年収500万円の家賃相場はいくら?手取り額や年金・健康保険・税金の額をシミュレーション

公開日 2023年10月14日
年収500万円の家賃相場はいくら?手取り額や年金・健康保険・税金の額をシミュレーション

住まい探しを始めるタイミングは、就職・転勤・結婚・子どもの誕生など、ライフステージの変化がきっかけになることが多いといわれています。心配なのは、今の年収500万円で、いくらの家賃なら無理なく払っていけるのかということです。
そこで今回は、年収500万円の単身世帯と、世帯年収500万円の二人世帯の家計をシミュレーションし、家賃の目安金額・いくらの家賃なら家計を圧迫しないのか考えてみたいと思います。あわせて、気になるエリアの家賃相場や、家賃を安く抑えるためのポイントもご紹介します。

年収500万円だと手取りはいくら?年金や健康保険・税金の額をシミュレーション

みんなの年収・月収はいくら?男女別の平均年収・平均月収を教えて!

給料イメージ
まわりの人の給料は?(画像/PIXTA)

住まい選びで目安になるのは、「家賃の額を収入の何割くらいに抑えたらいいのか」ということ。そこで、住まい選びについて紹介する前に、一般的な収入の状況を見てみたいと思います。

厚生労働省が公表している「令和3年 賃金構造基本統計調査」の結果によると、令和3年の一般労働者の平均給与は、男性が前年度比0.5%減の33.72万円、女性が同0.7%増の25.36万円で、男女合わせた合計は同0.1%減の30.74万でした。年収に換算すると、男性の平均年収は約404.6万円、女性の平均年収は約304.3万円、男女合わせた全体の平均年収は約368.9万円です。

年齢・男女別の平均月収は、20代前半では男女差はあまり見られません。しかし、20代後半から男性の賃金の上昇スピードが女性を上回るようになり、男性の平均月収は30代後半で30万円を超え、50代後半でピークの41.36万円(年収換算で約496.3万円)に達します。一方、女性の平均月収は30代後半で25万円を超え、その後も緩やかに上昇していきますが、ピークは50代前半の27.79万円(年収換算で約333.5万円)で、平均月収が30万円を超えることはありません。

女性の賃金の上昇が男性より緩やかな点について調査では触れていませんが、調査対象となった男性の平均勤続年数が13.7年だったのに対して、女性の平均勤続年数は9.7年でした。勤続年数の短さが要因の一つになっている可能性がありそうです。

一般労働者の年齢・男女別の平均月収と平均年収(万円)
年齢 男性 女性 男女計
平均月収 平均年収 平均月収 平均年収 平均月収 平均年収
全体平均 33.72 404.6 25.36 304.3 30.74 368.9
~19歳 18.56 222.7 17.73 212.8 18.25 219.0
20~24歳 21.54 258.5 21.07 252.8 21.31 255.7
25~29歳 25.33 304.0 23.62 283.4 24.62 295.4
30~34歳 29.05 348.6 24.85 298.2 27.58 331.0
35~39歳 32.70 392.4 26.00 312.0 30.50 366.0
40~44歳 35.76 429.1 26.99 323.9 32.80 393.6
45~49歳 38.28 459.4 27.09 325.1 34.43 413.2
50~54歳 41.21 494.5 27.79 333.5 36.62 439.4
55~59歳 41.36 496.3 27.33 328.0 36.55 438.6
60~64歳 31.81 381.7 23.44 281.3 29.28 351.4
65~69歳 27.48 329.8 22.22 266.6 25.98 311.8
70歳~ 25.65 307.8 21.01 252.1 24.33 292.0
平均年齢 44.1歳 42.1歳 43.4歳
平均勤続年数 13.7年 9.7年 12.3年
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
有効回答を得た56,465事業所から、10人以上の常用労働者を雇用する民間事業所49,122事業所を抽出し、令和3年6月の賃金等について集計。調査時期は令和3年7月。
※平均年収は平均月収を12カ月分に換算(12倍)。

年収500万円だといくら給料から天引きされる?手取りはいくらになる?

