住まいを選ぶなら、より便利な鉄道路線を使えるエリアにしたいもの。そこで今回は、首都圏の鉄道路線の使い勝手を多彩な角度から徹底リサーチ。知っている鉄道沿線以外にも目を向け、自分にとってベストなエリアを探そう。
今回は、「秋葉原・日暮里・大手町」に30分以内でアクセスできる沿線・駅を千葉県エリア内に絞ってご紹介。
下のグラフは、交通利便性を物件選定の決め手にした人の推移を示したもの。共働き世帯の増加などで、年々足まわりを重視する人が増えていることが分かる。新築マンションの選択肢が多い4路線を対象に、通勤事情やマンションの買いやすさなどで順位付けしてみた。住まい選びの参考にしてほしい。
●以下路線図の見方
・〇に色がついている駅は、快速利用などで、乗り換えずに最寄りの山手線駅まで行ける駅
・「各駅停車ならここまで」は、各駅停車で30分以内に最寄りの山手線駅に行ける駅
つくばエクスプレスは、2018年3月のダイヤ改正で増発された。平日17時台・18時台の秋葉原発下り方面列車では、以前は1時間につき12本だった本数が、ダイヤ改正により14本になった。また、常磐線は2017年10月時のダイヤ改正で、朝夕通勤時間帯に品川駅発着の列車を増発。いずれも東京都心部との行き来の利便性が向上し、混雑緩和にも期待できる。
ここでは、「マンション購入」と「通勤事情」について上の4路線をデータで比較。各路線の上位3駅も紹介しているのでマンション探しの参考にしよう。
●平均価格(70m2換算)
2016年1月~2017年12月に分譲された新築マンションデータ(専有面積30m2未満の住戸、バス便、事務所・店舗用ユニットは除く)を基に、専有面積70m2当たりの価格に換算。過去の分譲実績に基づく値なので、販売中物件の価格と異なる(データ提供/東京カンテイ)
●資産性(マンションPBR)
東京カンテイ独自の指標「マンションPBR」の値。2007年~2016年に新築分譲されたマンションが対象(専有面積30m2未満の住戸は除外)。同期間に、対象物件のなかから中古として流通した事例の専有面積70m2換算価格と、新築分譲時の専有面積70m2換算価格から算出。
値が大きいほど、中古として売りに出す際、新築分譲時の価格に近い価格で売却できたことを意味する(1であれば新築分譲時と同額、1以上なら新築分譲時より高く売れたことを意味する)。
ただし、過去実績に基づく指標なので、現在・将来の市場で同じ傾向になるとは限らない(データ提供/東京カンテイ)※各路線のPBRは対象区間の平均値を編集部が算出
●遅れない(遅延証明書発行日数)
国土交通省鉄道局「東京圏における1ヶ月(平日20日間)当たりの遅延証明書発行日数状況(平成28年度)」より。平日ダイヤの遅延証明書の年間発行累計をもとに、1カ月当たりに換算した日数
●都心アクセス(接続路線の数)
山手線駅にアクセスできる接続路線の数。相互乗り入れを実施している場合、乗り入れ先の路線はカウント対象外(編集部調べ)
日々進化を続ける通勤列車。通勤の快適性を高めるための工夫が随所に施された最新車両に注目だ。
1人当たりの腰掛幅を拡大したほか、荷棚の位置を下げるなど、従来より快適性や使い勝手が向上。2017年5月から順次導入が進められており、2020年春ごろまでに現行車両と置き換わる予定
2018年春から導入予定の新型車両。空気清浄機や、背もたれ部分が高くなったハイバック仕様の座席が導入され、快適性がアップ。さらに、防犯カメラを設置し、車内のセキュリティ強化も実現
2017年11月から車両編成を増やして輸送力を増強しているが、2018年春からは新型車両を導入。ドア上のデジタルサイネージでニュースや天気予報などの情報サービスが提供されるようになる
2018年度から順次導入される車両には、全面塗装が施されている。情報提供用の液晶パネルが2画面に増え、ボックスシートにはサービスコンセント2口が設置されるなど、車内もグレードアップ
2018年2月から運行開始。外装には新イメージカラーの濃紺を採用し、車内にはベビーカー・車いす用のフリースペースや、空気清浄機が設置されるほか、空調効率を高める個別ドアスイッチも導入
2018年2月22日から運行を開始した座席指定列車用に開発された車両で、2017年9月からは先行して通常列車にも導入。無料の公衆無線LANや空気清浄機などが設置され、快適性が向上している
首都圏では複数の新駅登場が控えている。2020年までに開業予定の駅をピックアップしてご紹介。
山手線の品川駅・田町駅の間にある車両基地跡地では「品川新駅(仮称)」が設置工事中で、2020年春に暫定開業予定。駅周辺では再開発も進められていて、2024年に街びらきする予定だ
虎ノ門エリアでは「虎ノ門新駅(仮称)」が工事中。2020年東京五輪開催前に開業予定で、2022年度の最終完成を目指している。周辺で進む複数の再開発との相乗効果で拠点性が高まりそうだ
相鉄線とJR線・東急線の相互乗り入れにともなって設置される新駅。2022年度下期からは、この駅を経由して、東急東横線や東急目黒線との相互乗り入れも開始する予定で、注目が集まる
自分の勤務地から通勤にかかる時間を逆算して住まいを選択する人は多い。しかし、単純に通勤時間だけで検討するのではなく、“始発電車で座って通勤できる”ことや“将来を見据えた資産価値”を考慮に入れて検討したほうがいいかもしれない。
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