マンスリーマンションとは?通常の賃貸物件やウィークリーマンションとの違いや費用を比較

公開日 2025年02月07日

マンスリーマンションとは?通常の賃貸物件やウィークリーマンションとの違いや費用を比較

マンスリーマンションとは、1カ月や3カ月といった短期間借りられる物件のこと。出張やリフォーム中などの仮住まいとして、選択肢に入れる人も多いでしょう。家具・家電付きというイメージはあるけれど、通常の賃貸物件との違いがわからない…という方のために、東京・神奈川でマンスリーマンションを展開するミノラス不動産の三浦力也さんに解説してもらいました。マンスリーマンションのメリット・デメリット、ファミリーでも借りられる?トラブルはないの?ペットは飼える?マンスリーマンションはどうやって探す?などの疑問にお答えします。

マンスリーマンションとは?家具・家電付きで安く住める?

マンスリーマンションの契約期間は、1カ月以上1年未満

マンスリーマンションの特徴は、物件に家具・家電が備え付けられていること。面倒なライフラインの手続き不要で、入居後すぐに生活が始められることが大きなメリットです。
「契約期間は、一般的に30日(1カ月)から364日(1年未満)。30日以上であれば1日単位で契約でき、家賃は日割りになります。契約更新はありませんが、次の入居者が決まっていなければ再契約して利用することは可能です」と、ミノラス不動産の三浦力也さん。
また、ビジネス利用や観光利用の方に対応するため、多くの物件が駅近など便利な立地にあることも、マンスリーマンションの特徴といえます。

マンスリーマンションに入居する女性。荷物はスーツケースだけ
家具・家電付きだから、入居の際、引越し会社に依頼する必要もない(イラスト/もり谷ゆみ)

どんな人がマンスリーマンションを利用している?

マンスリーマンションを利用するのは、どういった目的の人が多いのでしょうか。
「当社では法人契約が6割で、出張などのビジネス利用が大半。ほかには海外からの観光客の方も多いです。なかには、仕事や学校のため春から新拠点で生活したいのに物件が決まらず、今住んでいるところも退去しなくてはならない、といった方が一時的に利用するというケースも。また数は多くありませんが、いろいろな街に住んでみたいから、マンスリーマンションを数カ月ごとに住み替えるというような方もいらっしゃいます」(三浦さん)

マンスリーマンションはこんな人におすすめ
  • 出張や研修、単身赴任などビジネス利用に
  • リフォーム中の仮住まいとして
  • 受験や就活に備える拠点として
  • 家族が入院した際の付き添いの拠点に
  • 一人暮らしのお試し生活に

普通の賃貸物件と何が違う?審査は厳しい?光熱費は?定期借家契約で住民票はどうするべき?

一般的な賃貸とは契約形態が異なる

マンスリーマンションは、一般的な賃貸物件とどこが違うのでしょうか?
「いちばんの違いは、契約形態です。通常の賃貸が『普通借家契約』で、借主が希望すれば基本的に契約を更新することができるのに対し、マンスリーマンションは『定期借家契約』で、あらかじめ期間が定められています。契約更新の定めはありません」と三浦さん。

賃貸物件では2年契約が多いですが、マンスリーマンションは1カ月以上1日単位で、必要な期間だけ借りることが可能です。

●一般的な賃貸マンションとマンスリーマンションの契約の違い
一般的な賃貸マンション マンスリーマンション
契約形態 普通借家契約 定期借家契約
契約期間 2年が一般的。退去日は決まっていない 1カ月以上1日単位。退去日は決まっている
一般的な賃貸マンションの契約形態は普通借家契約、マンスリーマンションは定期借家契約
マンスリーマンションと一般的な賃貸物件の違いは、契約形態(イラスト/もり谷ゆみ)

敷金・礼金、仲介手数料が不要

一般的な賃貸を借りる際にかかる敷金・礼金、仲介手数料が、マンスリーマンションではかかりません。ゆえに、家賃と光熱費はやや割高であっても、トータルで比較すると、一定期間の利用であればお得に住めると考えられます。

ただし、通常、賃貸物件を退去する際にかかる修繕費用やハウスクリーニング代は、入居時に納めていた敷金から充当されるもの。敷金が発生しないマンスリーマンションでは、退去時の清掃代を入居時に支払う必要があると三浦さんはいいます。
「清掃代は契約期間によって決められていることが多く、こちらも家賃、光熱費とともに先払いするのが一般的。当社の場合は、3カ月未満の契約は1万9800円、3~7カ月未満だと2万7500円、7カ月以上だと3万8500円と設定しています」

