ダウンライトとは?メリット・デメリットや注意点、交換や調光は自分で変えられる?

最終更新日 2023年06月30日
ダウンライトをおしゃれに取り入れるポイントは?交換や調光は自分でできる?

新居を建てるなら、リフォームするなら、ダウンライトを取り入れて、すっきり洗練された照明プランにしたいと考える人も多いでしょう。今回はダウンライトのメリット・デメリットに加え、設置する際のポイントなどについて、多くのリノベーションなどを手掛ける株式会社ブルースタジオの石井さんに聞きました。

ダウンライトとは

シーリングライトとの違いは、天井に埋め込むor埋め込まない

ダウンライトは天井に穴を開けて埋め込むタイプの照明で、シーリングライトのように出っ張ることがなく、天井をすっきりとした印象にすることができます。

「天井に埋め込むように設置するため、光源が隠れ、まぶしさも軽減できます。照明の存在感を抑えられるのはダウンライトのメリットですね。また、比較的安価で、一般的なものであれば1つ1万円以下でもそろえることができます。さらに、ダウンライトの場合はほこりが溜まらないため手入れがラクというのも魅力です(石井さん、以下同)」

シーリングライト
天井に直接固定するシーリングライト(画像/PIXTA)
廊下の照明
ダウンライトは天井に埋め込むように設置(画像/PIXTA)

ダウンライトは種類が豊富。照明で空間を自由に演出できる

シーリングライトは部屋全体を平均的に明るく照らす一方、ダウンライトはスポットライトのように、狙ったところを効果的に照らすことができます。

「照明とは、ただ部屋を明るくすればいいというものではありません。照明空間は、環境を照らすアンビエント照明、作業する場所などを局部的に照らすタスク照明などを組み合わせてつくるものです。

ダウンライトの照らす方向は真下に限らず、光源の角度を変えることができるユニバーサルタイプのものなどがあり、光の広がり方や色、形などもさまざま。明るくしたい場所には複数取り付けるということもできますし、適材適所に配置して、目的に合わせて空間に最適なものを選ぶことができます」

ユニバーサルダウンライト
ユニバーサルダウンライト(画像提供/パナソニック)
ダウンライトを使用した住まいの事例
リビング
タスク照明とアンビエント照明を分け、空間全体を明るく(画像提供/ブルースタジオ)

ダウンライトのメリット

石井さんのお話を元に、ダウンライトのメリットをまとめてみましょう。

メリット1:天井をすっきりとした印象にできる

天井に穴を開けて照明器具を埋め込むため、器具自体の存在感が抑えられ、天井をすっきりとした印象にできます。天井がすっきりすると、お部屋を広く感じさせる効果も期待できます。

メリット2:まぶしさを軽減できる

天井に照明器具が埋め込まれていることで、光源となるランプは隠れます。そのため、他のタイプの照明器具よりも、ランプによるまぶしさを軽減できます。

メリット3:お掃除がラク

天井から出っ張っているシーリングライトやペンダントライトと比べると、器具にホコリが溜まらず汚れもつきにくいため、お掃除がラクです。

メリット4:狙ったところを効果的に照らせる

光源の角度を変えられる器具タイプを選べば、狙ったところを効果的に照らすことができます。スポットライトのように照明器具が目立たないので、より光が強調されます。

ダイニングキッチン
ワークスペースには大きなペンダントライトを使用。本棚の前にはダウンライトを使用して、効果的に書籍を照らしている(画像提供/ブルースタジオ)

メリット5:器具の価格が比較的安い

器具タイプにもよりますが、ペンダントなどの照明器具と比べると比較的価格が安い製品が多いです。一般的なダウンライトであれば、1つ1万円以下でも販売されています。

ダウンライトのデメリットと注意点

メリットが多いダウンライトですが、いくつかのデメリットや注意点もあります。

デメリット1:位置を変えにくい

ダウンライトは天井に埋め込むタイプの照明器具なので、一度取り付けてしまうと位置を変えにくいものです。その点、ペンダントタイプの照明器具なら、天井にフックやダクトレールを取り付ければ、照明器具の位置を手軽に調整できます。

