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スパなどでよく見かけるミストサウナ。じんわり温かく、いい汗もかけて気持ちいいですよね。
もし自宅にミストサウナがあったら……という人も多いようで、家庭用ミストサウナが注目されています。
「でも大規模なリフォーム工事が要るんじゃないの?」という方、実は部分工事で取り付けられるミストサウナもあり、選ぶ製品によってリフォーム工事の規模も変わってきます。この記事では、ミストサウナの効果や、家庭のお風呂に導入する方法などをご紹介します。
ミストサウナは、一般的な「乾式サウナ」(ドライサウナ)よりも低温・高湿度の環境によってサウナ効果を生み出す「湿式サウナ」のひとつです。
一般的な乾式サウナが室内温度70℃~100℃と高温なのに対して、ミストサウナはじんわりと温まる40℃前後。低温なので体への負担が少なくなります。また、湿度も乾式サウナは10~30%ほどですが、ミストサウナは70%~100%と高めなので、ドライサウナのような息苦しさもなく、髪やお肌への刺激も少ないのです。

サウナは蒸し風呂の一種ですから、湯船につかるお風呂と同様に体を温められます。そして温まることで皮膚が柔らかくなり、体の汚れも落ちやすくなります。汗をたっぷりかきますから、美容や頭皮のケア効果も期待できますし、気分もリフレッシュできるのです。
ドライサウナや湯船での入浴より体への負担が少ないので、心臓の弱い方や、お年寄りの方も安心して温まれます。入浴前にあらかじめ運転しておけば、お湯張りの間に浴室全体が温まるので、冬の入浴前にありがちなゾクッとする寒さがありません。お部屋と浴室との温度差を軽減するので、ヒートショック(※)防止にもつながります。一見ぜいたく品のようですが、湯船にお湯を張るより手間や水の使用量を抑えられるので、実は合理的なのです。
(※)ヒートショック…急激な温度差で、血圧が瞬間的に大きく変動することで起こる健康被害のこと。家の中の温度差が大きい11月から3月に起こりやすい

家庭用のミストサウナには、大きく2つのタイプがあります。
●先付けタイプ
浴室の天井に機器を埋め込んだり、壁の高い位置(天井近く)に、いわゆるエアコンのような形状の機器を設置したりして、リモコンで操作するタイプ。
温冷両方に対応する強力なミスト機能に加えて、暖房運転の予約などもできる製品があります。


●後付けタイプ
壁の比較的低い位置に機器を設置して、直接操作するタイプ。予備暖房機能がついているものもあり、寒い日の入浴前に使用すると快適に過ごせます。
それぞれ、設置できる条件や価格帯、機能などに差があるので、設置したい浴室の状況なども確認してから選びたいところです。

ミストサウナ製品の中には、ミストを出す機能だけでなく、温風を出す・送風する・換気するといった機能を兼ね備えているものがあります。これらの機能を組み合わせることで、以下のような便利な使い方ができます。
・温風…ミストなしで浴室を温めて、ヒートショックを予防する
・温風+換気…浴室を乾燥させて結露やカビを防ぐ / 浴室乾燥機として、浴室内で洗濯物を乾かせる
・送風+換気…夏の蒸し暑い時期に湿度を下げて快適に入浴できる
先付けタイプのミストサウナを新たに取り付けるには、給水・給湯・排水の配管工事が必要です。ミストサウナ機能がない浴室乾燥暖房機と交換する場合でも、ミストサウナを使うためには給水・給湯・排水の配管が必要になります。浴室全体にかかわる工事になりますので、一般的には浴室全体のリフォームをする際に取り付けられることが多いようです。
また、次のような条件では取り付けられなかったり、強度・材質の確認、補修、追加の機材や工事が必要だったりすることがあります。
・土やしっくい、木の壁の浴室
・大きな窓(1m2 以上)がある浴室
・壁にひび割れがある浴室、接着タイプのタイル貼りの浴室、その他特殊な壁の浴室
・水道水以外を使う(温泉水・井戸水など)
・給湯配管と機器の高さが違う(浴室は2階、給湯器は1階にあるなど)
上記以外にも給湯器の仕様や給水圧力などさまざまな設置条件がありますから、まずはメーカーや施工業者に相談すると良いでしょう。

天井近くの壁に機器を設置するタイプのミストサウナは、排気のため浴室の中でも外壁(屋外に面した壁)に設置されるのが一般的です。窓がある浴室の場合は、窓の上にどれくらいスペースがあるかも設置できる条件にかかわってきます。

壁掛け(後付け)タイプのミストサウナを新たに取り付けるには、給湯配管の分岐工事が必要です。例えば、浴室の蛇口に来ているお湯を分岐させて、ミストサウナの機器へ送るイメージです。既存の配管から分岐するので、天井埋め込みタイプのように浴室リフォーム時でなくてもよく、比較的簡単な工事で取り付けられます。
なお、次のような条件では取り付けられなかったり、強度・材質の確認、補修、追加の機材や工事が必要になったりすることがあります。
・土やしっくい、木の壁の浴室
・室外と面している外壁が三面ある浴室
・大きな窓(1m2 以上)がある浴室
・壁にひび割れがある浴室、接着タイプのタイル貼りの浴室、その他特殊な壁の浴室
・水道水以外を使う(温泉水・井戸水など)
・換気扇のない浴室(換気機能がないミストサウナの場合)
・天井埋め込みタイプの浴室暖房乾燥機が設置されている浴室
・ガス温水浴室暖房乾燥機が設置されている浴室
上記以外にも給湯器の仕様や給水圧力などさまざまな設置条件がありますから、やはりメーカーや施工業者に相談して、設置できるかどうか検討した方が良いでしょう。

後付けタイプは先付けタイプと比べて設置位置やミストの出る位置が低くなるので、ミストの噴霧方向や、浴室内の他の設備との兼ね合いなども考えて設置する必要があります。壁の強度が足りない位置や、壁裏の設備に干渉する位置には取り付けられないので、工事担当者とよく相談しましょう。取り付ける高さも、自分や家族の身長と合っているか、操作や電池交換などはしやすいかを確認して決めます。
ミストサウナがお風呂で健康になるためのサポートをしてくれるだけでなく、浴室乾燥や冬場のヒートショック防止にも一役買ってくれるとは、驚いた方もいるかもしれません。浴室リフォームを考えている方も、そうでない方も、ぜひミストサウナ導入を検討してみてくださいね。
ミストサウナは体に優しく温まれる。家庭用のミストサウナはエコで暖房などもあり多機能
リフォーム級の工事が必要な先付けタイプと、配管分岐だけの後付けタイプがある
どちらもさまざまな設置条件があるので、メーカーや施工業者とよく相談を