照明や配線・配管などはそれほど目立たないが住まいの重要なアイテム。また、太陽光発電のこともきちんと知っておきたい。
■照明の基礎知識
一室に複数の照明器具を設けて明かりを楽しもう
照明器具は天井に1つという発想を転換し、1つの部屋に複数の照明器具を設けて、もっと光による演出を楽しもう。天井につけた照明だけで明かりをとると、空間が単調な印象になりがちだ。なさまざまな照明を部屋の中に効果的に配置して、食べる、くつろぐなど、生活のシーンごとに適切な明かりを使い分けよう。照明メーカーのショールームに行くと、適切なアドバイスを受けられる。
【選び方のポイント】照明器具は、空間の雰囲気づくりと省エネ効果も考慮して選ぼう
照明器具は主に白熱灯、蛍光灯に光源が分けられる。白熱灯は赤みのある暖かい色、蛍光灯は白色のクールな色が特徴。だが蛍光灯にも電球色といわれる白熱灯と同じような色合いを出すものもある。また、これらに加えて最近増えてきているのが、新しい光源であるLEDだ。すでに、家庭用分野の商品が数多く出ており、蛍光灯と同じように白色や電球色の商品も販売されている。
蛍光灯やLEDは白熱灯と比べて、ランニングコストが安いのが特徴だ。とくにLEDの場合は、約10年もの長寿命を誇る。光源は用途に合わせ、また省エネや経済性も考慮して選ぼう。
照明器具にはさまざまな種類がある。主照明としてよく使われているのがシーリングライト。均一の明るさは確保できるが、雰囲気を重視した空間をつくるなら、シーリングライトだけでは不十分。ダウンライトやブラケット、スタンドなどを組み合わせることが魅力的な空間をつくるポイントになる。そのためには、住まいの設計段階からきちんと照明計画を行うことが大切だといえる。
照明器具の種類 ~主照明~
・シーリングライト:
天井の中央あたりに直付けして、高いところから空間全体を照らす照明器具
・ペンダントライト:
チェーンやコードで天井面から吊るす照明器具。ダイニング、和室などに使われる
・シャンデリア:
複数のランプで構成された、装飾的なデザインではなやかな印象の照明器具
照明器具の種類 ~補助照明~
・ダウンライト:
天井面に埋め込んで使う照明器具。数多く設置すれば主照明にもなる
・スポットライト:
一定の方向を照らす照明器具。アクセントになる照明として効果的に使える
・ブラケット:
壁面に取りつける間接照明器具で、ほかの照明器具と合わせて効果的に立体感を演出
・フロアスタンド:
床に置いて間接照明効果をもたらす照明器具。低い位置を照らすタイプもある
・テーブルスタンド:
ソファやベッド脇のテーブルに置いて、読書や手元の明かりとして使われる
・フットライト:
ほんのりした明かりで階段や廊下などで足元を照らすため、深夜のトイレも安心
■太陽光発電システムの基礎知識
太陽電池が太陽エネルギーを電気に変える
太陽光発電システムは、屋根にのせた太陽電池で太陽光を受けて、そのエネルギーを家庭で使える電力に変える仕組み。雨の日や夜間は電力会社の電気を使い、太陽光で発電して余った電力は通常の電気代の約2倍で電力会社に売って精算する。最大出力約4kWの場合、計算上は、年間で使う電力の約7割をまかなうことができる(地域などにより異なる)。
【選び方のポイント】屋根形状に合わせてふさわしいシステムを選ぶ
最近の太陽電池の特徴は、太陽電池モジュール(規格サイズ)の小型化などによって、搭載効率が向上していること。以前は、狭小敷地の寄棟(よせむね)屋根などは搭載しにくいので、あきらめていたケースもあった。しかし寄棟屋根対応の太陽電池を選べば十分な電力を得ることができるようになっている。
太陽電池には屋根置き型と屋根一体型がある。既存住宅への設置は、主に屋根置き型になる。新築の場合はいずれかを選べる。設置費用は、設置工事費、パワーコンディショナなどの関連機器込みで最大出力1kW当たりの平均が63万円前後。一般的には3~4kWのシステムを設置することが多いので189万円~252万円が目安となっている。
なお、太陽光発電を導入すると補助金をもらえるという国の制度は2013年度をもって終了したので注意してほしい。地方自治体の補助金制度については自治体により実施しているところも。
■省エネモニターの基礎知識
家で使っているエネルギーを一括管理
今自分の家でどのエネルギーをどれくらい消費しているか一目でわかれば、節約しやすくなる。これまでも太陽光発電など専用モニターを使用している例は多いが、今普及しつつあるのが、電気だけではなく、水道からガスまで家の中で使っているさまざまなエネルギーを一括管理できるHEMS(ヘムス)だ。
【選び方のポイント】使っている設備機器に合わせシステムを構成する
家の中で使用しているエネルギーを“見える化”するモニターシステムが登場し、導入する家庭も増えてきている。例えば、電気、ガス、水道から発電・蓄電池などの使用状況を、見たいところだけ確認することも可能。専用の分電盤ではなく、既製の分電盤に対応。また、室内にモニターを設置する必要がなく、気になったその場で手元のスマートフォンやタブレット、パソコンからチェックすることができる。家庭で使っている機器に合わせて、システム構成が選べるので、詳細をメーカーに問い合わせてみるのがよいだろう。
