4人家族で住むマンションの広さや間取りは?快適な住まい探しのポイントを解説

最終更新日 2025年05月30日

4人家族で住むマンションの広さや間取りは?快適な住まい探しのポイントを解説

4人家族で暮らすマンションは何m2あれば快適なのでしょう?間取りは3LDKでは狭いのでしょうか?広さや間取りをどう選ぶか、1LDK~4LDKの間取りにはどんな特徴があり快適な部屋割りはどう考えるかなどを解説。4 人家族で何LDKがちょうどいいかを考えるヒントにしてください。不動産仲介の経験も豊富な不動産エージェントの山本直彌さんに話を聞きました。

4人暮らしのマンション、夫婦と子ども2人なら快適な広さは?

夫婦と10歳以上の子ども2人に必要な広さの目安は?

4人家族で暮らすマンションは、どれくらいの広さがあればいいのでしょうか。快適と感じられる広さは人それぞれではありますが、国土交通省の「住生活基本計画」には、一応の目安となる専有面積が示されています。

「住生活基本計画」で挙げられている居住面積水準は2種類。一つは「最低居住面積水準」と呼ばれるもので「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積」。もう一つは「誘導居住面積水準」で「豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積」です。面積水準の数値は、下の表のように、居住する人数が多いほど大きくなるほか、子どもの年齢によっても異なります。

例えば、大人4人(夫婦と10歳以上の子ども2人など)で暮らす場合は、最低居住面積水準は50m2、誘導居住面積水準は95m2。子どもの年齢が2人とも3歳未満になると、子ども部屋が不要だったり、家族の持ち物もまだ増えていなかったりなどで、最低居住面積水準は35m2、誘導居住面積水準は65m2とコンパクトになります。

ここで注意したいのは、最低居住面積水準はその家族構成で暮らすことが可能な最低基準の広さだということ。
「最低居住面積水準の広さでの暮らしは非常に狭く感じるもの。快適に暮らすことを前提にするなら、目安にするのは誘導居住面積水準のほうが適しています」(山本さん、以下同)

マンションの最低居住面積水準と誘導居住面積水準の表
出典:国土交通省「住生活基本計画」(図表作成/SUUMO編集部)

都内で購入された新築マンションの平均は60m2台。子どもあり世帯は約70m2

実際に購入されているマンションは、どれくらいの広さなのでしょうか。2024年3月15日にリクルートが発表した「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」では、2023年に首都圏で契約された新築分譲マンションの平均専有面積は64.7m2。東京23区は他のエリアよりも狭い62.1m2、東京都下は66.5m2など、同じ都内でもエリアによって差があります。なお、4人家族が含まれる子どもあり世帯の場合は70.8m2が平均専有面積となっています。

2023年に首都圏で契約された新築分譲マンションの平均専有面積

契約者全体 64.7m2
東京23区  62.1m2
東京都下  66.5m2
神奈川県  66.9m2
埼玉県   64.4m2
千葉県   66.7m2

ライフステージ別 平均専有面積

シングル男性世帯  52.9m2
シングル女性世帯  48.7m2
夫婦のみ世帯    66.7m2
子どもあり世帯   70.8m2
シニアカップル世帯 66.8m2

60m2、70m2、80m2のマンションはどんな間取り?

60m2~80m2台は2LDK~4LDKのマンションが中心

首都圏で購入されているのは平均60m2台のマンション、子どもあり世帯は平均約70m2、そして平均よりも広めの80m2以上は、どんな間取りのマンションなのでしょうか?同じ専有面積でも物件によってLDKの広さや居室の数は異なりますが、目安は60m2台は2~3LDK、70m2台は3LDK、80m2を超えると3LDKのほかに4LDKのマンションも見られます。

「分譲マンションの3LDKは、70m2台が広さの目安です。しかし、最近は、不動産価格の高騰を背景に、価格を抑えるためにコンパクトにした3LDKも見られ、都市部では60m2台も珍しくありません」

4人家族が快適に暮らせるマンション選びのポイント メリットと注意点は?

