不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > 賃貸・賃貸マンション > 賃貸カスタマイズ&DIY > 「原状回復義務なし」で部屋探し。子育てママがDIYリノベに初挑戦!

賃貸カスタマイズ&DIY もっと自分らしい賃貸ライフを楽しもう!

入居者プロフィール
  • ●家族構成:母親(30代)+長女(3歳)
  • ●職業:パート職
  • ●入居時期:2013年6月
物件データ
  • ●所在地:埼玉県蕨市
  • ●築年数:築29年(1986年12月築)
  • ●面積:42.74m2
  • ●間取り:2DK
  • ●賃料:7万7000円(管理費込)
  • ●アクセス:京浜東北線「蕨」駅より徒歩15分
間取り
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原状回復義務なしを最優先条件に部屋探しを開始
実家に住み、両親の助けを借りながら子育てと仕事を両立させていたシングルマザーのIさん。子どもが1歳になったころ、そろそろ実家を出て生活をはじめてみようと考え、実家近くで部屋探しをスタートした。
「小さい子どもは落書きなどして部屋を汚すのは目に見えていたので、それを元に戻して出るのは大変かなと。そんなとき、物件情報に記載されていた「原状回復義務なし」の意味を知ってからは、最優先条件としてお部屋を探しました」
ネットで検索するうちに、実家の近くに1件の物件を発見。現状引渡しの物件でしたが、大家からリフォーム代金として50万円の支援金が出るというので、軽い気持ちで管理会社に問い合わせ内見に出かけた。
部屋を見て「あ~ぁ、という感じでした」と、そのときのがっかり感を思い出して笑うIさん。そこで目にしたのは、カビで黒ずんだ壁や昭和の雰囲気漂うキッチン、すり切れた畳の部屋など、前の住人が退去したままの、まさに「現状」そのもの。
「同行してくれた管理会社の担当者が、リフォーム工事は、グループ会社で企画やデザインを専門にしている会社がお手伝いします。支援金50万円でいろいろできますよ、女性一人でも大丈夫です、と説明されましたが即答できず、考える時間をもらって帰りました」とIさん。
自宅に帰り、物件の条件を整理してみた。
●実家に近い
●間取りに不満はない
●原状回復義務がない
●リフォーム費用としてオーナーから50万円が支給される
●リフォームをプロがプランニング・施工・サポートしてくれるなど
「リフォームを費用まで負担してもらって、自分の好きにやれるのなら、ちょっといいかも」との結論に至り、2013年6月に契約を決めた。
リノベーション前のキッチン。築29年の古さが伝わってくる(2013年6月撮影)
リノベーション前のキッチン。築29年の古さが伝わってくる(2013年6月撮影)
壁紙の一部には無残な黒カビ。畳も日にあたっていた部分がくっきり変色している(2013年6月撮影)
壁紙の一部には無残な黒カビ。畳も日にあたっていた部分がくっきり変色している(2013年6月撮影)
予算50万円。大きな工事は職人に任せてひとりコツコツDIY
1カ月はフリーレントだったので、その間にリフォームプランの打ち合わせと施工という慌ただしいスケジュールだったため、週に1、2度はデザイン会社の担当者と打ち合わせを行ったそう。
「自分のなかでは部屋の完成形をイメージできなかったけど、支援金の50万円以内に収めたかった」とIさん。
そこで担当者に自分の要望をすべて伝え、そのなかで「絶対に変えなければいけない箇所はどこか?」「プロの施工が必要な箇所はどこか?」を検討し、どこまでなら予算内に収まるかを精査してもらった。その結果、予算内に収まらない箇所は自分でDIYすることになった。
■プロ施工箇所とDIY施工箇所リスト
プロが施工した箇所
  • ・床材の張り替え
  • ・キッチンシンク・キッチン天板・水栓取り付け
  • ・洗面台取り替え
  • ・テレビモニター付きインターフォン取り付け
  • ・壁紙張り替え(一部)
自分でDIYした箇所
  • ・壁の塗装
  • ・キッチン天板のタイル張り
  • ・キッチン収納およびカウンターテーブル制作
  • ・廊下のミラー(姿見)取り付け
  • ・各部棚取り付け
  • ・ウォールステッカー張り付け
壁紙はすべて張り替えると予算オーバーになるので、新調したのはトイレと洗面所の1面だけとし、あとは自分で元の壁紙の上から塗装した。
一番こだわったのはキッチン。シンクと天板の設置は業者に任せたが、天板のタイル張りとキッチン上部の収納の化粧板張りは自分で作業することに。
「実家から近いので、工事期間中は何度も見に来ました。そこで職人さんにタイルの張り方を教えてもらったんです」
現場の人たちといい関係を保ちつつ、IさんのDIYはスタートした。
「大丈夫かなあ……」ではじめたけど、「やったら意外にできるもんだなあ」に変わり、一人でDIYをする自信もついてきた。
イケアで購入したシンクに天板を取り付けてもらう。天板にタイルを貼るのはIさんの作業(2013年6月撮影)
イケアで購入したシンクに天板を取り付けてもらう。天板にタイルを貼るのはIさんの作業(2013年6月撮影)
収納棚付きの洗面化粧台を取り払い、オリジナルな洗面室に仕立て直した。壁紙は花柄に、建具も白に変えたので明るい空間になった
収納棚付きの洗面化粧台を取り払い、オリジナルな洗面室に仕立て直した。壁紙は花柄に、建具も白に変えたので明るい空間になった
100円ショップを駆使して、自費はわずか2万円!
暑い夏に汗だくで壁の塗装をしたのも、今では楽しい思い出だ。最終的にペンキを5缶、スイッチプレートや棚などの小物は100円ショップやネット通販で購入して、自費はなんと2万円ほどに収まった。
管理会社や空間デザイン会社のサポートなしには難しかったと思う、と振り返るIさんだが、「まだ手を加えられていない箇所もあるけど、自分でこだわって、つくり上げた部屋に住んで満足です」とにっこり。特に気に入っているのは、一番こだわった箇所でもあるキッチン。明るくしたくてペイントした黄色の壁、化粧板でカントリー風のキッチンまわり、自分で張ったタイルと見渡せば手づくり感満載だ。「大それた料理はつくれないけど、キッチンにいるのが楽しい」と笑う。実家の両親に「よかったね!」と褒められ、保育園のママ友も家によく招くようになったとのこと。
愛着のある部屋で、みんなで楽しく過ごす時間が増えているそうだ。
以前はありふれたコンセントやスイッチまわりだったが、100円ショップで購入したプレートに変えるだけでマイルーム感が生まれる(左:和室のコンセント、中央:廊下のスイッチパネル、右:ダイニングのコンセント)
以前はありふれたコンセントやスイッチまわりだったが、100円ショップで購入したプレートに変えるだけでマイルーム感が生まれる(左:和室のコンセント、中央:廊下のスイッチパネル、右:ダイニングのコンセント)
キッチンの床はエスニック風模様に張り替えた。カラーボックスを2個使ってつくったテーブルはIさんの自信作
キッチンの床はエスニック風模様に張り替えた。カラーボックスを2個使ってつくったテーブルはIさんの自信作
不動産管理会社からのメッセージ

