相続関連の規定を約40年ぶりに見直す改正民法が国会で成立した。目玉となる配偶者居住権の創設により、配偶者が自宅に住み続けながらこれまでより生活資金を多く相続できる仕組みを導入した。結婚して20年以上の配偶者に贈与された住宅の所有権は、遺産分割の対象から除外する措置なども設けられている。
配偶者居住権のイメージ(亡くなった夫の財産を妻と子1人が相続するケース)
※配偶者居住権の評価額が所有権の1/2と仮定。法定相続分どおりに相続した場合
Q.配偶者が生活に困るケースがあったの?
A.現金の相続分が減る場合があったのじゃ
スマイカ :「どうして配偶者の生活資金が少なくなるの?」
ジュータコ:「配偶者の法定相続分は2分の1じゃが、亡くなった被相続人から住宅を相続すると現預金などの相続分が減り、必要な生活資金が確保できない場合があるのじゃ」
スマイカ :「配偶者が困らないように子どもと話し合えばよいのでは?」
ジュータコ:「もちろん遺言や遺産分割協議で配偶者の相続分を増やすことはできるが、そうもいかないケースもあるのじゃよ」
Q.配偶者居住権なら生活費を増やせる?
A.評価額が低いので現金を増やせるぞ
ジュータコ:「居住権は住むだけの権利で売買ができないから、所有権より評価額が下がる。その分、配偶者が相続する現預金を増やせるのじゃ」
スマイカ :「生きているうちに配偶者に住宅をあげればいいのでは?」
ジュータコ:「その点も法改正があり、結婚して20年以上の配偶者に生前贈与や遺言で贈与した住宅は、遺産分割の計算に含めないでよくなる」
スマイカ :「相続後も配偶者が生活に困らないなら、安心して家が買えるね」