デュオヒルズ刈谷 （取材レポート）

「デュオヒルズ刈谷」の設計・デザインを担った株式会社南條設計室の野呂氏に、同物件でこだわったポイントを伺いました。

「まず、この街の象徴となるよう、一歩先行くデザインを目指しました。通常メインのファサードとなるバルコニー面ではなく、駅側の北面をメインのファサードとして、顔となるようガラスで囲われた特徴的なエレベーターホールを設置。夜には灯りがついて光の塔となることで、住まわれる方が駅からそれを目指して帰って来る、そんなシーンをイメージしました。また、緑との関係も意識し、植栽やランドスケープと建築が一体的になるようなデザインを心掛けました。

エントランスホールは住戸棟から独立した共用棟となっており、金属とガラスを使った洗練された空間にしました。ガラスを通して中の明かりや雰囲気がにじみ出てくることによって街並みも美しくなります。逆に内側からは外の植栽と一体になって庭が広く見えます。

エントランスホールは2層吹き抜けにすることで中庭と深く繋がり、緑をより楽しめる空間となっています。2階には多目的ラウンジを設けました。文字どおり色々な楽しみ方ができる空間です。座って中庭を眺めたり、カウンターで仕事や宿題をしたり、屋外テラスでのんびりくつろいだり。2階から住戸棟へ直接アクセスできる動線も確保しています」

同物件のランドスケープをデザインしたのは、株式会社いろ葉Designの大武氏。

「周辺にそれほどまとまった緑がない印象でしたので、野呂氏とも協議を重ね、別棟エントランスなど建物と緑が融合し、街の象徴となる美しい景観を生み出すことを目指しました。敷地内のどこを見ても、どこにいても緑を感じられることを意識して4つのガーデンをレイアウト。

お客様が帰って来て最初に出会うアプローチに「前庭」を設け、季節折々の花や木々を楽しめる緑豊かな「中庭」をエントランス横に設置しました。エントランスホールからエレベーターホールに向かう間には、一幅の絵画のようにアクセントとなる「坪庭」があり、棟に向かう通路両側には、木々の間をくぐるように進む「通り庭」も設けています。

植栽は冬でも鮮やかな緑が美しい常緑樹をベースに、四季折々の花や紅葉が楽しめるよう数多くの樹種を組み合わせました。高木だけでなく足元の低木、地被類に関しても多彩な草花を取り入れ、また、アオダモやヤマツツジなど、少し野趣のある山木も植えることで表情豊かな植栽を実現しました。

前庭を通り、中庭や坪庭を眺め、さらに通り庭で繋がる優雅なシークエンスは、心のゆとりと暮らしのグレード感を高める演出となるはずです。

今後、木々が豊かに育っていき、ここにマンションが出来てよかったな、豊かな緑が出来てよかったなと思ってもらえたら嬉しいです」。