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2LDKの間取りの特徴や物件選びの際のポイントを知っておくことは、マンションを購入する場合でも、賃貸を探す際でも大切。間取りによって異なる暮らし心地や部屋の使い方などを知って、自分に合う間取りをイメージする際の参考にしてください。一級建築士のYuu(尾間紫)さんに監修をしていただきました。
2LDKは「ニーエルディーケー」と読み、一つの住戸(マンションやアパートといった集合住宅のうち、住居としての機能をもった一戸一戸のこと)の中に、リビング(居間)、ダイニング(食堂)、キッチン(台所)と、ほかに居室が2つある間取りのことです。Lはリビング(Living)、Dはダイニング(Dining)、Kはキッチン(Kitchen)の略。不動産仲介会社やハウスメーカー、モデルルームの担当者と話をしていると、2LDKのことを「2L(ニーエル)」と、さらに略して使われることも多くあります。
リビング、ダイニング、キッチンは、それぞれが独立した3つの部屋になっている場合もあれば、間仕切りのない一つの空間のタイプもあります。他にも、キッチンが独立した個室になっているもの、ダイニングとキッチンが一つの空間でリビングと分離しているものなど、物件によって空間の分け方はさまざまです。
2LDKと似た間取りに2DKというものもあります。これは、ダイニングキッチンのほかに2つの居室がある間取りのこと。
では、2LDKと2DK、どちらが広いのでしょうか。首都圏不動産公正取引協議会による「DK」「LDK」といった用語の使用基準を見ると、2LDKや2DKなどの居室(寝室)数が2部屋以上ある場合、DK(ダイニング・キッチン)は6畳、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は10畳が最低必要な広さの目安となっています。
つまり、2つある居室の広さが同じであれば2DKよりも2LDKの方が広い傾向にあるといえます。ただし、居室が4.5畳ずつでLDKが10畳の2LDKと、居室が6畳ずつでDKが6畳の2DKでは、それほど広さに違いは出ません。収納や玄関、浴室などの広さによっては2DKの方が全体の広さは広いケースも。マンション選びや賃貸の部屋探しをする際には、間取りの表示だけでなく、間取図や現地で全体の広さを確認することが大切です。
マンションの広告などを見ていると「2LDK +S」「2LDK +N」「2LDK +DEN」といった表示を目にすることがあります。このS、N、DENとは何を指すのでしょうか?
Nは納戸、Sはサービスルーム、DENは巣や洞穴を意味する英語「DEN」からきた言葉で書斎や趣味室など隠れ家的な用途を持つ空間を指すのが一般的。N、S、DENを居室として数えないのは、採光や換気のための開口部が建築基準法で定められた基準に合致していないなどが理由です。居室にはカウントされませんが、納戸を書斎にするなど、居室として使用するのは住む人の自由です。

一人暮らしやカップル、まだ子どもが小さな3人家族などで人気の2LDKは、どんな間取りがあるのでしょう。また、部屋の配置によって暮らし心地はどう変わるのでしょう。ここでは、間取りの特徴別の主な5タイプを解説。部屋の使い方の一例を紹介します。
分譲マンションでも賃貸マンション、アパートでもよく見られるのがタテに長いリビングと、リビング・ダイニングに隣接する居室、独立した居室のある2LDK。リビング・ダイニングと隣接する居室の間仕切りが大きく開けられる引き戸などになっていると、一つの大空間として使用することができます。1LDKの間取りを探している人も、このタイプの2LDKなら希望に合いそうです。
タテ長リビング型の特徴

タテ長リビング型同様、分譲マンションでも賃貸マンション、アパートでもよく見られるタイプです。採光の良い方向に間口いっぱいのリビングが配置されているのがヨコ長リビング型。リビングとしてくつろぐスペースも、食事をするダイニングスペースも、採光や通風の良い快適な空間として使用できます。
両脇を住戸にはさまれた中住戸の場合は、(1)の位置にある部屋に窓が設けられないのですが、下の間取図のようにリビング・ダイニングと一体にできる空間にすることで、採光も通風も得られます。このスペースを子ども部屋や子どもの遊び場として使うのもいいでしょう。
ヨコ長リビング型の特徴

築年数の古いマンションでよく見られるタイプです。玄関ホールからLDKを通った位置に個室がある間取りタイプ。2つの個室は採光や通風が良いため、個室で過ごす時間を快適にしたい人や家族に向いています。個室を重視しながらも、外出や帰宅時に必ずLDKを通ることで家族内のコミュニケーションもとりやすいといえます。シングルの場合は、寝室と趣味の部屋を分けたり、1部屋を収納スペースにしたりといった使い方もできます。二人暮らしならそれぞれ専用の部屋が確保できます。
個室重視型の特徴

