毎日使うキッチン、洗面、トイレなどの水まわりは掃除が欠かせません。新型コロナウイルスの影響によりおうち時間が長くなったことで、以前よりも汚れる頻度が高くなっている家庭も多いことでしょう。もちろん、こまめに掃除ができればよいのでしょうが、子育てや介護、仕事などを抱えていれば、そうはいきません。そこで今回は「掃除の手間を減らす」住宅設備に注目。共働きで子育て中の主婦ライターが各社のショールームをまわり、その使い心地をレポートします。
筆者は10年前に新築の一戸建てを購入し、現在、夫と10歳・5歳の2人の子ども、猫1匹と暮らしています。夫婦共働き、しかも夫は激務とあって、水まわりの掃除は気がついたときに行うというゆるさで、汚れや傷みは見ないふりをしてやり過ごしています。
しかし、いかんせん10年暮らしていると、傷みも汚れも目立つようになり、見てみぬふりもできなくなってきました。
ここで私ができればやりたくない家のお手入れ・掃除をランキング形式でご紹介すると、
1位 お風呂! 床、壁、天井のカビ、床の水アカ、小物の汚れ
2位 長期間放置しているレンジフードの掃除
3位 トイレの便座のすき間、便器のフチの黒ずみ
ママ友とも家事の話をしますが、水まわりはとにかく毎日使う場所なので、
「掃除をしてもすぐに汚れる」
「忙しいので手がまわらない」
「できるならしたくない」
「めんどくさい」など、掃除を避けたいと考えている人が多いように思います。
だって、掃除した瞬間から汚されるんですよ? だったらもういいやって気持ちにもなるのが自然ですよね。でも、そんな人こそ取り入れたいのが、掃除・お手入れの手間を極力省いた「家事ラク設備」。
忙しい人やズボラな人こそ、住宅設備に頼るべき、そんな時代になったのです。さっそく各社が全力で「推す」設備や機能を見ていきましょう。
ニオイ、ハネ、黒ずみなどが目立つトイレ掃除は、なかなかさぼれないのがつらいところ。少し前までトイレといえば「節水機能」を軸に進化していましたが、今、メーカーが注力しているのがお手入れのしやすさです。
汚れがつきにくくなるコーティングに加え、便器の裏、ふち、すき間といった「飛び散りやすい場所」も極力お手入れしなくて済むようになっているとか。特に小さな子どもがいるとトイレは汚れやすく、使う頻度は高いもの。自分たちに必要な機能を見極めて、じっくり選ぶ価値は多いにありそうです。
次亜塩素酸を含む水「きれい除菌水」で除菌、抗菌に取り組んできたTOTO。最近では、男性も座って用を足す派が増えたことから、便座の裏に汚れがついてしまうことに注目し、ネオレストの最新シリーズでは、なんと、「きれい除菌水」が便座裏の汚れを洗浄する「便座きれい」機能を搭載しています。
「げっ、尿ハネ汚れ……」という、便座裏の汚れに目をつけるのはさすがですし、今すぐリフォームしたいなあという気持ちにしてくれます。ほかにも洗いにくい便器のノズルもしっかり除菌してくれるなど、細かな点まで配慮が行き届いています。
微細ミストで便座裏の汚れをしっかり漂白&除菌。もうないと思っていたトイレの革新って、まだまだできるんですね!
