3LDKのマンションは何人住める?どんな間取りがわが家のライフスタイルに合う?

公開日 2023年03月31日
3LDKのマンションは何人住める?どんな間取りがわが家のライフスタイルに合う?

3LDKでの暮らしやインテリアの置き方は、間取りの特徴によってどう変わるのでしょうか?マンションの3LDKにはどんな間取りのレイアウトがあるのか、タイプによってどのような部屋の使い方ができるのかなどをインテリアコーディネーターの住吉さやかさんに聞きました。新築マンション・中古マンションの購入や賃貸マンション探しの参考にしてください。

3LDKはどれくらいの広さ?何人家族にちょうどいい?

3LDKとはどんな間取り?

マンションの間取りとしてはポピュラーで、販売される戸数も多いのが3LDKです。3LDKとは、リビング(Living)、ダイニング(Dining)、キッチン(Kitchen)と、ほかに居室が3つある間取りのことをいいます。新築マンションのモデルルームで、また、賃貸マンションや中古マンションを探しているときには不動産仲介会社で、3LDKのことを「3L」と略して使われることもあります。

3LDKは何m2?だいたい何坪?

マンションの3LDKの広さは物件によってさまざま。地域によっても違いがあり、同じ価格帯なら東京の都心部よりも郊外や地方都市の方が専有面積は広い傾向にあります。

では、首都圏で供給されている新築マンションはどれくらいの広さなのでしょうか。「2021年首都圏新築マンション契約者動向調査」(株式会社リクルート調べ)によると、新築分譲マンションの平均専有面積は66.0m2、ボリュームゾーンは70~75m2(33%)です。3LDKはマンションの間取りタイプの主流ですから、多くの3LDKが、60m2台後半から70m2台後半の広さと考えられます。1坪は約3.3m2ですから、65~75m2は約19.7~22.7坪となります。

3LDKは何人住める?

3LDKは3~4人家族のファミリー層に人気がある間取りですが、シングル世帯や2人家族、5人以上の家族などで暮らす場合もあるでしょう。とはいえ、一人暮らしの場合は「自宅兼オフィスとして使用」「モノが多いので部屋数が必要」などのケース以外は、使わない部屋をもてあましてしまいそうです。家族の人数が多い場合は「狭い」「収納スペースが足りない」「トイレや洗面室が渋滞する」「自分の部屋が持てない」などの不満が起こりがちです。

3LDKで何人住めるのかは、住む人の暮らし方や住空間に求める広さ次第ですが、参考までに、目安として国土交通省による誘導居住面積水準を見てみましょう。国土交通省の住生活基本計画にある「誘導居住面積水準※」では、都市の中心とその周辺のマンションの場合、必要と考えられる住宅面積の水準(都市居住型誘導居住面積水準)は、シングルで40m2、2人以上の世帯は20m2×世帯人数+15m2つまり、3人家族なら75m2が必要と考えられる広さ。ちょうど、一般的な3LDKの広さと合致します。4人家族なら95m2ですから、広めの3LDKや、一部屋多い4LDKが適しています。

5人家族で子ども3人の家の広さは115m2という計算になり、一般的な3LDKでは狭く感じるかもしれません。子ども3人目を考えるなら間取りは、子どもが1人一部屋ずつ使える4LDK以上か、2人で一部屋を使うなど、家選びや部屋の使い方に工夫が必要です。

※誘導居住面積水準とは、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準。世帯人数に応じて計算される

3LDKに住む3人家族のイメージ
3~4人家族で暮らしやすい3LDKのマンション(画像/PIXTA)

3LDKは間取りの特徴別に5タイプ

ひとことで3LDKといっても、リビング・ダイニングの形や部屋の配置はさまざまです。ここでは、主な間取りタイプと、それぞれどのような暮らし方に合うのかなどを紹介します。

