SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。

3人家族で暮らすマンションの広さは何m2あればいいのでしょうか?ぴったりの間取りの決め方は?家族構成や年齢、子どもは赤ちゃんなのか独立が近いのかなど、将来のライフススタイルの変化なども考えて、我が家に合う物件選びをするためのノウハウを紹介。 不動産仲介の経験も豊富な不動産エージェントの山本直彌さんに話を聞きました。
3人家族で暮らすマンションは、どれくらいの広さがあれば快適に感じられるのでしょうか。国土交通省の「住生活基本計画」を見ると、大人の3人暮らしの場合、最低居住面積水準は40m2、誘導居住面積水準は75m2となっています。では、最低居住面積水準の40m2の広さがあれば3人暮らしには十分なのでしょうか?
最低居住面積水準は、「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積」なのに対し、誘導居住面積水準は「豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積」を指しています。
「最低居住面積水準は本当に最低限の広さを指していますから、3人暮らしでは非常に狭く感じるはずです。物件探しをする際の目安とするには、誘導居住面積水準のほうが現実的といえるでしょう」(山本さん、以下同)
3人家族といってもさまざま。夫婦と親、夫婦と10歳以上の子どもの3人で暮らす場合と、夫婦と赤ちゃんの3人家族では、生活に必要なスペースの広さや部屋数は異なります。国土交通省の誘導居住面積水準を見ると、同じ3人家族でも大人3人なら75m2、大人2人と3歳未満の子どもなら60m2、大人2人と3歳以上6歳未満の子どもなら65m2、大人2人と6歳以上10歳未満の子どもなら70m2と、同居する人の年齢が上がるほど、広めの専有面積が目安となっています。

3人暮らしで一戸建ての間取りについてもっと詳しく
→3人家族が暮らしやすい一戸建ての間取りは?選び方のポイントを実例と共に紹介!
3人家族は、3人とも大人なのか、子どもが1人の場合は何歳なのか、親1人と子ども2人なのかなど、家族構成によって必要な広さや部屋数が異なります。個室がいくつ必要かも、家族ごとのライフスタイルによって異なりますから、「3人家族なら2LDKか3LDK。広さは70m2くらい」と決めてしまわずに、さまざまなタイプの物件を検討すると、自分たちにぴったりの住まいが見つかる可能性が高まります。
小学校入学前など子どものいるファミリーが多く入居する新築マンションの場合、子ども・親ともマンション内で友達ができやすいというメリットがあります。一方、中古マンションは価格や広さの面でおトク感があります。
「新築と中古、どちらがいいのかという問題には、基本的には毎月の支払い額に無理がないのであれば、新築でも中古でもどちらでも良いと考えています。ただ、今はマンションの価格が高騰しています。ファミリー層の場合、お子さんの教育費もこれからかかりますから、無理をしすぎないこと。そのためには、新築よりも価格が安い中古も検討するといいと思います」
1LDKのマンションは、8畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)と、居室が1つある間取りです。広さは物件によって異なりますが目安は40m2~50m2台。3人家族で暮らすには狭く、独立した居室が1つしかないことが難点です。

1LDKは、夫婦の主寝室で居室を使うと残りはLDKだけ。2人暮らしならそれで十分でも、子ども部屋が必要と考えている夫婦+子どもの3人家族や、大人の3人家族では暮らしにくいといえます。
1LDKでの暮らしに向いている、あるいは不便がないケースは、就学前の子どもや赤ちゃんが1人の3人家族。小学校に入学していても勉強はリビングでする習慣の子どもがいる3人家族などでしょう。
家族構成やライフスタイルは変化するもの。今は1LDKでも暮らしやすいと思っていても、子どもが増えたり、小さいころはリビングで勉強していた子どもが個室を欲しがるようになったりする可能性もあります。また、子どもは成長とともに部活動や勉強、衣類などの持ち物が増えます。大切にしまっておきたい思い出の物もあるでしょう。1LDKの場合、2LDKや3LDKの間取りに比べて収納スペースが少ないため、家族の物をしまう収納家具を置くことになり、居住スペースがより狭くなるケースも。将来、広いところに住み替えようとなったときのために、売却しやすい立地の良い都心部や人気エリアの物件を選んでおくのもいいでしょう。

マンションの1LDK間取りについてもっと詳しく
→1LDKのマンションを購入したい!売却しにくいのは本当?間取りの特徴も解説
2LDKは10畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)のほかに、居室が2つある間取りです。広さは60m2台が目安ですが、賃貸マンションや都心のコンパクトな分譲マンションでは50m2台も見られます。居室が2つあるため、3人家族でも主寝室のほかに子ども部屋を用意することもできます。

夫婦+子ども、夫婦+親といった家族構成で主寝室のほかに子どもや親の個室を確保したい世帯や、夫婦それぞれの個室は必要ないと考えている世帯に向いています。2LDKのマンションは、間取りで主流の3LDKほどではありませんが物件数が多く、立地や価格、広さなど希望する条件を満たす物件に出合いやすいといえます。
| 間取りタイプ | SUUMO掲載件数 |
|---|---|
| 1LDK(1K、1DK含む) | 156件 |
| 2LDK(2K、2DK含む) | 280件 |
| 3LDK(3K、3DK含む) | 296件 |
| 4LDK(4K、4DK含む) | 45件 |
1LDK同様、2LDKも居室の数が家族の人数よりも少なく余裕のある部屋数ではありません。将来的に子どもが増えたり、仕事用の部屋が必要になったり、という場合は、居室を2つに間仕切ったり、リビングの一部を仕事のスペースにするなどの工夫が必要です。ただし、コンパクトなタイプの2LDKではそれも難しいかもしれません。
「将来の家族の人数や働き方が明確ではない、あるいは決められる状況にない3人家族が2LDKや1LDKで暮らす場合は、賃貸マンションでの暮らしを選んでおく、購入するのであれば買い替えを視野に入れて、流動性の高い物件を選んでおくことが大切です」

