I型キッチンが向いているのはどんな家? メリットやデメリットを専門家が解説

公開日 2022年05月19日
I型キッチンが向いているのはどんな家? メリットやデメリットを専門家が解説

食は家族の時間にとって大切なもの。新築の家を建てる時にはキッチンのレイアウトにこだわりたいという方も多いでしょう。数あるキッチンの中でも、I型キッチンのスタイルは背面型、対面型、アイランド型など多様で、どれを選ぶかによって使い勝手は大きく変わります。
今回はI型キッチンの特徴について、一級建築士であり、大学でキッチンデザイン論を教えている井上恵子さんに話を聞きました。I型キッチンの特性を知って、理想のキッチンを作る参考にしてください。

I型キッチンの特徴

ひと口にI型キッチンと言われても、どんな形式のものなのかが一般的にはピンと来ないかもしれません。賃貸住宅から、マンション、一戸建てなど、広く使われるI型キッチンの特徴やレイアウトとはどのようなものでしょうか。

I型キッチンの特徴

I型キッチンとは、一直線に並んだキッチンレイアウトのことを指します。細かい仕様については関係がなく、どのようにキッチンが配置されるかで分類した名称です。

I型キッチンの例
I型キッチンとは、シンクとコンロが直線上にあるもの(画像/PIXTA)

「I型キッチンとは、シンクとコンロが直線上に横並びに1列型のレイアウト(配置)になっていて、上からみたときにアルファベットのIの形をしているものを指します。I型キッチン以外のレイアウトには、Ⅱ型(2列型)、L型、U型が代表的です」(井上さん、以下同)

I型キッチンのイラスト
L型キッチンのイラスト
U型キッチンのイラスト
Ⅱ型キッチンのイラスト
I型(1列型)、L型、U型、Ⅱ型(2列型)キッチンのレイアウト(イラスト/青山京子)

I型キッチンの代表的なレイアウト

I型キッチンには、まず、対面型と背面型があります。対面型は、キッチンで作業していてもリビングダイニングが見える向きに配置されており、シンクの前がオープンであることが特徴です。背面型は壁に向かって調理をする配置になっており、背面にリビングダイニングがある形です。

どちらが使いやすいかと迷う人も多いと思いますが、最適なタイプは、家族のライフスタイルやコミュニケーション方法の好みによって分かれます。

他にも、キッチンスペースとダイニングが壁で仕切られて完全に独立している、個室型のレイアウトもあります。

家族のコミュニケーションが充実する対面型キッチン

I型キッチンの対面型のなかにはアイランド型やペニンシュラ型といったバリエーションがあります。それぞれどのような配置でしょうか。

アイランド型

「対面型には2種類のバリエーションがあり、アイランド型は、シンクや調理スペースが壁から完全に離れて、島のような配置になっているもの。アイランド型は左右どこからでもキッチンとリビングを行き来できる、オープンな雰囲気が魅力です」

アイランドキッチン
アイランド型I型キッチンの俯瞰図
アイランド型キッチンは壁に接する部分がなく、複数の人で作業をしやすいなどのメリットもある(イラスト/青山京子)
アイランド型I型キッチン
四方を壁に囲まれないアイランド型(画像/PIXTA)

ペニンシュラ型

「カウンターのどちらか一方が壁付けになり半島のような配置になっているペニンシュラ型はコンロの前面など、一部を壁で隠すこともできる柔軟さがあります」

ペニンシュラ型I型キッチンの俯瞰図
ペニンシュラ型キッチンは片方が壁についている(イラスト/青山京子)
ペニンシュラ型I型キッチン
ペニンシュラ型のI型キッチンは1カ所が壁についているため、キッチンの一部を隠したり、奥をパントリーとつなげたりすることができる(画像/PIXTA)

省スペースになる背面型

背面型にはどのような特徴があるのでしょうか。

「背面型は、キッチンの前面に壁、背面にリビングダイニングがあり、キッチンとダイニングの空間が一体化したレイアウトが特徴です。リビングダイニングの広さを確保しやすく、プランによっては、フロントやサイドの窓が活かせます。

窓が近くにあれば、明るく換気がしやすく、風通しのよいキッチンになるのが魅力で、窓から外の景色を見ながら調理ができます。また、リビングの壁の色とキッチンの色をあわせたり、ちょっとおしゃれな調理道具の配置にこだわったりして楽しむこともできますね」

