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一軒家の1階を使った親子支援の子育てカフェ

開いたスペースとオーナー

オーナーアイコン
一軒家の1階を使った親子支援の子育てカフェ

昼下がりの住宅街。静かな路地の奥にある一軒家に、小さな子どもを連れたママたちが集まってくる。子育てカフェ「ジジハウス」。64歳の「ジジ」こと斉藤義明さんが代表を務める、2歳までの子どもと親のためのスペースだ。50歳で会社員を辞め、イチから福祉の道に入った斉藤さん。高齢認知症患者のグループホームや障害児の学童保育などを経て、4年前にジジハウスをオープンした。
「これまでに来てくれた親子は1000組ほど。遠くの地域から来る親子や外国人、ハーフの子どもも多いです。スタッフは親子に対し『プライベートの質問をしない』『自分の子育ての経験を押しつけない』ことなどを心がけていて、利用者からすればそんな一定の距離感が心地よいのかもしれません」(斉藤さん)
ジジハウスが提供するのはあくまで場所。子育てはあくまで親の責任というスタンスで、過度に干渉することなく静かに子どもの成長を見守っている。
「現在、予備軍も含め産後うつになる母親は増える一方。でも、外に出て気分転換しようにも、赤ちゃんと出かけられる場所は限られています。そんなときにこそジジハウスを利用してもらいたいです」
過去には、産後うつで通院していた母親が、ジジハウスを毎日訪れるようになってから回復したケースもあるという。悩める母親にとっては、頼れるジジの存在が支えのひとつになっているのかもしれない。

  • 静かな住宅街の路地裏に
    ひっそりとたたずむ
    にぎやかな商店街を抜けて住宅街の狭い路地を進んだ奥、赤いパラソルが目印だ。かなり奥まった分かりづらい場所にあるが、多くの親子が集まってくる。(※手前のフェンスの家はジジハウスではありません)
    静かな住宅街の路地裏にひっそりとたたずむ
  • 安全に子どもが遊べる広々プレイルーム
    安全に子どもが遊べる
    広々プレイルーム
    母親たちが憩うカフェスペースの奥には和室のプレイルームがあり、ボランティアスタッフが子どもたちに対応。襖にかけてあるのは子どもたちのネームプレート。現在、会員数は577組にも上るとか。
  • 日当たりのいい
    カフェテラスも開放
    晴れた日は庭のウッドデッキを開放。水に濡れても腐らないアイアンウッドを使用している。ママたちがここでおしゃべりしている間、子どもは備え付けの滑り台で遊ぶ。
    日当たりのいいカフェテラスも開放
  • マスコット犬ハッチは子どもたちの人気者
    マスコット犬ハッチは
    子どもたちの人気者
    「ジジ」こと斉藤義明さんと愛犬の「ハッチ」。4歳のハッチは、子どもたちに人気のジジハウスのマスコット。斉藤さんいわく、やや臆病な性格だが、ママや子どもには絶対に吠えないという。
  • 赤ちゃんをお昼寝させるスタッフ。学生から主婦まで複数のボランティアに支えられている。

    赤ちゃんをお昼寝させるスタッフ。学生から主婦まで複数のボランティアに支えられている。

  • 洗面室にはオムツやタオル、替えの子ども服なども用意されていて、必要に応じて貸し出している。

    洗面室にはオムツやタオル、替えの子ども服なども用意されていて、必要に応じて貸し出している。

  • オムツ台が設置されたトイレ。買い物途中の授乳やオムツ替えに利用することもできる。

    オムツ台が設置されたトイレ。買い物途中の授乳やオムツ替えに利用することもできる。

  • たくさんの赤ちゃんや大人と触れ合うことで、人見知りをしない子どもに育つという。

    たくさんの赤ちゃんや大人と触れ合うことで、人見知りをしない子どもに育つという。

かかった費用は?

キッチンやウッドデッキの改修、滑り台など備品の購入で、費用は約300万円。うち100万は「目黒区子育てカフェ事業」の助成金を利用した。1回の利用料を格安の500円に設定しているため運営は厳しいが、値上げするつもりはないという。

アドバイスとこれからの展望

「自分の生活空間を開放する場合は色々不都合な面もあります。例えばお客さんを迎えるときは見られたくないものを隠さないといけないし、部屋やトイレも掃除しておく必要がある。ストレスも溜まりますし、できて月1~2回が限度でしょう。ここは2階が生活スペース、1階がカフェになっていて、入口も分かれているのでストレスは感じません。長く続けるためにはそういうメリハリも大事かと思います。ジジハウスは5年目を迎え、今も多くの親子に利用してもらっていますが、卒業した母親がここでリトミックを取り入れた音楽講座などを開くこともあります。そうした何かを始めるきっかけを引き出す場所としてもお役に立てればうれしいですね」

間取りとDATA

間取り1

空いてるスペース

施主名 斉藤義明さん
構想期間 1年
開いているスペースの面積 約140m²
開いているスペースの% 約45%
住所 東京都目黒区鷹番2-15-5
TEL 03-3713-3968
ホームページ http://jijihouse.net/
営業時間 9:00~17:00(17時以降は要予約)
定休日 無休
アクセス 東急東横線学芸大学駅から徒歩5分
建物形態 一戸建て

※2013年4月にこちらの施設は閉鎖されました

取材・文/榎並紀行<やじろべえ> 撮影/藤本和成 間取図イラスト/tokico

情報掲載日/2013年3月13日

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メディア掲載履歴

2013年11月28日
TBS「Nスタ」で紹介されました。
2013年10月19日
「“自宅で自分らしく働く”ワーキングスタイル&マネー術」公開セミナーを開催しました。

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更新情報

2016年6月15日
【実例追加】 近隣住民も集う マンションの日曜喫茶
2016年5月25日
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2016年4月28日
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  • 住活マニュアル 賃貸部屋探し編
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