空創工房

地震対策に必要な制震装置・ダンパーは、主に建物の壁と柱の接合部などに設置され、地震で発生する揺れのエネルギーをアルミの弾力性などを利用して吸収する仕組み。同社では耐震等級3をクリアする基準の木造住宅用制震ダンパー「ブレースリー」を採用。石屋根などの自然素材が持つ重量に耐えうる基礎（地盤と建物をつなぐコンクリート部分）や土台（構造躯体の構造材）においても堅牢な家づくりとなっている

同社はオリジナルブランド“太陽と暮らす家エコロノイエ”に「Hiraya」という商品を展開し、延床面積59.51平米（18坪）・標準仕様で1900万円台の価格となっている。近年では1人暮らしの女性宅を建てることも多く、同社は営業・設計士ともに女性であることを強みに、平屋の窓の位置や防犯面の工夫について提案を行う。女性ならではの物事を感覚的に捉え共感する力を家づくりに活かしている。

同社の家づくりは、天然石、漆喰の壁、無垢材といった自然素材で造られる。床や屋根に使用される粘板岩は、築後300年経った外国の家では美観を損なわず存在し続けるほど。漆喰は耐火性・耐久性が高く、吸湿・放湿性を持つため、家の中の湿気を調整するという。天然無垢材は調湿性能を持ち、夏は涼しく冬は暖かい。木立の中に居るような優しい香りと癒しを与えてくれる。

同社が家づくりに使用する「木」は、和歌山県紀州で育まれた山長商店の杉や檜。よじれのない素直な木質が特徴で強度特性を持つため、古くは江戸屋敷の建造や高野山をはじめ京都・奈良の寺社建立に利用されてきた。木は、菌や虫が嫌うさまざまな天然の化学物質を持ち、杉や檜はその作用が強いため抗菌・殺菌効果があるとされる。家づくりの土台や室内など、それぞれにふさわしい樹種が使用される。