背面型I型キッチン
広さと明るさが魅力の背面型(画像/PIXTA)

ダイニングをスッキリとさせる個室型(独立型)

個室型キッチンは、キッチンとダイニングが壁とドアで仕切られて完全に独立しています。コミュニケーションを重視する最近の家づくりの傾向にはそぐわないと思われがちですが、実は個室型特有のメリットもあります。

「調理作業に集中できるため、料理が好きな方には大変魅力的なレイアウトです。空間に余裕があれば小さなカウンターと椅子を置いて、キッチンを家事室のようにも使えます。キッチンだけで使える壁がいっぱいあるので、収納や調理家電置き場がたくさん作れます。

また、臭いや煙がリビングまで影響しにくいですし、小さなお子様やペットに入られたくないときに対策がしやすいというメリットもあります」

個室型I型キッチン
個室型(独立型)のI型キッチン。作業に集中できて、使える壁が多いので収納力も抜群。部屋のように楽しめる(イラスト/青山京子)

おしゃれなI型キッチンの間取りやレイアウトのコツを解説

それでは、自分の暮らしや日常の動きに合わせてI型キッチンのレイアウトを選ぶためには、どのようなことに気をつけて選べばよいのでしょうか。対面型、背面型のレイアウトのコツをみていきましょう。

対面型キッチンは家族のコミュニケーションをとりながら調理ができる

家族とのコミュニケーションを取りつつ調理ができるのがポイント。キッチンが丸見えになることに抵抗があるなら、キッチンの前方に手元を隠す立ち上がりやリビング・ダイニングとの間に吊戸棚を設けたり、レンジ前だけ壁を付けたりすれば、部分的にリビングから目隠しすることもできます。

アイランド型

開放感があり、カウンターの両方から作業に参加できる点がポイント。家族と、またはお客様を招いて一緒に調理するなど、大人数での料理を楽しみたい方に向きます。前後両脇に空間が必要なので、レイアウトスペースを広く取ることが必要。

対面型は油跳ねに注意!セミオープンタイプという選択肢も

おしゃれで使い勝手のよいキッチンにするには、対面型・背面型それぞれに注意事項があります。
「対面型は、リビング・ダイニング側にコンロの油跳ねやシンクの水はねがいかないように注意をしなければいけません。ショールームでは、油跳ね対策としてコンロの前に高さ30cm程度の油跳ねガードを設けていたり、中にはワークトップ(天板)から天井まで油跳ね防止ガードで覆っているものもあります。また、コンロ及びシンク前はカウンターの幅を広めにとるなどの対策があると良いでしょう」

また壁や吊戸棚で、ダイニングとの間をどのくらい仕切るかによって、開放感や収納力、配膳のしやすさなどが変わってきます。ダイニング側に吊り戸棚を設けるのではなく、背面に収納を充実させることで、開放感と収納力をアップさせることもできるので、その空間を確保できるようなら検討してみると良いでしょう。

「コンロやシンクが丸見えなのは嫌だけど、家族の様子は見たいという方には、セミオープンタイプという選択肢も。部分的に腰壁をつくったり、コンロ側のみに壁をつくったり、吊戸棚で見え方を調整することで、キッチン内の見え方を調整できます。

煙や臭いが壁によってさえぎられますし、作業中の手元も隠せます」

対面型キッチンのレイアウト例
セミオープンなら対面型の開放感を得つつも、隠したいところには壁を設置することもできる(イラスト/青山京子)

背面型は収納力の確保が鍵

対面型キッチンのように空間が区切られることがないので、リビング・ダイニング・キッチンが一つの空間となり広く見え、LDKの居住空間を対面型より多く確保できるます。
コミュニケーション重視の対面型、省スペースの背面型など、それぞれにメリットがあるので、間取りやライフスタイルにフィットしたレイアウトを考えましょう。

井上さんによると、背面型の場合は、キッチンが丸見えになる場合があるため、いかにスッキリと収納をするかが大切になると言います。

「吊戸棚なども、最近はシースルーなどのおしゃれなデザインのものや、押したら自動で降りてくる機能的なものもあって、かなりの収納力があります。

背面型に限らずですが、キッチンの収納力は生活感を見せずにすっきりと、家をおしゃれに見せる意味ではとても重要です。

これから家を建てるのであれば、手持ちのお皿や調理器具などの大きさや数などを把握して、それらが収まるような収納計画を立てることをお勧めします。

また、今後の家族の人数や生活スタイルの変化に伴い、食器や調理家電が増えることが想定される場合や、万が一の災害時の備蓄のことも考えて、床下収納やパントリーなども検討し、収納を十分確保しておくとよいでしょう」

