賃貸物件が安い時期はいつ?時期による違いと不動産会社の繁忙期・閑散期についても解説

最終更新日 2025年09月29日

賃貸の初期費用が安くなるのはいつ? 賃貸契約と引越し費用を抑えるポイントを徹底解説

「賃貸の初期費用が安くなる時期はある?」「不動産会社が忙しくない時期に探したほうがいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。賃貸物件を借りるなら、少しでも家賃や初期費用を抑えたいものです。

賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんによると、繁忙期(オンシーズン)と閑散期(オフシーズン)では物件数や家賃、初期費用の相場が変わるのだとか。そこで本記事では、時期ごとの特徴や安く借りるコツを、専門家の視点も交えてわかりやすく解説します。

不動産会社(部屋探し)の繁忙期は2月・3月 第二の繁忙期は9月・10月

賃貸の不動産会社が最も忙しい時期は、引越し需要が高まる2月・3月です。また、9月・10月にも第二の繁忙期(オンシーズン)があり、不動産会社の動きが活発になります。この時期の特徴について詳しく見ていきましょう。

不動産会社(部屋探し)の繁忙期(オンシーズン)は、人の動きが大きい春と秋の2回

部屋探しには、人の動きが大きいオンシーズンと、少し落ち着くオフシーズンがありますが、それぞれ具体的にはいつ頃のことなのでしょうか。

「繁忙期(オンシーズン)は年に2回あり、トップの繁忙期(オンシーズン)は進学・就職・転勤などで人の動きが大きい2月・3月です。年明けから4月上旬くらいまで繁忙期(オンシーズン)が続きますが、中旬くらいから徐々に落ち着き、5月・6月・7月くらいまで閑散期(オフシーズン)となります」と伊部さん。

そして夏の間は一旦落ち着きますが、「転勤などのある9月・10月くらいにまた人の動きが大きくなってきて、第二の繁忙期(オンシーズン)となります。しかし、以前よりオンオフの差がなくなり、分散してきていると感じます」

2月・3月、9月・10月の繁忙期(オンシーズン)は賃貸の物件数が豊富な時期

進学・就職・転勤などによって人が動く繁忙期(オンシーズン)は、賃貸住宅の契約更新も多い時期。「そもそも3月や9月などの繁忙期(オンシーズン)に入居した人は、更新の時期を迎えるタイミングも2年後などの同時期になるからです。この時期は更新料を支払うよりは引越しをと考える人も多く、空き物件が市場に増えてきます」

さらに、新築物件の竣工計画も繁忙期(オンシーズン)までに完成させることを目指して工事を進める物件が多いので、新築物件が増える時期でもあります。

不動産会社の担当者も物件の案内や契約などで忙しくなります。そのため「この時期は、まさにこれから家賃を決めてポータルサイトに募集広告を出そうという空室情報が、まだ公開されずに担当者の手元に残っていることも。担当者とまめにコンタクトを取っていると、そのような公開準備中の物件を紹介してもらえることもあります」

5月・6月・7月の閑散期(オフシーズン)はじっくり部屋を探せる時期

繁忙期(オンシーズン)が終わった閑散期(オフシーズン)にあたる5月・6月・7月は、物件数は少なめになるものの、不動産会社にも余裕ができる時期。じっくり対応してもらいやすく、部屋探し初心者におすすめの時期でもあります。

「繁忙期(オンシーズン)中に入居者が決まらなかった物件は、閑散期(オフシーズン)になると家賃や契約金の値下げなど、費用面での交渉がしやすくなるケースもあります。また、引越し会社も閑散期(オフシーズン)には料金設定が安くなる傾向にあるので、初期費用を抑えやすい時期といえます」

3月は賃貸契約のオンシーズン
賃貸契約の繁忙期(オンシーズン)は春と秋。なかでも2月・3月はトップの繁忙期(オンシーズン)(画像/PIXTA)

不動産会社の閑散期に契約するメリットは?引越し料金が安くなるだけではない?