オーナー、入居者双方へのサポートで
もっとDIY物件を広げたい!

通常、賃貸物件で入居者が退去すると「原状回復」と呼ばれるリフォーム工事を行います。しかし、築年数が古い物件になると、単純に壁紙を替えたり、クリーニングしたりの原状回復をしただけでは、次の入居者が決まらないことが多くなります。それを解決するためには、最新の設備に取り替えたり、時には間取りを改修する必要があり、オーナーの負担額は大きくなるため、費用負担に消極的になるケースが見られます。その結果、部屋は魅力を失い、空室が増加するという悪循環を引き起こしているのが現在の賃貸市場です。空室を減らすには、原状回復の壁を取り去ることもひとつの方法だと考え、自分でDIYリフォームをやりたいというニーズと、費用負担を軽減したいと考えるオーナーとをマッチングできればと考えています。しかし、借りる側も知識とノウハウがなければ、いきなりDIYリフォームすることは精神的にも技術的にもかなりハードルは高いことです。そんな借り手をサポートできる体制を含めたサービスの提供が今後のDIY物件に対する理解とニーズを拡大し、物件を増やすことにつながるのではないかと考えています。

株式会社エスアンドティ

取材・文/平野ゆかり 撮影/飯田照明(飯田照明写真事務所)
取材協力/株式会社エスアンドティ株式会社ドエルデザイン
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