無理のない住宅ローンはいくらが上限?月々10万円の返済がきついのはどんな人?

公開日 2024年11月14日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
無理のない住宅ローンはいくらが上限?月々10万円の返済がきついのはどんな人?

住宅ローンは無理のない借り入れをすることが大切。例えば、月々10万円の返済で借りられる住宅ローンはいくらで、どのくらいの年収が必要なのでしょうか?融資を受けられたとしても、月々10万円の返済がきつい、または将来きつくなるのはどんな人なのでしょう?

無理のない住宅ローンの上限を考えるために知っておきたいことを解説します。

月々10万円の返済額だと、いくら借りられるのか

毎月10万円をきちんと返済できるとした場合でも、住宅ローンの借入金利と返済期間が違えば、借りられる金額は大きく違ってきます。

・借入金利:年0.30~1.80%(0.30%刻み)
・返済期間:20~35年(5年刻み)
・毎月返済額:10万円(元利均等返済、ボーナス返済なし)

上記の条件で、借入可能額を計算したのが下表です。

毎月10万円を返済する場合の、金利・返済期間別借入可能額
毎月10万円を返済する場合の、金利・返済期間別借入可能額の表
(試算/菱田雅生)

例えば、年0.30%の借入金利で、35年返済の住宅ローンを組めるなら、借入可能額は3987万円となります。つまり、逆に言うと、借入金額3987万円を、年0.30%、35年返済で返していくとすると、毎月返済額がちょうど10万円になるということです。

【フラット35】の2024年10月の適用金利1.82%(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合)に近い1.80%で、35年返済だと、3114万円まで借入可能額が下がります。

毎月返済額が10万円と同じでも、借入金利が高くなるほど、返済期間が短くなるほど、借入可能額は少なくなっていくことがわかります。0.30%で35年返済なら約4000万円借りられますが、1.80%で20年返済だとほぼ半分の約2000万円しか借りられないわけです。

いくら借りられるかではなく、いくら返せるか

近年、会社員や公務員の人が借りられる金額は、増加傾向にあります。

例えば、【フラット35】のサイト内のローンシミュレーションで、年収から借入可能額を試算してみると、「年収500万円、借入金利1.82%、返済期間35年」では、「4527万円」という結果が出てきます。

4527万円を実際に借りるとすると、年1.82%、35年返済だと、毎月返済額は14万5814円、年間返済額は約175万円となります。年収500万円の手取り収入は396万円程度(妻が専業主婦の場合)ですので、その半分近くをローンの返済に充てることになります。果たして生活にゆとりは持てるのでしょうか。

25年以上前から言い続けていることですが、住宅ローンの借りられる金額と返せる金額は違います。特に近年は、借りられる金額が多くなっているので要注意です。現在の家計から返せる金額を見積もることが大切です。なので、今回のテーマのように、毎月10万円を返せるとしたらどのくらい借りても大丈夫なのかを考えることは、とてもよいことだと思います。

固定資産税や修繕積立金なども考慮すべき

返せる金額を見積もる際には、固定資産税や都市計画税といった税負担、マンションの場合はさらに修繕積立金や管理費などの負担も考慮すべきです。

これらの維持費の負担は、安い場合で年間10万~20万円程度、高い場合で年間60万~80万円、またはそれ以上になることもあります。希望する物件の維持費がどの程度になるのか、事前に調べておくことが大切です。そして、その分を考慮したうえで、住宅ローンの返済に毎月どのくらいのお金を充てられるのかを検討しましょう。

仮に、毎月10万円の返済の中に維持費の負担も含めるなら、住宅ローンの返済に充てられる金額は、毎月7万円前後が限界かもしれません。毎月7万円の返済だったとすると、年0.30%、35年返済でも、借入可能額は2790万円まで下がります。

教育資金や老後資金も念頭に置くこと

お子さんがいる場合は、教育資金の準備も考慮しなければなりません。将来の老後資金についても、考える必要があります。

だからこそ、安易に35年返済などの長期のローンを組むのは要注意です。教育資金や老後資金の準備に支障はないでしょうか。冷静かつ慎重に検討を重ねるようにしましょう。

住宅取得だけが人生ではありません。マイホームを買うことを目標にはしないでください。目標にすべきなのは、「ゆとりのある生活」です。ゆとりのある生活を送るためには、どのようなマイホームが自分に適しているのかを冷静に見積もっていくことが重要でしょう。

まとめ

月々10万円の返済の場合の借入可能額は、住宅ローンの借入金利と返済期間によって異なる

近年は借りられる金額が高くなっている。「借りられる金額=返せる金額」ではないことに注意

固定資産税や修繕積立金などランニングコストも考えて返済額を決めることが大切

ゆとりのある生活を送るため、自分に適したマイホームを冷静に見積もること

イラスト/杉崎アチャ

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