ザ・サーパス前橋駅前 （取材レポート）

建物内も様々な工夫が。オーナーズラウンジ・プライベートラウンジと続く共用スペースも立地に適う優雅なつくりだ。興味深かったのはバックヤードの細やかな配慮で、メールボックス前のカウンタースペースとベンチ。郵便物や宅配を取り出したりする際に「ちょっと置けるスペースがあれば」と思った方は少なくないはず。タワーパーキング出庫の待ち時間に腰掛けられるベンチというのも、意外に有りそうで無かったものと言えるかもしれない。セキュリティ面も充実。都市型レジデンスには必須と言ってよい駐車場シャッターゲートが設けられ、カードキーもしくは暗証番号で解錠・施錠ができる「デジタルドアロック」機能も採用。機能性はもちろん様々に施された高い防犯性能も大きな安心につながる。

先進の住まいのひとつの条件となりつつあるZEH-M Orientedの認証も取得。ZEHは経済産業省が推進するネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、建物の高い断熱性能と高効率の設備によってマンション全体での年間エネルギー消費量を20%以上削減するという基準。単純に住宅の高性能化は喜ばしく、光熱費が高止まりしている昨今、コストダウンにつながる仕様も歓迎すべきこと。さらに、今の時代背景を考えると省エネを目指すZEHはマンション性能の判断基準として重要視される可能性は高く、今後はZEHの対応有無が、マンションの評価を分ける可能性があることを知っておく必要があるだろう。

整然とした街区が特徴なだけに、街並みも大変きれいな印象を受ける。特に県庁周辺は江戸や明治・大正期の遺構や歴史的建造物もあり、何より豊富な緑に恵まれている。幾つもの商店街が集まる商業ゾーンは老舗百貨店を中心に昔ながらの商店や料理屋などが健在だ。さらに最近になって新規開業したような洒落たショップやカフェなどもチラホラ、古い街に新たな芽吹きも感じられる。駅南側にはシネコンも併設する複合商業施設・けやきウォーク前橋もあり、近隣で生活関連施設に事欠くことは無い。

そして前橋で注目すべきは教育環境の良さだろう。市内の国公立の小・中・高校は、教育に関心の高い世帯から注目を集めていると聞く。街のあちこちにある進学塾の看板が、そんな教育環境を裏付けている。医療施設は群馬中央病院や群馬大学医学部付属病院など総合病院をはじめ、各種クリニックが充実している。要するに、古くから栄えてきた街であるがゆえに暮らしに必要な環境はきちんと整っているというわけだ。先日「群馬が移住希望地ランキングで全国1位に」（※3）という報道があったが、このように生活環境が整い交通利便性が高ければ当然だろうし、昨今の物価高から物価水準が全国で44位（総務省データ）であるのも魅力となっているとのことだ。そんな評価もある群馬県の“県都”前橋の駅最前列の住まい──立地に加え商品性の高さも併せて考えれば、検討する価値は大いにあるだろう。