2LDKの間取りの特徴や、マンション探しのポイントを解説。購入も賃貸も住みやすい間取りは?

公開日 2023年03月31日
2LDKの間取りの特徴や、マンション探しのポイントを解説。購入も賃貸も住みやすい間取りは?

2LDKの間取りの特徴や物件選びの際のポイントを知っておくことは、マンションを購入する場合でも、賃貸を探す際でも大切。間取りによって異なる暮らし心地や部屋の使い方などを知って、自分に合う間取りをイメージする際の参考にしてください。一級建築士のYuu(尾間紫)さんに監修をしていただきました。

2LDKってどんな間取り?

2LDKはなんて読む?2LDKのLって何?意味は?

2LDKは「ニーエルディーケー」と読み、一つの住戸(マンションやアパートといった集合住宅のうち、住居としての機能をもった一戸一戸のこと)の中に、リビング(居間)、ダイニング(食堂)、キッチン(台所)と、ほかに居室が2つある間取りのことです。Lはリビング(Living)、Dはダイニング(Dining)、Kはキッチン(Kitchen)の略。不動産仲介会社やハウスメーカー、モデルルームの担当者と話をしていると、2LDKのことを「2L(ニーエル)」と、さらに略して使われることも多くあります。

リビング、ダイニング、キッチンは、それぞれが独立した3つの部屋になっている場合もあれば、間仕切りのない一つの空間のタイプもあります。他にも、キッチンが独立した個室になっているもの、ダイニングとキッチンが一つの空間でリビングと分離しているものなど、物件によって空間の分け方はさまざまです。

2LDKと2DK、どっちが広い?

2LDKと似た間取りに2DKというものもあります。これは、ダイニングキッチンのほかに2つの居室がある間取りのこと。

では、2LDKと2DK、どちらが広いのでしょうか。首都圏不動産公正取引協議会による「DK」「LDK」といった用語の使用基準を見ると、2LDKや2DKなどの居室(寝室)数が2部屋以上ある場合、DK(ダイニング・キッチン)は6畳、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は10畳が最低必要な広さの目安となっています。

つまり、2つある居室の広さが同じであれば2DKよりも2LDKの方が広い傾向にあるといえます。ただし、居室が4.5畳ずつでLDKが10畳の2LDKと、居室が6畳ずつでDKが6畳の2DKでは、それほど広さに違いは出ません。収納や玄関、浴室などの広さによっては2DKの方が全体の広さは広いケースも。マンション選びや賃貸の部屋探しをする際には、間取りの表示だけでなく、間取図や現地で全体の広さを確認することが大切です。

「2LDK +N」「2LDK +S」「2LDK +DEN」とは?

マンションの広告などを見ていると「2LDK +S」「2LDK +N」「2LDK +DEN」といった表示を目にすることがあります。このS、N、DENとは何を指すのでしょうか?

Nは納戸、Sはサービスルーム、DENは巣や洞穴を意味する英語「DEN」からきた言葉で書斎や趣味室など隠れ家的な用途を持つ空間を指すのが一般的。N、S、DENを居室として数えないのは、採光や換気のための開口部が建築基準法で定められた基準に合致していないなどが理由です。居室にはカウントされませんが、納戸を書斎にするなど、居室として使用するのは住む人の自由です。

マンションの納戸のイメージ
窓がない部屋は、原則的には「居室」としてはカウントされない。納戸としての使用を想定されたスペースでも、書斎として使用をするのは問題ない(画像/PIXTA)

2LDKは間取りの特徴別に5タイプ。ライフスタイルに合う家をイメージしよう

一人暮らしやカップル、まだ子どもが小さな3人家族などで人気の2LDKは、どんな間取りがあるのでしょう。また、部屋の配置によって暮らし心地はどう変わるのでしょう。ここでは、間取りの特徴別の主な5タイプを解説。部屋の使い方の一例を紹介します。

タテ長リビング型

分譲マンションでも賃貸マンション、アパートでもよく見られるのがタテに長いリビングと、リビング・ダイニングに隣接する居室、独立した居室のある2LDK。リビング・ダイニングと隣接する居室の間仕切りが大きく開けられる引き戸などになっていると、一つの大空間として使用することができます。1LDKの間取りを探している人も、このタイプの2LDKなら希望に合いそうです。

