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定年退職で第二の人生に挑む「60歳からの新たな名刺」

定年後のカフェ経営で、老後の収入源確保と人脈づくり

子どもが独立し、自身も長く勤めた会社を定年退職。第二の人生を充実させるべく、退職金で自宅の一部を改修し、何らかの活動を始めるシニアの方が多いようです。例えば趣味の写真や絵画を集めたギャラリーを開いたり、思い切ってカフェ経営に挑戦したり。その背景には、定年後の新しい自分の居場所や役割をつくりたいという思いも。好きなものをより多くの人とシェアしたいと考えているため、知人・友人など範囲を限定せず、地域に広く住み開きをしているケースが目立ちます。

D男さん(66歳)
40年間勤めた会社を定年退職したD男さん。子どもも独立し部屋が余ったため、退職金で自宅の一部を大規模改修して店舗仕様に。住居部分の玄関とは別の入り口を設けてカフェをオープンさせました。コーヒーは夫、料理は妻が担当し、ランチタイムから夕方までマイペースに営業しています。
D男さん(66歳)
老後の人生を輝かせる、カフェ経営という新たなチャレンジ

定年退職を機に、長年の夢であるカフェ経営に挑戦

ともにカフェ巡りが趣味で、自分の店を持つことに憧れていたD男さん夫妻。夫の定年退職を機に、思い切ってチャレンジすることにしました。30年前に新築で買った一戸建てが老朽化していたこともあり、耐震改修工事も兼ねて大規模リフォーム。1階の約半分を店舗仕様にして、お客さん用の入り口も新たに設けています。

飲食店経験ゼロながらも、入念な準備でファンを獲得

ちなみに前職は建設関係で飲食店の経験はナシ。それでも長年のカフェ巡りで培った知識を活かし、メニューづくりや店内レイアウト、インテリアに至るまで人気店のノウハウを随所にとり入れています。また、夫は若いころからコーヒー好きでしたが、定年後に改めてコーヒーについて学び、もともと料理が趣味の妻は野菜ソムリエやオーガニックコンシェルジュの資格も取得する力の入れよう。妻の実家が農家ということもあり、直送野菜でつくったオーガニックメニューを提供。おいしいコーヒーと料理は評判を呼び、なかなか盛況のようです。

利益は毎月10万円程度。老後の貴重な収入源に

現在は週4日、ランチタイムから夕方までのマイペース営業ですが、町内会から頼まれてイベントなどにランチボックスの宅配を行うことも。それでも毎月の利益が10万円程度あり、夫婦ふたりの年金と合わせれば十分な収入になります。売上に関しては当初「マイナスにならなければいい」という程度に考えていましたが、独立した子どもに頼らず老後を暮らしていける収入を確保できていることには夫婦ともに満足感を抱いています。

地域とつながり、人脈を広げる喜びも

カフェをオープンさせたもうひとつの目的は、「地域との交流や人脈づくり」。その目論見どおり、これまで近所に住んでいながら交流する機会がなかった地域の人々がカフェを訪れるようになり、知り合いも増えました。また、お客さん同士がつながって茶飲み友達になることも多く、コミュニティスペースとしての役割も果たしています。会社員時代から社会貢献に対する関心が強く、定年後も地域や社会の役に立つ人生を送りたいと願っていたD男さんにとっては、こうしたことも大きな喜びになっているようです。

定年後も社会との接点をもち、生き生き暮らしたいと思っている人にとって、家を開いて何かを始めるのは有益な選択肢になるようです。退職金という大きな資本を武器に設備投資にお金をかける人もいれば、最初は最小限の費用負担で済ませる人も。ただ、いずれの場合も無理をせずマイペースで営業していることが多いようです。また、子どもの独立や家族構成の変化などで空室になったスペースを有効活用しているケースが多いのも、このタイプの特徴です。第2の人生を自分の趣味やチャレンジしたかったことで地域に貢献したいと考える人も多いようです。
調査から見えた家を開いている「アクティブシニア男性」の傾向
  • 世帯年収はまちまちで、息子や娘と同居している人も一定数存在
  • 周囲とのつながりや絆を重視したいという意識が高い人が多く、交友範囲を広げたいと考えている人も多い
  • 「遊び心のある暮らしを送りたい」「こころが豊かな人生を送りたい」など精神面での充足に価値を置く人が多い
  • 社会貢献、地域貢献に対する意識が高い
  • 収入は期待を下回っても、無理なくマイペースに続けているため、満足度は高い

「アクティブシニア男性」の実例

  • 一軒家の1階を使った
    親子支援の子育てカフェ

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  • マンションオーナーが開いた、
    憩いのカフェ

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情報掲載日/2014年10月29日

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