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キッチンのシンクの排水口に設置する生ゴミ粉砕機「ディスポーザー」。マンションには設置されていることも多い人気の設備だ。そこで、一戸建てにも設置したいという人のために、ディスポーザーのメリット・デメリット、設置費用や維持費、一戸建てに設置する際の条件や注意事項について解説。
ディスポーザーはシンクの排水口に設置するタイプの生ゴミ粉砕機のこと。ディスポーザーには、粉砕した生ゴミを機械システムで処理し、処理水を下水道に流す「機械処理タイプ」、生ゴミを粉砕して専用の処理槽を経由し下水に流す「生物処理タイプ」、砕いた生ゴミを処理水と一緒に下水道に流す「単体ディスポーザー」の3タイプがある。
「機械処理タイプ」は一戸建てやマンション問わず設置できるが、「生物処理タイプ」については処理槽のスペースを確保する必要があったり、処理槽設置にあたり10万円~150万円のコストがかかることから、マンションなどの大規模施設に向いている。
また、ディスポーザーで生ゴミを砕くときに流す水は、下水道に流れるので自治体からの許可が必要になる。下水道に負荷をかけないために、地域の特性を踏まえて自治体がディスポーザーの設置基準を定めているのだ。「単体ディスポーザー」は砕いた生ゴミを処理水と一緒に下水道に流すため下水処理への負担が大きいことから、認可している自治体はほとんどない。
| タイプ | 処理方法/方式 | 住居種別への対応 | |
|---|---|---|---|
| 戸建て | マンション | ||
| 機械処理タイプ | ディスポーザーで粉砕した生ゴミを機械システムで処理し、処理水を下水道に流す。生ゴミは機械の中にとどまり、ヒーターの熱(乾燥処理)や微生物で処理される。 | ○ | ○ |
| 生物処理タイプ | ディスポーザーで粉砕した生ゴミは、専用浄化槽に集められ微生物で分解され、処理水は下水道へ流される。マンションで採用されることが多い。 | △ | ○ |
| 単体ディスポーザー | 砕いた生ゴミを処理水と一緒に下水道に流す。 そのため、「下水管の詰まりを発生させる」「生ゴミが下水管内で腐敗し悪臭の原因となる」などの問題があり、ほとんどの自治体は、単体ディスポーザーの設置を認めていない。 | ほぼ認可されない | ほぼ認可されない |
ディスポーザーの基本的な使い方としては、ディスポーザーに生ゴミを投入してフタをして、水を流しながらスイッチを入れると30~60秒程度で破砕される。製品によって使い方や容量が異なるので、使用前にしっかりと確認を。
<機械処理タイプのディスポーザーの使い方>
※キッチンカラット(ちくま精機)の場合

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また、ディスポーザーを使用する際、魚や肉の大きな骨や貝殻、野菜や果物の種など硬い物を入れると故障の原因になる。事前に処理できるものと処理できないものを確認しておこう。スプーンやフォークなどが混在することもあるので、必ずチェックしてから稼働させよう。
| 処理できるもの | 野菜・魚・肉・魚の骨・果物・菓子類・卵の殻 ※種類によって処理に注意が必要な生ゴミもある |
|---|---|
| 処理できないもの | 大きな骨(牛、豚など)・大きな貝殻(はまぐり、サザエなど)・大きな種(桃、アボカドなど) |
ディスポーザーで生ゴミを処理できるので、シンクに生ゴミ用の三角コーナーを置く必要がなくなる。シンクのスペースが広くなるだけでなく、生ゴミの悪臭や虫の発生を防ぎ、シンクまわりを衛生的に保つことが可能に。ディスポーザーはシンクの排水口に設置し、調理しながら生ゴミを処理することができるため、屋外に置くことが多い生ゴミ処理機よりも使いやすく、家事ラクにも。
生ゴミは水分を多く含むため、「機械処理タイプ」の場合はディスポーザーによって生ゴミが軽量化して、ゴミ出しの負担が軽減される。また、生ゴミを下水に流さず回収できることから、環境にやさしいのもメリットだ。