タテ長リビング型

玄関から廊下をはさんで居室や水回りスペースが並び、奥にリビングがあるタイプ。玄関近くには独立性の高い2つの居室、リビングの横にも居室が配置されているタイプです。間口をリビングと居室で分けるため、リビング・ダイニングはバルコニーに対して「タテ長」になります。

「3LDKのマンションで多いタイプです。特に最近は、リビング・ダイニングに隣接する4.5畳程度の広さの部屋が、壁ではなく引き戸で仕切られている間取りがよく見られます。小部屋部分は、子どもが小さいうちは引き戸を開放してプレイルームとして使い、大きくなったら個室として与えるなど、ライフステージの変化にも最小限の模様替えで対応できる点がメリット。小さい子どもがいるファミリーにおすすめのタイプです。小部屋は、テレワーク用の書斎としても使いやすいと思います」(住吉さん、以下同)

タテ長リビング型の特徴

  • リビングに隣接した居室があるため、リビング・ダイニングがタテ長になるタイプ
  • 独立性の高い2部屋と、家族が集まるLDKに近い部屋があるタイプ
  • リビング・ダイニングと隣接する部屋の間が開放できる引き戸なら、LDKが広く感じられる
タテ長リビング型の3LDKの部屋の使い方の例
夫婦+乳児の3人家族の例。子どもが小さいうちは、リビングに隣接した部屋(1)の引き戸を開放してリビング・ダイニングとつながった空間として使えば、家事をしながら子どもの様子が見守りやすい。玄関に近い居室は主寝室とテレワーク用の部屋に使用(イラスト/杉崎アチャ)

ヨコ長リビング型

バルコニーに面した間口いっぱいにリビング・ダイニングが配置されたタイプ。採光のよい方向にバルコニーがある住戸なら、明るい時間帯のリビングで快適に過ごせます。日中も家族が家にいる世帯や、休日に家でくつろぎたい世帯が暮らしやすい間取りタイプといえます。

「タテ長リビング型と同様、リビング・ダイニングに隣接した部屋が、引き戸などを開放するとリビング・ダイニングと一体となって開放感が出ます。リビングに続く部屋を子ども部屋にすると、個室を与えても親の目が届きやすい反面、深夜の音問題には配慮が必要です。親が夜遅く帰宅してリビングで過ごすとき、子どもを起こしてしまわないよう親が気を使ってリラックスしにくいかもしれません」

ヨコ長リビング型の特徴

  • 住戸のバルコニー側いっぱいに配置したヨコ長リビングが特徴
  • 独立性の高い2部屋と、家族が集まるLDKに近い部屋があるタイプが多い
  • 玄関から廊下を通り、LDKに入るとバルコニーに向かって幅広く視界が開けるため開放感が大きい
  • 採光の良い明るい空間でくつろいだり食事をしたりできる
ヨコ長リビング型の3LDKの部屋の使い方の例
夫婦+子ども2人のファミリーの例。小学生の長女には独立した個室を与え、夫婦と幼稚園児の子どもは主寝室で川の字で寝ている。将来、次女が個室を欲しがるようになったら、部屋の使い方を変更する必要がある。リフォームで和室(2)を独立した部屋にするプランもあり(イラスト/杉崎アチャ)

個室重視型

LDKと独立した3つの個室がある3LDK。そのうち、下の間取図のようにLDKを通らず各個室に入れるタイプが、居室の独立性が高い個室重視型です。

「寝室はリビングとは離れた場所にある方が、生活時間帯が異なる家族が一緒に暮らしていてもお互いに快適に過ごせます。家族がみんな大人の年齢で、それぞれに個室が欲しいという場合は、LDKと居室が分離していて玄関やトイレから各居室に直接アクセスできる間取りが理想的です」

