水と緑が寄り添い、太陽の光がやさしく降り注ぐ―。「蓄熱床暖房棟(スキップフロア)」は、自然を暮らしの味方にしたコンセプトハウス。職人が丁寧に組み上げる木の家の魅力はそのままに、冬の過ごしやすさも自然の力によって確保。床下に配した18cmの蓄熱コンクリートが窓から注ぐエネルギーを受け止める。蓄熱された熱は静かに放出され、まるで大地から湧き上がるような穏やかな暖かさが体の芯まで伝わってくる。屋根の軒は季節ごとに役割を変え、夏は光をやわらげ、冬は陽射しを部屋の奥まで迎え入れる。庭に広がる草木は四季の移ろいを告げ、ビオトープの周辺には水生植物が育ち、暮らしをより豊かに感じるだろう。様々な天井高を持つスキップフロアは、土地の特長をそのまま家に取り入れたもの。ひとつの空間でありながら日々の時間に多彩なリズムを刻む。ここは「人と自然が共に生きる家」の姿を映し出す舞台だ。