背面型キッチンのレイアウト例
背面型キッチンの場合は吊り戸棚など、隠す収納を活用するとスッキリ(イラスト/青山京子)

■キッチンレイアウトまとめ
・開放感や複数人で料理したい場合はアイランドキッチン、家族やお客様とコミュニケーションを取りたいなら対面型
・対面型で油が跳ねることを気にしたり、コンロ周辺のごちゃごちゃしている部分を見せたくないなら、一部分を壁で覆ったセミオープンがおすすめ
・限られたスペースで広く見せたいなら、背面型
・収納力重視なら背面型。対面型でも吊戸棚を設けたり、背面収納スペースがあれば問題なし

対面型か背面型か? 自分に合うレイアウトを検討する
希望の動線や家の広さに合ったレイアウトを選ぶ必要がある(イラスト/青山京子)

I型キッチンのレイアウトによる価格の違い

システムキッチンの価格は、対面型や背面型など、形式によって差はあるのでしょうか。またどんな部分で金額の違いが出てくるのでしょうか。

「施工方法については、背面型、ペニンシュラ型、アイランド型のレイアウトによって大差はなく、価格差もそれほど大きくありません」

レイアウトによっては大きく金額が変わらないそう。ではどんな点が価格に影響するのでしょうか。

「実は金額に影響するのは、キッチン全体が、外から見える要素が多いか少ないかです。見える部分は外装の仕上げもそれなりにしなければなりませんし、レンジフードがリビング側から見えるならグレードアップをする必要があるなど、そのような要素で価格はアップします。

その観点ですと、キッチンの4辺が開放され、どこから見てもきれいな仕上げをする必要がある、アイランド型の価格は高めになりがちです。次にペニンシュラ型、そして背面型の順になるといえるでしょう。もちろん、仕上げにどんな素材を使うかによっても価格は変動します」

実際のところレイアウトによる価格変動よりも、使うマテリアルの量や質によっての価格差が大きいといえます。

■レイアウト別 I型キッチンの価格が高い順
・アイランドキッチン
・ペニンシュラキッチン
・背面型キッチン

I型キッチンのメリットは?

I型キッチンの特徴を見てきましたが、L型やU型のキッチンと比べて、I型キッチンのメリットというのはどのようなところにあるのでしょうか?

シンプルで部屋のレイアウトをしやすいこと

「シンクとコンロが横一列に並んでいる、まさにキッチンの基本形でシンプルです。どんなお部屋でもレイアウトがしやすいことがメリットといえるでしょう」

I型キッチンは対面型にすることもできますし、背面型にすることもできます。シンプルで空間効率の良いI型キッチンは汎用性が高く、導入を考えてみるべき基本形といえるでしょう。

家づくりの打ち合わせ風景
I型キッチンはキッチンの基本形。最初に検討する選択肢となる(イラスト/青山京子)

省スペースで汎用性が高いこと

省スペースで、汎用性が高いこともI型キッチンのメリットとして挙げられます。

「I型キッチンのよいところはキッチンにあまり広さが取れない時でも設置しやすいこと。また、L型とかU型だと、曲がったところ、交点の部分の下部が使いにくいデッドスペースになりがちですが、I型キッチンはそのようなデッドスペースはありません。

L型キッチンの俯瞰図
L型やU型はコーナーの曲がったところがデッドスペースになりやすい(イラスト/青山京子)

「キッチンはI型が基本ではありますが、スペースに余裕があったり、使い方にご希望があるとか、空間的にこうした方がいいというときなどに、L型やU型を採用することもあります。」

このように、省スペースでも設置できること、キッチンとしてもっともオーソドックスなスタイルであり、いろいろなレイアウトにアレンジがしやすいこともメリットです。

I型キッチンのデメリットは?

