マンションは新築と中古、どっちがいい? メリットとデメリットを知って自分に合う方を選ぼう

最終更新日 2025年10月15日

マンションは新築と中古、どっちがいい? メリットとデメリットを知って自分に合う方を選ぼう

「新築マンションが欲しい。でも、最近の新築は価格が高いから、中古マンションのほうがいいのかも」と、迷っている人も多いでしょう。でも、価格の高い安いだけで決めてしまうと、購入後、後悔することがあるかもしれません。新築と中古、それぞれのメリット、デメリットを知って、どっちが自分に合っているのか冷静に見極めましょう。

新築マンションのメリット、デメリットは?

メリットは、最新設備の付いた新しい部屋で暮らせること

新築マンションのメリットは、まだ誰も住んだことのない空間で新生活をスタートできること。内装も設備も新品、というのは気分のいいものです。床や天井、収納スペース内などがキレイなだけでなく、キッチンや浴室、トイレなどの住宅設備には、高機能な最新のものが採用されているケースも多くあります。

ビルトイン浄水器や静音シンク、食洗機、浴室暖房乾燥機、手洗いカウンター付きのトイレなどが標準仕様なのも珍しくありません。すべてが新品のため、入居後しばらくは住宅設備の劣化による故障や、交換などの費用がかからない点もメリットです。耐震性能の技術も進化し、浸水に備えて電気関係の共用設備は地下ではなく高層階以上に設置するなど、自然災害への備えの点でも安心です。

そのほか、最近の再開発地で分譲される新築マンションなら、駅近の立地のケースも多く、買い物施設やクリニックなども誘致され、整った新しい街で暮らせます。間取りのバリエーションもあるため、中古マンションと比較して好みの間取りや部屋数の物件を選ぶことが可能です。また、税制面でも中古よりも有利なこともあります。

新築マンションの主なメリット
・新しい空間、新しい設備の住戸で新生活が始められる
・内装や設備の傷みがないので、修繕費用がかかるのはまだ先
・地震や浸水への備えがされている物件も多い
・再開発地に建てられたマンションは通勤や暮らしのための利便性が高い
・複数の住戸が売り出されるため好みの間取りを選ぶことが可能
・税制面で中古よりも有利なことも

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デメリットは、中古に比べて価格が高いこと

第一希望は新築なのに、中古と迷う場合の理由の多くは価格のことではないでしょうか。新築マンションは、同じエリアで売られている広さが同じくらいの中古と比べると価格が高く設定されています。価格が高ければ、住宅ローンの借入額も大きくなり、中古での購入に比べて毎月返済額が増えることになります。

また、新築マンションの場合は、まだ建物や完成する前に販売がスタートする青田売りが一般的。実物を見てから購入したくても、人気エリアの物件は完成前に完売してしまいます。多くの人が、実物を見ずに、間取図から住戸内をイメージして購入物件を決めることになります。完成後、内覧のときに「思ったよりも狭かった」「眺望がイメージと違う」と感じることもあるかもしれません。

マンションは、新築でも中古でも毎月、修繕積立金や管理費がかかります。しかし、新築の場合は引き渡し時に修繕積立基金や管理組合準備金としてまとまったお金を支払うことが一般的です。

新築マンションの主なデメリット
・中古に比べて価格が高め
・実物を見ずに購入するためイメージと違うこともある
・引き渡し時に中古ではかからない修繕積立金や管理組合準備金がかかる

こんな人には新築マンションがおすすめ!

中古マンションよりも、新築マンションを購入するほうが満足度が高くなるのは、住まいへの希望や資金計画に下のような傾向がある人といえます。

・誰も住んだことがない内装も設備も新しい住まいで暮らしたい
・共用設備や住宅設備が充実しているほうがいい
・資金計画に余裕がある

新築マンションのキッチンのイメージ
新築マンションは住宅設備が新しく、キレイな状態で購入できる(画像/PIXTA)

中古マンションのメリット、デメリットは?