タテ長リビング型の特徴

  • LDと隣接する部屋の間仕切りを開放できれば広々とした1LDKとして使える
  • LDと隣接する部屋は間仕切りを閉めれば来客の寝室などフレキシブルな使い方ができる
  • LDと隣接する部屋は親の目が届きやすいため、子どもが小さいうちは子ども部屋に適している
  • LDと隣接する部屋の間仕切りが幅広いとリビング・ダイニングの壁部分が少なく家具の配置がしにくいことも
  • 採光の良い部屋をリビング以外にも確保しやすい
  • 各部屋に窓があり、それぞれの部屋の採光と通風の確保ができるプランがつくりやすい
  • 玄関から直行できる独立性の高い部屋を確保しやすい
  • 多い間取りタイプなので物件探しをしやすい
  • 一人暮らしや共働きカップル、子どもが小さい三人家族などが暮らしやすい
タテ型リビングの2LDKの部屋の使い方の例
二人暮らしの部屋の使い方の例。リビング・ダイニングに隣接する部屋(1)を主寝室にし、玄関側の独立した部屋を仕事部屋に。リビングでテレビを見ていても、仕事の邪魔にならずお互いに気兼ねしないメリットがある(イラスト/杉崎アチャ)

ヨコ長リビング型

タテ長リビング型同様、分譲マンションでも賃貸マンション、アパートでもよく見られるタイプです。採光の良い方向に間口いっぱいのリビングが配置されているのがヨコ長リビング型。リビングとしてくつろぐスペースも、食事をするダイニングスペースも、採光や通風の良い快適な空間として使用できます。

両脇を住戸にはさまれた中住戸の場合は、(1)の位置にある部屋に窓が設けられないのですが、下の間取図のようにリビング・ダイニングと一体にできる空間にすることで、採光も通風も得られます。このスペースを子ども部屋や子どもの遊び場として使うのもいいでしょう。

ヨコ長リビング型の特徴

  • 採光や通風の良い位置にリビング・ダイニングのあるリビング重視タイプ
  • 同じくらいの広さのタテ長LDK型に比べてリビングの壁部分が多く、家具のレイアウトがしやすい
  • LDと隣接する部屋の間仕切りを開放できれば広々とした1LDKとして使える
  • LDと隣接する部屋は間仕切りを閉めれば来客の寝室などフレキシブルな使い方ができる
  • LDと隣接する部屋は親の目が届きやすいため、子どもが小さいうちは子ども部屋に適している
  • 玄関から直行できる独立性の高い部屋を確保しやすい
  • 多い間取りタイプなので物件探しをしやすい
  • 一人暮らしや共働きカップル、子どもが小さい三人家族などが暮らしやすい
ヨコ長リビング型の2LDKの部屋の使い方の例
二人暮らしで独立性の高い部屋は主寝室に、和室(2)はリビング・ダイニングと一体の空間として使用。リビングの開放感を優先した暮らし方。友人が集まったときもリビング・ダイニングで食事をしたり、和室でくつろいだりなど思い思いに過ごしてもらいやすい。また、間仕切り家具などを用いてリビングをゾーニングすれば、新たにテレワーク用スペースなどをつくりやすい(イラスト/杉崎アチャ)

個室重視型

築年数の古いマンションでよく見られるタイプです。玄関ホールからLDKを通った位置に個室がある間取りタイプ。2つの個室は採光や通風が良いため、個室で過ごす時間を快適にしたい人や家族に向いています。個室を重視しながらも、外出や帰宅時に必ずLDKを通ることで家族内のコミュニケーションもとりやすいといえます。シングルの場合は、寝室と趣味の部屋を分けたり、1部屋を収納スペースにしたりといった使い方もできます。二人暮らしならそれぞれ専用の部屋が確保できます。

