プロに学ぶ!心から納得できる「土地探し&家を建てる」ために知っておきたいコト

マイホームを建てるからには誰もが、少しでも「いい土地、いい家」に住みたいと考えるのではないでしょうか。しかし、ひと口に「いい家」といっても、その定義は十人十色。最寄駅や職場まで近い土地? 最新の設備がそろった家? 選択肢が多いからこそ迷ってしまうものです。そんな人が自分なりの「いい土地、いい家」を試行錯誤するうえでのヒントを得るべく、心地良い住まいをつくりだす仕組みを記した『片づけの解剖図鑑』などの著書を持つ、一級建築士の鈴木信弘さんに話を聞きました。

「いい土地」を手に入れるためには条件+フィーリングも大切に

まず、注文住宅を建てることと、土地探しはセットで考える必要があります。実家や職場からの距離を考えて、「どうしてもこのエリアで土地を見つけたい」という人もいれば、「予算の範囲内で条件のいい土地があれば」と考えている人もいるかもしれません。ただ、いずれにせよあまりガチガチに条件を固め過ぎてしまうのは得策ではないと鈴木さん。

「最近、特に都心では土地自体がなかなか手に入りにくくなっています。そのため、真っ先に具体的な街をしぼったり、広さや立地などを固め過ぎたりするのは要注意。条件設定ばかりが先行して、なかなか土地の良いところを見つけにくくなってしまいます」(鈴木さん、以下同)

優先事項を絞るのも大事ですが、まずはその土地をよく”読むこと”が大切とのこと。例えば、土地の形状などに難点があったとしても、設計によってマイナスをカバーできることもあります。条件に合わないからといって一様に見切りをつけず、メーカーや設計事務所に相談してみることも大事なようです。

また、逆に、一見すると条件の良さそうな土地であっても、法律や条例などによる制限がかけられ、希望どおりの家づくりがかなわないケースも考えられるといいます。

「例えば、旗竿地のなかには、駐車場を奥まで入れられそうだと思っていたら、『駐車場の設置義務』という条例に抵触してしまうこともあります。ほかにも、『垣根が何メートルの高さまでしか設置できない』『壁のようなフェンスは建てられない』『駐車場の屋根は何メートル以下にしなくてはいけない』など、制限があります。また、準防火地域や新防火地域の土地だと、内装に木に使用する家をつくりたいと思っても簡単にはつくれません」

もちろん、いざ購入するとなれば、土地取引をする事業者は、「重要事項説明書」で、購入希望者にこうした条例による制限を伝える義務があります。ただし、地域の条例や地区計画など、細かな土地の縛りについてはチェック漏れがないとはいえないそう。心配な場合は役所に尋ねるのもよいでしょう。

「例えば、斜面の崩壊を防ぐための擁壁(ようへき)を含める土地を購入すると、擁壁が古くなって、劣化したら、土地所有者の責任で直さなくてはいけません。修繕に当たっては、場合によって数百万から数千万円かかることも。規制だけではなく、土地をとりまく周囲の状況についても調べておく必要があるでしょう。ちなみに、電柱や標識なども要注意です。移動が簡単にできる場合と事情によりできない場合があります。」

そうした前提の知識を踏まえたうえで、もし「いい土地」が見つかったら、最後は五感を大事にした方がよいと鈴木さん。

「土地を選べるということであれば、まずはその土地に3回、時間帯とできれば季節を変えて、訪ねてみてください。その場所に30分ほどいると、風や日照、匂い、音など、五感で察知できるものがあるはず。何度も足を運び、その直感を磨いていくことは、長く暮らせる土地かどうかを見極めるうえで大切です。周囲に何もないところならまだしも、周辺の家、住む人の暮らしに大きくかかわってきます。『本当に、ここに住めそう?』と自分に問いかけてみてください。それ以上の詳細なことは、専門家やプロの意見を後から聞けばよいことです」

【いい土地に出合うためのポイント】
・土地の条件を固め過ぎない
・土地には条例など細かい縛りがあることを理解しておく
・気に入った土地には何度か足を運ぶべし

性能? 雰囲気? 暮らす人が満たされてこその「いい家」

もし、「どうしても、そのエリアに住みたい」けど、「土地の狭さ」にあまり納得ができない場合でも、設計の工夫次第では、「いい家」になると言います。ただし、メーカーによっては、あまりにも狭い土地など、条件によっては施工を断られるケースもあるので要注意。

そうしたことを踏まえると、土地探しより、「どんな暮らしをしたいか?」を固めるほうが先決かもしれません。では、住む人にとっての”いい家”とは、どのような家なのでしょうか?

「社会的な資産(財産)としての住宅、という視点から考えれば、『キチンとした性能をもち、耐久性がある家』だと言えるでしょう。これはすなわち、地震に強いとか断熱・気密が良いとかいう数字で表せるもの。ただ、果たして性能が高いだけで”いい家”と言えるでしょうか。家を”器”として捉えてしまうと、性能ばかりに目が向いてしまうのですが、”家族”という言葉に表されているように、家はそこに住む人の存在が何より大事。住む人の気持ちが満たされる家こそが、本当の”いい家”なのだと思います」

家族でワイワイ食卓を囲める、庭を愛犬が駆け回っている、大きな窓から四季の風景が見える、広々としたバスルームがある。”いい家”とは、人それぞれが心地よい暮らしを考えた先に見えてくるものなのかもしれません。

「面積を取るのか、質感を取るのか、何を優先順位にしたいのかを考える必要があります。見積もりが出ない時はまだその悩みはないので、あれもできそうだこれもできそうだとなるけど、見積もりが出るまで、初めてそこに現実との戦いが始まるのです。ただし、予算で絞ると夢がなくなってしまうので、どこかを残せるように工夫します。じゃ、これをやめるかとか、これは残してと絞られてくる。まずは家族の要望を出し切り、そこから、実現するための方法を考えます」

そのほか、メゾネットは吹抜けなどの間取り次第で、採光や通風の面でもメリットが生まれます。上階から降り注ぐ自然光が室内を柔らかく照らし出す空間を演出できたり、ライフスタイルに応じて明るい部屋と暗い部屋が使い分けられたり、吹抜けによって十分な通風が確保できたり、といった具合です。

【いい家を建てるためのポイント】
・視点を「性能」から「家での暮らし」に向ける
・まずは予算に縛られず、家に盛り込みたい優先順位を考えよう

【まとめ】
家づくりに関して素人である施主は、アイデアがなくても当たり前。いいなと思った土地に、どんな家を建てればいいのか、選択肢を提示するのはプロの役割です。家を建てるに当たっては、信頼できるパートナーであるハウスメーカーや工務店、設計事務所、建築士に出会うことも大事になります。そのうえで、まずは自分たちにとって心地よい暮らしのイメージを固めることが、「いい土地、いい家」と巡り合うためには必要なのかもしれません。

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取材・文/やじろべえ 末吉陽子 
公開日 2018年04月05日
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