リビング・ダイニングも2つの個室も採光の良いバルコニー側に配置されているのが横並び型。どの部屋も快適性が高い間取りタイプといえます。個室の出入り口が下の間取図のようにリビング・ダイニングにあるタイプのほか、廊下があり各部屋へは廊下からできるタイプがあり、個室の独立性は後者の方が高くなります。
横並び型の特徴

高級な賃貸マンションやデザイナーズマンション、狭小地や高低差のある敷地などでも見られる、住戸内が2階建てのようになっていて戸建て気分が味わえるのがメゾネット型。2LDKの場合は、1つのフロアにLDKや浴室、洗面所、トイレがあり、その上階または下階のフロアに個室が2つあるのが一般的です。
来客に対応するLDKがあるパブリックな空間と、寝室のあるプライベートな空間が分かれているため、来客中でも自分の部屋でくつろぎやすいなどのメリットがあります。個室の独立性が高いため、二人暮らしならそれぞれに自分の部屋をもつ、一つを主寝室、もう一つを書斎にするなど、さまざまなライフスタイルに対応しやすい間取りといえます。ただし、同じ床面積のワンフロアの2LDKと比べると、空間が狭く感じる、掃除機を持って階段を上り下りするのが面倒などのデメリットもあります。
メゾネット型の特徴

同じ2LDKでも間取りはさまざま。物件探しの際のポイントを知っておきましょう。
2つの個室がLDKから独立しているのか、LDKに隣接していて一つの空間になる部屋があるのか、など、同じ2LDKでも間取りタイプによって部屋の使いやすさはさまざま。どんな間取りがぴったりなのかは、住む人や家族の年齢や暮らし方によって違ってきます。
物件探しで好みのマンションに出会ったら、間取図を見ながら寝室はどこにするか、いくつ必要なのかを考えてみましょう。生活音がしないところで眠りたいなら、LDKや水回りに近くない位置に独立した個室が必要です。3人家族で一人一部屋が必要なら、2LDKでは部屋の数が足りません。その場合、3LDK以上を探すか、リフォームやリノベーションで、部屋を間仕切るのもいいでしょう。自分たちの暮らしへの希望を整理して、その暮らし方ができる間取りなのかを考えながら、チェックするのがおすすめです。
今は2LDKの暮らしがぴったりでも、将来、子どもが増えたり成長したりすることで部屋数が足りなくなるケースがあります。リフォームやリノベーションで対応するのか、もっと広いところに引越しをするのか、イメージをしておくのがいいでしょう。
将来、売却の可能性があるなら、「売れない」という事態を回避するため、シングルやDINKSが好む駅近物件や都心部に乗り換えなしでアクセスできる路線など、利便性や立地の良さを考えて購入するのがいいでしょう。
シングルやカップルをターゲットにした賃貸マンションや賃貸アパートの場合、2LDKは探しやすい間取りタイプ。ただし、就職や転勤で家探しをする人が増える3月頃は暮らしやすい間取りの物件や、立地条件の良い物件はすぐに入居者が決まりがち。早め早めに部屋探しをするのがおすすめです。また、予算内で希望の2LDK物件が見つからない場合、2DKや1LDKも候補にして探すと好みの間取りに出会えることがあります。

ロナ禍以降、自宅で仕事をしている人も多くいます。「『住宅購入・検討者』調査」(2021年12月、(株)リクルート調べ)では、住宅の購入・建築を検討している人(首都圏・2021年7月~12月)の59%がテレワークを実施しています。今後、コロナ禍が収束しても、テレワークを続ける企業、出勤とテレワークを併用する企業も多くあるでしょう。もしも、テレワークをする可能性があるなら、ワークスペースを確保できる間取りかどうかもチェックしましょう。仕事専用の個室が欲しいのか、リビングやダイニング、寝室にデスクを置いてワークスペースにすれば十分なのかで、選ぶ間取りタイプも違ってきます。
また、タワーマンションなどの大規模マンションでは、共用施設としてコワーキングスペースやライブラリーなどが設けられている物件もあります。上手に利用できれば、自宅内に仕事用の部屋を用意しなくてもすみそうです。

2LDKのマンションは、部屋の配置や独立した個室の有無や数によって住み心地が違ってきます。どんな間取りタイプが合うかは住む人によって異なりますから、自分がどんな暮らしをしたいのかを考えて、物件探しをするのが大切です。
2LDKとはリビング、ダイニング、キッチンと、ほかに居室が2つある間取り
2LDKは間取りの特徴別に主に5つのタイプがある
暮らしやすい間取りタイプは家族構成や年齢、ライフスタイルによって異なる
物件探しのポイントは、購入の場合は将来のライフスタイルの変化や売却の可能性を考慮
賃貸の場合は、物件探しを早めにスタートし、2DKや1LDKも視野に探すのがポイント