進学・就職・転勤などによる部屋探しの繁忙期(オンシーズン)を避けて、閑散期(オフシーズン)に契約する場合のメリットについて伺いました。

物件をゆっくり検討できる

繁忙期(オンシーズン)に比べて、不動産会社の担当者にも時間の余裕がある時期。物件探しで迷った場合にもじっくり相談に乗ってもらえたり、現地を案内してもらえたりと、丁寧に対応してもらいやすくなります。

また、同じ物件を検討しているライバルも少ないので、繁忙期(オンシーズン)に比べると物件の取り合いになるような状況も少なく、自分自身もゆっくり検討しやすくなります。

引越し料金が割安になり、日時が選びやすくなる

閑散期(オフシーズン)は、引越しをする人も少ないため、引越し料金が割安に。引越し会社の料金は「繁忙期(オンシーズン)より閑散期(オフシーズン)、土日祝日より平日のほうが安く設定されていて、料金交渉もしやすくなるでしょう」

また、引越し会社への依頼も混んでいないので、都合のいい日時に合わせやすい上、料金の安い日時を選びやすくなるのもメリットです。

初期費用を抑えられることも

閑散期(オフシーズン)は家賃そのものが安くなるケースもありますが、「例えば契約から入居希望日までに日数がある場合など、条件によっては家賃発生日を遅めに設定する交渉に応じてもらいやすくなることも」。つまり、初期費用を抑えることができる場合があります。

じっくり部屋探しをしている女性の画像
5月・6月・7月頃の閑散期(オフシーズン)は物件をゆっくり検討でき、丁寧に対応してもらいやすい(画像/PIXTA)

不動産会社の閑散期に契約するデメリットは?物件数は少ない?

閑散期(オフシーズン)に契約するのは、メリットばかりではないようです。どんなデメリットがあるのか伺いました。

物件数そのものが少なめ

進学・就職・転職などで人が動く繁忙期(オンシーズン)に比べると、新築物件の供給も、退去者数も少ないので、空室になる予定が少なく、物件数そのものが少なくなる傾向にあります。

空室の中には繁忙期(オンシーズン)の時期に入居者が決まらなかった物件が混じっているケースもあるので、気に入る物件を見つけるのが難しくなることもあります。

新築の物件が少なめ

新築物件は、繁忙期(オンシーズン)の入居者募集に間に合わせることを目指して建築されるケースがほとんど。そのため、閑散期(オフシーズン)には新築物件が少なめになります。

ただし、「3月までの完成を目指して建築される物件が多いため、工事業者も混んでいて、なかには工事が遅れる物件もあります。このような物件が、結果的に閑散期(オフシーズン)に完成して入居者募集となるケースもあるのでチェックしましょう」

新生活のタイミングとずれる

閑散期(オフシーズン)に契約すると、新生活のタイミングとずれるというデメリットもあります。春の入学や入社といった新生活のスタート時期に合わせて物件を借りたいなら、繁忙期(オンシーズン)の2~3月を狙ったほうが、理想の日程で入居できることもあるでしょう。

また、新生活が始まってから部屋探しを行うと、物件の選択肢が限られ、条件の妥協や引越しの負担が大きくなることもあります。賃貸契約の時期は、費用と新生活のタイミングの両方を考慮して決めることが重要です。

部屋探し・引越しに体力がいる

どんな時期でも、部屋探しや引越しには体力がいるもの。それに加えて閑散期(オフシーズン)の後半は真夏や真冬の時期と重なることが多く、部屋探しで不動産会社や物件を見に出向いたり、引越し作業をしたりするのは、繁忙期(オンシーズン)より大変になります。特に最近は気候変動の影響で猛暑が厳しく、引越し時期の選択に影響が出ているようです。

