光熱費や空調費は抑えられるが、ものを増やせない
背が低い家具を選び、部屋の中に濃い色を使わないと広く見える
家具は壁に沿って置き、ラグを上手に活用するとおしゃれな部屋に