・シンクに生ゴミ用の三角コーナーを置く必要がなくなる
・生ゴミの悪臭や虫の発生を防ぎ、シンクまわりを衛生的に保てる
・ゴミを軽量化することができ、ゴミ出しの負担が軽減される
・生ゴミを下水に流さず回収できることから、環境にやさしい
一方、ディスポーザーのデメリットとしては、ディスポーザーの設置費用や、稼働するにあたっての電気代、年に1回定期点検の費用など、コスト面が挙げられる。
また、ディスポーザーを設置するためには、シンクはステンレス製であること、規定サイズや形状の排水口であることが条件となり、選べるキッチンが限られる点もデメリットだ。製品によってはシンク下の扉は観音開きであることが条件になる場合も。ディスポーザーはシンク下のスペースに設置するため、その分の収納スペースがなくなるので調理器具などの収納場所を確保しておこう。
ディスポーザーで生ゴミを破砕しているときの破砕音もするので、深夜を避けるなど使用する時間帯には配慮を。
・設置費用、電気代、定期点検などコストがかかる
・ディスポーザーを設置できるキッチンには条件がある
・シンク下スペースに設置するため、その分調理器具などの収納スペースがなくなる
・生ゴミを破砕しているときの破砕音がする
先述したように、一戸建てにディスポーザーを設置するためには、住んでいる自治体に設置等の確認申請が必要になる。自治体によってはディスポーザー設置NGの場合もあるので注意しよう。また、ディスポーザー導入にあたり、「維持管理点検契約」が必要になる。きちんとディスポーザーが稼働するかどうか1年に1回自治体に報告するための定期点検を行う。
リフォームなど後付けでディスポーザーを設置する場合、現調(現場調査)を行ってキッチン設置条件を確認し、プランニングを行う。維持管理点検契約の締結後に排水設備指定工事店から下水道局へ「排水設備計画確認申請」を行い、受理されてから工事を実施するため、依頼から工事完了まで1~2カ月程度が目安となる。
(1)自治体にディスポーザーを設置可能か確認する
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(2)現調を行ってキッチン設置条件を確認し、プランニングを行う
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(3)維持管理契約の締結
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(4)排水設備指定工事店から下水道局へ「排水設備計画確認申請」を行う
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(5)工事 ※設置工事自体は2時間程度

一戸建てにディスポーザーを設置するときにかかる費用は、ディスポーザー本体が30万円前後、工事費が3万円~で、35万円~40万円程度が目安となる。リフォームで後付けする場合は、現調費用が1万円~必要となる。
設置後は、1年に1回実施する維持管理点検費用として1回1万円程度かかることや、ディスポーザーの耐用年数は約10年なので交換にかかる費用についても念頭に置いておこう。
| 設置費用 | ディスポーザー費用30万円+工事費3万円~(平均35万円~40万円程度) ※後付けの場合の現調費用1万円~ |
|---|---|
| 維持管理点検費用 | 1万円程度(1年に1回) |
シンク下にディスポーザーを設置するためのスペースが必要になるので、リフォームなど後付けする場合はディスポーザーが収まるスペースを確保しよう。また、先述したように、キッチンがディスポーザー設置条件を満たしているかも要チェック。
ディスポーザーの設置前には、排水設備計画確認申請が受理されている必要がある。そのため、一戸建ての新築やリフォームの排水管工事前には受理されるようスケジュールに余裕をもって申請を。

自治体によってはディスポーザー設置にあたり補助金を支給している場合があるので、該当するかどうか確認しよう。
マンションは管理組合がメンテナンスについて管理してくれるが、一戸建てのメンテナンスは個人で対応しなければならない。維持管理業者から点検前に連絡を入れてくれるのかどうかや連絡手段など、維持管理点検の流れについて確認しておこう。
ディスポーザーはシンクの排水口に設置するタイプの生ゴミ粉砕機のこと。一戸建てに設置する場合は、「機械処理タイプ」が主流
ディスポーザーで生ゴミを砕くときに流す水は、下水道に流れるので自治体からの許可が必要になる
ディスポーザーがあれば、ゴミを軽量化してごみ出しの負担も軽減。また、生ゴミを下水に流さず回収できることから、環境にもやさしい
ディスポーザーはコストがかかることや、設置できるキッチンには条件がある