オフシーズンの引越し作業
閑散期(オフシーズン)は真夏や真冬に部屋探しや引越し作業が発生することに(画像/PIXTA)

不動産会社の繁忙期・閑散期にかかわらず賃貸の初期費用を抑えるためのポイント【編集部解説】

繁忙期(オンシーズン)・閑散期(オフシーズン)にかかわらず、賃貸の初期費用を抑えるコツは押さえておきたいものです。時期に左右されない節約ポイントを知って、賢くお得に部屋を借りる方法を紹介します。

相場を調べておく

賃貸物件を探す際は、まず地域や間取りごとの家賃相場を把握しておくことが大切です。相場を知らずに契約してしまうと、必要以上に高い家賃を支払うリスクも。加えて、家賃だけでなく初期費用や物件の詳細情報を総合的に確認することも重要です。

インターネットの賃貸サイトや不動産会社の情報では、敷金・礼金・管理費などの費用や、入居可能日、間取り、築年数、最寄駅からの距離、周辺施設の利便性などもチェックできます。複数の物件を比較し、費用相場や条件を把握しておくことで、スムーズな物件選びにつながるほか、契約時の交渉にも役立ちます。

敷金・礼金が無料の物件を選ぶ

敷金は退去時の原状回復費用や未払い家賃に充てられる保証金、礼金は契約時に大家さんへ支払うお礼金です。相場はそれぞれ家賃1~2カ月分ほどで、例えば家賃8万円の物件なら、敷金・礼金が各1カ月分の場合、計16万円もの初期費用が必要になります。

敷金・礼金ゼロの物件なら、この分を節約できるため、引越し費用や家具購入に回せます。ただし、敷金がないと退去時に原状回復費用を全額自己負担する可能性が高くなることも。
さらに、その分家賃が高めに設定されているケースもあるため、契約前に総額で比較・検討することが重要です。

見積もりを確認
「礼金ゼロ」でも、部屋のクリーニング代が別途かかることがある。必ず見積もりの確認を(画像/PIXTA)

フリーレント物件を選ぶ

フリーレント物件とは、契約開始から一定期間、家賃が無料になる物件のことです。無料期間の目安は1~2カ月ほどで、例えば家賃7万円で2カ月フリーレントの場合、14万円分の節約になります。初期費用を大幅に抑えられるため、特に引越しや家具購入などで出費がかさむ新生活のスタート時には魅力的な物件です。

ただし、契約から短期間で退去する場合、違約金やフリーレント期間分の家賃をまとめて支払う必要があるケースがあります。さらに、フリーレント物件は市場全体で数が多くないため、希望条件に合う物件が見つけにくいともいえます。フリーレントはあくまでも選択肢のひとつとして、契約条件や将来の予定も踏まえて慎重に選びましょう。

仲介手数料の費用がかからない物件を選ぶ

仲介手数料は不動産会社に支払う費用で、通常は家賃の1カ月分程度が相場です。仲介手数料無料の物件は、不動産会社がキャンペーンを行っている場合に多く見られ、初期費用を抑えられるメリットがあります。

ただしその背景には、築年数がたっている、交通の便があまり良くない、日当たりが悪いなどの理由から、入居者がなかなか決まらない物件である場合も少なくありません。「なぜ無料なのか」という理由も合わせて不動産会社に確認しておくと、より安心して契約できます。

引越し費用を節約する

引越し費用は賃貸契約の初期費用以外にかかる大きな出費です。節約するには、引越し時期や依頼先の選び方がポイントになります。例えば、複数の引越し会社から見積もりを取り、比較検討することも有効です。料金やサービス内容を比較することで、無駄な出費を避けられるでしょう。

さらに、不要な家具や荷物は処分しておくのも節約には効果的です。荷物量を減らしてコンパクトにまとめておけば、負担を軽くしつつ、より効率的に引越しを進められます。
また、不要なものは捨てるだけでなく、リサイクルショップやフリマサイトを利用すればお金に換えられることもあります。必要な家具などは、新居での生活が始まってから少しずつ買いそろえると、引越し時の負担を減らせるでしょう。

