エクセレントシティ多摩永山 （取材レポート）

西氏〉 数だけでなく、“保育の質”への取り組みも行なっています。その一つが「保育環境評価スケール」の導入です。これは、アメリカで開発され現在世界20カ国以上で採用されている、いわば“保育の質を測る客観的なモノサシ”です。
鈴木氏〉多摩市の認可保育所については、公立が一園で、他は経営主体が全て異なります。多摩市内、各園の運営方法、保育カリキュラムや保育士教育、園内設備、食育指導などを情報共有することで、多摩市全体の保育の質をボトムアップさせる指針として活用しています。共通のスケールを持つことで、このスケールよりクオリティの低い園は多摩市にはないということを、認可保育所の皆さんで共有しています。

鈴木氏〉 小中学校では「ユネスコスクール」の認証取得も進めてきました。多摩市は教育テーマに「ESD（Education for Sustainable Development）」を掲げてきました。子どもたちが地域の環境や地球環境について考える取り組みを展開し、そんな中から「子どもみらい会議」も生まれました。その考え方がユネスコの指針とフィットすると考え、永山小学校・永山中学校を含むすべての小中学校で認証を取得しています。
子どもたちがゴーヤなどの“グリーンカーテン”を栽培することで快適環境を体感したり、自然のエネルギーでどう発電できるかを考えたり、植物や生き物について学ぶ事業に取り組んだり。各校ごとに様々な取り組みを進めています。

廣瀬氏〉多摩市ではさまざまな子育て支援の取り組みを行なっていますが、これらをより多くの方に知っていただくために2024年8月に「たまこどもフェス」を開催しました。
市内の幼稚園や保育所等、子どもに関わる団体が一堂に会して開催した、子どもや保護者のための遊んで学べるイベントで、子どもは一日中楽しめて、保護者は子育てに関する相談や幼稚園・保育所の特徴を学ぶ機会とできるよう、それぞれの子育て関連団体が創意工夫を凝らしました。
とても嬉しかったのは、小学生からイベント内容の問い合わせがあったこと。市役所に子どもから電話が入ることはなかなかありませんし、お子さんが楽しみにしてくれていることに感動しました。

西氏〉 多摩市は、一人当たりの公園の面積で都内有数の広さをもつ自治体です。幼稚園や保育園は園庭も広い上に、さらに近くに公園がたくさんあり外に出て元気に遊べる環境があるので、のびのびと子育てできます。
廣瀬氏〉 2025年にリニューアルオープンした「多摩中央公園」内にある「多摩市立中央図書館」など、文化施設が多いのも特徴です。新しくできた図書館の隣に、子どもが遊べる遊具もあったり、コーヒーを飲みながらゆったり外で図書館の本を読んだり、いろいろな楽しみ方のできる中央公園は自慢の一つ。人気キャラクターのアミューズメント施設や人気のアニメーションスタジオもありますし、ご家族でゆったり暮らせるまちですね。