メリットが多く感じられるI型キッチンですが、デメリットはどのようなことがあるのでしょうか。

調理スペースが少ないこと

シンクとコンロの間が調理スペースとなりますが、そこが狭くなりがちなので気を付けたいところです。

「I型キッチンは、間口(長さ)である程度は調理スペースの広さを調節しますが、基本的に横移動となるため、長すぎると使いにくくなってしまいます。

ワークトライアングルという調理動線の考え方があります。冷蔵庫、シンク、加熱調理機(コンロなど)の前方の中心点を結び合わせてできる三角形で、これが長すぎると無駄な動きが多くなります。それぞれの場所に2、3歩ずつ歩けば到達するのが理想といわれています。

ところがI型の場合は基本的に横移動となり、このワークトライアングルを形成しません。そのため、調理スペースを広く取ろうとして、間口を長くしすぎてしまうと作業動線が長くなり、使い勝手が悪くなってしまうというデメリットがあるのです」

ワークトライアングルの例
ワークトライアングルの例。I型はシンクとコンロが直線で基本的にワークトライアングルを形成しない(イラスト/青山京子)

雑多な印象になりがち

キッチンがリビング・ダイニングから見え、来客や家族の目に常に触れることになり、気をつけないと生活感を感じさせてしまいます。対策として収納に工夫を凝らすことがポイントです。

「I型キッチンのレイアウトにもよりますが、背面型などではキッチンが丸見えになってしまうことがあります。キッチンには、日常的に使うものが多くありますので収納スペースが少なければ少ないほど出しっぱなしになりがちで、ごちゃごちゃします。

しかし最近では工夫をこらして収納を充実させたキッチンが出ており、掃除がしやすいタイプも出ていて、年々進化しているので、ショールームなどでいろいろなI型キッチンをご覧になってみることをおすすめします」

I型キッチンの一般的なサイズは? 使いやすいキッチンを作る

日本のキッチンメーカーのキッチンを採用する場合、規格のサイズ(寸法)というものがあります。メーカーや施工会社にどのように希望を伝えるのがよいのでしょうか。

一般的な規格サイズは、間口(長さ)1800mm~3000mm、奥行き650mm

「システムキッチンの一般的な規格サイズは、間口(長さ)1800mm~3000mm。奥行き650mmです。ほとんどのメーカーがその企画のなかで150mm刻みのサイズで豊富に作っています。中でも2550mmや2700mmはよく耳にするサイズではないでしょうか」

システムキッチンの規格
キッチンメーカーのシステムキッチンは規格があり、15cm単位のモジュール(基準寸法)でつくられている(イラスト/青山京子)

注文住宅の場合は、キッチンの希望のレイアウトやサイズを先に決めて、それが入るように間取りを作成する流れが多いと思います。日本のハウスメーカーで家を建てる場合は独自のモジュールがあり、既製品のキッチンが壁と壁の間にぴったりと入らないことがあります。

「ぴったりのサイズがなくても、少しの隙間であれば埋める部材があり、建築時に施工できますので心配無用です。逆に家を作る中で、この規格の最大値や最小値から外れることも、あまりないと思います」

キッチンの間口調整説明図
完全に間取りとシステムキッチンが一致しない場合は、間口調整できる部材がある(イラスト/青山京子)

作業スペースを広く取りたい場合の対処法

I型キッチンを設置しようとする場所の間口が十分に取れない場合、また、コストの都合で間口サイズを大きくできない場合や、調理スペースを少しでも広くとりたいときは、どのような方法があるのでしょうか。

「I型キッチンの場合、一般的にコンロとシンクの間がまな板を置く調理スペースや盛り付けを行う配膳のスペースになります。例えば、間口(長さ)が1800mm~2100mmですと、シンクの大きさにもよりますが、コンロとシンクの間の調理スペースが300mm~450mm程度となります。ここのスペースが広ければその分、大きなまな板を置くことができ、配膳がラクになります」

コンロとシンクの間の調理スペース
1800mm~2100mmのキッチン台だと、コンロとシンクの間の調理スペースはおおよそ300mm~450mmしか取れない場合も(イラスト/青山京子)

調理スペースが狭くなりそうなときは、シンクにその役割を担ってもらう方法もあります。最近ではシンクにも多機能なものが出てきており、シンクで調理作業ができるような、多層シンクというものもあります。シンク周りとフラットになるようパレットを置くことができ、それが2層になっていて、シンクの上にまな板を置いて調理したり、ゆでこぼしできるものがあります。シンクの機能にもこだわってみるのもよいかもしれません」

I型キッチンは省スペースであることがメリットですが、反面、調理スペースが小さくなりがちというデメリットもあります。そんな時はキッチンとは別に作業台を設けたり、シンク上・下のスペースを有効活用して、使いやすいキッチンを目指したいですね。

Wサポートシンク
上段と中段のどちらでも使える水切り構造のプレート部と水切りカゴとしても使えるワイヤー部をセットすると、シンクが多層に使える(画像提供/LIXIL)

素敵なI型キッチンの実例を紹介!