毎月の給料から天引きされるのは、所得税や住民税、厚生年金・健康保険・雇用保険の保険料などです。一般的には、月収の約8割から7割が手取り額の目安といわれていますが、独身なのか、パートナーが働いているのか、子どもがいるのかなど、家族構成によっても目安が変わってきます。そこで、年収500万円の家計を、家族構成に応じてシミュレーションしてみたいと思います。

1)単身世帯:独身・会社員・35歳・社会保険加入者

年収500万円の単身世帯の会社員は、毎月の額面給料は416,667円です。そこから、厚生年金保険料が37,515円、健康保険料が20,111円、雇用保険料が2,083円、所得税が11,571円、住民税が32,529円、あわせて103,809円が天引きされ、月の手取り額は312,858円になります。

給料から天引きされる社会保険料と税金の目安:単身世帯
額面給料 416,667円
厚生年金保険料 37,515円
健康保険料 20,111円
雇用保険料 2,083円
所得税 11,571円
住民税 32,529円
月の手取り額 312,858円
※筆者が試算。数値はあくまでも目安。
※住民税は前年の所得をもとに計算されるが、今回は今年の収入をもとに計算。
※給料から天引きされるのは社会人2年目から。

2)二人世帯:共働き・会社員・夫の年収300万・妻の年収200万円・社会保険加入者

夫婦ともに会社員として働く、世帯年収500万円でシミュレーションしました。
まず、夫の毎月の額面給料は250,000円で、そこから厚生年金保険料が23,790円、健康保険料が12,753円、雇用保険料が1,250円、所得税が4,402円、住民税が18,054円、あわせて60,249円が天引きされ、月の手取り額は189,751円です。
一方、妻の毎月の額面給料は166,667円で、そこから厚生年金保険料が15,555円、健康保険料が8,339円、雇用保険料が833円、所得税が2,264円、住民税が11,027円、あわせて38,018円が天引きされ、月の手取り額は128,649円です。
その結果、夫婦二人の手取り給料の合計額は318,400円になります。なお、妻の年収が200万円だと、夫の所得税を計算する際に配偶者特別控除(年3万円)の対象になります。これにより、夫の所得税は、同じ年収の独身者より年間で1,500円減税されています。

給料から天引きされる社会保険料と税金の目安:夫婦二人世帯
夫(年収300万円) 妻(年収200万円)
額面給料 250,000円 166,667円
厚生年金保険料 23,790円 15,555円
健康保険料 12,753円 8,339円
雇用保険料 1,250円 833円
所得税 4,402円 2,264円
住民税 18,054円 11,027円
月の手取り額 189,751円 128,649円
二人分の手取り 318,400円
※筆者が試算。数値はあくまでも目安。
※住民税は前年の所得をもとに計算されるが、今回は今年の収入をもとに計算。
※給料から天引きされるのは社会人2年目から。

年収500万円の人の家賃の目安は?

家賃は手取り額の何割くらいが目安なの?

家賃イメージ
年収500万円の家賃目安は?(画像/PIXTA)

家賃の目安に明確な定義はありませんが、一般的には手取りの3割が目安といわれています。先ほどのシミュレーションに照らし合わせると、年収500万円・世帯年収500万円の手取り額は月31万円~32万円なので、約9万円~10万円が家賃の目安といえます。

住まい選びで大切なのは、家賃の負担が家計を圧迫しすぎないように配慮することです。住む地域によって家賃の相場も違うので、家計に余裕があればワンランク上の部屋を、余裕がない場合は家賃の安いエリア・物件を中心に探すなどの工夫も必要です。

年収に対する家賃の目安
年収・世帯年収額 家賃目安
200万円 3.86万円
250万円 4.76万円
300万円 5.69万円
350万円 6.62万円
400万円 7.55万円
450万円 8.47万円
500万円 9.39万円
550万円 10.20万円
600万円 11.12万円
650万円 12.03万円
700万円 12.75万円
750万円 13.56万円
800万円 14.33万円
850万円 15.20万円
900万円 16.03万円
950万円 16.86万円
1000万円 17.69万円
1500万円 25.13万円
2000万円 32.11万円
2500万円 38.37万円
3000万円 44.43万円
筆者が試算。単身世帯の年収をもとに毎月の手取り額を計算し、3割相当額を家賃の目安とした。

単身世帯が都内23区で部屋を借りる場合をシミュレーションしてみよう

単身者が東京都23区内を中心に住まいを探す場合、想定される主な間取りは1Kや1DKなどです。23区内の家賃相場はマンションタイプだと最も安い江戸川区・葛飾区・足立区で7万円、人気が高いエリアでは渋谷区が10.2万円、千代田区が10.4万円で、最も家賃相場が高かったのが港区で11万円でした。

