インナーバルコニーとは おしゃれに設計するポイントや後悔しないために活用方法を知っておこう

公開日 2024年05月31日
インナーバルコニーとは おしゃれに設計するポイントや後悔しないために活用方法を知っておこう紹介

インナーバルコニーはランドリースペースやセカンドリビングとして使えるおしゃれで便利な空間。
メリットがたくさんある一方で、費用面やメンテナンスのことを配慮せずにインナーバルコニーをつくると後悔してしまう可能性も。フェザーホームの石田健太郎さんにお話を伺い、インナーバルコニーの特徴や建築時のポイントを解説します。家づくりのヒントになる間取りや実例もぜひチェックしてみてください。

インナーバルコニーとは

特徴

インナーバルコニーとは、建物の内側に引っ込んだバルコニーのこと。一般的には2階以上に設けられたものを指します。

建物の外側に張り出したバルコニーとは異なり、屋根や外壁に覆われているのが特徴で、急に雨が降っても洗濯物が濡れにくく、アウトドアなどの趣味を楽しむ空間としても活用できます。

インナーバルコニー
バルコニー部分が内側に引っ込んでいるのが特徴(画像/PIXTA)

広さの目安

バルコニーの広さの目安は、洗濯物を干す目的で利用するなら奥行きが1m以上、アウトドアなどを楽しみたい場合は2m以上の奥行きがあったほうが身動きが取りやすく道具も置きやすいでしょう。

インナーバルコニーの奥行きの目安
目的によって必要な広さは異なる(イラスト/青山京子)

サンルームとの違い

また、インナーバルコニーと混同されやすい設備にサンルームがあります。サンルームとは屋外から日光を取り込みやすい設計にした空間のことで、洗濯物を干したり、子どもの一時的な遊び場など多目的に活用できます。

「インナーバルコニーとサンルームの大きな違いは、水を扱えるか否かという点です。一般的なサンルームは通常の居室と同じつくりのため水は扱えません」(石田さん、以下同)

インナーバルコニーの活用方法は?

セカンドリビング(アウトサイドリビング)として使う

インナーバルコニーにテーブルやソファなどの家具を置いてセカンドリビングとして使用することができます。

「設置する家具は防水仕様のものを選ぶとよいでしょう。リゾート家具を置くと、ラグジュアリーな空間になるのでおすすめです」

セカンドリビングとして活用しているインナーバルコニー
インナーバルコニーに家具を置いて、食事や読書などを楽しめる(イラスト/青山京子)

洗濯物を干せるランドリースペースに

屋外に洗濯物を干したいときに、インナーバルコニーがあると便利です。先述した通り、奥行きが1m以上あると洗濯物を無理なく干すことができます。
建物の中に引っ込んでいる構造のため、突然雨が降っても洗濯物が濡れにくいので安心です。

サッシ付きのインナーバルコニー
サッシ付きのインナーバルコニーは天候に合わせて窓を開閉できるので洗濯物を干すときも便利(画像/PIXTA)

アウトドアを楽しむ空間

「バーベキューやガーデニングなどアウトドアな趣味を楽しむスペースとしてインナーバルコニーを活用する選択肢もあります」

また、自転車や釣竿、ゴルフクラブなどのアイテムを手入れする場所としてインナーバルコニーを活用している人もいます。

アウトドアでも活用できるインナーバルコニー
インナーバルコニーを使って屋外の遊びを楽しめる(画像/PIXTA)

子どもやペットの遊び場

天気のよい日は子どもやペットの遊び場にもなります。広めに設計されたインナーバルコニーであればプールを設置したり、小さなドッグランのように活用することも可能です。

アウトドアでも活用できるインナーバルコニー
ペットや子どもにとって楽しい遊び場になる(画像/PIXTA)

1人の時間を過ごすためのスペース

「リビングでは家族と過ごし、インナーバルコニーでは1人の時間を楽しむといった使い方もあります。インナーバルコニーがあることで家の中の過ごし方にメリハリが生まれます。ワークスペースとして活用することも可能です」

