就職や転勤、単身赴任に伴う初めての一人暮らし。住む街をどう決めればいいのか分からない人も多いはず。そんなときに、ひとつの目安になるのが「通勤先」です。実際に六本木エリアに勤務している一人暮らしの人は、どんな路線を選び、通勤時間にはどのくらいかけているのでしょうか。家賃や間取り、今暮らしている街のお気に入りスポットまで、六本木エリア勤務の一人暮らしの先輩たちにアンケートしてみました!
六本木エリアは、日本一高いタワーマンションを含む複合施設として2023年に開業した「麻布台ヒルズ」、「六本木ヒルズ」や「東京ミッドタウン」などの高層ビルが立ち並ぶ、東京屈指の華やかな街です。かつては繁華街のイメージでしたが、最新の高層ビル群にはオフィスや高級ホテルが入っており、成熟した大人の街として変貌をとげています。アクセスは、東京メトロ日比谷線や都営大江戸線が乗り入れる地下鉄「六本木駅」が中心で、東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」や千代田線「乃木坂駅」なども利用可能。バス路線も充実しており、渋谷駅、五反田駅、新橋駅への移動も便利です。
この地域は、大使館が集まっていることから外国人の姿も多くみられる国際的なエリア。アイリッシュパブやイタリアンバー、本格フレンチやメキシカンレストランなど、多国籍な飲食店が軒を連ねています。ヘルシーなアジア料理や、ヴィーガン、ハラル対応のメニューも広まりを見せており、仕事帰りの食事の選択肢は近年さらに豊かに。
変化を続けてきた六本木エリアでは、現在も複数の再開発が進行中。六本木ヒルズの西麻布駅側では約200mの超高層棟を含む複合施設開発「西麻布三丁目北東区第一種市街地再開発事業」、六本木駅・麻布十番駅側では第二六本木ヒルズが誕生すると言われるほどの超大型開発「六本木5丁目プロジェクト」。5つの街区で構成されており、総延床面積は約108万m2にもなります。
これらの再開発には高層ビルの新設だけではなく、憩いの場の確保や歩行者にやさしい街づくりも含まれます。例えば、西麻布の再開発では目的のひとつに広場等のオープンスペースの確保があり、歩行者デッキも同時に整備する予定。六本木5丁目プロジェクトには、低層エリアの屋上や歩行空間を緑化し、「都心の森」を創出することが盛り込まれています。六本木エリアは、大人の集う国際都会のイメージを継承しつつ、誰にとっても過ごしやすい憩いの地域に進化していくのかもしれません。
まずは、六本木エリアに勤務し一人暮らしをしている人に、現在、暮らしている沿線を聞いてみました。すると、東急田園都市線が7.7%、都営大江戸線が5.8%、小田急線が5.8%と、3路線が上位にランクイン。都営大江戸線は乗り換えなしで六本木にアクセスできるほか、新宿エリア・下町エリア・練馬エリアなど、幅広いエリアを結ぶ路線なので住まいを探すうえでもちょうどいいのかもしれません。
次いで、4位には京王線が4.8%、5位は同率でJR山手線と東京メトロ半蔵門線、丸ノ内線が3.8%という結果に。上位5位のなかで、六本木エリアの駅まで乗り換えなしでアクセス可能な路線は、都営大江戸線のみ。六本木勤務で一人暮らしをしている人は、ダイレクトアクセスにこだわらず、家探しをしている人が多いようです。
ちなみに現在暮らしている最寄駅を聞いたところ、男性は恵比寿を挙げる人が複数いたのに対し、女性は麻布十番や代々木上原、都立大学、水天宮前、練馬、練馬春日町、溝の口などさまざまな駅を挙げていました。男性は利便性重視、女性は幅広いエリアから自分のライフスタイルに合ったエリアを探し出しているのかもしれませんね。
どの沿線に住んでいるのか分かったところで、次は通勤時間について聞いてみました。六本木エリア勤務の人は、いったいどのくらいの時間をかけて勤務先まで通っているのでしょうか。1位は40分以内で27.9%、2位が50分以内で19.2%、3位には30分以内が18.3%と続き、6割以上の人が通勤時間は30分~50分以内のあいだでおさめているのが分かります。