メリットは、新築に比べて割安な価格で手に入ること

中古マンションのメリットは、そのマンションが建てられたときよりも安い価格で購入できること。都心エリアの物件では、価格がそれほど下がっていない、むしろ上昇しているケースもありますが、全体的に見れば新築時よりも価格が下がっているのが一般的。また、同じエリアの同じくらいの広さの新築マンションよりも、価格が割安です。

中古物件は、売り出されている住戸そのものを見てから購入できますから、広さや眺望、日当たり、部屋や設備の状態のほか、そのマンションの管理状態を確認することができるのもメリットです。

また、中古マンションはこれまでに建てられた年代やエリアがさまざま。希望のエリアで新築マンションの供給が無い場合、中古マンションなら探せる可能性があります。

新築マンションの場合は間取りやデザインが決められており、大幅な変更は難しいのですが、中古マンションの場合は、リフォームやリノベーションで自分の好みの空間に一新できる楽しみもあります。

中古マンションの主なメリット
・価格が割安
・実物を見て購入できる
・希望のエリアで見つけやすい
・リフォームやリノベーションで好みの空間に一新できる

デメリットは、古い設備交換に費用がかかること

中古マンションのデメリットは、建物などの古さです。物件によっては古い設備機器の交換費用や、汚れの程度によっては内装を一新する必要があることも。割安で手に入れたとしても、ある程度の出費は覚悟しなければなりません。リフォームやリノベーション済みで売られている物件もありますが、設備交換や内装一新のための費用が上乗せされています。床や壁などの遮音性や、窓の遮音・断熱・遮熱性などが、最近の物件に比べて性能が劣る場合も見られます。

入居後のランニングコストが意外にかかるのが中古マンション。マンションは築年数がたつと毎月の修繕積立金が値上げされるのが一般的です。そのため、入居時のランニングコストが新築マンションよりも割高になる傾向があります。

中古マンションの主なデメリット
・設備機器の交換などリフォームに費用がかかることがある
・断熱性や遮音性能などが新築に比べて低い傾向がある
・修繕積立金が入居時から高め

こんな人には中古がおすすめ!

新築マンションよりも中古マンションのほうが、購入後の満足度が高くなるのは、下記のような人です。

・築年数の古さは気にならない
・購入費用を安く抑えたい
・購入したいエリアがピンポイントで決まっている
・リフォームやリノベーションで自分の好みの空間にしたい

リノベーションした中古マンションのイメージ
中古マンションはリノベーションで好みの空間に変えられる楽しみがある(画像/PIXTA)

新築と中古、コストを比較してみよう

ここからは、新築にするか、中古にするかでマンション選びに迷っている人のために、コストや探し方、購入のダンドリなど、さまざまな角度から比較してみることにします。まずは、新築と中古の平均価格をもとに、価格差が住宅ローンの返済額にどれくらい影響するかを見てみましょう。

新築で買った人、中古で買った人、購入価格はどれくらい違う?

住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2024年度)」によると、首都圏で2024年度に新築マンション、中古マンションを購入した人の平均購入費用は以下の通りです。

【平均購入費用】
・新築マンション 6569万円
・中古マンション 3405万円

あくまでも平均値ですから、エリアや立地、築年数等の条件によって価格差は異なります。とはいえ、新築と中古では大きな差がついていることがわかります。

住宅ローン返済額はどう違う?

では、新築の場合の6569万円、中古の場合の3405万円の平均購入価格をもとに、新築と中古の住宅ローン返済額を比較してみましょう。借入額が多くなる分、新築マンションの毎月返済額は多くなります。

これはあくまでも一例で、人気エリアで中古と新築の価格差があまりない場合などでは、住宅ローン返済額の差がそれほど広がらないケースもあります。

新築マンションと中古マンションの資金計画を比較
新築マンション 中古マンション
価格(首都圏平均より) 6570万円 3405万円
頭金(価格の10%の場合) 660万円 340万円
借入額 5910万円 3065万円
毎月返済額 19万2756円 9万9966円
総返済額 約8100万円 約4200万円
総支払額(頭金+総返済額) 約8760万円 約4540万円
※毎月返済額は返済期間35年、全期間固定金利型1.9%、元利均等返済、ボーナス時加算なしで試算(頭金、総返済額は10万円未満を四捨五入)
※住宅ローン返済額は金融機関によって金額が異なります。表内の数字はあくまでも目安としてください(試算/SUUMO編集部)

仲介手数料で中古の諸費用は割高に

住宅を購入する際には、住宅の購入代金のほかに、さまざまな諸費用がかかります。いくらかかるかは、物件価格や利用する住宅ローンの商品、借入額などによって異なりますが、新築マンションで購入価格の3~5%程度、中古マンションで購入価格の6~8%程度が目安。6570万円の新築マンションならおおよそ200万~525万円、3405万円の中古マンションならおおよそ204万~272万円です。