インナーバルコニーで1人の時間を過ごすイメージ
お気に入りの家具を置いて、自分だけの特別な空間に(画像/PIXTA)

遊び心のあるリゾート空間もつくれる

インナーバルコニー を遊び心のあるリゾート空間にするという選択肢も。

「一般的なインナーバルコニーは屋外に向けて開口していますが、壁やサッシを設けて屋外と区切ってしまうつくり方もあります。壁には断熱材が入っているので、通常の居室と同様に外気温に左右されず過ごすことができます。バルコニーの床は防水仕様のため水を扱うことができるのが強みです。ジェットバスやプールなどを設置することが可能です」

リゾートバルコニーをつくる場合は、どんな設備を置くかによって必要な広さは異なります。例えば、ジェットバスとサウナ、家具を設置する場合は15畳ほどの広さが適切です。

リゾートバルコニー
壁とサッシで仕切ったリゾート仕様のインナーバルコニー。外気温や天候の影響を受けにくいため、特に豪雪地や寒冷地では人気がある(画像提供/フェザーホーム)

インナーバルコニーのメリット

天候の影響を受けにくい

奥行きがあり外壁で囲まれているため、天候や風の影響を受けにくいのがインナーバルコニーのメリットです。さらに、開口部にサッシを付ければ断熱性も高まり、雨や雪の日でも室内と同様に活用することができます。

雨天時のインナーバルコニー
インナーバルコニーは雨や風が吹き込みにくい(イラスト/青山京子)

室内空間の延長として使える

インナーバルコニーは室内空間の延長としても活用できます。

「インナーバルコニーは2階リビングと相性がよいのが特徴です。リビングとバルコニーを繋げた設計にするとリビングに開放感が生まれ、室内を広く見せる効果もあります」

インナーバルコニーをセカンドリビングにしたイメージ
設計の工夫次第で第二のリビングとして使うことができる(画像/PIXTA)

バーベキューや家庭菜園などアウトドアな趣味を楽しめる

「バーベキューやプールなどアウトドアな趣味を楽しむことができます。水が使える空間なので、汚れた場合も清掃が簡単です。また、プランターで野菜を育てたりミニ家庭菜園コーナーとして使う人もいます」

インナーバルコニーで家庭菜園をする女性
屋外の趣味を楽しめるのもインナーバルコニーの魅力(画像/PIXTA)

家にいながら非日常を味わえる

「バルコニーにジェットバスやサウナを設けることで、リゾート気分を味わうことができます。外出しにくい天候や季節のときも、この空間があることで日常を充実させられるでしょう。ホームパーティーなど人を呼ぶイベントも開催しやすくなります」

ジェットバスやサウナがあるリゾートバルコニー
ジェットバスやサウナを設けたリゾートバルコニー(画像提供/フェザーホーム)

インナーバルコニーのデメリット

固定資産税や建築費用がかかる

住宅において屋根のある部分は固定資産税の課税対象となるため、インナーバルコニーも例外ではありません。インナーバルコニーの面積は延床面積に含まれ、固定資産税がかかります。

また、インナーバルコニーは建物の内部に引っ込んだ構造のため、外壁や屋根、柱が必要となり、一般的なベランダなどと比べて建築費用が高くなる傾向にあります。

固定資産税のイメージ
インナーバルコニーのある家を建てる際は固定資産税のことも考えたい(画像/PIXTA)

床面積に含まれるためほかの空間の面積が小さくなる

容積率とは敷地面積に対する建築面積の割合のこと。インナーバルコニーは容積率の計算に含まれるため、インナーバルコニーにあてたスペースの分、ほかの空間に使える面積が狭くなってしまいます。限られた面積の中で家づくりをする場合は、インナーバルコニーのサイズや間取りに注意したほうがよいでしょう。

メンテナンスが必要

インナーバルコニーで水や土を扱う場合は、こまめな手入れが必要です。また、台風の後などは落ち葉やほこりが舞い込んでくる可能性もあります。

日々の手入れのほかにも、10~15年に一度は防水床の交換など大規模なメンテナンスが必要になります。

インナーバルコニーを掃除する人
落ち葉やほこりなどの汚れが溜まるため、こまめな手入れが必要(画像/PIXTA)

注文住宅にインナーバルコニーを設けるときのポイントは?

