一人暮らしの収納術５　収納王子コジマジックさんに聞いてみた！

スペースに余裕がないことが多い一人暮らしのワンルームなどの部屋では「収納」が暮らしやすさを左右するカギといえそう。そこで、収納のプロでありタレントの収納王子コジマジックさんに、一人暮らしの部屋での上手な収納アイデアを聞いてみた。収納の基本的な考え方から、一人暮らしの部屋で活躍しそうな収納術まで、紹介していこう。

まずは自分の持ち物と向き合うことからスタート！

使わないモノではなく「使うモノ」を収納するのが基本

キッチンと居室の区切りがないワンルームなどの一人暮らしの小さな部屋では、備え付けの収納があまりなく、収納家具を置くにもスペースに余裕がない！と困る人も多いよう。モノがあふれかえって散らかってしまうと、収納をどうにかしなくては…と考えがちだが、「ちょっと待って。それは逆！」と収納王子コジマジックさん。

「収納が苦手な人は『使わない・でも捨てたくない』モノをしまい込んでしまいがち。では、自分が使っているモノはどうなっているかというと、自分のまわりに置いている。だから散らかってしまう。しまい込んだモノもまわりに置いたモノも、全部必要なモノだと勘違いしている人がすごく多いんです」

ところが、それは真逆の考え方なのだそう。「収納スペースは、使うモノをしまう場所。捨てたくないモノを隠す場所ではありません。だから一度、使うモノをしまう・使わないモノを出す、と逆にしてみてください。使わないモノが目立つところに出ていると、邪魔ですよね。その感覚を大切にして、まずは使うモノ・使わないモノの認識をすることが大切です」

こうして使うモノを見極めたら、さっそく収納計画。「モノは『使う場所に収納する』のが原則。それを使う場所のすぐ近くに収納することが、散らかりにくい部屋づくりの基本です」

部屋探しでは持ち物が収まる収納スペースがあるかチェック

部屋探しでのチェックポイントのひとつが「自分が持っている靴や服の量を把握しておき、それが収まるか、収まらない分を置くスペースがあるかを確認すること。靴を何足、服を何着というより、これらを収納したときの棚やハンガーパイプなど収納用品の横幅を知っておくとイメージがしやすいですよ」

（画像作成／SUUMO編集部）

狭い一人暮らしの部屋での上手な収納術５

ここからはコジマジックさん直伝の一人暮らしの部屋での収納アイデアを紹介しよう。

【一人暮らしの収納術１】床置きせず壁面収納でタテ空間に収納スペースを

まず大前提として「モノを床置きしないこと」とコジマジックさん。「床にモノを置いてしまうと、モノはモノを呼ぶといって、どんどんその場所が置いてもいいスペースになってしまいます。床面積にゆとりのない一人暮らしの部屋ではなおさらNGですよね」

そんなときに活用したいのが、壁面。「最近は壁面収納のグッズがとても充実しています。例えば、突っ張り式の壁面収納。木材の上下にパーツをかぶせることで、床から天井まで板を突っ張ることができ、それに棚をつけることによって、賃貸住宅でも壁・天井・床を傷つけることなく壁面収納をつくることができます。タテ空間を上手に活用して収納力がアップするうえに、空中に浮かせることで掃除もラクになりますね」

市販の2×4木材の上下にアジャスターを取り付け、天井と床で突っ張る壁面収納グッズ「LABRICO（ラブリコ）」。突っ張り式だから賃貸住宅にも設置できる（画像提供／平安伸銅工業）

【一人暮らしの収納術２】浴室では「マグネット」を活用して収納力アップ

一人暮らしの部屋は、小さなシステムバスや、洗面・トイレと一緒になったユニットバスも多いもの。そこにこまごまとしたバス＆洗面グッズが集まってくる。

「そんなときはタオルかけに引っかけるなど、壁面を利用した空中収納がおすすめです。100円ショップなどでもマグネットや吸盤を使った収納アイテムが豊富に出ているので活用してみましょう」

小物を床や浴槽のふちに置くと、設置面に赤カビなどが発生しやすくなるが「マグネットや吸盤などの収納アイテムを使って浮かせて収納することで水切れもよくなり、床や浴槽などの掃除もラクになります」

【一人暮らしの収納術３】ベッド下の空きスペースを収納ボックスで活用

一人暮らしのコンパクトな部屋でも、ほとんどの人が置いているのがベッド。「シングルベッドでも1m×2mくらいなので、その下は広い収納スペースになります。もともと引き出し収納がついたベッドもありますが、下がオープンにあいているベッドでも、収納ケースを使うことで収納スペースとして活用できます」

「奥行きが1mあるので、手前にオンシーズン、奥にオフシーズンの衣類などと使い分けてもいいでしょう。キャスター付きの収納ケースを使えば出し入れがしやすいですね」

ベッド下のスペースに入れられる収納ケース「ベッド下収納（2面開き キャスター付き）」。キャスター付きなので、引き出してもフローリングを傷つけにくい（画像提供／ニトリ）

【一人暮らしの収納術４】必要な雑誌や資料はデータ化して紙類を処分

雑誌や資料が多いけれど捨てられない！という人は「スキャンしてデータで保存することも考えてみては。スキャンしたデータをスマホに飛ばしたり、クラウド上に保存したりして、いつでも閲覧可能になるうえ、探したり取り出したりもラクになるはずです」

スキャンが終わった紙は処分可能。ただし、現物で保存しなければならない重要書類は、処分してしまわないように注意しよう。

食品ラップほどのコンパクトなサイズでA4サイズの紙や写真などがスキャンできる「Scan Snap」モバイルモデル(iX100)。読み込んだ画像はすぐにスマホに飛ばせる（画像提供／PFU）

【一人暮らしの収納術５】捨てられないモノはほかに預けるという方法も

捨てられない、でもかさばるモノに困ったら「発想を変えて、レンタル収納スペースを利用するというのも手。地域によっては0.5畳でも5000円前後するので年間5万～6万円と結構なコストがかかりますが、それでも必要なモノかどうか考え直すきっかけになります」

また、荷物のために広い部屋を借りるよりは預けたほうがおトクになるケースもありそうだ。かさばる荷物があるなら、料金をチェックしてみよう。

収納のアイデアを学んだら、あとは実践するのみ！整理整頓された部屋に自分の好きなインテリアのアイテムを揃えて、一人暮らしを満喫しよう。