マンションの2LDK間取りについてもっと詳しく
→2LDKの間取りの特徴や、マンション探しのポイントを解説。購入も賃貸も住みやすい間取りは?
→2SLDKとは?間取り図の例や2SLDKのメリット、具体的な活用方法を解説
3LDKは10畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)のほかに、居室が3つある間取りです。分譲されているマンションの間取りで主流なのが3LDKですから、理想に近い物件を探しやすいメリットがあります。
「広さは70m2台が目安ですが、最近は不動産価格の高騰もあり、価格を抑えるために専有面積を小さくしたマンションが出ています。都市部では60m2台も珍しくありません。60m2台で3LDKの場合、主寝室に6畳を確保すると、そのほかの居室が4畳や4.5畳など狭くなる傾向にあるのが特徴です」

3人家族で3LDKの間取りは、さまざまな部屋の割り振りが可能です。
「ご夫婦で主寝室を使い、子ども部屋が1つなら1部屋余ることになります。余った部屋は、在宅ワークや趣味のスペースにできます。ライフスタイルによっては、60m2台の3LDKでも不自由なく生活できるといえます」
そのほか、家族3人それぞれが個室をもつこともできますし、将来の家族構成やライフスタイルの変化にも対応させやすい間取りです。
同じ3LDKでもLDKと居室の位置関係によって使い勝手は違ってきます。LDKと間仕切りで仕切られた居室がある場合は、仕切れば個室に、間仕切りを開放すればLDKの一部として使えます。3つの居室がLDKとは壁や廊下で分離されている場合は、プライバシーを優先した暮らしを送ることができます。部屋数だけでなく、どんな暮らしをしたいのかも考えて間取りを選ぶことが重要です。

マンションの3LDK間取りについてもっと詳しく
→3LDKのマンションは何人住める?どんな間取りがわが家のライフスタイルに合う?
4LDKは10畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)のほかに、4つの居室がある間取りです。広さは80m2台が主流ですが、都市部では少しコンパクトな70m2台後半の物件や、逆に100m2を超えるようなハイグレードの物件も見られます。4LDKは2LDKや3LDKに比べると分譲されている物件数が少ないため、希望に合った間取りや立地で探す場合は、中古マンションも視野に入れることが必要でしょう。

4LDKに3人で暮らす場合、部屋の使い方はさまざまなバリエーションが叶います。夫婦の主寝室のほかに、夫婦と子どもそれぞれの個室を用意できますし、仕事部屋や趣味の部屋、収納部屋、来客用の部屋が必要な家族にも4LDKは十分なスペースがあります。家族が増えても対応しやすいのが4LDKのメリットです。
4LDKは3人家族にとっては部屋数にも広さにも十分なゆとりがある間取りです。しかし、その広さが後悔の原因になることも。
「将来の変化に対応しやすいのは広めの住戸です。しかし、気をつけたいのは専有面積が大きくなるほど、高くなる管理費や修繕積立金。固定資産税も同じマンションなら広い住戸のほうが高くなります」
マンションは狭くすることができませんから、所有している限り高めのランニングコストを支払い続けることになります。自分たちにとって広さや部屋数の多さをもて余すことにならないか、購入する前にじっくり考えることが大切です。
マンションの3LDK間取りについてもっと詳しく
→4LDKマンションの間取りの特徴や、選び方のポイントは?購入、賃貸で住みやすい間取りに出会うコツ
同じ3人家族でも必要な間取りや広さはそれぞれ。自分たち家族のライフスタイルや、今後の変化を考えてぴったりなマンションを選ぶようにしましょう。
家族人数別のマンション間取りに関する記事を見る
→2人家族のマンション購入。理想の広さや間取りは?新婚かシニアかによっても違う物件選びも解説
→4人家族で住むマンションの広さや間取りは?快適な住まい探しのポイントを解説
→5人家族のマンションの間取りや広さは何平米が暮らしやすい?何LDKがちょうどいい?
大人の3人暮らしなら75m2が快適に暮らせる広さの目安
1LDKは将来の住み替えを前提にした子どもが小さな3人家族向き
2LDKや3LDKは3人家族で暮らしやすい間取り。子どもの個室も確保できる
4LDKは広さや部屋数に余裕がある。在宅ワークや趣味の部屋が必要な世帯向き
広すぎるマンションを購入した場合、高い管理費や修繕積立金の負担が続く点に注意
マンション・ビル管理、不動産仲介の経験を経て、マンション管理コンサルタント・不動産エージェントの業務に従事。これまでに50棟を超えるマンション管理フロント業務、500件以上の不動産仲介を経験。2020年4月 株式会社さくら事務所へ参画。2023年にはさくら事務所・執行役員、らくだ不動産・副社長執行役員に就任。マンション管理士、管理業務主任者、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。