デメリット2:設ける位置への配慮が必要

タイプによりますが、ダウンライトの光は、スポットライトのように狙ったポイントを効果的に照らすことができます。したがって、ベッドやソファの真上にダウンライトがあると、寝ころんだときにまぶし過ぎると感じる可能性があります。

デメリット3:器具の交換には電気工事会社への依頼が必要

ダウンライトの器具が壊れたり、電球固定型でランプが切れたりした場合、器具そのものの交換が必要になります。シーリングやペンダントなどの照明器具なら、自分で交換できますが、ダウンライトの場合、専門の電気工事会社へ依頼して交換してもらう必要があります。依頼するとき、新しい器具代だけでなく、交換作業代も支払うため、その分費用が高くなる点もデメリットといえるでしょう。

このようなデメリットを防ぐために、新築やリフォームでダウンライトを取り入れるときには、設ける位置や器具タイプを慎重に検討したいですね。

ダウンライトは自分で交換できる?交換費用は?

ダウンライトには、光源が切れたときに照明器具ごと交換する電球固定型と、LEDなどのランプのみを交換する電球交換型があります。

電球固定型

電球固定型は、照明器具とランプが一体となっているタイプのことです。ランプが切れてしまった場合、ランプだけでなく照明器具ごと交換する必要があります。

照明器具の交換は専門の電気工事会社に依頼する必要があるため、交換を自分でできる電球交換型よりも、そのためのコスト(5000円~1万円程度※)がかかります。一方、照明器具の価格は、電球交換型よりも安い商品が多いです。

※施工費(出張費・取り替えた照明の廃棄費用含む)のみで、新しい照明器具の費用は含まず

電球交換型

電球交換型は、照明器具とランプが別々になっているタイプのことで、ランプが切れてしまった場合、自分で交換することが可能です。自分で交換できるため、交換費用はランプ代(1000円~5000円)のみとなり、器具交換が必要な電球固定型よりも安く済みます。ただし、照明器具の価格は、電球固定型よりも高いケースが多いようです。

電球交換型のダウンライト
簡単にLEDランプが取り替えできる機種なら、暮らしの変化に合わせて明るさや光色などを変えやすい(画像提供/パナソニック)

交換型or固定型、選ぶポイントは? 

近年では光源にLEDが用いられたダウンライトも増えています。それを踏まえて、選ぶポイントについて石井さんに伺いました。

「LEDが広まりはじめた2009年ごろから、ダウンライトにも白熱電球からLEDが使われるようになりました。LEDの寿命は約10年といわれていて、寿命といわれるころには出荷時に比べて1~2割程度照度が下がりますが、照明がつかなくなるというわけではありません。

LEDの寿命といわれる10年程度経過したタイミングは、照明器具自体もメンテナンスが必要なタイミングでもあります。光源を自分で交換できないというと、電球固定型は面倒なように思えますが、照明器具自体のメンテナンスのタイミングまで交換する必要はほぼないため、電球固定型のダウンライトにはLEDが採用されているケースは少なくありません。

なお、電球固定型を交換する場合、同じサイズのものに交換するのであれば、照明器具を取り換えるだけのため、天井の補修などが必要になるわけではありません。しかし、取り換え作業には電気工事士の資格が必要ですので、電気店などの業者へ依頼することになります。

一方、電球交換型は、自分で交換することができます。光源を自分で選べるので、思い立ったときに好みの色の光源に取り換えたい人は、電球交換型という選択肢もありますね」

どちらのタイプを選ぶか迷ったときには、部屋の用途、電球の交換の手間を負担に感じるか、新築・リフォーム時に照明器具にかけられる予算などを考慮し、選択するとよいでしょう。

ダウンライトの選び方

新築やリフォームでダウンライトを選ぶときに知っておきたいことや、決めることについてご紹介しましょう。

数と位置を決める

ダウンライトの数は、設置する空間の広さを考慮して決めるのが一般的です。
ダウンライトの位置で多いのは、間隔を均一にして設置するパターンですが、家具を置く場所が決まっているなら、それに応じてダウンライトの位置を調整するとよいでしょう。

