太陽光発電入門ガイド

最終更新日 2022年09月09日
太陽光発電入門ガイド

Q 太陽光発電はどんな仕組みなの?

A 屋根に太陽光パネルを設置し、光を電力に変える仕組み

太陽光発電の仕組み

太陽光発電の仕組み
まずは基礎的な説明から。太陽光が当たると発電する素材を利用した複数枚のパネルを屋根に設置し、発電した電気を家庭で使用したり、電力会社に売ることができたりするのが太陽光発電システム。パネル以外にも、パネルで発電した電気を家庭で使える「交流電気」に変換するパワーコンディショナー、家電製品へと電気を供給する分電盤、発電量を確認するモニターなどとあわせて使用する。
出典:一般社団法人太陽光発電協会

Q どれくらいの電力がまかなえるの?

A 年間で使う電力の約7割をまかなうことができる
※発電した電力のすべてを自家使用した場合

NEDOの全国日射関連データマップによると、太陽光パネル1kWあたりの年間発電量は、1000kWh前後が目安。4kWの場合は、4000kWhとなる。ちなみに、国勢調査では、一般的な家庭の電力年間使用量は約5500kWh。4kWの太陽光パネルで発電した電力のすべてを自家使用すると仮定すると、計算上は約7割の電気をまかなえることになる。ただし、厳密には太陽光パネルによる発電量は、季節や地域、時間によって異なるので確認しよう。

Q 発電した電気は年間いくらになる?

A 4kWの太陽光パネルを設置すれば年間の売電額は17万円程度に
※発電した電力のすべてを売電した場合

一日の売買電量の変化

一日の売買電量の変化
2009年11月にスタートした新たな買い取り制度によると、住宅用太陽光発電の場合、設置から10年間は余剰電力を42円/1kWh(平成24年4~6月)で買い取ってくれる。例えば、4kWの年間発電量は、「システム1kWあたり年間1000kWh程度」から考えると「4000kWh程度」。仮に発電した電力のすべてを売電するなら16万8000円となる。総務省の家計調査によると、一般家庭の年間電気代の平均は約12万円。差し引きで年間5万円程度の利益が出ることになる。

発電量が最も多いのは太陽が出ている昼間。加えて、昼間の電気使用量は少ないので、自宅で使う電気をまかなった上で余った電気を売ることができる。一方、発電量が少なく電気使用量が増える夜間は、太陽光発電でまかなえない電気を電力会社から購入することになる。
出典:一般社団法人太陽光発電協会

Q 設置時に費用はどれくらいかかる?

A 設置費用や施工費用込みで平均で226万円程度が目安

太陽光発電協会の調査報告によると、平成22年度の太陽光発電システム平均設置価格(機器・工事費込) は、1kWあたり56.5万円。4kWの場合は、約226万円の計算になる。内訳は、太陽光パネル以外に、接続箱や発電モニターなどの機器類、設置する工事費などが含まれる。屋根の形状や状況によっては、補強工事などの特別な処置や追加機器が必要になることもあるので覚えておこう。

補助金を上手に活用しよう

太陽光発電システムを設置する際には、国・都道府県・地方自治体のそれぞれから補助金を受けられる。国には”太陽光発電普及拡大センター”を通じて請求する。国の補助金額は太陽光パネル1kW当たり3万5000円、または3万円(平成24年度)。平成24年度の締切は2013年3月29日。一方、都道府県、地方自治体は独自の制度で実施しており、補助金額や募集時期が異なるので役所に問い合わせよう。”太陽生活ドットコム”のように、居住する自治体の補助金を手軽に調べられるホームページもあるので、設置を検討する段階で活用したい

国:太陽光発電普及拡大センター
https://www.jpea.gr.jp
太陽光発電システム補助金の申込・申請の受付から交付までの業務を行う。ホームページには、補助金申し込みの流れや、基本知識なども掲載されている

都道府県/地方自治体:太陽生活ドットコム
http://taiyoseikatsu.com
行政からいくら補助を受けられるかを検索できるページ。住んでいる市区町村、設置する太陽光発電システムの出力などを選ぶだけで、おおよその金額が算出できる

Q 1カ月の電気代はどれくらい削減できる?

