毎月の学生の収入の内訳はどうなっているのだろう。学生955人に親の仕送り額、アルバイト代、さらには奨学金などをアンケートし、それぞれ平均額を算出。親世代の厳しい経済状況を受けて、”親の仕送りだけではやりくりできない”のが現状のようだ。
学生のおおよその収入の平均額を表したのが以下のとおり。
親からの仕送りは平均4万円台で、ほぼ家賃の平均額と同程度という結果に。親からの仕送りは家賃で消えてしまうという厳しい結果になった。なかには親からの仕送りゼロという人も。もちろん個人差もあり、親からの仕送り額最高額は30万円という、うらやましい人もいる。
当然、足りない分は「アルバイト」になる。特に男子学生はアルバイトでの収入の平均が5万円台と、親の仕送り額を上回る結果に。夜間や体力仕事など、男子ならではの高収入のアルバイトができるからかもしれない。なかには月に23万円稼いだというツワモノもいる。
例えば、月々4万円をアルバイトで稼ごうとすると、時給900円なら月々45時間程度働く計算に。週に3回4時間コンスタントにバイトを続ければ可能な金額だ。しかし、病気やケガで思うように働けなかったり、試験勉強のためにバイトを入れられない時期もある。大学3年生、4年生になれば、ゼミ、実験、就職活動など、バイト時間を確保できないこともあることは肝に銘じておこう。
ちなみに2015年10月度の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」(出典:リクルートジョブズ)によると、最もバイトの平均時給がいいのは首都圏で平均1014円。職種でいうと専門職(医療関連、介護関連、塾講師など)で、平均1116円になる。学生なら、やはり塾講師や家庭教師がオイシイ仕事、といえるかもしれない。
次に収入に充てられるのが「奨学金」で、学生本人に貸与し、卒業後、社会人になった学生本人が返還していくもの。特に最近は不景気のあおりを受けて、厳しい経済状況となっている家庭が多く、奨学金は注目されている。奨学金を上手に利用すれば、保護者に大きな負担をさせず、進学をあきらめなくていい。なかには学費はすべて奨学金でまかなう先輩たちもいるだろう。
また、奨学金は大きく分けて、無利子と、利息付きの2タイプがあり、当然、無利子のほうがおトクだが、学校の成績や家庭の経済事情などの条件がある。利息付きも条件があるが、無利子よりも比較的ゆるめだ。奨学金制度としてよく利用されているのが日本学生支援(JASSO)のもの。ほかにも自治体によるもの、大学独自のもの、民間のものなどいろいろある。
最近は、就職難のあおりを受けて、卒業後に正社員として就職できず、不安定な非正規の働き方にならざるをえない人が増えた結果、奨学金の返済が卒業後の家計を圧迫する事態が社会問題になっている。”奨学金”はあくまでも”借りている”お金として、とらえておくことは必要だ。
親からの仕送り、アルバイト、奨学金が学生たちの収入の3本柱。アルバイトは不安定だが、長期休暇などでまとめて働いて稼ぐことも可能。奨学金もうまく利用すれば頼もしい味方になる。もちろん無駄な支出を削ることも必要で、これまでは親任せだった家計のやりくりを自分でやらなければいけないのが、一人暮らしの大変さだ。初めての一人暮らしで、親のありがたみが分かるかもしれない。