個室重視型の特徴

  • リビングを通らず帰宅や外出、入浴などができる独立性の高い居室が用意されているタイプ
  • 1人一部屋ずつ個室を持ちたいなら、3LDKの場合は3人家族までが向いている
  • 家族と過ごす時間と、1人で過ごす時間のメリハリをつけたいファミリーが暮らしやすい間取り
個室重視型の3LDKの部屋の使い方の例
夫婦+子ども2人のファミリーの例。子どもそれぞれに個室を与え、夫婦は主寝室を使用。将来、子どもが独立したら、夫と妻がそれぞれ自分の部屋を確保できる。または、空いた部屋を書斎や趣味の部屋として使うのもいい(イラスト/杉崎アチャ)

横並び型

採光の良いバルコニー側にリビングと3つの居室が横並びに配置。全ての部屋が明るく、家族でくつろぐ時間も自分の部屋にいる時間も、どちらも快適に過ごせる間取りタイプです。

「家族全員が大人の世帯や、子どもたちが個室を欲しがるファミリーなら、居室3室はリビングとは仕切られた独立性の高い居室になっているといいですね」

どの居室も快適性が高いことで、「自分の部屋だけ北向きで日が入らない」「共用廊下に面していて落ち着かない」などの不満が生まれにくい点は大きなメリットです。

横並び型の特徴

  • リビング・ダイニングや居室が横並びで配置されるタイプ
  • 採光や眺望の良い住空間が確保できる
  • LDKが住戸の端にあれば、生活音が届きにくい部屋が複数確保しやすい
  • LDKが住戸の中央にあれば、各居室とLDKの距離が近く家族の自然な交流が生まれやすい
横並び型の3LDKの部屋の使い方の例
夫婦+小学生の女の子2人のファミリーの例。独立性の高い居室は夫婦の主寝室と、子どもたち2人の寝室に。リビングに隣接した居室(3)は子どもたちの勉強部屋に。子どもたちが個室を欲しがるようになったら、3つの居室を主寝室、長女の個室、二女の個室に(イラスト/杉崎アチャ)

メゾネット型

2階建ての戸建てのように、住戸内が上階と下階に分かれているメゾネット型。家族が集まるLDKと、プライバシーが重視される個室が分かれ、どちらの時間も大切にできる間取りタイプです。

3LDKのマンションの場合「LDKと水回りのフロア+居室3つのフロア」「LDKと水回りと居室1つのフロア+居室2つのフロア」「LDKとトイレと居室1つ+浴室と居室2つ」などさまざまなプランがあります。LDKとは別のフロアにある居室や浴室は、来客中でもくつろぎやすいのがメリットです。一方、冷暖房効率が悪く光熱費がかかることや、高齢になったりケガをしたりすると階段の上り下りが大変になる点に要注意です。

「子どももそうですが、大人にとっても、1人になれる自分の部屋があるのは良いものです。メゾネット型は、個室を重視するファミリーに向いている間取りタイプです」

メゾネット型の特徴

  • 家族で過ごすLDKのフロアと、プライベートな時間を過ごす個室のフロアに分けやすい
  • 戸建て感覚で暮らせる
  • LDKが上階にあるタイプなら、小さな子どもの足音などで階下の住戸に気兼ねをしなくてすむ
  • 同じ広さのワンフロアの間取りに比べて冷暖房効率が劣る
  • 階段の上り下りが大変
メゾネット型の3LDKの部屋の使い方の例
夫婦+子ども2人のファミリーの例。下階にはLDKと水回り、居室が1つ、上階には居室が2つあるタイプ。上階の2部屋は家族のいるLDKから目が届きにくいため、子どもが1人で眠ったり、勉強したりができる年齢になっている世帯や、家族全員が大人の年齢の世帯が暮らしやすい(イラスト/杉崎アチャ)

他にも間取りのバリエーションはいろいろ。詳しくは下の記事へ
「ファミリー向けマンション」とは?2LDKから4LDKの間取り例や特徴を教えて!

インテリアのレイアウトはリビングの形で変わる?