また、商品によって得られる明るさはかなり異なります。設計士や照明メーカーのアドバイザーと相談しながら、必要な個数や位置を決めることをおすすめします。

配光タイプを選ぶ

ダウンライトの配光タイプには次の2つがあります。

照らす範囲が限定的な集光タイプ

集光タイプは、机の上などより強い光を届けたい場所や、光で強調させたいインテリアがある場所に設置するのがおすすめ。

範囲が広い拡散タイプ

拡散タイプは、空間をやわらかな光で演出したいときに選ぶとよいでしょう。

集光タイプと拡散タイプのダウンライト
写真左が集光タイプ、写真右が拡散タイプ(画像提供/パナソニック)

光の色を選ぶ

一般的な照明器具と同様、ダウンライトにも電球色、昼白色、昼光色などの光の色があります。設置する空間の用途やインテリアに合わせて選びましょう。

必要な機能を検討する

詳細は後述しますが、ダウンライトには、人感センサーや調光・調色などの付加機能がついた商品があります。トイレや階段には人感センサーがついていれば夜に便利ですし、リビング・ダイニングには調光・調色機能付きなら時間帯やシーンで部屋の明かりを変えられる楽しみがあります。

電球固定型か電球交換型かを選ぶ

先述したように、ダウンライトには、器具とランプが一体になっている電球固定型と、ランプを交換できる電球交換型があります。今後、ランプの光の色を変えたくなる可能性があるか、ランプ交換の手間を負担に感じるかなどを考慮し、選択しましょう。

枠色を選ぶ

ダウンライトの器具の枠部分の色は白が主流ですが、メーカーによっては黒やメタリック、木目調などをラインナップしています。天井の色や素材、インテリアの雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。

●ダウンライトの選びかた

□数と位置
□配光(光を絞って照らすタイプか拡散するタイプか)
□光の色(電球色、昼白色、昼光色)
□電球固定型か電球交換型か
□機能(人感センサーや調光など)
□枠色

LEDダウンライトの種類と設置するときのポイントは?

現在、主流となりつつあるLEDダウンライトは、さまざまな機能がついた商品があります。主に調色・調光できるもの、人感センサーがついたもの、スピーカー付きのものなどがありますが、より快適で便利なお部屋をつくるには、どのような機能があるのかを知って選ぶことがポイントです。

調光・調色機能付き

調光は明るさを変えられる機能、調色は光の色を変えられる機能のことです。いずれのタイプも、リモコンやスイッチを操作することで調整することができます。

シーンや時間帯に合わせて光の強さや色を変えればより快適に過ごせるようになりますし、自分の好みの空間をつくりやすくなります。

電球色
電球色
昼光色
昼光色
調色することで部屋の雰囲気も変化(画像提供/パナソニック)

人感センサー付き

人感センサー付きのダウンライトは、必要なときに自動で点灯して、しばらくすると自動で消灯するという便利さが魅力。玄関や廊下、トイレなどに設置するケースが多いです。

今のダウンライトが人感センサー付きではない場合、スイッチをセンサースイッチへと交換すれば、照明器具はそのままで人感センサー付きへと替えられます。電気工事は必要になりますが、スイッチ本体の価格は1万円程度なので、照明器具を交換するよりは手軽に替えられます。

もっと手軽に替えたい場合は、電球を人感センサー付きのものに替える方法があります。照明器具はそのままで、自分で人感センサー付き電球へと交換するだけなので、電気工事会社へ依頼する必要もありません。ただし、照明器具が電球固定型の場合は交換ができないので注意して下さい。

スピーカー付き

照明器具とスピーカーが一体化したダウンライトです。器具サイズは一般的なダウンライトと同じで、天井にすっきりと納まります。ダウンライト直下だけでなく、部屋中に音が拡がり、心地よく音楽を楽しめます。

スピーカー付きダウンライト
専用アプリは必要なく、手持ちのスマートフォンからBluetooth®で接続するだけで音楽を再生できる(画像/パナソニック)

部屋の用途や目的を考慮して選びたい

ダウンライトは、ペンダントライトやシーリングライトより商品価格が手頃ですが、ここで紹介した機能付きの商品は、特別な機能を備えているために価格は高くなります。取り入れる際に、部屋の用途や目的を考慮して選ぶとよいでしょう。

ダウンライトをつける際の注意点

先述したように、ダウンライトの設置や器具交換には、電気工事を手配する必要があります。また、商品を選ぶポイントも、他の照明器具とは若干異なります。そこで、ダウンライトを設置するときの注意点をまとめました。