中古マンションの場合は、不動産会社に支払う【売却額×3%+6万円】+消費税を上限とする仲介手数料がかかる分、新築マンションの諸費用よりも割高になります。

新築マンションと中古マンションの諸費用を比較(○=必要、×=不要)
諸費用 費用の目安 新築マンション 中古マンション
不動産会社への仲介手数料 【売却額×3%+6万円】+消費税が上限 ×
売買契約書の印紙税 購入価格が500万円超5億円以下の場合
5000円~6万円
※2027年3月31日まで軽減
住宅ローン関連費用 ・ローン事務手数料(数万円といった定額タイプor借入額の2%といったタイプ)
・ローン保証料(【フラット35】、多くのネット銀行では不要)
・印紙税 借入額500万円超~5億円以下の場合1万円~10万円
火災保険 物件の広さや補償内容等によって保険料は異なる。年間3万円程度が目安。
住宅ローンを借りる場合、火災保険加入が必須のことがほとんど
登記費用 土地や建物の所有権の登記、住宅ローン利用時の抵当権設定登記などに登録免許税がかかる。価格、登記の種類によって数万円~20万円程度。このほか司法書士への報酬が必要
修繕積立基金 物件によって異なるが数十万円程度 ×
管理準備金 物件によって異なるが数万円程度 ×
諸費用の金額 物件価格や住宅ローンの借入条件によって異なる 購入価格の3~5%程度 購入価格の6~8%程度
諸費用の額は新築マンションで購入価格の3~5%程度、中古マンションで購入価格の6~8%程度が目安

購入後のコストや税額も異なる

新築マンションでは、当初の修繕積立金額が低く抑えられているのが一般的。

中古マンションの場合は、築年数が古いものほど修繕積立金は値上がりしていることが多いため、新築マンションを購入する場合よりも高めの金額です。

また、住宅を購入すると所得税の一部が戻ってくる住宅ローン控除の控除期間が、2022年の税制改正により「新築13年・中古10年」になるなど、新築マンションのほうが優遇を受けられる傾向にあります。

コスト面を重視して新築か中古かを選ぶなら、物件価格だけでなく、購入時や購入後のコストについても考えておきましょう。

マンションとコストのイメージ
新築も中古も、マンションを購入する際はトータルでのコストを考えたい(画像/PIXTA)

新築と中古、物件の探し方を比較してみよう

新築マンションは物件の供給情報を早く知ることがポイント

新築マンションは、建物ができあがる前に販売がスタートされるのが一般的。購入は先着順、または、申し込みの締め切りを設けて複数の購入希望者がいる住戸は抽選が行われます。

角住戸や日当たりのよい方角の住戸、眺望のよい住戸などは人気が集まり、売り出してからすぐに成約したり、抽選の場合は倍率が高くなります。

マンションの総戸数にもよりますが、一度にすべてを販売するのではなく、第1期、第2期など、数回に分けて販売されます。欲しい物件なら、複数回の購入チャンスを得るために第1期から申し込むのがおすすめ。そのためにも、売り出し開始やどんな間取りプランがあるのかなど、早めに供給情報を集めておくといいでしょう。

新築マンションの新規供給情報は、建設される現場や最寄駅などでチラシが配布されたり、広告やデベロッパーのホームページ、SUUMOなどで知ることができます。

中古マンションは理想的な物件を見つけたら決断を早くするのがポイント

中古マンションは同時期にさまざまなエリアで供給されているので、立地や路線にこだわる場合でも選択肢が多いといえます。しかし、中古マンションは「一点もの」。立地や間取り、価格などがまったく同じ物件が、複数同時に売り出されることはなかなかありません。

大規模なマンションで売り出し中の住戸が複数あるケースもありますが、階数や方角が違えば眺望は違いますし、リフォームがされていれば設備や内装も異なります。他の物件との比較検討も大切ですが、長期間迷っていると、せっかく見つけた希望の物件が、他の購入希望者に先を越されてしまうかもしれません。気に入った物件が売れてしまったら、棟内の他の住戸をと思っても、希望に合うかはわかりません。

