賃貸のロフトは専有面積に入る?広さの基準や使い方、知っておきたいポイントを解説

公開日 2025年09月30日

賃貸のロフトは専有面積に入る?広さの基準や使い方、知っておきたいポイントを解説

賃貸のロフト付き物件は、限られたスペースを有効活用できる魅力的な住まいです。ですが、ロフトは延床面積に含まれるの?どう活用する?夏の暑さ対策は?など、気になることも多いはず。そんな賃貸物件のロフトにまつわるあれこれを、明光トレーディングの武澤和哉さんに教えてもらいました。快適なロフト物件ライフが叶うよう、詳しく解説していきます。

ロフトは専有面積に含まれる?

天井高1.4m以下、物件の床面積の1/2未満のロフトは、専有面積に含まれない

ロフトとは、天井を高くして部屋の一部を2層式にした上部空間のことをいいます。建築基準法では、ロフトの天井高が最大で1.4m以下、床面積が直下の階の1/2未満の場合は「小屋裏収納等」とみなされ、2階扱いにはならず、専有面積に含まれません。床面積に算入されないことで、物件のオーナーにとっては固定資産税が加算されないなどのメリットがあります。賃貸物件を借りる人にとっても、記載されている専有面積や畳数よりも広く使えるということ。「同じ専有面積の物件と比べて、立体的に広く利用できます。少しでも広い部屋に住みたいという方は検討してみるといいでしょう」(明光トレーディング・武澤和哉さん)

ちなみにメゾネットは、室内に階段があり、2階以上の階層で構成された物件のこと。ロフトが収納扱いであるのに対して、メゾネットの上部空間は居室扱いとなり、専有面積に含まれるという違いがあります。

広さや高さは物件によってまちまち。現地を内覧して実際に体感を

ロフトの面積には決まりはありませんが、武澤さんによると、ワンルーム・1Kの物件であれば一般的なのは2~3畳程度。なかには6畳ほどのゆったりした広さのロフトもあるそうです。ちなみに、天井高は最大で1.4m以下なので、勾配がついていたり、かなり低い場合もあります。「VR内覧では高さはなかなか想像しづらいもの。ロフト付き物件は、ぜひ現地を内覧して、実際に身を置いて体感してみることをオススメします」(武澤さん)

天井高1.4m以下、床面積が直下の階の1/2未満のロフトは、専有面積に含まれないことを表すイラスト
条件を満たしたロフトは、専有面積に含まれない(イラスト/いぢちひろゆき)

ロフト付き賃貸のメリットは?おすすめの使い方・活用方法も紹介

空間を有効活用。天井が高く開放感あり、ロフト部分はおこもり感も

ロフト付きの物件は、空間を立体的に有効活用でき、上下で空間を使い分けられるのが大きなメリット。ロフトを収納スペースとして活用すれば、下の居室部分がすっきり片付きます。また、一般的な賃貸物件の天井高が2.3m~2.4mほどなのに対し、ロフト付きの物件は3m前後と天井が高いため、開放的に感じられるのも魅力です。一方、ロフト部分は天井が低いので、屋根裏部屋のような隠れ家感が。「狭くても、逆に秘密基地っぽくて楽しい、という声もあります」(武澤さん)

ロフトは季節ものの収納場所や趣味・仕事の空間、洗濯物干しスペースに

賃貸のロフトは、さまざまな使い方が考えられます。

収納スペースに

荷物を置いたり、クロゼット代わりにしたりと、収納スペースとして活用するのが王道です。「頻繁にハシゴを昇り降りするのも大変なので、季節ものの服や家電など、普段あまり使わないものを収納するといいでしょう」(武澤さん)

書斎や趣味のスペースに

ローテーブルを置いて書斎風にしたり、本を読んだり、仕事や趣味のスペースにしている人もいるようです。コンパクトな空間ゆえ、おこもり感もあり、リモートワークもはかどるかもしれません。