個室重視型の特徴

  • 採光の良い位置に居室が並び、プライベートな空間が快適になる
  • 両脇に住戸のある中住戸の場合、LDKに窓がないケースがある
  • LDKと居室の間仕切りを開放して広々とした1LDKのように使えるプランもある
  • 外出や帰宅時に必ずLDKを通るため家族のコミュニケーションがとりやすい
  • 一人暮らしや共働きカップル、子どもが1人、または子どもが2人1部屋で過ごせるきょうだいなどで暮らしやすい
  • 専有面積が広いマンションなら、友人同士のルームシェアも快適
個室重視型の2LDKの部屋の使い方の例
夫婦がそれぞれに個室を確保している例。「早起きするので寝ている配偶者を起こしたくない」「一人で寝る方が熟睡できる」「没頭したい趣味がある」「一人の時間も必要」など、さまざまな希望をかなえられる間取りタイプ(イラスト/杉崎アチャ)

横並び型

リビング・ダイニングも2つの個室も採光の良いバルコニー側に配置されているのが横並び型。どの部屋も快適性が高い間取りタイプといえます。個室の出入り口が下の間取図のようにリビング・ダイニングにあるタイプのほか、廊下があり各部屋へは廊下からできるタイプがあり、個室の独立性は後者の方が高くなります。

横並び型の特徴

  • 採光の良い位置に個室とLDKが並ぶ、どの部屋も快適性が高いタイプ
  • LDと隣接する部屋の間仕切りを開放できれば1LDKまたは、広々とした一つの空間として使える
  • 個室のドアの位置や、開閉扉か引き戸かによって個室の独立性は異なる
  • 一人暮らしや共働きカップル、子どもが1人、または子どもが2人1部屋で過ごせるきょうだい、友人同士のルームシェアなどで暮らしやすい
横並び型の2LDKの部屋の使い方の例
夫婦と小学生の長女の三人家族。子どもが小さいうちは、子ども部屋には間仕切りを開放しやすい個室(3)を使い、勉強に集中する時間が必要な年齢になったら独立性の高い個室(4)に移動。どの部屋も快適性が高ければ、部屋の使い方を変える場合もストレスが少ない(イラスト/杉崎アチャ)

メゾネット型

高級な賃貸マンションやデザイナーズマンション、狭小地や高低差のある敷地などでも見られる、住戸内が2階建てのようになっていて戸建て気分が味わえるのがメゾネット型。2LDKの場合は、1つのフロアにLDKや浴室、洗面所、トイレがあり、その上階または下階のフロアに個室が2つあるのが一般的です。

来客に対応するLDKがあるパブリックな空間と、寝室のあるプライベートな空間が分かれているため、来客中でも自分の部屋でくつろぎやすいなどのメリットがあります。個室の独立性が高いため、二人暮らしならそれぞれに自分の部屋をもつ、一つを主寝室、もう一つを書斎にするなど、さまざまなライフスタイルに対応しやすい間取りといえます。ただし、同じ床面積のワンフロアの2LDKと比べると、空間が狭く感じる、掃除機を持って階段を上り下りするのが面倒などのデメリットもあります。

メゾネット型の特徴

  • 家族で過ごすLDKのフロアと一人で過ごす個室のフロアに明確に分けやすい
  • 戸建て感覚で暮らすことができる
  • LDKが上階にあるタイプなら、子どもの足音などで階下の住戸に気兼ねをしなくて済む
  • 同じ床面積のワンフロアの2LDKよりも空間の開放感は小さい
  • 一人暮らしや共働きカップル、子どもが1人、または子どもが2人1部屋で過ごせるきょうだい、友人同士のルームシェアなどで暮らしやすい
メゾネット型の2LDKの部屋の使い方の例
夫婦+子ども2人の4人家族で暮らしている例。下階はLDKと水回り、上階は個室に分かれている。キッチンや浴室、洗濯機置き場が同じフロアにあることで家事効率が良い。どちらのフロアにもバルコニーがあれば、洗濯物は下階のバルコニーで、布団は上階のバルコニーで干すなど使い分けができる(イラスト/杉崎アチャ)

2LDKのマンション探しのポイントは?