陶器表面に水酸基が出ない独自の「アクアセラミック」を用いていることから、ガンコな水アカも汚物もどちらも落とせて新品の美しさが100年続く「100年クリーン」をアピール。
便座には継ぎ目があることが一般的ですが、こちらは継ぎ目がないので、段差や溝に汚れがたまりにくく、ひと拭きでキレイに。そう、約10年以上前の便座には地味~に継ぎ目があり、そこが汚れていくんですよね。地味ですが、着実に改良されていて感動します。
電動で便座が真上に上がる「お掃除リフトアップ」では、気になるすき間に手が入るため、ユーザーの満足度も高い仕様です。使用後はフタが自動で閉まってから水を流す、シャワートイレのノズルは銀イオン水で自動洗浄するなど、細部まで至れり尽くせりです。
便器が真上に自動で上がる「電動お掃除リフトアップ」なので、すき間に手が入ります。実物を初めて見ると「お~」と驚くこと請け合いです。
新型コロナウイルスの影響で調理の機会が増え、その分、お手入れの必要も増しているキッチン。なかでも、ストレスの元となっているのが、シンクとレンジフードの掃除です。しかしながら最新のレンジフードは「お手入れからの解放!」を高らかに宣言、シンクは「ニオイの元をつくらない」など、うれしい新機能が登場しています。ちょっとコストかかっても導入したくなる機能です。
「がんばらなくてもいい」キッチンを謳っているクリナップ。特にステンレスキャビネットのシステムキッチンは、年々、バージョンアップを続けていて、ニオイの元となる継ぎ目やすき間を極力なくし、見た目にも美しい仕上がりです。
また、流しに水流を発生させることで、飛び散った生ゴミが半自動で1カ所に集まる設計で、ニオイがしにくくなっています。排水溝までステンレス素材のうえ、さらに汚れや傷に強い親水性セラミック系の特殊コーティング「美コート」加工をしているので、極力、「掃除をがんばらない」工夫がされています。
シンクに落ちた食材の切れ端などが水流で排水口に集まる仕掛け。ずっと見ていたくなります。
年末休暇に突入したのに、油でギトギトになった換気扇を洗うのは、「拷問かな?」と思うほどいやな「レンジフード」のお手入れ。しかし「10年間、ファンのお掃除はいりません!」と高らかに宣言したのが、パナソニックの「ほっとくリーンフード」。
使用後にファンが自動で高速回転、ファンに付着した油を吹き飛ばしてくれるすぐれものです。普段のお手入れは表面をさっと拭くだけ。あとは年に1度、プレートをとりはずして洗えばOK。しかも食洗機対応。パナソニック専用商品なので、システムキッチンとあわせて検討しましょう。
機能だけでなく、使いやすくてデザインもおしゃれ、というすぐれもの。指名買いする人がいるというのも納得です。
高温多湿のこの国では、お風呂の手入れとは、カビ、水アカ、ヌメリとの闘いを意味します。つるす収納を取り入れる、洗剤を工夫するなど、どの家庭も対策を練っていることでしょう。
しかし浴槽も床も、お風呂が自ら掃除くれる時代なんです。スマホにアプリを入れてIot化しておけば、タップひとつでお掃除完了、お湯はりまでできます。これなら外出先からの操作で、帰宅後即、入浴できるように。家庭の平和のために検討すべき設備といえるでしょう。
お風呂で最も汚れが気になるカウンターを取り外し、裏やフチが丸洗いできるようになっています。にっくき裏の汚れ、フチまでしっかり洗えるのでストレスフリーですし、それでもカビやヌメリが気になる場合はいっそカウンターまるごと取り外して「収納」してしまうのもありでしょう。コレ。
取り外し、取り付けもカンタン。カウンターは取り外したあとに、まるごと浸け置き洗いしてもよいかもしれません。
お掃除ロボットが床掃除を全自動で終わらせてくれるように、お風呂の浴室も床掃除もまるごとおまかせできる時代になりました。「おそうじ浴槽」は、洗剤を予めセットしておき、自動で浴槽そのものを洗ってくれます。「床ワイパー洗浄」も同様にお風呂の床洗浄を行ってくれます。
どちらも角質や皮脂汚れを洗い流してくれるほか、最後に「キレイ除菌水」で仕上げてくれるので、除菌をするので床の四角や排水溝のヌメリも軽減できるそう。人はもうボタンを押すだけで、ほぼお風呂掃除から解放されるのです!これはお金をかける価値、絶対アリですね!
家族のお掃除分担で悩むくらいなら、おそうじ浴槽を買うのがいいと思います。家族の不平不満、ぜひ解決しましょう!
どんな汚れでもついたらすぐに落とすが鉄則。毎日、床ワイパー洗浄をしていると、汚れにくくなるんだろうなあ、いいなあ……。
家事や住宅設備、リフォームのプロなどを取材するたび、「この10年で住宅設備はかなり進化した」「開発部門に毎日、家事をする人が入るようになったのではないか」などと聞いていましたが、それは大げさではなく、本当だなと思いました。家事・仕事、育児、介護などで忙しい人、掃除が苦手だという人はもちろんのこと、もともと掃除好き、キレイ好きな人もよく比較・検討してほしいです。価格と時間をかけ、学ぶだけの価値は必ずあるので、ぜひ、一度、ショールームに足を運んでみてください。
住宅設備機器メーカーは、メンテナンスや清掃性に着目し、素材開発や設計の工夫をしている。
忙しい人、こまめな掃除が苦手な人ほど、住宅設備の力を借りて、家事の負担を軽減しよう。
10年お手入れ不要、100年キレイなど、各社強みがあるので特色と価格を理解して比較・検討しよう。