くつろぎスペースに

ある程度広さがあれば、マットレスや布団を敷いて寝転んだりする使い方もできます。ただ、天井が近いため熱や湿気がこもりやすく、夏は暑さ対策が必須です。

室内干しスペースに

ベランダが狭く、洗濯物を干すスペースがない物件では、ロフトを室内干しの場として活用することもできます。ロフトは部屋の中でも比較的気温が高いため、洗濯物が乾きやすいのもメリットです。
物干しは、置くタイプのラックや、突っ張り棒タイプ、石膏ボードの壁・天井に細いピンで固定するタイプなど、退去時に原状回復できるものを選びましょう。ただし、高さのあるロフトから物干し竿や洗濯物が落下すると危険です。必ず耐荷重を確認し、掛けすぎないよう注意してください。

ロフトに荷物を置いて、すっきり片付いた階下でくつろいでいる人のイラスト
生活感あるものはロフトにまとめて収納すれば、居室はすっきり(イラスト/いぢちひろゆき)

ロフト付き賃貸のデメリットは?ロフト物件はやめとけっていう声は本当?

「ロフトはいらない」や「ロフトはやめとけ」という声も聞きますが、それには以下のような理由があるようです。

ハシゴの昇り降りが面倒、危ない

用事のたびにハシゴを昇り降りするのは面倒と感じるかもしれません。また、物を持っての昇降は、バランスを崩して足を踏み外してしまう危険性もあります。「傾斜の角度が急だったり、足の置き場が狭かったりするハシゴは、特に慎重に昇り降りする必要があります」(武澤さん)。とりわけ、重い荷物を上げ下げするのはなかなか大変なもの。ちなみにロフトを掃除する場合は、掃除機ではなくハンディモップなどを活用するといいでしょう。

天井が低く、頭をぶつけやすい

天井が低いロフトでは直立することができません。圧迫感を感じたり、座っていて立ち上がったときに、頭をぶつけてしまうリスクもあります。また、腰をかがめて作業などしていると、腰が痛くなってしまうことも。

夏は熱がこもって暑い

天井に近いロフトはエアコンが効きにくく、夏場はかなり暑くなります。「エアコンの冷気は下に降りる性質があるため、ロフト部分にまで届きにくいのです」と武澤さん。また、ロフトがある分部屋の天井が高いので、部屋全体の冷暖房効果は下がりがちです。「特に冬場は下の居室がなかなか暖まりにくい。結果として電気代が高くなることもあります」

通気性が悪い

ロフトは通気性が悪く湿気が溜まりやすいので、収納する衣類やバッグなどにカビが発生する恐れもあります。換気用の小窓があれば開けて通気性を確保したり、除湿器を利用するのがオススメです。さらに、暑さ対策の項目でも紹介するサーキュレーターを使って、部屋全体の空気を循環させるようにしましょう。

ハシゴの場所によっては、1階にデッドスペースができる

「壁に沿ってハシゴが設置されていたり、ハシゴを取り外して壁に掛けておけるタイプならいいのですが、下の居室スペースの真ん中にハシゴがあると、そこがデッドスペースに」と武澤さん。家具の配置にも制限が出てしまいます。特に居室空間が狭小だと、ハシゴが場所を取り、邪魔になってしまうこともあります。

ロフトのハシゴが邪魔で、デッドスペースになってしまうことを示したイラスト
ロフトのハシゴが部屋の真ん中にあると、まわりに何も置けずデッドスペースに(イラスト/いぢちひろゆき)

ロフトはどう活用する?暑さ対策は?気になるロフトQ&A

ここからは、ロフトにまつわるさまざまな疑問を、武澤さんに答えていただきました。

Q1.同条件の物件と比べて、ロフト付き物件の家賃は高い?

A1.少し高めのケースもあれば、ロフトは特に加味されず、平均的な家賃のケースもあります。

Q2.昼寝スペースとしても使うなら、どれくらいの広さが必要?

A2.2~3畳あれば寝ることはできますが、実は広さよりも天井高が重要。上体を起こしたときに頭をぶつけてしまうようなら、寝るスペースとしては厳しいかもしれません。

Q3.転落防止の柵は付いている?寝ていて落ちることはない?