内と外のデザインを統一する

「インナーバルコニーをセカンドリビングとして使う場合は、室内外のデザインの統一感がポイントとなります。天井に同じ木材を使ったり、壁やインテリアの色味を統一することで空間同士の連続性が強まりおしゃれな雰囲気を演出できます」

連続性のあるリビングとインナーバルコニー
リビングとバルコニーの天井を同質にすることで、空間全体に統一感が生まれる(イラスト/青山京子)

プライバシーを守りたい場合はブラインドが便利

「家の外からバルコニー内を覗き込まれないようにするために、ブラインドを設置して目隠しをするのがおすすめです。ブラインドの素材にもこだわると、空間のデザインに調和します」

ブラインドのほかにもルーバーやカーテンなどを設置するという選択肢もあります。バルコニーのデザインに合ったものを選ぶとよいでしょう。

木製ブラインド
リゾートライクな空間には木製のブラインドがぴったり(画像/PIXTA)

窓を付けると室内空間のように使える

「インナーバルコニーの開口部に窓を設けると、室内空間のように断熱性を保つことができます。天候に左右されない点も魅力です。ただ、室内空間と違うのは水が使えること。365日いつでも快適な気温の中でジェットバスやプールを楽しむことが可能です」

さらに網戸を付けると、窓を開けたときに虫が入ってくるのを防ぐことができます。窓を開けて洗濯物を干したいときや換気をしたいときに便利です。

窓のあるインナーバルコニー
窓で屋外空間と仕切ることができると、天候や気候に関係なく空間を活用できるのが魅力(イラスト/青山京子)

水道を設置すると活用の幅が広がる

水道を設置するとプールやガーデニング、掃除の際などに役立ちます。建築上の基準を守り、排水経路をしっかりと考えて施工していれば、階下への水漏れの心配はありません。ただし、防水床の修繕は耐用年数に応じて行う必要があります。

インナーバルコニーの水道
手を洗いたいときやアウトドア用品の手入れの際にも水道があると便利(画像/PIXTA)

インナーバルコニーのある家の間取りと実例

全天候型アウトドアリビング

ジェットバスにプロジェクター、2畳のサウナ室を設けたリゾートバルコニーの実例です。リビングとはガラス戸で仕切られ、家族や友人たちといつでもバカンスを楽しむことができる特別な空間に仕上がっています。

間取り図
間取り図
リゾートバルコニーの実例
ジェットバスに浸かりながら映画鑑賞も可能。非日常感を楽しめる特別な空間(画像提供/フェザーホーム)

BBQも楽しめる14.5畳のリゾートバルコニー

ジェットバス付きのリゾートバルコニーの実例です。天井には木目の美しいレッドシダーを採用し、天然素材の高級感をプラス。ガスグリル付きなのでバーベキューも楽しめます。

間取り図
間取り図
リゾートバルコニーの実例
友人を招いてホームパーティーもできるインナーバルコニー。屋外の景色を楽しめる開放的なジェットバス付き(画像提供/フェザーホーム)

特別感のあるインナーバルコニーを設けてお気に入りの我が家に

インナーバルコニーは多目的に活用できる便利な空間です。建築会社ごとに得意とするデザインが異なるので、暮らしや好みに合ったインナーバルコニーを見つけましょう。

インナーバルコニーは、外の空間でありながら生活空間として利用できたり、暮らしながら非日常感を味わうことができます。
機能性だけでなく遊び心もプラスすることで、マイホームの価値がアップすると思います。

まとめ

インナーバルコニーとは建物の内部に引っ込んだ構造のバルコニーのこと

延床面積に含まれるため、建築時には固定資産税や容積率に注意

デザインや設備を工夫すると、セカンドリビングやリゾート空間のように活用できる

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取材・文/佐藤愛美(りんかく) イラスト/青山京子
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