また故意に部屋を汚したり備品を破損させたりした場合は、追加請求されることも。通常の賃貸物件同様、気を付けるようにしましょう。

●一般的な賃貸マンションとマンスリーマンションの3カ月間の初期費用比較
家賃10万円の賃貸マンションの場合 家賃10万円のマンスリーマンションの場合
敷金・礼金 20万円(家賃各1カ月分) 不要
仲介手数料 10万円(家賃1カ月分) 不要
保証料 5万円(家賃0.5カ月分) 不要
火災保険料 1万円 不要(日割りで発生するケースあり)
家賃3カ月分 30万円 30万円
家具・家電購入費 5万円 不要
引越し代 5万円 不要
水道光熱費3カ月分 3万円 9万円
清掃代 不要 2万円
リネンレンタル代 不要 1万円
合計 79万円 42万円
※初期費用の比較のために家賃金額をそろえています。実際は、エリアやグレードが似た物件であれば、一般的な賃貸マンションよりマンスリーマンションのほうが相場が高い傾向にあります。
通常の賃貸マンションとマンスリーマンション、どちらがお得か考えている女性
3カ月分の初期費用を比べてみると、マンスリーマンションのほうが安く利用できそう(イラスト/もり谷ゆみ)

保証人、保証会社の利用が不要。入居審査は行われる?

通常の賃貸物件とは違い、マンスリーマンションでは保証会社の利用も必要ありません。では、入居審査は行われないのでしょうか?
「保証会社の審査がない分、当社の場合は反社チェックなどのシステムを用いて、自社でしっかりと審査を行っています。保証人も不要ですが、緊急連絡先は必ず書いていただきます。また入居の目的もうかがいますし、電話の際の対応などもチェックさせていただいています」(三浦さん)

水道光熱費は定額制で前払い

マンスリーマンションの水道光熱費は定額で、家賃とともに前払いするのが一般的です。
三浦さんによると、ミノラス不動産では基本的に1日990円に設定しているとのこと。定額なら節電、節水せずに使いたい放題…と思う人もいるかもしれませんが、「明らかに高額だった場合は、家電をつけっぱなしではなかったか、お風呂の水を出しっぱなしではなかったかなど確認を取ったうえで、追加請求するケースもあります」(三浦さん)

マンスリーマンションに住民票は移せない

転入・転居した日から14日以内に移さなければならない住民票。マンスリーマンションは短期滞在・一時的な滞在の拠点とされることから、住民票を移すことはできません。
三浦さんも、「住民票を移して、退去したあともそのままにしておくというトラブルを防ぐため、原則移さないようにとお伝えしています。ただし、1年近く長期滞在する方は、個別にご相談ください」と話します。

ただ、住民票を移していないと、選挙の投票や公共施設の使用など、現住所での自治体のサービスが受けられないことがあるので注意が必要です。
郵便物については、手続きをすれば転送サービスが受けられます。

マンスリーマンションに住民票は移せるかどうか聞いている男性。不動産会社は移せないと回答
マンスリーマンションは一時的な滞在のため、住民票は移せない(イラスト/もり谷ゆみ)

ほとんどがシングル向けで、家賃は高め

マンスリーマンションの多くがシングル用。ファミリーやカップルで住める物件は多くないのが実情です。
理由は、ビジネス利用の方が多いことに加え、家賃の問題があります。短期間のみ利用できるマンスリーマンションの家賃自体は、一般的な賃貸物件より1.5~2倍ほど割高に設定されているケースもあります。ファミリータイプとなるとかなり高額になってしまいます。よって、空室リスクを避けるため、広い間取りの物件数は少ないといえます。
「当社では2LDKのファミリー向けマンスリーマンションもご用意しています。各社によってさまざまですので不動産会社にご相談ください」(三浦さん)

マンスリーマンションのメリットは?

