大工さんへの差し入れは必要?人気の差し入れや迷惑にならないポイントを解説

最終更新日 2025年07月14日
大工さんへの差し入れは必要?人気の差し入れや迷惑にならないポイントを解説

注文住宅の契約後に現場で家を建ててくれる大工さん。差し入れは必ずしなくてはいけないものではありませんが、ねぎらいや感謝の気持ちを伝えるために検討する人も多いと思います。しかし、タイミングや差し入れるものによっては大工さんの迷惑になる可能性もあります。現場監督の経験があるポラテックの城賀本さんにお話を伺い、迷惑にならない差し入れの方法や大工さんたちに人気の差し入れについて紹介します。

大工さんへの差し入れは必要? 何のためにするの?

「大工さんへの差し入れは必要ではありませんし、建築会社から施主様に対してお願いすることも一切ありません。言うまでもなく、差し入れの有無によって施工の品質が変わるわけではないので安心してください。

ただ、現場に来ていただくことで大工さんとコミュニケーションを取るきっかけになるというよさがあります。実際に私も現場監督をしていたときには、施主様から飲み物やお菓子などの差し入れをいただいた経験があります」(城賀本さん、以下同)

施主から大工さんへの差し入れは必須ではないようです。「差し入れはありがたいですが、手ぶらで来ていただいてまったく問題ありません」と城賀本さん。

では、あえて差し入れを持参する場合はどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。

作業中の大工さん
大切なマイホームをつくってくれる大工さん。感謝やねぎらいを伝えるために差し入れをする施主もいる(画像/PIXTA)

迷惑にならない差し入れの方法は?

タイミング

差し入れはいつ頃持っていくのがよいのでしょうか。

「おすすめの時間帯は午後3時です。みんなで集まって休憩をしていることが多く、落ちついて話しやすいタイミングだと思います。午前10時に休憩を取ることもありますが、人によっては休まずに作業しているかもしれません。また、正午は昼休憩の時間帯ですが、現場を離れて外食に出てしまうこともあり、差し入れを持って行ったとしても渡せない可能性が考えられます。昼休憩は大工さんたちにとって体力回復のための時間でもあるので、できれば避けたほうがよいでしょう」

休憩中の大工さん
作業中でなければ余裕をもって対応してもらえる可能性が高い(画像/PIXTA)

差し入れる量

作業をしている全員に行き渡る量を用意することも大切です。

「現場にいる人数は日によって異なります。大工さん以外にも水道や電気工事などの施工スタッフが来ていることもあります。おおよその人数を把握したい場合は、あらかじめ現場監督に確認してみると教えてもらえると思います」

人数は流動的のため、少し多めに差し入れを用意したほうがよいかもしれません。

建築現場で作業中の施工スタッフ
家の建築現場には大工さん以外にもさまざまな施工スタッフが出入りする(画像/PIXTA)

予算

差し入れが豪華すぎると大工さんたちが恐縮してしまう可能性もあるため注意が必要です。

「あまりにも高価な差し入れはおすすめしません。リーズナブルな飲み物やお菓子を選ぶのがよいと思います」

金額で悩む女性のイメージ
差し入れはリーズナブルな品物でOK(画像/PIXTA)

頻度

「頻度は自己判断でよいと思います。初めての顔合わせや大工造作着手時、もしくは大工工事が完了したタイミングの1回のみ差し入れを持参される方もいます。中には自分の家が建つ過程をこまめに確認したいと思う方もいるでしょう。その場合、差し入れの有無は気にせずに気軽に現場を訪れてください」

高頻度で建築現場に足を運ぶことは問題ないと思います、と城賀本さん。ただし、毎日休み時間に施主が見に来ると大工さんもゆっくりと休憩できない可能性があります。大工さんがストレスなく作業を進められるような配慮は必要です。

建築現場を訪れる施主
大工さんたちの迷惑にならない頻度やタイミングを考えて差し入れをすることが大切(画像/PIXTA)

大工さんが喜ぶ人気の差し入れは?