新築マンションは快適性や設備が充実。一斉入居で友達ができやすいメリットも

新築マンションは断熱性や気密性も高く、住宅設備も最新のものが採用されている点が魅力です。子どもが小さな世帯の場合、同じくらいの年代のファミリーが多く入居する新築マンションは、子どもも親もマンション内に友達ができやすいこともメリットといえます。

最近の新築マンションはコンパクト化の傾向。将来も住みやすいかを考えよう

「注意したいのは広さや間取り。最近の新築マンションは価格が上昇し、専有面積は小さくなっていく傾向にあります。将来も住みやすい広さや間取りなのかを考えましょう。ライフスタイルの変化に合わせて住み替える予定なら、資産性が維持しやすい物件を選ぶことが大切です」

中古マンションならリフォームの自由度を確認

広めのマンションを選ぶなら、中古マンションも視野に入れて探すのが得策です。ただし、購入前にチェックしておきたいポイントもあります。

「中古マンションの場合、リフォームの自由度を確認しておくことが必要です。子どもたちが巣立ったあと、2人で暮らしやすい間取りにしたくても、築年数の古いマンションに見られる壁式構造のマンションは撤去できない耐力壁が設置されていることがあり、部屋数を減らしたり、部屋の配置を変えたりなどのリフォームができないことがあります。また、床はフローリングに変更してはいけないなどのルールが管理規約や使用細則で決められているマンションもあります。事前の確認が重要です」

4人家族のマンション、間取り別の特徴は?狭いのはどの間取り?

1LDKのマンションはLDK+寝室。4人で暮らすなら子どもが小さな時期

1LDKは8畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)と、1つの居室がある間取りです。居室にベッドを置いて寝室として使うと、独立した子ども部屋を確保することが難しく、空間にゆとりのある快適性を望むならシングルやカップル、個室を必要としない年齢の子どもが1人いる3人家族が適しています。1LDKに多い40m2~50m2では、4人で暮らすには狭め。ただし、子どもが赤ちゃんや小学校入学前などの時期で、将来の住み替えを前提に1LDKを選ぶのはよいでしょう。

1LDK 間取り
1LDKのマンションの間取りの例
1LDK(約44m2)の間取りの例(間取図作成/SUUMO編集部)

2LDKのマンションはLDK+個室が2つ。子ども2人なら子ども部屋は共有で使う

2LDKは10畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)と、2つの居室がある間取りです。4人家族の場合、夫婦と子ども2人なら、居室の1つを主寝室に、もう一つを子ども2人で使う子ども部屋にする部屋割りが可能です。

また、シングルマザーまたはシングルファザーと子ども3人の4人家族の場合は、2つの居室のうち1つを家族みんなの寝室に、もう一つを子どもたちの勉強部屋にという使い方もあります。

ただし、子どもが男の子と女の子の場合や、だれかが受験勉強に集中したい時期が来たときは子ども部屋に間仕切りを設けて個室をつくるなどの工夫が必要になります。

「最近は、リビングにスタディーコーナーを設けて、子ども部屋ではなく家族のいるリビングで学習するケースも多いと聞いています。受験期は思春期とも重なっていますから、お子さんの個性やご家庭の事情によって最適な方法は異なります。部屋の使い方は、お子さんの意見も聞きながら考えていく必要があるかと思います」

2LDK 間取り
2LDKのマンションの間取りの例
2LDK(約71m2)の間取りの例(間取図作成/SUUMO編集部)
2LDKでの4人暮らし。2人で1部屋の子ども部屋を使うイメージ
子ども部屋は2人で1部屋。2LDKでも4人暮らしの部屋割りは可能(画像/PIXTA)

3LDKのマンションはLDK+個室が3つ。60m2台では狭い居室がある

3LDKは10畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)と、3つの居室がある間取りです。居室は1つを主寝室に、残りの2室を子ども部屋にしたり、2人で使う子ども部屋と夫婦の書斎や在宅ワークの部屋にしたりなど、部屋割りのバリエーションが1LDKや2LDKに比べて広がります。