年収500万円の単身者の家賃目安は約9万円~10万円なので、1Kや1DKなら23区内の一部を除きどのエリアでも選べます。通勤に便利なエリアを中心に、お気に入りの住まいを探してみるといいかもしれません。ただ、家賃の目安が10万円だからといって、上限額いっぱいの家賃にすればいいというわけではありません。ちょっと安めの物件・エリアで部屋を探して、浮いたお金を貯蓄にあてるという選択肢もあれば、予算の範囲内でちょっと広めの1LDKを探してみるという選択肢もあります。

23区内 1K・1DK(単身世帯想定・マンションタイプ)の家賃の安さランキング
順位 エリア 家賃相場
1位 江戸川区 7.0万円
1位 葛飾区 7.0万円
1位 足立区 7.0万円
4位 練馬区 7.3万円
5位 板橋区 7.5万円
6位 杉並区 7.9万円
7位 荒川区 8.0万円
7位 北区 8.0万円
7位 大田区 8.0万円
10位 豊島区 8.3万円
10位 中野区 8.3万円
12位 世田谷区 8.5万円
13位 墨田区 8.7万円
13位 文京区 8.7万円
15位 品川区 8.8万円
16位 江東区 9.0万円
17位 台東区 9.3万円
18位 新宿区 9.5万円
19位 中央区 9.6万円
20位 目黒区 9.8万円
21位 渋谷区 10.2万円
22位 千代田区 10.4万円
23位 港区 11.0万円
23区内、1K・1DK(マンションタイプ)の「SUUMO」に登録されている賃貸物件の賃料をもとに独自の集計ロジックによって算出(2023年3月時点)

二人世帯が都内23区で部屋を借りる場合をシミュレーションしてみよう

二人暮らしでは、1LDKや2K、2DKなどが主な選択肢になります。東京都23区内のマンションタイプの家賃相場は、最も安い足立区が8.2万円、葛飾区が8.3万円、江戸川区が8.7万円です。人気が高いエリアでは千代田区が17.8万円、渋谷区が18.3万円で、最も家賃相場が高かったのが港区で20.3万円でした。

世帯年収500万円の二人世帯の家賃目安は約9万円~10万円です。板橋区(家賃相場9.7万円)・練馬区(同10.3万円))なども視野に入ってくるので、それぞれが通勤しやすいエリアを中心に、部屋を探すといいかもしれません。
もしも、それぞれの職場から家賃補助が受けられる場合には、もう少し人気があるエリアで部屋を探すこともできますし、家賃を安く抑えて浮いたお金を将来のために貯めておくこともできます。価値観はそれぞれ違うので、二人で話し合って決めるといいでしょう。

23区内 1LDK・2K・2DK(二人世帯想定・マンションタイプ)の家賃の安さランキング
順位 エリア 家賃相場
1位 足立区 8.2万円
2位 葛飾区 8.3万円
3位 江戸川区 8.7万円
4位 板橋区 9.7万円
5位 練馬区 10.3万円
6位 荒川区 11.0万円
7位 北区 11.2万円
8位 大田区 11.6万円
9位 杉並区 12.3万円
10位 江東区 12.4万円
11位 中野区 12.8万円
12位 豊島区 12.9万円
13位 世田谷区 13.2万円
13位 墨田区 13.2万円
15位 台東区 14.0万円
16位 品川区 15.0万円
17位 文京区 15.1万円
18位 目黒区 15.5万円
19位 新宿区 15.6万円
20位 中央区 17.0万円
21位 千代田区 17.8万円
22位 渋谷区 18.3万円
23位 港区 20.3万円
23区内、1LK・2K・2DK(マンションタイプ)の「SUUMO」に登録されている賃貸物件の賃料をもとに独自の集計ロジックによって算出(2023年3月時点)

家賃が安い部屋を探すポイントは?どこに注目して探せばいい?