■配線器具の基礎知識
家の間取りが確定したら綿密な配線計画を
照明やスイッチ・コンセントの位置および数は暮らしに大きく影響する部分。しかし案外、プランニング時にはおろそかにしていることが多く、家ができあがってから後悔する人が少なくない。設計の段階で、どこでどのような電気製品を使うのか、しっかりシミュレーションをしよう。間取りができあがったときが配線計画のタイミングだ。図面上で詳しくチェックしたい。
【選び方のポイント】マルチメディア対応など最新機能に注目
配線プランを考えるときは、最新のスイッチや分電盤にも目を向けよう。最近は、人感センサー付きのスイッチも発売されている。近づいたら足元を自動で照らしてくれるフットライトは、お年寄りや子どもにとっても安心だ。また、廊下や階段の照明は、2カ所でオン・オフできるものが便利。
分電盤は、外から引いた電気を家の中に分配する機器。IHクッキングヒーターなどの200V機器や、太陽光発電を入れる場合は、専用のブレーカーを組み込んだものを採用しておくと便利だ。
またテレビのデジタル化や各室でのパソコン利用に伴って、住宅内LANを構築する必要もある。後付け配線は、床にコードが這うなど見苦しくなりがち。マルチメディア用のポートやコンセントをあらかじめ設計に取り入れておくと、配線を隠すことができ、部屋にケーブルが散乱しないですむ。
■配管器具の基礎知識
目に見えないが、暮らしに大きく影響する
給水や排水をつかさどる配管は非常に重要な部材にもかかわらず、一般にはそれほど注目されていない。ここでは排水時の音を低減させる配管やサビにくいステンレス配管を紹介しよう。こうした配管にも注意を払うことで、生活をより快適にできることを覚えておきたい。
【選び方のポイント】防音配管やステンレスなど性能や素材にも配慮を
二世帯住宅などでお風呂が2階にある場合、1階にいる人にとって排水音が気になることがある。そういう間取りの場合に、注目したいのが防音材一体型の排水管。排水音が抑えられ静かになることで、1階の人に安眠をもたらすことができるだろう。
一方、サビにくいのがステンレス製の配管だ。長期にわたって安全な水を供給することができるのが、そのメリットだ。
こうした配管は、後付けする場合は工事費も割高になるが、新築時なら、低コストで導入することができる。関心がある場合は、建築の依頼先などに導入の相談をしてみよう。プラン作成時に導入を検討するのがよい。
■ホームエレベーターの基礎知識
2階建てでも用いられスピードも速くなった
ホームエレベーターは個人住宅専用のエレベーターで、2~4階建て住宅に適用され、2人乗りと3人乗りがある。法的にエレベーターが昇降する高さや速度が決められているが、法改正によってスピードも速くなり、乗っている時間が短縮された。また、以前のように3階建てだけでなく、家事動線などを考慮し、2階建てにも多く用いられるようになっている。
【選び方のポイント】何人乗りが必要かなどを設計の初期段階で検討する
ホームエレベーターを設置するメリットは、昇降がラクになり、階段の事故を防止できること。とくに高齢者にとってはうれしい設備だ。二世帯住宅に設けると、親世帯のスペースを日当たりのよい2階や3階に設けることもできる。フロアの行き来もしやすくなるので、家族の交流を促進する。
また高齢者だけでなく、家事労働の負担を考えたとき、1階で洗濯したものを2階のバルコニーに干すといった動線がラクになり、とくに赤ちゃんを育てながら家事をする時期にはうれしい設備だ。
機種選択のポイントは、まず何人乗りにするのか、車椅子で乗ることも想定するのかが、ポイントになる。それによって確保するスペースが異なってくるからだ。スペースが異なると、間取りに大きく影響するので、プランニングの初期段階で検討をすませておきたい。デザインや色もさまざまそろっているので、内装とのコーディネートを考えながら選んでいこう。
■シロアリ対策の基礎知識
薬剤を散布せずに防除できる方法も
シロアリは木材を食い荒らす住まいの大敵だ。家を建てるときには、その対策をしっかり行っておきたい。シロアリは地中を通って建物の基礎の内側などに侵入してくることが多いので、これまでは薬剤散布を行うことが多かった。最近は薬剤に頼らないでシロアリの巣を根絶する方法も登場している。
【選び方のポイント】家のまわりに埋めてシロアリの巣を根絶
シロアリ対策は、薬剤散布以外では、シートやコンクリートで床下の地表を覆うという方法も行われている。また、このほかに薬剤を散布するのではなく、小型の容器に入れて地面に埋め込む方法も。最小限の薬剤でシロアリの巣の根絶が可能というものだ。建物の周囲に薬剤入りのエサが入った容器を埋め込んで設置する。シロアリは、仲間でエサを分け合う習性があるため、数カ月で巣全体に薬剤が行き渡り、巣を根絶させる。必要な分の薬剤をシロアリ自体が行き渡らせるので、薬剤は少量ですみ環境にも優しい対策方法だ。契約期間中は、再発防止の監視など専門家によるサポートも得られる。
住まいの設備を選ぶ本(2016年春 1月26日発行)掲載
文/林 直樹、川口章子