3月~4月の不動産会社の繁忙期に入居するには、2月から物件探しを始めるのが一般的

物件探しから入居までにかかる期間は、物件の入居可能時期や条件などによっても異なりますが、3月末までの入居を目指す場合、一般的には以下のような流れで進んでいきます。

▼一般的な賃貸契約の流れ(3月末入居を目指す場合の目安)

  • 1月上旬~ 物件検索
    ↓ 1日~数週間
    ※家賃のイメージをつけたり、街の情報を収集したりするために、なるべく早めにスタート。
  • 1月下旬~ 不動産会社に問い合わせ
    ↓1日~
    ※3月末までに引越し希望なら、2カ月くらい前から問い合わせを。この時期に親身になってくれる担当と出会えると、その人に部屋探しを任せることもできます。
  • 2月上旬~ 物件の内覧
    ↓1日~
    ※もしいい物件が早めに見つかり、契約が予定より早くなると、家賃の支払いスタート日も早まりますが、気に入った物件を確保するには、早めの契約が安心です。
  • 3月17日頃 申し込み
    ↓入居審査に3日~1週間
  • 3月24日頃 契約
    ↓1週間~
  • 3月31日頃 引き渡し・入居

例えば3月末までの入居を目指すなら、2月中旬くらいから物件検索を始めるのが目安。ただし、「土地勘のないエリアでは、なるべく早い時期からインターネットなどで街の情報や家賃の相場などを調べ始め、営業担当ともやりとりを重ねて情報を得ておいたほうがいいでしょう」と伊部さん。

「特に新築物件の場合、3カ月くらい前から情報が出る場合もあるので、新築にこだわる人は早めに動き始めるのがおすすめです」

逆にあまりにも早くから探し始めると「気に入った物件が見つかったとき、入居するまでに期間があっても、すぐに契約し、家賃の支払いがスタートすることになります。閑散期(オフシーズン)であれば、状況によってフリーレントをつけてもらえる(家賃の支払いを遅らせてもらえる)ケースもありますが、繁忙期(オンシーズン)、特に春の入居は激戦なので、交渉が難しくなるでしょう」

また、お得に契約する方法ではありませんが、「不動産会社の営業担当と親しくなっておくと、お得なことがあるかもしれません」と伊部さん。

「熱心な営業担当がつくと、1000円くらいの家賃の値下げ交渉ならしてくれるケースもあります。ネット上だけでの部屋探しではなく、不動産会社のお店に出向いて、対面で会話をして、現地を案内してもらうなどのやりとりを通して親しくなっていれば、このようにお得なことがあるかもしれません」

ほかにも、審査を通りやすくなるアドバイスをもらえたり、役立つエリア情報を教えてもらえたりなど、金額で表せないお得な恩恵を受けられる可能性もあるのだそう。

繁忙期(オンシーズン)・閑散期(オフシーズン)にかかわらず、部屋探しのプロを味方につけることも、お得に部屋を借りるための秘訣のひとつといえそうです。

まとめ

賃貸物件の繁忙期(オンシーズン)は、春(2月・3月)と秋(9月・10月)は、物件数が豊富で新築物件も多い

5月・6月・7月の閑散期(オフシーズン)は、引越し料金が安く、家賃や契約条件の交渉もしやすく、初期費用を抑えやすい

閑散期(オフシーズン)は、物件数や新築物件が少なく、新生活(入学・入社)のタイミングとずれることがあるため注意が必要

不要な荷物は処分し、新生活が始まってから必要な物を購入すれば、引越し費用を抑えられる

初期費用を抑えるなら、敷金・礼金ゼロ、フリーレント付き、仲介手数料無料の物件なども検討してみよう

SUUMOコンテンツスタッフ
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