申し込みから入居までがシンプルでスピーディー

上の章でもふれたように、マンスリーマンションは保証会社による審査が不要なため、身分証明書と家賃の入金が済めばスピーディーに入居できます。「スムーズに行けば、申し込んで翌日入居も可能です」と三浦さん。
電気、水道やWi-Fiなどライフラインの手続きも不要で、すぐに新生活が始められるのはマンスリーマンションならではです。

高額な初期費用や引越し代、家具・家電代がかからない

通常、家賃の4.5~5カ月分かかる敷金・礼金、仲介手数料などの初期費用がかからないのもメリット。また家具・家電付きのため新たに購入する必要もなく、手荷物だけで入居できるので引越し代もかかりません。

備え付けられていることが多いもの

ベッド、ソファ・椅子、テーブル、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ、掃除機、ドライヤー、アイロン、調理器具、食器、Wi-Fi など

レンタルするもの

寝具、タオル類(リネン代として初期費用に含まれることも)

持参するもの

衣類、歯ブラシ、化粧品類、整髪料、充電器など

トイレットペーパーなどの消耗品は、備え付けのものが切れたら入居者が購入すること。また三浦さんによると、ドライヤーやヘアアイロンなどは性能があまりよくないものもあるので、愛用のアイテムを持参したほうがいいかもしれません。
ミノラス不動産では傘などの備品も備え付けているとのこと。どんなものが用意されているのかは、あらかじめ不動産会社のサイトをチェックするようにしましょう。

半年程度までなら、通常の賃貸物件に住むより安いことが多い

高額な初期費用がかからないマンスリーマンションですが、家賃自体は割高なため、長く住み続けると一般的な賃貸物件よりも高くなってしまう可能性が。
「物件のグレードにもよるので一概にはいえませんが、同じような条件の賃貸マンションとマンスリーマンションを比較すると、6カ月程度までなら、マンスリーマンションに住むほうがお得だと考えられます」と三浦さん。
もし1年以上住みたいのであれば、家具・家電付きの賃貸物件を探すのも手。「家具・家電付きの賃貸物件は、1年以内に解約すると短期解約違約金がかかることが多いので、契約期間をしっかり確認してください」

なお、日割り賃料を含め、マンスリーマンションの利用代金を自分で計算するのはなかなか難しいもの。「ぜひ見積もりを取ってみてください。複数の物件の見積もりを取ることをオススメします」(三浦さん)。そのうえで、通常の賃貸マンション、家具・家電付きマンション、ホテルなどと料金を比較するといいでしょう。

マンスリーマンションのデメリットは?

家賃、光熱費ともに割高

「マンスリーマンションの家賃は通常の賃貸の1.5~2倍程度に設定されているケースが多い」と三浦さん。
1日あたりの水道光熱費も割高で、不在がちだったり、がんばって節約したとしても返金されることはありません。

事前に内見ができない

直前まで入居者がいることが多いマンスリーマンションでは、ほとんどの場合、事前の内見ができません。ミノラス不動産の場合、9割の人は内見なしで申し込みするといいます。
「なかには外観だけ確認して申し込むという方もいらっしゃいます。内見が難しい分、サイトに詳しく写真を掲載するなどして、わかりやすい案内を心がけています」(三浦さん)
360度パノラマ画像や動画を掲載しているサイトもあるので、細かくチェックしてイメージを把握するといいでしょう。

また、家具・家電を自分でそろえるわけではないため、インテリアが自分好みではない、家電が旧式で使いづらかった、という可能性も。
「主な家電の耐用年数は7年といわれているので、当社では7年を経過したタイミングで家電は新しいものに買い替えています」と三浦さん。インテリアの好みは致し方ないとしても、定期的に家電の入れ替えをしている物件なら安心といえそうです。

マンスリーマンションは内覧できない。かわりにスマホで部屋の中をチェック
内見できない代わりに、不動産会社のサイトで部屋をしっかりチェックしよう(イラスト/もり谷ゆみ)

契約が満了後、更新はできない

先述のとおり、マンスリーマンションの契約期間は1年未満と定められており、契約更新することはできません。ただし、次の入居者が決まっていなければ、再契約することは可能です。その際、清掃代やリネン代といった初期費用は新たにかかることになるので注意が必要です。

マンスリーマンションを契約するには?流れやスケジュールを解説

マンスリーマンションに入居するまでの一般的な流れを見ていきましょう。

  • ネットで物件探し
  • 電話かメールで空室を確認
  • 顔写真付きの身分証明書などを添付して電子申込
  • 審査後、電子契約。料金はクレジットカード払いまたは銀行振込
  • 鍵は現地で受け取りか、電子錠の場合は暗証番号を通知
  • 入居

申し込みから入居までの手続きに要するのは2~3日。三浦さんによると、通常は2週間ほど前に申し込む人が多いようです。

マンスリーマンションの物件探しから申し込み、契約までネットで完了
物件探しから契約までネットで完了。電子錠の場合は暗証番号なども通知される(イラスト/もり谷ゆみ)

素朴な疑問にお答え!マンスリーマンションのQ&A

マンスリーマンションにまつわる素朴な疑問を、三浦さんに聞いてみました。

Q1.短期間で人が入れ替わるマンスリーマンション、近隣トラブルはないの?