アパート・マンションの部屋探しでは、家賃だけでなく最寄り駅までの距離、周辺の環境、通勤通学に便利な沿線のエリアなど妥協できないことがあります。どうしてもエリアにこだわりたいという場合には、以下のようなポイントに注目して、相場より安い物件を探してみるといいでしょう。

家賃が安い部屋を探すポイントのイメージ
家賃が安い部屋を探すときに注目したいポイント
  • 同じ建物でも1階にある部屋は家賃が安くなる傾向がある
  • 築年数が経過している物件を選ぶ
  • RC造や鉄骨造を避け、木造の物件で探す
  • 風呂/トイレ別の物件ではなく、3点・2点ユニットバスの物件を選ぶ
  • 最寄り駅から徒歩10分以上の物件を選ぶ
  • マンションよりアパートのほうが家賃が安いことが多い
  • エレベーターなしの物件を選ぶ

年収500万円の家計はどんな感じ?食費や光熱費は毎月いくら払っているの?

年収500万円の単身世帯の家計をシミュレーション

家計シミュレーションのイメージ
家計をシミュレーションしてみよう

年収500万円の家計を具体的にシミュレーションしてみましょう。支出金額は、総務省統計局発表の「家計調査 2022年」をもとに主な項目を抽出し、家賃は手取り額の3割を目安に計算しています。

単身世帯の1カ月の支出は19.31万円で、手取り額との差額11.97万円が手元に残ります。金銭的に余裕があるので、旅行などの趣味に対する支出を増やすことができるのではないでしょうか。

単身世帯の家計シミュレーション
支出項目 金額
家賃 9.38万円
食費 3.91万円
水道光熱費 1.31万円
教養娯楽 1.80万円
通信費 0.70万円
交通費 0.38万円
衣類 0.50万円
家具・家事用品 0.55万円
習い事・教育費 0.04万円
保険・医療費 0.74万円
支出合計 19.31万円
手取り額 31.28万円
貯金可能額 11.97万円
出典:家賃以外の支出データは、総務省統計局公表の「家計調査 2022年 (表番号1) 第4表 世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」から抽出。
※習い事・教育費は、単身世帯は趣味での習い事や自己啓発目的のセミナー受講費、勉学のための教材費など、ファミリー世帯は子どもの教育費など含む。

世帯年収500万円の二人暮らしの家計をシミュレーション

夫婦など二人暮らしの家計をシミュレーションしたところ、1カ月の支出額は25.93万円でした。大きく増えたのは食費で、光熱費なども増えています。黒字ではありますが、貯金額を1万円でも増やすため過度な贅沢は控えた方がいいかもしれません。もしも会社からの家賃補助があれば、もうワンランク上の物件を探すこともできるでしょう。

夫婦など二人暮らしの家計シミュレーション
支出項目 金額
家賃 9.55万円
食費 6.76万円
水道光熱費 2.20万円
教養娯楽 2.31万円
通信費 1.05万円
交通費 0.35万円
衣類 0.68万円
家具・家事用品 1.08万円
習い事・教育費 0.44万円
保険・医療費 1.49万円
支出合計 25.93万円
手取り額 31.84万円
貯金可能額 5.91万円
出典:家賃以外の支出データは、総務省統計局公表の「家計調査 2022年 (表番号1) 第4表 世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」から抽出。
※習い事・教育費は、単身世帯は趣味での習い事や自己啓発目的のセミナー受講費、勉学のための教材費など、ファミリー世帯は子どもの教育費など含む。

収入の範囲内で無理なく暮らせる住まいを探そう!

年収500万円の世帯は、目安といわれている9~10万円の家賃の部屋を借りても、収入の範囲内で暮らしていくことができそうです。ただし、家族が増えると家計がひっ迫する可能性があるため、家賃が安いエリア・物件への住み替えも検討する必要が出てきます。今回紹介したシミュレーションを参考にして、無理なく暮らせる住まいを探しましょう。

まとめ

家賃相場は手取り額の3割が目安といわれており、年収500万円・世帯年収500万円の世帯の家賃目安は約9~10万円になる

家族が増えるなどして、収入の範囲で支払うのが難しい場合には、家賃が安いエリアや物件を中心に探すことも大切。木造の建物を選ぶなど、紹介したポイントに注目して探すといい

会社からの家賃補助があれば、年収500万円・世帯年収500万円の世帯は家計に余裕が出る場合もある。その際にはワンランク上の住まいを選んだり、将来に備えて貯蓄したりと、それぞれの価値観に合わせて使い道を考えるといい

賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
中古マンションを探す
新築マンションを探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
土地を探す
注文住宅の会社を探す
売却査定する
リフォーム会社を探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
文/齋藤勇 イラスト/青山京子
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る