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- ●名前:N・Rさん(夫・32歳) N・Sさん(妻・30歳)
- ●家族構成:夫婦
- ●職業:SE(Rさん)、SE(Sさん)
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- ●所在地:神奈川県横浜市港北区
- ●築年数:築18年
- ●アクセス:東急東横線綱島駅から徒歩5分
- ●間取り:2LDK/51.19㎡
- ●家賃:14万5000円、管理費込み
- ●入居時期:2010年10月
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夫の職場へのアクセスがよく、駅に近い物件を探していたNさん夫婦。新築では予算内の物件がなく、リノベーション物件まで選択肢を広げた。あるときネットで見つけたマンションが気になり、問い合わせ。目当ての部屋は既に埋まっていたものの、間取りが同じ上階の部屋を紹介されたという。
「その部屋はまだリノベーション工事前で、不動産会社から『これから壁を塗るので、リビングの壁のうち一面を好きな色に指定できますよ』と提案されました。最初に問い合わせた部屋はペイント材ではなく普通の壁紙で仕上げるタイプで、しかも色が選べるような特典はなかったのですが、『おもしろそう!』と2人とも興味をもちました。汚れても上から塗料を塗って隠せるというのもよかったですね」
契約時はリノベーション工事前だったため、壁の色を選ぶことができた。(写真は同間取りタイプの別室)
壁の色は、夫婦の好みもオーナーの要望も加味して絞った約10種類から吟味
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壁色を決めるときはまずぼんやりと夫婦のイメージを伝え、不動産会社と大家さんが絞った10色のなかから検討を重ねていったという。
「そこからは毎晩、壁色についての夫婦会議。 最初はおまけ程度にしか考えていなかったのに、いざ選ぶとなると結構悩みましたね。色の種類がやっと決まっても、次は色の濃さで迷ったりして。最後は『仕上がってみたらイメージと違っても、1万円くらいで塗り直せるからいいや』と思って決めたんですが、期待以上でした!」
2人が選んだのは夫婦ともに好きな「水色」。抜けるような青空を思わせる鮮やかな色彩で、空間を広く見せている。選んでいるときのことをNさん夫妻は「普通の賃貸では味わえないワクワク感があって楽しかったです」と振り返る。
ベーシックなビニールクロスだと、かなりシンプルな印象
(写真は同間取りタイプの別室)
たった一面の壁の色で、部屋全体の印象が大きく変わった
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インパクトの強い壁は部屋全体のコーディネートにも一役買う。ここに住むようになって小物や家具の選び方も変わったという。
「この壁なら絵を飾ったり、オブジェに凝ったりしなくても十分印象的ですよね。壁自体がインテリアの役割を果たしていると思います。家具や小物もこの壁の色を軸に選ぶようになりました」
好きな色を基調にまとめられた心地よい空間。自然と気持ちもポジティブになる。「疲れて帰ってきても、青空みたいな壁の色を見ると自然とさわやかな気持ちになりますね」
入居前の時間を悩みつつも楽しめるのは、セレクトできるパーツがある部屋ならでは
穏やかな壁の色に合わせシンプルな家具、小物をセレクト
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Nさん夫婦の場合、たまたまリノベーション工事前の部屋に出合い、不動産会社から提案を受けたことで、壁のペイントカラーを自由に選ぶことができた。入居者の退去後に壁紙を張り替える大家さんも増えているため、Nさんのように工事前のタイミングにうまく合えば交渉してみよう。検討してもらえる余地はありそう。
豊かな質感のペイント仕上げは魅力的だが、一般的な賃貸物件では、壁は塗料で仕上げるよりクロスを張ることが多い。クロスを1面か2面程度あるいはトイレだけなど部位を決めて選ばせてもらえないかという交渉をしてみよう。どうせ張り替えるなら一部の色を変える程度ならコストもそこまでかからないことが多いので、聞いてみる価値はありそうだ。
大胆な色で、個性的に仕上げても
(写真はNさん宅と同塗料別色で仕上げた事例)
シックな色を選べば、部屋全体が落ち着いた印象に
(写真はNさん宅と同塗料別色で仕上げた事例)
取材協力/オリエンタル産業株式会社取材・文/榎並紀行撮影/藤本和成