プロが選ぶ中古住宅の実力

最終更新日 2023年03月29日
プロが選ぶ中古の実力

「新築がイチバン」って思い込んでいませんか?

プロは「中古」を買って”自由な暮らし”を手に入れていた

中古を買わなかった理由

調査結果によると、「中古住宅を買わなかった理由」で最も多いのが「新築のほうが気持ち良い」から。これは、日本人特有の新築住宅信仰によるもの。2~5位には、性能や品質への不安、価格の妥当性への不安が挙がった。でも、本当に中古住宅は不安だらけなのだろうか?

今回取材した3人のプロは、「したい暮らしを実現する」ための選択肢として、積極的に中古を選んでいた。リフォームで新築同様の快適さを手に入れる、住宅診断や管理状態を調べることで物件の品質を確認するなど、プロが実践する手法が分かれば、漠然とした不安を払拭することができるはず。そこで、プロが勧める中古の購入法について聞いてみた。

中古を買った3人の「プロ」に詳しく聞いてみよう

CASE1 “建築のプロ”が選んだ 中古リフォームで思い通りの暮らし

東京ガスリモデリング・リフォームデザイン研究所長、一級建築士 天方幸子さん

※東京ガスリモデリングは、2020/7/1に東京ガスリノベーションに社名変更しました

スケルトンリフォームで、イメージ通りの住まいを創る

天方幸子さん

天方さん夫妻は夫婦ともに一級建築士。子育て中は郊外に暮らしていたが、55歳の時に、終の住処は便利な都心にしたいと思い南青山の中古マンションを購入した。

当初、新築マンションを検討していたが、予算内では希望の広さが得られず中古に切り替えたところ、出合ったのが外観の雰囲気も良い、築29年の今の住まいだ。室内は築年相応に古かったが、スケルトンリフォームをするつもりだったので気にならなかったという。専有部分はライフスタイルに合わせてリフォームで自由に変えられるもの。希望通りのリフォームができること、共用部の維持管理がしっかりしていることが決め手になった。

天方さんの住まいの履歴

「リフォームは発想がエコ。今後は中古住宅をリフォームしながら、自分らしい住まいを手に入れる時代になるでしょう」と天方さん。

プロの目利きポイント

スケルトンリフォーム
スケルトン(骨組み)リフォームとは、構造体だけの状態にしてから、給排水管や屋内配線などの交換も含め、間取りや内装を全面的にリフォームすること。すべてを新しくするので、築年の古いマンションでも、安心・快適な暮らしができる。どこまでリフォームできるかは、マンションの構造にもよるので、天方さんも設計図書を調べて、イメージ通りにできるか確認したという。

図:リフォーム前、リフォーム後

中古住宅を選ぶ際に気をつけたいチェックリスト

リフォームしやすい物件とは?
物件の構造などは、専門知識がないと分かりづらいもの。天方さんは「リフォーム会社に実際に物件を見てもらうのが理想的。難しければ、間取りの図面を見てもらうだけでも、確認すべきポイントを教えてくれるでしょう」。また、マンションの管理規約もチェックが必要だ。希望通りの工事ができるかどうか、事前にリフォームに関するルールを確認しておこう。

物件のここをチェック 築古物件はここもチェック

CASE2 “マンション評価のプロ”が選んだ 気軽に都心で住み替える暮らし

「マンション評価ナビ」を企画運営する(株)風の代表取締役 大久保恭子さん

値下がりしにくい物件を見極めて、自由に住み替える

大久保恭子さん

マンション評価のために、年間100物件ほど見ている大久保さん。新築・中古合わせて4物件買い替えたが、中古なら好立地でも手ごろな価格で買えるのが魅力だという。
「新築にこだわると選択肢が狭まって、妥協が生じます」。

大久保さんの住まいの履歴

築33年の物件を買ったときは、構造・性能面の不安解消に住宅診断(インスペクション)を依頼し、老朽化があまり進んでいないという診断結果を得た。中古だから確認できる維持管理状態については、大規模修繕の履歴や今後の予定、積立金に不足はないか、管理組合は適切に運営されているかなどを細かくチェックして安心材料を得た。築年に応じた適切なメンテナンスを行っているかどうかが、資産価値や今後の住み心地を左右するという。

大久保さんのように、ライフスタイルに応じて住まいを住み替える暮らしも、中古なら叶えやすい。

プロの目利きポイント

グラフ:築15年以降の中古価格は横ばい

資産維持率
「新築で購入しても住み始めれば市場価値は下がってしまいます。築10年ならマンションの基本性能は新築と遜色はなく、価格は3割程度下がるので中古で買うことは合理的なメリットがあります」(大久保さん)。古いマンションの場合、新耐震基準(※1)以降の物件かどうかも判断材料に。購入時に気にならなくても、売却時に売りづらい可能性があるので、注意が必要。

中古住宅を選ぶ際に気をつけたいチェックリスト

管理がいい物件とは?
「マンション評価ナビ」では、5分野101項目で評価しているが、リフォームできる住戸内より重要なのが、後から変えられない立地や建物の構造・性能、維持管理だという。管理がしっかりした物件かどうかは、下のリストを参考にチェックしてみよう。長期修繕計画などは、仲介会社に依頼すれば、管理組合や管理会社から取り寄せてもらえる。

共用部のここをチェック 管理はここをチェック

CASE3 “物件探しのプロ”が選んだ 駅徒歩10分、利便性の高い暮らし

三井ハウス浦安店主任で宅地建物取引主任者 野添守さん

売りやすさ・貸しやすさも考慮して、駅近中古を購入

野添守さん

不動産仲介の経験が豊富な三井のリハウスの野添さんが選んだのも、中古マンションだ。駅から徒歩10分以内の物件にこだわったのは、売りやすさ・貸しやすさに影響するから。実際に接客しているお客様も、駅徒歩10分以内を希望する方が多いという。

新築も検討したが、より希望の立地に近いこと、中古なら実物が見られて安心できることが決め手に。築5年だったので、設備などは新築並みだし、リフォームしないでそのまま住めた。

野添さんの住まいの履歴

不動産会社の営業の立場から見ると、「エリアを限定している場合、中古のほうが物件数が多くて探しやすいでしょう。それに、中古は価格の妥当性が分からないという方がいらっしゃいますが、周辺の成約事例を参考とした相場で価格が決まるので、ブレが少なく、分かりやすいはずです」と野添さん。

プロの目利きポイント

グラフ:月当たりの供給戸数

物件供給数
野添さんが指摘するように、新築物件に比べて数が多いのも、中古物件のメリット。右グラフのとおり、ひと月当たりの新規供給数は、新築に比べて約3倍。また、新築マンションは、特定の場所に数十~数百戸単位でまとまって供給されるが、中古マンションの供給は点在しているので、立地を限定して探している人ほど、中古マンションのほうが選択肢が多いといえる。

中古住宅を選ぶ際に気をつけたいチェックリスト

資金計画面での注意点
中古は新築に比べて、ローン返済の負担が少ないなどのメリットがあるが、資金計画面で気をつけたいポイントがいくつかあるので、整理しておこう。
また、リフォームを検討している場合、予算内で物件価格とリフォーム費用が収まるよう調整が必要になる。仲介会社によっては、物件見学の際にリフォーム費用の概算を出してくれる場合もあるので相談してみよう。

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