A1.一般的な賃貸マンションよりもトラブルは少ないといえます。

マンスリーマンション自体、音漏れの少ない構造であったり、シングルタイプがほとんどのため、お子さんの声や飛び跳ねる音が気になるといった騒音トラブルもほぼありません。当社のように法人契約が多いマンションは、そもそもトラブルは起きにくいのです。
ただ、相場よりも家賃が安いマンスリーマンションでは、ゴミ出しのルールが守られていないなど、トラブルに発展することもあるようです。そういう場合は住人同士で解決しようとせず、必ず管理会社に相談するようにしてください。通常の賃貸物件と異なり入居期間が決まっているので、管理会社も注意喚起しやすいといえます。

Q2.女性ひとりの利用は危なくないの?

A2.セキュリティ対策を行っている物件をなるべく選ぶようにしましょう。

マンスリーマンションは駅近の物件がほとんど。女性専用マンションは少ないかもしれませんが、オートロックやテレビモニターホン完備など、セキュリティを重視した物件も多いですよ。

Q3.鍵の交換はしている?前の入居者が合鍵で入ってくることはない?

A3.入居者が代わるたびに暗証番号を変更する電子錠が一般的になってきています。

電子錠ではない鍵の場合は、スペアキーの複製が難しい仕様のものを使っていると思いますが、交換時期については不動産会社に問い合わせてみてください。

Q4.ペット可の物件もある?

A4.あります。

当社ではペット可の物件も数多くご用意しています。

Q5.駐車場付き物件もある?

A5.あります。

当社ではほぼすべての物件で、敷地内または近隣のコインパーキングを月極利用いただけます。

Q6.無職でも借りられる?

A6.大丈夫な場合もあります。

1カ月など、期間が短ければ可能です。一括で家賃・光熱費などをお支払いいただければ問題ありません。

Q7.外国人も借りられる?

A7.大丈夫です。

ビジネス、観光ともに多くの方にご利用いただいています。

Q8.シングル用の物件に、友人を呼んでもいい?

A8.宿泊は基本的にNGです。

契約時に入居人数は必ず確認します。日帰りで滞在することまでは禁止できませんが、宿泊するとなると光熱費にも関わってくるため、原則NGだと考えてください。

Q9.クレカ払いできる?

A9.可能です。

Q10.数カ月利用する場合も、すべて一括で前払いするのですか?

A10.分割も可能です。

会社にもよりますが、当社では3カ月以上の契約の場合、分割払いが可能です。

シングル用のマンスリーマンションに友人を泊めるのは禁止
マンスリーマンションは利用人数が決まっているため、シングルタイプに人を泊めるのはNG(イラスト/もり谷ゆみ)

SUUMOでマンスリーマンションを検索してみよう

それでは実際にマンスリーマンションを検索してみましょう。効率的に探すポイントは、以下の2つです。

家具・家電付きの賃貸物件特集ページから探す

SUUMOの家具・家電付きの賃貸住宅情報ページから検索する方法です。マンスリーマンションと広告上に記載があるものは、マンスリーマンションの契約内容で入居できる物件になります。詳しくは掲載元の不動産会社にお問い合わせください。ただし、必ずしもマンスリーマンションだけの掲載ではないため、ご注意ください。

キーワード検索から探す

SUUMOの賃貸住宅情報トップページの「キーワードから探す」の検索バーに「マンスリーマンション」と打ち込むと、物件広告にマンスリーマンションと記載のある物件が出てきます。
こちらの「不動産会社」タブからチェックするのもおすすめです。

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まとめ

1カ月から1年まで、1日単位で借りられるから、出張や観光に便利

家賃、光熱費ともに割高ながら、家具・家電の新規購入費や引越し費用は不要

申し込みから契約までネットで完結。最短翌日から入居できる

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