注意点1:位置を気軽に変えられない

ダウンライトは天井に穴を開けて設置します。そのため、位置を変えるとなると、新たに天井に穴を開け、これまでダウンライトがあった場所の穴をふさぐ必要があります。

穴は必ずふさがなければいけない、ということはありませんが、案外目立つので、インテリア的に見苦しいかもしれません。きれいに穴をふさぐためには内装工事が必要になり、工事職人の人件費と穴をふさぐ材料費がかかります。

また、新しい位置にダウンライトをつけるには、電気工事を依頼する必要もあります。このように、位置は気軽に変えられないので慎重に決めたいですね。今後、家具の配置を変える可能性があるなら、光の向きを変えられるユニバーサルタイプを選んでおくとよいかもしれません。

注意点2:配置を工夫しないと、まぶしく/暗く感じてしまう

ダウンライトの設置パターンとして多く見られるのが、間隔を均一にして設置する方法です。ただし、家具を置く場所が決まっているなら、それに合わせてダウンライトの位置を工夫しないと、まぶしかったり、暗く感じたりする可能性があります。

例えば、ダイニングテーブルの上やテレビの前にダウンライトが設置されていないと、明るさが足りなく、目が疲れやすくなるかもしれません。また、ベッドやソファの上部に設置すると、横になったときに光が目に入りまぶしく感じるでしょう。また、梁や柱がある空間では、それで陰になって暗い部分ができるかもしれません。

注意点1でご紹介したように、まぶしい/暗いと感じでも位置を気軽に変えるのは難しいので、間取りや家具のレイアウトが大まかに決まったタイミングで、設計士か照明メーカーのアドバイザーに細かくチェックしてもらうことをおすすめします。

ダイニングのダウンライト
ダイニングテーブルの上に設置して明るさの確保を(画像提供/パナソニック)

注意点3:電球固定型は、ランプが切れたときに電気工事を頼む必要がある

電球固定型のダウンライトは、ランプが切れたときに電気工事へ照明器具の交換を依頼することになります。

一般的に、LEDランプの電球固定型は約10年使用できるので、照明器具のメンテナンスのタイミングと重なります。しかし、早々にランプが切れてしまった、ライフスタイルが変わりランプの色を変えたくなったなど、10年たつ前に器具を交換する可能性があります。

器具の交換には、器具代や工事職人の費用だけでなく、工事日程の調整も必要になります。また、突然ランプが切れると、交換工事まで暗いままで過ごすため不便です。

このような点を面倒や不安だと思う方は、器具代は若干高くなりますが、電球交換型を選ぶとよいでしょう。

注意点4:設置できないケースもある

ダウンライトは天井に埋め込むため、設置する場所は天井裏にスペースが必要です。設置を検討している空間が、コンクリートがむき出しの天井の場合、天井裏のスペースがないために設置できません。

また、ダウンライトの種類により天井裏に必要なスペースは変わります。天井裏にスペースがある場合でも、商品によっては設置できないこともあるので、設計士や照明アドバイザーと相談しながら、商品選びを進めるとよいでしょう。

メリット・デメリットを踏まえて上手に取り入れよう

ここまでご紹介したように、ダウンライトは種類や機能が豊富で、さまざまな使い方が可能です。ただし、設置には工事が必要で、位置を気軽に変えるのは難しいため、設置前にきちんとした照明計画を立てる必要があります。メリット・デメリットを踏まえたうえで、新築やリフォームの明かりに、ダウンライトを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

LEDダウンライトは埋め込み式のため、すっきり見え、ホコリもたまりにくい

電球固定型と電球交換型がある

位置変更ができないため、家具配置なども考慮してしっかりプランニングしよう

賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
新築マンションを探す
中古一戸建てを探す
新築一戸建てを探す
中古マンションを探す
注文住宅の会社を探す
土地を探す
リフォーム会社を探す
売却査定する
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
取材・文/島田美那子 (ダウンライトとは ダウンライト交換 種類・設置するときのポイント)、山南アオ(メリット デメリット 交換費用 選び方 種類・設置するときのポイント 取り付けるときの注意点)、監修/SUUMO編集部
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る