スーモカウンターで、I型キッチンを取り入れた先輩たちの事例を紹介します。先輩たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

I型キッチンにプラスした妻の父の手作りアイランド作業台

省スペースになる背面型のI型キッチンにすることで、台所に広々とした空きスペースを作り出しました。その空間に、カウンターテーブルや机としても使える、アイランド型の作業台を設置。作業スペースが少なくなりがちなI型キッチンのデメリットを補ったキッチンになりました。

I型キッチンに作業台を追加
ダークブラウンを基調にまとめた背面型に。アイランドの作業台はマルチに使えて便利なアイテム(写真/相馬ミナ)

二人の夢はケーキ屋さん! スペースを広く使える背面型を選択

最初はキッチンを対面型で考えていたMさん夫妻ですが、スペースを少しでも広く使いたいという思いで背面型に変更。キッチンの前には、作業台と収納とカウンターを兼ねた大きめのダイニングテーブルを造作しました。「配膳作業がほぼ要らないし、すごく使いやすい」「子どもに何かさせるときも便利」と大満足です。

飾り棚を追加したI型キッチン
シールタイプのタイルを貼ったり、飾り棚を後付けしたり、完成後のアレンジも自分たちで楽しんでいる(写真/杉浦幹雄)

見学会のキッチンを参考にしたオープンなペニンシュラ型キッチンに

建築会社の完成見学会で見せてもらったオープンキッチンを参考に、ブルーとホワイトを組み合わせたおしゃれなオープン型のペニンシュラ型キッチンをつくったMさん夫妻。賃貸住まいのときは収納スペースの少なさに課題があったので、収納スペースをしっかり確保することに重点をおいたそうです。

I型キッチンと並べたダイニングテーブル
冷蔵庫の並びにパントリーを設けて買い物後の収納を楽にしたり、キッチンの横にテーブルをおいて配膳をしやすくしたり、動く範囲を工夫したりして使いやすいキッチンに(写真/アラキシン)

ふたりで料理もラクラク、収納もたっぷりなキッチン

Hさん夫妻は、フルフラットの対面型キッチンを選び、食器洗い乾燥機を導入しました。「以前はカウンターを立ち上げた対面式キッチンだったのですが、フルフラットはキッチンとダイニングの距離が近くていい」そう。ワークトップを広く、通路をゆったり取ることで使いやすくしています。

フルフラットのI型キッチン
食べ終わったら、座ったままサッと食器をキッチンに戻して、あとは食洗機におまかせ。家族の時間が増えました。(写真/相馬ミナ)

バリエーション豊富なI型キッチンは、自分に合ったレイアウトを吟味しよう

I型キッチンは、対面型でも背面型でも、どんなお部屋にも合わせやすく、色や外装のバリエーションも豊富です。普段どのようにキッチンを使うのか、これまで使っていたキッチンに対する不満や収納するもの、調理家電の数、小さい子どもがいる場合やペットがいる場合、立ち入って危険だったこと、などをメモしておくと、レイアウトを決めるときの参考になります。

また一方で、キッチンが丸見えになってしまうなどのデメリットもあり、インテリアのレイアウトに工夫が必要です。腰壁を設置したり、吊り戸棚などで見えない収納を増やしたりして、使いやすく素敵なキッチンにするといいでしょう。

キッチンは、作業する人が楽しく料理ができて日々の家事や家族にストレスを感じさせない場所であることがとても大切です。自分の暮らしにあったキッチンとレイアウトを選んでくださいね。

まとめ

I型キッチンは、シンクとコンロが1列の直線上に並んだキッチン

キッチンの活用頻度や生活動線を踏まえてレイアウトを決定する

背面型・対面型ともに、リビングダイニングにオープンなスタイルなので、収納に工夫が必要

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取材・文/蜂谷智子(りんかく) イラスト/青山京子
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