次いで、4位 60分以内が10.6%、5位 20分以内が7.7%という結果になっていました。ちなみに、20分以内という人は、他エリア勤務の一人暮らしの人と比較して少ない傾向に。六本木エリアが位置する港区は、23区内で最も賃貸物件の相場が高いエリアでもあります。憧れていても現実的にはなかなか手が届かないエリアのため、近隣に住むというより、30~60分程度、時間をかけて通ってくる人が多いようです。
次に、現在暮らしている家の、駅からの所要時間を聞いてみました。結果は駅徒歩5分以内と7分以内が同率1位でそれぞれ26.0%。六本木エリア勤務の人は、「駅チカ」派が根強いことが分かります。
3位には10分以内が24.0%、4位は15分以内が14.4%と続きますが、なんと5位には1分以内が6.7%という結果に。六本木エリアには駅直結のオフィスビルもあるので、「雨でも傘がいらない」という距離に住みたいのかもしれませんね。
一人暮らしで最も気になるのが、やはり家賃です。六本木エリア勤務の一人暮らしの人は、どのくらいの家賃を払っているのでしょうか。結果は、1位が7万円~8万円未満で21.2%。次いで2位 6万円未満が16.3%、3位が6万円~7万円未満で15.4%という順位になっています。1~3位をあわせると過半数になるため、およそ家賃8万円以内が1つの基準になりそうです。
さらに、4位は8万円~9万円未満が13.5%、5位には9万円~10万円未満で10.6%という結果になっています。恵比寿や麻布十番、代々木上原といった華やかな印象のある街で暮らしている人も見受けられましたが、全体的にみると家賃は意外にも抑えめです。一見、華やかに見えて、実は堅実な選択をしている人が多いのかもしれません。
では、家賃と並んで気になる間取りの結果を紹介しましょう。圧倒的多数ともいえるのが1Kで49%、次いでワンルームが19.2%になります。ワンルームの人は、ほかのエリア勤務の一人暮らしの人と比較して、少し多い傾向に。家賃や駅までの距離は妥協したくないという半面、「間取りはワンルームでいいな!」と思える人が多いのかもしれませんね。
一方で、キッチンが広くて食事もできる1DKが3位で12.5%、キッチンスペースがより広い1LDKが4位で5.8%、個室が2部屋ある2DK・2LDKが同率5位で4.8%という結果になっています。一人暮らしだけれど、生活スペースと寝る空間は分けたい、趣味の部屋をつくりたいなど、ゆとりある空間に住みたいと考えている人も一定程度、いることもうかがえます。
次に、六本木エリア勤務の一人暮らしの人が、今の街を選ぶ際に重視した項目を聞いてみました。最も重視したのが、「交通利便性」で51.9%と過半数以上の結果に。やはり、大きな決め手になっているようです。
2位は「生活利便性がいい」で、30.8%の人が挙げています。
3位には、「街の雰囲気がいい」を挙げている人が25%いました。どのような雰囲気に引かれたのかチェックしてみましょう。
4位は「知人・家族が近くに住んでいる」が10.6%でランクイン。
5位には、同率の3.8%で「自然が豊か」「家賃が安い」を挙げる人がいました。
六本木エリアに勤務している一人暮らしの人に、自分が暮らしている街の「お気に入りスポット」とその理由を聞いてみました。
最後に住まい探しをするときに候補として考えていたものの、あきらめた駅とその理由を聞いてみました。先輩たちのコメントには、住まい探しの「優先順位」をつけるヒントが隠れているはずです。
六本木エリア勤務の一人暮らしの人は、六本木への通勤時間を考慮しながらも、特に最寄駅からの近さにこだわりを見せていました。代わりに間取りをワンルームで妥協するなどバランスをとって、家賃を予算内におさえているよう。また、商店街や地元の公園など、「ご近所のオアシス」を見つけ、身近な場所に楽しみを見出してプライベートも楽しんでいる様子。駅名や街のネームバリューや先入観にとらわれることなく、物件を見学し、街をふらりと歩いてみると、意外な出会いや気付きがあるかもしれませんね。
六本木駅周辺は便利かつ華やかで、地下鉄やバスを利用してハブ駅への交通の便も良い
六本木エリア勤務の一人暮らしには、田園都市線・大江戸線・小田急線が人気
通勤時間は40~50分、家賃相場は7~8万円未満が最多