マンション防災8つの鉄則

マンション防災8つの鉄則

東日本大震災発生から5年経ち、新築マンションの防災対策は向上している。マンション内で大地震が発生したとき、身を守るための行動や心得を専門家に教えてもらいながら、新築マンションの最新防災事情もチェックしてみよう。

▼お話を伺った専門家
危機管理教育研究所 代表 国崎信江さん

国や自治体の防災関連の委員を務め、講演や執筆活動などを行いながら、継続的な被災地支援も行う。著書に『マンション・地震に備えた暮らし方』など

大地震発生!初期対応は?

鉄則1:固定された丈夫なものにつかまる

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横揺れが激しくなると家具と一緒に自分が投げ飛ばされる恐れがあるので、固定された丈夫なものにつかまろう。「玄関や廊下などに、老後にも役立つ手すりを取り付けておくといいでしょう」

鉄則2:危険物から離れ物が少ない場所へ

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落下・転倒する家具、食器がすべり出る戸棚、割れて飛散する窓から離れよう。「揺れが収まるまでものが少ない廊下などに避難を。不用意なマンション外への飛び出しは落下物に当たる危険性も」

鉄則3:大声を出さず身を守る姿勢を取る

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「クッションや布団などで体を保護し、落下物などの衝撃から身を守りましょう」。保護するものがない場合は、体を丸め手で頭を保護する。粉じんやチリ、埃から気管を守るため大声は出さない。

事前の準備を怠らず家具の転倒から身を守る

大地震のケガの多くが、家具類の転倒・落下・移動が原因とされる。「高層階になるほど横揺れは激しくなり、家具を固定していても100%転倒しないという保証はありません。火の元を確認し、家具と一緒に自身が投げ飛ばされないように、固定されている丈夫なものにつかまったり、家具が少ない廊下などに移動しましょう」(国崎さん、以下同)

破片でケガをするガラス製品などの生活雑貨を極力置かず、布製やシリコン素材といった危険度の少ない雑貨でインテリアを楽しむことが安全面にもつながる。

避難の前にすべきこと

鉄則4:安全が確保されてから行動を開始する

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揺れが収まっても慌てて行動すると、床に飛散しているガラスや陶器の割れ物でケガをする可能性も。厚底のスリッパや靴を履き、雑誌で足場をつくるなどして足を守る対策を取ってから行動しよう。

鉄則5:扉や窓の開閉を確認し避難経路の確保を

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玄関のドアの開閉を確認して開けっ放しにしたり、共用廊下側の窓を開けたり、バルコニーの隔て壁を突き破ったりして、ケガに気をつけながら外につながる避難経路を確保しよう。

鉄則6:慌てず安全な場所に家族を誘導する

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室内の被害の状況により避難の必要がある場合は、慌てて屋外に出ようとせず、飛散物が少ない居室や共用施設といった安全な場所に家族を誘導しよう。居室から避難する場合は火の元の確認を。

ケガをしないように避難経路を確保する

激しい揺れが収まったら自身のケガの有無を確認し、ケガをしているようなら応急処置、または助けを呼ぶ。ケガがなければ、ガラスや陶器の破片で足をケガしないようにスリッパなどを履いて行動しよう。玄関のドアが開かない場合、バルコニーの隣戸との境にある「隔て壁」を突き破り避難する手段もある。「蹴ると足をケガする恐れがあるので、長ぐつをはいて壁を突き破りましょう。非常ハシゴの位置の事前確認も大事です」。他の手段として、共用廊下に出られる窓があれば格子を外して避難経路を確保しよう。 

新築マンションに付いている「防災装備」の一例

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防災用品の備えは?

鉄則7:防災備蓄庫の備蓄内容を確認する

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防災備蓄倉庫の内容や量はもちろん、非常時に居住者が誰でも利用できるよう、用具の保管場所や利用方法、防災備蓄庫の鍵の施錠や管理方法についてもみんなで事前に確認・共有することも大事だ。

鉄則8:個人でも備えて自分の身を守る対策を

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マンション内の備蓄・装備の内容・量を確認した上で、個人で何を用意すべきか検討して準備を。食料のストックは10日×家族の人数分を目安に。災害時に水をもらえる給水施設も確認しておきたい。

防災備蓄品を確認し個人でも備える

大規模地震が発生すると、居住者が協力して負傷者の救出や応急手当てをする可能性があり、避難場所として過ごすためのマンション全体で使用する防災備蓄品が重要になる。最新のマンションの場合、工具や非常食などの備蓄が、ある程度、防災備蓄庫に用意されている。「それらの量や内容を事前に把握した上で、個人でも必要なものや量を考え、最低限のものを事前にそろえておきましょう」

最新マンションの標準「防災備蓄品」の一例

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【コラム】共助活動を円滑にする試み

入居時から備わっているマンションの「共助環境」

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「新築マンションで暮らす利点は、国が定めた防災基準を満たした建物や設備であることに加え、共同住宅であるがゆえに居住者同士で助け合える余地が大きいことです」。個別・具体的な防災対策は物件の規模や構造、立地などで異なり、震災時の対応をまとめた防災ガイドラインを入居時に配布する物件も。防災に関する知識が得られる入居前イベント、避難訓練を実施する試みも見られる。こうした場は居住者のコミュニティ形成の機会にもなる。

マンションの防災対策を確認し、個人でも備えを!

 大地震から身を守るための構造を採用した最新マンションは、ライフラインを保つ設備や備蓄が備わり、共助活動を円滑にして防災意識を高めるなどの防災強化策が取られている。「自分が住む物件の防災対策を把握した上で、個人でも十分な対策を。避難訓練はもちろん、日ごろのマンションイベントにも参加し、住人同士の気持ちのいい関係を築くことも災害時の助け合いの土台になります」

SUUMO新築マンション 2016/12/13発行号より転載

構成・取材・文/高島三幸 イラスト/サタケシュンスケ デザイン/taraco design
公開日 2017年08月03日
最終更新日 2017年08月08日
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