クレヴィアシティ神戸舞子駅前 （取材レポート）

福岡氏──舞子ホテルといえば、もともとは海運王と呼ばれた日下部久太郎氏の別邸。美しい洋館の佇まいは「大正期の名建築」として称えられました。本物件はその跡地を受け継ぐ大規模プロジェクトとして地元内外から関心を集めているようですね？

小牧氏──おかげさまで全国の皆様からお問い合わせを頂いております。舞子エリアは政財界の名士たちの別荘地として発展したまちですが、中でも舞子ホテルは地域のランドマークであり、地元の皆様から長く愛され続けた存在。そのため、この土地の風景や記憶を大切に継承したいと考え、建物の意匠だけでなく、自生植物など生態系保護にも配慮しながら本プロジェクトがスタートしました。

福岡氏──私も現地を訪れてみましたが、驚いたのは「駅徒歩3分」という便利な駅前立地にありながら驚くほど静かな邸宅街であること。さらには“瀬戸内海を一望する景勝地”なのに、駅から現地までは坂を上らず、ほぼフラットなアプローチで移動できます。この点は急な坂が多い神戸・舞子エリアにおいてかなり恵まれた条件と言えます。

小牧氏──別荘地として選ばれ、舞子ホテルになった後も長く愛され続けた理由は、まさにその「住環境の良さ」にあるのでしょうね。多くの方が“何度も訪れたくなる場所”だったからこそ、住まいとしても“永く快適に暮らせる場所”になるはず。この土地の歴史こそが、本物件の立地評価を裏付けていると思います。

福岡氏──最近の住まい選びでは、まず「物件の資産評価」に注目する人が増えています。一般的に評価の目安となるのは「駅からの近さ」と「規模の大きさ」。実際に新築価格と中古価格の推移を数値化したRV(リセールバリュー)を見ると「駅徒歩3分以内で140.7%」「総戸数300戸以上で161.7%」と数値が高くなっています。その点、本物件はJR神戸線舞子駅徒歩3分×山陽電車舞子公園駅徒歩2分の“ダブル駅近”であり総戸数356戸の大規模マンションなので、資産評価の観点でも強みが揃った物件と言えます(※5)。

小牧氏──舞子駅はJRの快速停車駅で三ノ宮まで20分で直結しますし、大阪駅・京都駅へも乗り換えなしでアクセス可能。舞子公園駅から直通特急に乗れば大阪梅田駅・山陽姫路にもスピード直結可能。この交通利便のおかげで平日の通勤・通学移動も軽快に行えます。また、休日には海岸をお散歩したり釣りを楽しんだりと、遠出をしなくても地元に多くのレジャーが揃っています。

福岡氏──オンもオフも謳歌できるアクティブな環境ですね。ちなみにJR神戸線沿線は既に駅周辺の街並みが成熟し、駅近で広い用地を探すことは難しいと言われます。過去の供給実績を見ても、神戸市内のJR神戸線沿線で「総戸数300戸以上」かつ「敷地面積1万4000m²超」の大規模物件は本物件だけ。幸運にも舞子ホテル跡地を継承することで叶った“なかなか出会えないマンション”である点も評価に値します。

福岡氏──“ここに、私らしさ。”というブランドスローガンからもわかる通り《クレヴィア》は各物件の個性を尊重した住まいづくりに定評があります。本物件の場合は、やはり「舞子ホテルのDNAを受け継ぐ意匠」が最大の個性と言えますね？

小牧氏──舞子ホテルの館内には多くのステンドグラスが使われていましたが、どれも約100年前に制作されたと思われる美術的価値の高い作品です。そのため補修を行った上でラウンジ等の共用部に展示し、歴史的意匠として保存を試みています。

福岡氏──まさにラグジュアリーホテルで暮らすような“住まいへの誇り”を感じることができそうですね。また、前庭の植栽にはマンションでは珍しいクロマツを列植するなど、ランドスケープデザインにも風格が漂っています。

小牧氏──舞子公園にもクロマツ林が広がっているように、海に面した舞子エリアならではの地域景観を大切にしたいと考えました。専門家の監修のもと生物調査を行い、生態系を守る植栽計画に取り組んだことで「ABINC認証」を取得しています。希少な海浜植物のハマアオスゲのほか、コナラやカシなどのどんぐりの木は事前に苗を採取し、外部の圃場で育てた上で、敷地外周の法面に移植する計画になっています。

福岡氏──共用部には2つのゲストルームやコワーキングスペースに加えて「コミュニティハブ」という交流スペースが設けられると聞きました。これは大規模物件ならではの充実度ですね。

小牧氏──「ホテル セトレ神戸・舞子」とのタイアップにより、パーティールームでシェフの料理教室を開いたり、淡路島の産直マルシェを開催したりと、入居者の皆様の交流を育むイベントを計画しています。また、運営会社の株式会社ホロニック様には共用部監修にも携わっていただき、畳ラウンジで家族対抗ボードゲームをしたり、ブックソムリエが選んだ本を読みながら知識の扉を新たに開いたりと、自宅の外でも多彩な過ごし方をお楽しみいただけます。

福岡氏──驚いたのは「共用部の混雑可視化サービス」について。このようなサービスを導入したマンションは他で見たことがありません。

小牧氏──実は私自身が感じていた“大規模マンションのちょっとしたストレス”を解消するために導入しました。例えば、機械式駐車場の操作盤待ち、コワーキングスペースの混雑状況など、自宅を出る前にリアルタイムで確認できれば時短にもつながります。新築分譲マンションで初の試みとなります(※6)。

福岡氏──舞子ホテルの歴史や伝統を継承するだけでなく、革新的な取り組みも積極的に進めていらっしゃる…本物件は関西マンション史の中でも、永く語り継がれる「羨望の存在」になりそうですね。