リビングの形は、インテリアの配置に影響します。マンションでは主流のタテ長とヨコ長のリビングの違いを知っておきましょう。

タテ長リビング型は、隣接する部屋を上手に活用

バルコニーに面したLDKと、リビングに隣接する居室が並ぶタテ長リビング型。最近は、隣接の居室が引き戸の間仕切りを開放できるプランが主流です。

「隣接の居室は間仕切りを閉めて独立した部屋(1)として使えるのですが、ほとんどの方が開放して使われています。そのため、このタイプの間取りのリビング・ダイニングは壁面が少なくなり、家具を置ける場所が限られてしまうのです」

結果として、家具の置き方はほとんどの場合、キッチンのカウンター前にダイニングテーブルと椅子、バルコニー側の壁にテレビボード、テレビと向かい合う位置にソファとローテーブルというパターンになるのだとか。

では、リビングに隣接した居室を活かして、インテリアの配置のバリエーションを広げることはできないのでしょうか。

「インテリアコーディネートのご相談にいらっしゃる方のほとんどが、隣接する居室をリビングと一体の空間として使いたいとおっしゃいます。ところが、リビングとして広く使おうとソファやテーブルを隣接の居室に配置すると、テレビとの距離が空き過ぎてしまうなど意外に難しいのです。そこで、隣接した居室は、お子さんが小さいなら遊び場にする、成長したら勉強スペースやテレワークのスペース、家族のライブラリー、子どもの個室など、さまざまな使い方ができます。リビングやダイニングとは直接関連のない、フレキシブルなスペースとして使うのがおすすめです」

タテ長のリビングで、よく見られる家具のレイアウトのイメージ
タテ長のリビングで、よく見られる家具のレイアウト(イラスト/杉崎アチャ)

ヨコ長リビング型は、壁面を利用したコーナーがつくりやすい

バルコニーに面してリビング・ダイニングが配置されているのがヨコ長リビング型。タテ長リビング型に比べて、壁面が多いのが特徴です。角住戸で2面に掃き出し窓が設けられているプランもありますが、両隣に住戸がある中住戸の場合や、2方向に窓があっても一つは腰高の窓の場合は、壁が多い分、家具を置けるスペースが多く確保できます。

横長の空間の両端に、壁に三方向を囲まれた空間があれば、カウンターを作り椅子を置いて家族のスタディーコーナーにしたり、壁一面をテレビも置ける造作の壁面収納にしたりがしやすくなります

ほかにも、ファブリックパネルやタペストリー、子どもの描いた絵などを飾るなど、壁面を活かす楽しみを家族で探すのもいいでしょう。

ヨコ長のリビングの家具のレイアウトの例
ヨコ長のリビングは家具を置く壁際のスペースが多い(イラスト/杉崎アチャ)

わが家に合う3LDKはどう選ぶ?

ライフスタイルの変化に合わせられる間取りか、リフォームで対応できるかをイメージ

同じ3LDKでも間取りにはさまざまな特徴があります。リビング・ダイニングの形や、3つの居室は独立性が高いのか、または、リビングに隣接しているのかなどで、部屋の使い方や家具の置き方も異なります。

3LDKの間取りでマンションを探す際には、今の暮らしに合うかだけでなく、将来の部屋の使い方もイメージすることが必要です。子どもにそれぞれ個室が必要になったとき、子どもが独立して部屋が空いたとき、趣味用の部屋が欲しくなったときなど、さまざまな変化に対応できるか、または、リフォームをすることでライフスタイルの変化に合わせられるかなども考えておくといいでしょう。

まとめ

3LDKとはリビング、ダイニング、キッチンと、ほかに居室が3つある間取り

3LDKは間取りの特徴別に主に5つのタイプがある

3LDKは3人~4人家族に人気のある部屋数

リビングは形によって置ける家具の量や種類、配置に影響する

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イラスト/杉崎アチャ
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