A 4kWhの太陽光パネルの場合、7000円以上削減できることも
※発電した電力のすべてを自家使用した場合

先ほど書いたように、4kWの太陽光パネルの場合は、計算上、一般家庭の使用電力の約7割をまかなえる。これを、総務省の家計調査にある月の電気料金の平均である約1万円と照らし合わせると、単純計算で月々7000円の削減となる。加えて、余剰電力は42円/1kWh(平成24年4~6月)と買電よりも高く売ることができる。昼間や夏など発電量が大きいときの売買電の差額を考えると、通年の収支では削減どころか電気代が収入になることも珍しくない。

太陽光発電×オール電化

他のシステムとの相乗効果もねらい目!
家庭のエネルギーをすべて電気でまかなう「オール電化住宅」では、IHクッキングヒーターやエコキュートなどを利用している。これらの機器をタイマー機能で使い、電気料金が安い深夜時間帯に稼働。昼間の電力を太陽光発電システムでまかなうことで、より電気料金を節約することができる。

太陽光発電×家庭用燃料電池

「家庭用燃料電池」とは、「エネファーム」や「エコウィル」に代表されるシステム。ガスで発電し、発電時に発生する熱を床暖房や給湯に利用する。太陽光発電と組み合わせればW発電となる。また、発電した電気は太陽光発電の電気よりも優先的に使えるので、必然的に太陽光発電の売電量が増える。

Q どれくらい使えば元が取れる?

A 目安として、初期費用は10年前後で元が取れる

東京都足立区では、3.5kWの太陽光発電システムの設置コストを210万円と仮定。42円/1kWh(平成24年4~6月)による売電と発電による節約額、購入時に受けられる国、都道府県、市区町村からの補助金を考えれば、10年程度での回収が可能としている。回収後は売電分の金額がそのまま収入として得られるメリットもある。ただし、製品の性能や屋根の状況などにより発電量は異なるので、あくまで目安として考えよう。

Q 非常時に備えて電気を蓄えられる?

A 太陽光パネルは電気を蓄えられないが、蓄電池を使えば可能になる

太陽光発電システムに蓄電能力はない。ただし停電時でも、昼間、太陽光で発電している間は、手動切り替えの自立発電機能が備わっているので、最大1500Wまで、家電を使用したり携帯電話を充電したりできる。ちなみに、住宅メーカー各社では、電気がためられる蓄電池や蓄電池を備えた電気自動車などと太陽光発電を組み合わせた「スマートハウス」と呼ばれる住宅製品の開発が進んでいる。

Q どんな屋根がパネル設置に向いている?

A 太陽光が十分に当たる南向きの屋根が最適

屋根の方位による発電効率

屋根の方位による発電効率
太陽光発電パネルの設置に最も適しているのは真南の方向を向いている屋根。また、発電量は多少落ちるが、南東や東、南西や西の方向を向いている屋根でも大丈夫。使用するには十分事足りる発電量を確保できる。ただし北面は、発電効率が4割近くも低下するので、設置するケースはほとんどない。また、北面以外でも、枝やビルなどが太陽光発電パネルの一部に影をつくってしまう状態では、発電量が大幅に低下する場合があるので気をつけよう。

太陽光発電パネルを真南方向に設置した場合の発電量を100%としたときの各方位の発電効率は上図の通り。基本的には北面に設置することはない。設置しやすいのは家の方向が南に向いた切妻(きりづま)屋根。寄棟(よせむね)屋根の場合は、屋根の形状が四角ではないので、複数の形状のパネルをあわせる必要がある。

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構成・文/林田孝司 イラスト/藤田としお
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