同じ2LDKでも間取りはさまざま。物件探しの際のポイントを知っておきましょう。

寝室はどこにする?ライフスタイルによって間取りタイプを選ぼう

2つの個室がLDKから独立しているのか、LDKに隣接していて一つの空間になる部屋があるのか、など、同じ2LDKでも間取りタイプによって部屋の使いやすさはさまざま。どんな間取りがぴったりなのかは、住む人や家族の年齢や暮らし方によって違ってきます。

物件探しで好みのマンションに出会ったら、間取図を見ながら寝室はどこにするか、いくつ必要なのかを考えてみましょう。生活音がしないところで眠りたいなら、LDKや水回りに近くない位置に独立した個室が必要です。3人家族で一人一部屋が必要なら、2LDKでは部屋の数が足りません。その場合、3LDK以上を探すか、リフォームやリノベーションで、部屋を間仕切るのもいいでしょう。自分たちの暮らしへの希望を整理して、その暮らし方ができる間取りなのかを考えながら、チェックするのがおすすめです。

購入するなら将来の家族構成や売却の可能性も考えておこう

今は2LDKの暮らしがぴったりでも、将来、子どもが増えたり成長したりすることで部屋数が足りなくなるケースがあります。リフォームやリノベーションで対応するのか、もっと広いところに引越しをするのか、イメージをしておくのがいいでしょう。

将来、売却の可能性があるなら、「売れない」という事態を回避するため、シングルやDINKSが好む駅近物件や都心部に乗り換えなしでアクセスできる路線など、利便性や立地の良さを考えて購入するのがいいでしょう。

賃貸の2LDKの選択肢をさらに広げるには?

シングルやカップルをターゲットにした賃貸マンションや賃貸アパートの場合、2LDKは探しやすい間取りタイプ。ただし、就職や転勤で家探しをする人が増える3月頃は暮らしやすい間取りの物件や、立地条件の良い物件はすぐに入居者が決まりがち。早め早めに部屋探しをするのがおすすめです。また、予算内で希望の2LDK物件が見つからない場合、2DKや1LDKも候補にして探すと好みの間取りに出会えることがあります。

マンションを見学している家族のイメージ
2LDKのマンションを探す際には、今だけでなく、将来も暮らしやすい間取りかをチェック(画像/PIXTA)

テレワークが続くなら、部屋数やマンションの共用設備もチェック

仕事のスペースが確保できる物件を探す

ロナ禍以降、自宅で仕事をしている人も多くいます。「『住宅購入・検討者』調査」(2021年12月、(株)リクルート調べ)では、住宅の購入・建築を検討している人(首都圏・2021年7月~12月)の59%がテレワークを実施しています。今後、コロナ禍が収束しても、テレワークを続ける企業、出勤とテレワークを併用する企業も多くあるでしょう。もしも、テレワークをする可能性があるなら、ワークスペースを確保できる間取りかどうかもチェックしましょう。仕事専用の個室が欲しいのか、リビングやダイニング、寝室にデスクを置いてワークスペースにすれば十分なのかで、選ぶ間取りタイプも違ってきます。

また、タワーマンションなどの大規模マンションでは、共用施設としてコワーキングスペースやライブラリーなどが設けられている物件もあります。上手に利用できれば、自宅内に仕事用の部屋を用意しなくてもすみそうです。

マンションのコワーキングスペースのイメージ
共用施設としてコワーキングスペースがあるマンションなら、仕事用のスペースを自宅内に確保しなくてもよく便利(画像/PIXTA)

2LDKのマンションは、部屋の配置や独立した個室の有無や数によって住み心地が違ってきます。どんな間取りタイプが合うかは住む人によって異なりますから、自分がどんな暮らしをしたいのかを考えて、物件探しをするのが大切です。

まとめ

2LDKとはリビング、ダイニング、キッチンと、ほかに居室が2つある間取り

2LDKは間取りの特徴別に主に5つのタイプがある

暮らしやすい間取りタイプは家族構成や年齢、ライフスタイルによって異なる

物件探しのポイントは、購入の場合は将来のライフスタイルの変化や売却の可能性を考慮

賃貸の場合は、物件探しを早めにスタートし、2DKや1LDKも視野に探すのがポイント

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イラスト/杉崎アチャ
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