日本建築の味わいは、老舗の旅館や料亭などが海外旅行者からも愛されていることからも分かるように経年で建物の深みが増していくことにある。そして、その魅力が確認できるのが菰野町で公開されている純和風・入母屋造の「モデルハウス」。手掛ける職人が貴重になってきていることから、現代ではなかなかお目にかかれない本格和風住宅だが、同社なら創業以来100年超の伝統技を継承する大工が現代住宅に織り込み100年品質を目指してくれる。現地では屋根を幾重にも重ねる重厚な外観はもちろん、玄関土間や書院造りの座敷、様々な装飾技法で表現した天井、組子細工が施された建具、38cm角の大黒柱、太い丸太で組み上がった小屋裏の様子などが確認できるのでぜひ出かけてほしい。実際、古民家再生のブームもあり、純和風住宅の強靭性・芸術性が見直され始めている現代。これだけの技術を持った大工が担当するとなればマイホームを建てる際にも誇りになると思う。