「最近は60m2台の住戸が増えてきている3LDKですが、6畳以上の主寝室を確保するには専有面積が70m2以上ないと難しくなります。60m2台で10畳以上のLDK、6畳以上の主寝室をつくると、どうしても他の居室が狭くなり、4畳や4.5畳、場合によっては3畳台の居室が出ることも」

コンパクトな部屋は収納部屋や、狭いほうが落ち着く書斎として使い方法もありますから、物件選びを検討する際には、部屋数だけでなく各部屋の広さと使い道をよく考えましょう。

3LDK 間取り
3LDKのマンションの間取りの例
3LDK(約64m2)の間取りの例(間取図作成/SUUMO編集部)

4LDKのマンションはLDK+個室が4つ。1人1部屋も無理なく叶う

4LDKは10畳以上のLDK(リビング、ダイニング、キッチン)と、4つの居室がある間取りです。居室は、下の間取図のように広めの主寝室と、リビングに隣接した洋室か和室、独立した居室が2部屋という構成になっているプランが多く見られます。

4人家族で暮らすなら、1人1部屋で使うこともできますし、1部屋を来客の宿泊用として空けておくことも可能。将来、親との同居で家族が増えたとしても対応しやすいゆとりのある間取りです。

4LDK 間取り
4LDKのマンションの間取りの例
4LDK(約88m2)の間取りの例(間取図作成/SUUMO編集部)

4LDKの難点は分譲されている物件が少ないこと。SUUMOで東京都内で分譲されている新築マンションを検索すると、2LDKや3LDKのある新築マンションが300件近くあるのに対し、4LDK(4K、4DK含む)のあるマンションは45件。立地や広さ、価格などの希望条件に合う住戸に出合うためには、新築だけでなく中古も視野にいれて物件探しをする必要がありそうです。

東京都内で分譲されている新築マンション。間取りタイプ別の検索結果
間取りタイプ SUUMO掲載件数
1LDK(1K、1DK含む) 156件
2LDK(2K、2DK含む) 280件
3LDK(3K、3DK含む) 296件
4LDK(4K、4DK含む) 45件
※2024年11月7日現在。SUUMOで検索(図表作成SUUMO/編集部)

70m2台・3LDKのマンションに4人家族で暮らす部屋割りの工夫は?

4人家族でマンションに住むなら何m2がいい?何LDKがちょうどいい?

4人家族が快適に暮らせる広さや間取りは、世帯によってケースバイケース。2LDKで十分という世帯もあれば、4LDKは譲れないという世帯もあります。家族の年齢や子どもの人数、性別によってもちょうどいい間取りや広さは異なります。我が家にぴったりの広さや間取りがまだ決められない、という場合は、「70m2台・3LDK」の物件から検討してみるといいでしょう。70m2台・3LDKのマンションは供給されている物件の主流。供給数が多いということは、それだけニーズがあるということでもあります。気になる物件があったら見学をしてみましょう。70m2台・3LDKを基準に体感すると、我が家に必要な広さや部屋数が見えてきます。

部屋数は同じでも、間仕切りのタイプで使い勝手が違う

3LDKのマンションに4人で暮らす場合、居室の配置やリビングとの間仕切りがどうなっているかで使い勝手が違ってきます。

開放できる間仕切りでリビングと居室を一つの空間にできるタイプ

間取図のタイプAは3つの居室のうちの1つが動かせる間仕切り(ウォールドア)でリビングとつながっているタイプ。間仕切りを開放するとリビングがぐんと広くなります。間仕切りを閉めてしまえば個室として使えますが、壁で仕切られている居室に比べると独立感は下がります。個室の広さや独立性よりも、広々としたリビング・ダイニングを好む家族に向いているといえます。

タイプA
3LDKの間取りの例
3LDK(約75m2)の間取りの例。リビングと一つの空間として使える洋室があり、間仕切りを開放すれば広々リビングの2LDKにもなる(間取図作成/SUUMO編集部)

独立した居室が3部屋あるプライバシー重視型のタイプ

タイプBは3つの居室の独立性が高いタイプ。大人の4人暮らしや、子ども部屋や寝室、書斎などプライベート空間が必要な家族に向いている間取りです。

タイプB
3LDKの間取りの例
3LDK(約72m2)の間取りの例。居室はすべて壁で仕切られた独立型。コミュニケーションはLDKで、1人の時間は個室でと、空間の使い分けがしやすい(間取図作成/SUUMO編集部)

間取り3LDKのマンションは4人家族の家族構成や年齢、性別によってどう使う?

