上棟式・棟上げ式とは?絶対にしないといけない? 流れ、費用、ご祝儀、マナーを理解しよう

最終更新日 2024年03月04日
上棟式・棟上げ式とは?絶対にしないといけない? 流れ、費用、ご祝儀、マナーを理解しよう

マイホームづくりがはじまるまで、上棟式というものを知らなかった人も多いのではないでしょうか。
上棟式のタイミングや目的、「しない」という選択肢についてなど、一級建築士のYuuさんにお話を伺いました。

上棟式とは?

上棟式は棟上げを祝い行うセレモニー

木造建築で家を建てる場合、柱や梁を組み立てた後、屋根の一番高い位置に棟木(むなぎ)という横架材が取り付けられることを上棟や棟上げといいます。

「上棟式は無事建物が完成することを願い、上棟できたことを工事関係者と一緒にお祝いする場で、棟上げのタイミングで行う式典です。上棟式の後には直会(なおらい)という宴会を行うことはかつては多かったですが、近年は行われないことが多いです。ですが直会を行うと、工事関係者と施主がコミュニケーションを図るいい機会になります。主催者は施主になるのですが、進行やダンドリなどは現場監督や大工の棟梁(大工を統率する責任者)が主導で進めてくれます。(Yuuさん、以下同)」

プレハブ工法や2×4工法などでは棟上げという工程がないため、上棟式を行わないというケースもあるようですが、もちろん行うことも可能です。上棟の工程がある木造住宅の場合でも、上棟式をするかしないかは、主催者である施主の判断でOK。絶対に行わなければならないというものではありません。

上棟式の日程については早めの相談が◎

上棟式を行うのは棟上げのタイミングですが、着工後、基礎工事が済むと棟上げまではさほど時間がありません。上棟式を行う場合は、着工前などの早いタイミングで現場監督やハウスメーカー・工務店の担当者(以下、担当者)などに相談しておきましょう。

「上棟式は上棟後の縁起のいい日に行うのが一般的です。冠婚葬祭などの場合は六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)を参考に日取りを決めることが多いですが、建築の場合は十二直という暦注を元に選定した建築吉日(建、満、平、定、成、開)から日取りを決めます。大安であっても、十二直の三隣亡に当たる日などは避けた方がいいなど、独特の慣例がありますので、日程は前もって早めに担当者と打ち合わせをして決めておきましょう」

上棟式の流れ(※地域によって異なる)

(簡易な上棟式)
1.棟梁が棟木に幣串(へいぐし)と呼ばれる飾り物をつける
2.祭壇に神饌(しんせん)を供え、飾り物を飾る
3.棟梁が建物の四隅の柱に、水、塩、米、酒をまいて建物を清める
4.棟梁の祈願
5.施主・関係者の祈願

上棟式で、お供え物に一礼をする棟梁と4人家族
最近では簡略化が進み、神主を呼ばないことも多くなっているようですが、元々上棟式は神社から神主を呼んで執り行う神聖な儀式。祈願の際は神社などで行うのと同様、「二礼二拍手一礼」の作法で行います。式の内容は地域によってさまざまですが、祈願の後には直会や関係者の紹介、施主のあいさつなどを行い、最後にご祝儀などを配ってお開きとなります

上棟式の予算は?

10万円前後は予算として見ておこう

気になる上棟式にかかる費用ですが、簡易なものであれば予算は10万円程度。主な支出は、お供え、ご祝儀、宴会などの飲食費です。

「米、塩、酒、果物や野菜などをお供えとして施主が用意します。飾り物などは上棟セットという形で販売されているものもありますし、施工者側が手配してくれることもあります。何を準備するかは担当者に聞いておきましょう。全部で1万円程度におさまると思います。

次にご祝儀ですが、金額は地域によってさまざま。どの程度が一般的か、こちらについても担当者などに相談しておくと安心です。一般的には棟梁や現場監督は1万~3万円、職人やその他の関係者は3000~1万円程度。また、ご祝儀と一緒に渡す引き出物も用意するものですが、大体3000~5000円程度のものを用意される方が多いようです。

最後に飲食費ですが、出席者への昼食として2000円程度の仕出し弁当などを用意する方もいる一方、乾きものやお菓子と飲み物だけという場合もあります。直会を行わない場合もあるので、かかる費用はケースバイケースです」

参加人数によって費用も変わりますが、上棟式には施主の家族のほかに工事関係者が出席します。棟梁、現場監督、担当者、設計者、職人3~4人など、家族以外の参加者は7~8人程度のことが多いようです。ご祝儀や内祝い、直会の準備などにかかわるので、事前に参加する人数をきちんと把握しておきましょう。

主な支出はお供え、ご祝儀、飲食費
お酒、野菜、果物といったお供えは1万円程度
棟梁へのご祝儀は1万~3万円程度
お弁当、お茶、ビール、おつまみといった飲食費は1人2000~3000円程度

式の内容によってプラスαの出費も

結婚式などと同様に、お祝いの儀式というものは盛大にやるほど費用はかかるもの。上棟式の場合も簡易なものではなく、神主を呼んで神式の儀式を執り行う場合などには、玉串料などを用意する必要があります。また、地域によっては、近隣の方を招いて、祈願の後に餅まきなどを行うこともあるようです。「餅まきなどをする盛大な上棟式になると、総費用が30万位かかることもあります」。

もち以外のものをまく地域も
上棟式で餅まきをしている様子。紅白の餅を拾う家族。
餅まきが行われる地域もあり、また、地域によっては小銭やお菓子、タオルなど、餅以外のものをまくこともあります

気をつけておきたいマナー。服装は?

服装はきちんとした格好がベター

上棟式の際、施主の服装に特に決まりはありませんが、お祝いの儀式ということで、フォーマルな服装でのぞむ人が多いようです。フォーマルと言っても結婚式などで着る礼服などではなく、男性の場合、スーツやジャケットを着て、ネクタイを締めた格好などが定番のようです。当日は記念写真を撮ったり、近所の方にあいさつをしたりすることもあるので、きちんと身だしなみを整えておきましょう。

また、ご近所へのあいさつは着工前に行っていますが、餅まきなどを行う場合は近隣の方に集まってもらうので、事前に日程の案内などを兼ねて、あいさつ回りをしておくといいでしょう。「上棟式の際の近隣へのあいさつについては、マナーなど地域差があるものです。工事関係者などに確認をして、地域の慣例にならうと安心です」

元々神事だった上棟式ですが、最近では工事関係者への慰労やご近所へのあいさつやお披露目の場としての役割の方が大きくなっているようです。必ず行わなければいけないものではなく、自分たちなりの簡易なやり方で行うのも自由。費用はかかりますが、素敵な上棟式は思い出に残り、新居への愛着にもつながるかもしれません。

まとめ

上棟式は棟上げのタイミングで行う儀式で、主催するのは施主だが、進行は建築会社がやってくれる

簡易なものであれば予算は10万円前後

式の内容やかかる費用については地域によって異なるので、担当者に地域の慣例を聞いておくと安心

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取材・文/島田美那子 イラスト/ワタナベモトム
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