中古マンションは、価格や立地、状態などの希望条件とその優先順位を整理しておき、納得できる物件をみつけたら早めに決断するのがポイントです。

モデルルーム見学のイメージ
新築も中古も、住まいに求める条件の優先順位を整理したうえで、冷静にモデルルームや物件を見学することが大切(画像/PIXTA)

新築マンションと中古マンション、物件の購入のダンドリを比較してみよう

新築マンションは購入申し込みから入居まで1年以上かかることも

新築マンションの場合、モデルルームを見学して、気に入ったら購入申し込み。資金が調達できるかを住宅ローンの仮審査で確認後、売買契約、住宅ローンの本審査・契約と続きます。マンションが完成したら、購入した住戸が図面通りにできているか、希望したオプションは付いているか、傷や汚れなどはないかなどを確認する内覧会が行われます。
残金決済後、鍵をもらって引き渡しとなります。大規模な物件の場合、引き渡し前に購入者を集めての入居者説明会が開かれます。引き渡しまでの今後のスケジュールの説明のほか、入居がスムーズにいくように引越日の調整などが行われます。その際、デベロッパーと金融機関が提携している住宅ローンの契約会(金銭消費貸借契約会)も開かれます。

完成済み物件の場合は、購入に必要な手続き(住宅ローンの審査など)を経て比較的短期間で入居できます。しかし、完成前の物件を購入した場合、完成時によって入居までの期間が違い、半年から1年以上かかることも。入居までの間、頭金を少しでも増やせるよう貯蓄に励んだり、新居のインテリア計画を立てたりするのもいいでしょう。

新築マンション購入の流れの例
新築マンション購入の流れの図
新築マンションの場合、申し込みが完成前なのか完済後なのかで入居までにかかる期間が異なる(図作成/SUUMO編集部)

中古マンションは物件や管理状況のチェックを入念に

中古マンションの場合、物件はすでに用意できていますから、資金調達のめどがたち、売買契約や住宅ローン契約が済めば引き渡しです。ただし、リフォームをする場合は、物件の引き渡し後に工事を行い、完成してからの入居になります。リフォームをしない場合やリフォーム済み物件を購入した場合は、引き渡し後、すぐに入居が可能です。

中古マンションは新築マンション購入に比べて申し込みから契約、引き渡しまでの期間が短いため、時間に追われるようにバタバタとダンドリが進みがち。物件の傷み具合やリフォームの要不要、管理状態などを契約前にしっかり確認できるよう、物件見学の際には冷静に入念にチェックすることが大切です。

中古マンション購入の流れの例
中古マンション購入の流れの図
中古マンションの場合、「即入居可」の物件でも住宅ローンの審査や売買契約などで、入居までに短くても1カ月程度はかかる(図作成/SUUMO編集部)

新築と中古、将来、住み替える可能性があるなら?

新築マンションは、立地や物件選びに注意

将来、売却することを前提でマンションを購入する場合、資産価値の下がりにくい立地や、売りやすい物件を選ぶことが重要。都心の人気エリアや駅近物件、多くの人に受け入れられる広さや部屋数の物件なら、売却価格で住宅ローンの残債を完済できれば住み替え、買い替えがスムーズです。

中古マンションはオーバーローンになりにくい

中古マンションは購入価格が割安なため、住宅ローンの借入額が物件の担保価値よりも高いオーバーローンになりにくい傾向にあります。つまり、中古で購入して中古で売却すると、売却額が住宅ローンの残債よりも少なくて売りにくい、という事態になりにくいのです。ただし、立地がよくなかったり、築年数が古すぎたり、建物の劣化具合や管理状態などによっては、売りにくくなるので注意が必要です。

マンションの住み替えのイメージ
将来、住み替え等で売却する可能性があるなら、資産価値を維持しやすい物件を選ぶことも重要(画像/PIXTA)

新築マンションも中古マンションも、それぞれにメリット、デメリットがあります。マンション探しの際には、自分にはどちらが合っているのかをさまざまな視点からチェックしましょう。

まとめ

新築マンションのメリットは最新設備や誰も住んでいない状態の住戸で暮らせることなど

中古マンションのメリットは価格が割安になることや管理状態を確認して購入できることなど

仲介手数料がかかる分、中古マンション購入の諸費用は多めになる

物件探しのポイントや、購入から入居までの流れは新築と中古で異なる点がある

SUUMOコンテンツスタッフ
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