4人家族にもさまざまな形があります。家族構成や年齢、性別などによって考えられる物件探しや部屋割りのポイントを紹介しましょう。

夫婦+就学前の子ども2人

まだ親と一緒に眠りたがる年頃の子どもが2人の場合、個室よりも主寝室の広さに注意。
6畳の主寝室はシングルベッド2台、またはキングサイズ1台を置くのにちょうどいい広さです。4人一緒に寝るなら6畳より広めの部屋がある住戸を選ぶか、子どもが個室を欲しがる時期が来るまで布団を敷いて眠るのがいいでしょう。

リビングに隣接する居室が間仕切りを開放できるタイプなら、そこを遊び場にしておくと、家事をしている間も子どもたちの様子を確認できます。

夫婦+同性の子ども2人

女の子同士、男の子同士のきょうだいなら、主寝室以外の2つの居室をそれぞれの個室ではなく「遊んだり勉強したりする部屋」「眠る部屋」に分けるのも一つの方法。子どもたちが個室にこもりがちになることなく、きょうだいが一緒に過ごすことでコミュニケーション能力が育ちます。

夫婦+受験生を含む子ども2人

受験生がいる場合の部屋割りもケースバイケースです。リビングのスタディーコーナーのほうが勉強がはかどるのか、個室のほうが集中できるのかは子ども次第。どちらでも、居室が3つある3LDKなら対応しやすいといえます。

シングルマザーorシングルファザー+子ども3人

家族それぞれが個室をもつことは難しいため、きょうだいか親子で1部屋を共有するか、親の個室以外の2つの居室を子どもの「勉強部屋」「睡眠部屋」に分けるかなど、ベストな方法を家族で話しあうといいでしょう。

夫婦+子ども1人+親1人

居室が3つあるので、夫婦の主寝室、子ども部屋、親の個室を確保することができます。どの部屋をどう使うかは、生活時間帯の違いなどを考えて決めましょう。例えば、親の就寝時間が早いのであれば、リビングや浴室など生活音が出る部屋から離れた位置の部屋にするなど工夫が必要です。

在宅ワークが多い夫婦+子ども2人

子どもがそれぞれに個室を欲しがるのか、在宅ワークには個室が必要かなどによって部屋割りが違ってきます。主寝室やリビングで仕事をする場合、オンとオフの切り替えがしにくくなる点に注意。リビングの広さに余裕がある場合、カウンターを設けて家族で共有するスタディー&ワークコーナーにすれば、3つの居室は子どもの個室と主寝室に充てられます。

個室で勉強する子ども
部屋割りを決める際には、個室が欲しいのか、きょうだいと共有の子ども部屋がいいのかなど、子どもの意思も確認(画像/PIXTA)

3LDKのマンションに4人家族で暮らす場合、家族構成や子どもたちの性別、年齢などによって使いやすい部屋割りが異なります。仕事や勉強をどの部屋でするかも家族によってケースバイケース。我が家はどんな暮らし方をしたいのか、将来のライフスタイルの変化にはリフォームや住み替えで対応できそうかなども考えて、マンション選びをしましょう。

まとめ

夫婦+10歳以上の子ども2人の4人暮らしなら95m2が快適に暮らせる広さの目安

4LDKや90m2を超える広いマンションは供給数が少ない

4LDKや広いマンションを探すなら中古マンションも視野に入れること

4人家族で暮らしやすい間取りの3LDKは70m2台が主流

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取材・文/田方みき
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