A3.柵や縁(へり)が付いている物件が多いですが、あくまでも収納スペースを想定しているため、何も付いていないロフトも中にはあります。そこで横になることもあるかもしれないという場合は、柵が取り付けられるかどうか、大家さんに相談してみてください。

Q4.ベッドを置くのはさすがに無理?

A4.ロフトが広ければ、ベッドを置くこともできます。ただ繰り返しになりますが、天井高が低いと、座った状態で頭が天井に当たってしまうことも。あまり厚さのない、折りたたみ式のマットレスの方がいいでしょう。

Q5.ロフトの暑さ対策はどうしたらいい?

A5.居室側の壁にエアコンが付いている場合は、冷気がロフトに届くよう、サーキュレーターを活用しましょう。エアコン下とロフトで2台使いすることで、効率よく部屋の空気を循環させることができます。

ロフト付きの部屋。サーキュレーター2台でエアコンの冷気をまわす様子のイラスト
サーキュレーターを2台使いして、エアコンの冷気をロフトに届けよう(イラスト/いぢちひろゆき)

Q6.ロフト側にエアコンは付いていないの?

A6.ロフトは居室ではなく収納スペースとみなされているため、エアコンが付いている物件は少ないと考えてください。また、設計の段階でロフト部分にエアコン用電源や配線設備が設けられていないので、後から取り付けることも難しいでしょう。

Q7.ロフトに窓はある?カーテンは必要?窓があると暑さ、寒さは?

A7.換気用の小窓が付いている物件もあります。また最上階だと天窓があるケースも。そこで外から見えないようにしたいという場合だと、カーテンを付けた方がいいでしょう。小窓があることで暑さ、寒さにはさほど影響ありませんが、換気ができる分、風通しはよくなります。

Q8.ロフトに照明は付いている?コンセントはあるもの?

A8.照明やコンセントの有無は、物件によってケースバイケース。ロフトをどう使いたいかを考え、内覧時に確認するようにしましょう。コンセントがない場合は延長コードを階下から持ってこられるかもチェックを。ただし、見た目はあまりよくないかもしれません。

Q9.ロフトを目隠しするのに、カーテンやロールスクリーンは必要?

A9.来客時などに目隠しできれば確かにすっきりしますが、取り付けるには大家さんの許可が必要です。ロフトは高さがあるので、モノがあってもそこまで気にならない場合が多いのではないかと思います。

Q10.重い荷物も置ける?耐荷重はどれくらい?

A10.ロフト部分の耐荷重は物件によります。荷重制限がある場合もあるので、内覧時などに確認してみてください。

Q11.猫を飼っているけれど、ロフトに上りますか?

A11.猫は高いところが好きなので、キャットタワー感覚でロフトに上るはず。においがこもらないよう換気ができるのであれば、猫トイレを置くなどして、ロフトを猫ちゃん用のスペースにしてもいいかもしれません。ハシゴが怖くて上れない場合は、壁を傷つけずに取り付けられるキャットステップをロフトまで作ってあげるのも手です。

Q12.ロフトがなくても、ロフトベッドを置くのはあり?

A12.上にベッド、下の空間にソファやデスク、収納家具を置けるロフトベッドの設置は、立体的に空間を有効活用できる賢い方法です。ロフトと同様に、夏は上のベッド空間が暑くなるので、そちらは工夫をしてみてください。

Q13.ロフト付き賃貸は、内覧必須?

A13.天井の高さは、数字で見てシミュレーションしていても、実際にそこに行ってみるとイメージが変わります。ご自身の身長にもよりますし、ぜひとも内覧して確認していただきたいです。

まとめ

天井高1.4m、面積が部屋の床面積の1/2未満のロフトは、専有面積に含まれない

ロフトは収納スペースやおこもりスペースとして利用できる

デメリットは、熱がこもりやすく、ハシゴの昇り降りが大変なこと

SUUMOコンテンツスタッフ
賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
中古マンションを探す
新築マンションを探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
土地を探す
注文住宅の会社を探す
売却査定する
リフォーム会社を探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
イラスト/いぢちひろゆき
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る