ここからは、大工さんたちに人気の差し入れを紹介します。

飲み物

「コーヒーやジュース類などは喜ばれます。大工さんは体力勝負の仕事なので、甘いものを好む人が多いように感じます。また、作業中はたくさん汗をかくためスポーツドリンクもおすすめです」

現場にいる人数が明確でない場合、ケースで購入したコーヒーやジュースを渡すとよいでしょう。また、甘い飲み物を好まない人もいるため、無糖のコーヒーやミネラルウォーター、お茶などを何本か混ぜておくと大工さんたちが好みに合わせて選びやすくなります。

缶コーヒー
夏は冷たいもの、冬は温かいものと、季節によって飲み物の種類を変えるとよい(画像/PIXTA)

お菓子

「その場ですぐに食べられる焼き菓子などは人気です。特に小分けになっているお菓子は配りやすく気軽に口に運べるため喜ばれます」

クッキーや煎餅、スナック菓子といったお菓子類は季節を問わず食べやすく、日持ちもします。チョコレートやあめは疲れているときに手軽に糖分補給ができますが、夏は溶けてしまう可能性があるため気をつけましょう。また、ゼリーなどを差し入れる場合は常温保存可能なもののほうが差し入れに適しています。

個包装のお菓子
個包装のお菓子は食べやすくて人気(画像/PIXTA)

パン

パンはお菓子に比べて腹持ちもよく、10時の休憩のタイミングでパンを差し入れると昼食の足しにしてもらえる可能性があります。また、15時にしっかりと休憩を取る人も多いので、腹持ちのよいパンは喜ばれるかもしれません。
要冷蔵のものや惣菜が入っているパンは、建築現場での保存が難しいため避けたほうがよいでしょう。

色々な種類のパン
好みに配慮し、甘いもの、塩気のあるものなど何種類かのパンを用意するとよい(画像/PIXTA)

【夏】アイス

夏場にはアイスも喜ばれます。差し入れるときは、すぐに食べてもらえそうな休憩の時間帯に渡すか、ドライアイス入りのクーラーボックスを用意するなど、溶けないように配慮することがポイントです。

色々な種類のパン
好みに配慮し、甘いもの、塩気のあるものなど何種類かのパンを用意するとよい(画像/PIXTA)

【夏】熱中症予防アイテム

「真夏の建築現場は熱中症のリスクが高まります。大工さん自身も対策をしているはずですが、塩入りのタブレット菓子やスポーツドリンクなどを差し入れると熱中症予防になります」

また、食べ物ではありませんが、休憩の時間帯に冷たいおしぼりや制汗シートを差し入れると大工さんたちもリフレッシュできます。紙製のおしぼりを渡す場合は、厚手タイプのほうが耐久性があり使いやすいです。

塩分入りタブレット菓子と冷たい飲み物
塩分や水分が補給できると、熱中症予防になる(画像/PIXTA)

【冬】使い捨てカイロ

真冬には体を温める使い捨てカイロも人気です。作業中に使用するなら貼るタイプ、休憩中に使用するなら貼らないタイプが適しています。大きめのカイロは扱いにくい可能性もあるため、小さいサイズのものを選ぶとよいでしょう。

使い捨てカイロ
真冬は指先が冷たくなり、屋外で作業をする大工さんにとって過酷な季節。カイロがあると簡単に体を温めることができる(画像/PIXTA)

その他

日常的な差し入れ以外にも、最終日に感謝の気持ちを込めてプレゼントを用意する人もいるようです。その場合、お酒やお米、タオル、焼き菓子の詰め合わせギフトなどが定番です。高価なものを用意する必要はありませんが、マイホームを建ててくれた大工さんたちに感謝の意を込めて通常の差し入れとは少し趣向の異なるものを渡すと喜んでもらえるかもしれません。

また、ギフトカードやお金(現金)を渡すと、会社の方針によっては受け取ってもらえない可能性もあります。

ギフトのイメージ
感謝を伝えるための贈り物。大工さんが受け取りやすいものを選びたい(画像/PIXTA)

大工さんに差し入れをするときの注意点やポイントは?

日持ちしない生菓子や惣菜類は歓迎されにくい

「ケーキなどの生菓子や惣菜類は、建築現場での適切な保存が難しいため避けたほうがよいと思います。お菓子のほかペットボトルや缶の飲料など、賞味期限が長い食べ物や飲み物のほうが喜ばれる傾向にあります」

特に夏場は食中毒のリスクが高いため、食べ物を差し入れするときは十分に注意しましょう。

手作り惣菜
惣菜類はその場で食べきれるとは限らず、建築現場での扱いも難しい(画像/PIXTA)

ゴミが出にくい差し入れを選ぶ

「差し入れの容器や袋といったゴミ類は原則として産業廃棄物にあたらないため、現場のスタッフが各自で持ち帰ることになります。そのため、大量、もしくは大きなゴミが出る差し入れは避けたほうがよいと思います」

差し入れのゴミのイメージ
ゴミが増えると大工さんたちの負担が大きくなる(画像/PIXTA)

酒類は避けたほうが無難

大工さんの中にはお酒が好きな人もいるかもしれませんが、差し入れには適していないという考え方もあります。

「仕事中に飲酒はできないため、お酒をいただいても持ち帰って飲むことになります。その場ですぐに口にできるコーヒーやジュースなど、ソフトドリンクのほうが喜ばれる傾向にあります」

缶ビール
すぐに飲めないため、酒類よりソフトドリンクのほうが喜ばれる(画像/PIXTA)

作業や休憩の邪魔にならないようにする

大工さんの作業や休憩を邪魔しない配慮も大切です。長時間拘束したり、工事とは関係のない話ばかりするのはやめましょう。

「施主様が建築現場に来るのは大工さんたちにとってもうれしいことです。しかし、作業中は集中しているため必要以上に話しかけないほうがよいでしょう。作業をしていないときは対応しやすいので、施工に関して疑問などあれば遠慮なく質問してください。工事のスケジュールや大工さんたちの人数など、知りたいことがあれば現場監督に確認してみるのもおすすめです」

大工さんに話しかける夫婦
工事に関係のない話をしたり、長々と話し込むのは大工さんの迷惑になってしまう(イラスト/あべさん)

日曜・祝日は作業をしていない可能性が高い

「多くの建築現場では日曜日や祝日が休みになっています。せっかく差し入れを持って行っても大工さんたちに会えない可能性が高いので、事前に工事のスケジュールを確認してからの訪問をおすすめします」

日めくりカレンダー
建築現場へ足を運ぶ際は、工事の休みの日をチェックしておくとよい(画像/PIXTA)

子どもを連れていくときは目を離さない

「お子様を建築現場に連れて来ていただいても問題ありません。建築の様子を間近で見るのは、お子様にとっても楽しい経験だと思います。ただし、怪我には十分注意してください。現場にはお子様にとって危険な道具も置いてあります。親御様はどうか目を離さないようにしてください」

建築現場で怪我をした子ども
建築現場で遊ぶのは厳禁。事故や怪我が発生するリスクが高い(イラスト/あべさん)

大工さんたちとの会話の中で好みを知ることも。建築現場は気軽に訪れてほしい

最後に、大工さんたちに対する差し入れの考え方について、城賀本さんに伺いました。

「繰り返しになりますが、大工さんへの差し入れは必ずしもしなくてはいけないものではありません。大工さんが喜ぶものを差し入れたいと考えている場合は、ぜひ大工さんに話しかけてみてください。コミュニケーションを深めていく中で、相手の好きなものや趣味なども知ることができるでしょう。

もし、差し入れの内容で悩んでしまい建築現場へ行くことを躊躇(ちゅうちょ)しているのであれば、手ぶらでもいいので気軽に現場を訪れてみてください。施主様に工事の経過を見ていただくことは、大工さんたちのモチベーションアップにもつながります。建築会社の方針にもよりますが、多くの場合は建築過程でも建物の中を案内可能です。大切な住まいですから、ぜひ建築の段階から見守ってくださいね」

まとめ

大工さんへの差し入れは必須ではない

食品を差し入れる場合、日持ちするものや配りやすいものを選ぶ

建築現場は気軽に訪問してOK。作業の邪魔をしないように注意

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取材・文/佐藤愛美(りんかく) イラスト/あべさん
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