敷金・礼金って何? 違いは? 敷金・礼金ゼロの物件があるのはなぜ?

お部屋を借りようと不動産検索サイトを見ていると、目につくのが「敷金・礼金」という文字。初めてお部屋を借りる人は「敷金って何?」「何のために払うんだろう?」と疑問に思うはず。そこで、年間240組の部屋探しを成功させている(株)アエラス船橋店の望月裕貴さんに取材。敷金・礼金の意味や違い、敷金・礼金ゼロ物件がある理由、メリット・注意点などを分かりやすく解説します。

そもそも敷金・礼金の意味は? 何が違うの?

賃貸でお部屋を借りるときには、「初期費用」が必要になります。敷金・礼金もそうした初期費用の一部。ただ、それぞれの意味合いが異なりますので、ひとつずつ解説していきます。

敷金・礼金の違い

敷金
部屋を退去するときの原状回復(生活でできてしまった傷などを直す)費用として、入居前にあらかじめ払う準備金のようなお金です。基本的には、原状回復にかかった費用が差し引かれたお金が戻ってきます。家賃1カ月分が目安。
礼金
文字通り、部屋を所有する大家さんに対して、お礼の意味として支払います。敷金と違って、退去時に返金されることはありません。最近では礼金なしの物件も増えています。家賃1カ月分が目安。

まず、敷金ですが、賃貸で借りたお部屋は、契約を終えたときに原状回復するのが大原則。退去時に部屋を修繕するためのお金を支払うのではなく、あらかじめ払っておいたお金を充てるというのが、お部屋を借りるときの一般的なルールなのです。

また礼金は、「賃貸のお部屋が少なかった時代に、大家さんに対して『貸してくれてありがとう』という気持ちで払っていたものです。でも、お礼の気持ちなのに、あらかじめ払う金額が決まっているのもヘンですよね。賃貸物件が増えた昨今では、礼金の意味合いが弱まっているのだと思います」(アエラス船橋店 統括課長 望月裕貴さん。以下同)

東京と千葉では敷金・礼金の相場が違う? 関西では違うお金が必要になる?

現在、望月さんが担当している千葉エリアでは、敷金・礼金ナシのお部屋、いわゆる「ゼロゼロ物件」が増えていて、ひとり暮らし向けの部屋の約半分がゼロゼロ物件だといいます。

ただ、東京になるとまったく事情が異なり、敷金・礼金それぞれ1カ月が相場になっているよう。

一方、関西エリアでは、現在は減りつつあるものの、敷金と似た性格の「保証金」という名目のお金がかかることもあるといいます。

「現在では、インターネットの普及で情報が集めやすくなり、関東と関西、地方による商習慣の違いはなくなっています。ただ、地域によってお金の名目や意味合いが異なることも。まずはたくさん物件を見て、自分が住みたい地域の家賃や初期費用の相場を知るとともに、不明な意味合いのお金については不動産会社に質問するのがいいでしょう」

なぜ敷金・礼金ナシのゼロゼロ物件があるの? 

新生活をはじめるための費用が抑えられる敷金・礼金「ゼロゼロ物件」はとても魅力的です。でも、なぜこうしたゼロゼロ物件があるのでしょうか。

「千葉エリアで部屋を探すとなると、東京まで通勤通学時間がかかったり、1回2回と乗り換えが発生することがあります。そのため、敷金・礼金があるとなかなか借り手が見つかりません。大家さん・不動産会社からすれば長期間の空室は避けたいもの。そのため、少しでも早く借りてほしいという事情で、敷金・礼金をゼロゼロにしているのです」

ただ、敷金・礼金がゼロだからといっても、まったく初期費用がかからないワケではありません。

「敷金と同じように、原状回復費用に充てるお金として、部屋のクリーニング代を設けているところがほとんどです。目安は1m21000円程度ですね。例えば25m2のお部屋なら2万5000円だと考えておくといいでしょう。また、エアコンがあればクリーニング代がかかり、一台およそ7000~8000円程度。結果として、部屋のクリーニング代として、敷金1カ月程度のお金はかかると思ってください。個人的には、敷金よりもクリーニング代のほうが内訳がしっかり明示されているので、安心してお借りいただけると思っています」

ただ、注意したいのが、「定額クリーニング代」のケースです。「定額」とうたっているものの、含まれるクリーニングの内容がまちまちで、なかには退去時に想定以上(敷金1カ月分以上)の金額を請求されるケースもあるそう。契約書を読み、どこまでが「定額クリーニング代」に含まれるのか、不明な部分があればしっかりと内容を書き込んでもらうと、のちのちのトラブル防止になるといいます。

敷金・礼金ナシを借りるときの注意点は? デメリットはあるの?

「でも、安いものには何かワケがあるんじゃ…?」「敷金・礼金ナシのデメリットもぜったいあるハズ」と心配になる人もいることでしょう。

「敷金・礼金があるのが当たり前だと思っている40代50代の世代には、敷金・礼金を払ったほうが安心と考えている人が多い印象です。でも、ゼロゼロ物件だからといって、ココがダメというデメリットは、はっきり言ってありません。初期費用が抑えられるので、住みたい部屋に住めるメリットのほうが大きいと思います」

ただ、敷金・礼金ゼロゼロをマスト条件として探していると、選択肢が少なくなるのは事実。特に人気エリアでは、ゼロゼロ物件自体が少数なので、物件が見つからないこともありそうです。また、ゼロゼロ物件は、初期費用がかからない分、家賃が相場よりやや高めという傾向もあるほか、前述のクリーニング代についてもきちんと確認しておくのがよさそうです。

敷金・礼金はいつ、誰に払うの? 貯金がない場合はどうすればいい?

では、敷金・礼金(もしくはクリーニング代)は誰にどのタイミングで支払うのでしょうか。

「敷金・礼金は入居前の賃貸契約時に、不動産会社を通じて支払うのが一般的です。部屋を借りたいけれどまとまった貯金がない場合は、クレジットカード払いに対応している不動産会社があるので、担当者に相談してみましょう」

クレジットカード払いであれば、分割払いで、支払い回数を選ぶこともできるほか、ポイントも貯まるので一石二鳥ですね。また、敷金・礼金ナシのゼロゼロ物件であれば、その他の初期費用(前家賃や仲介手数料、火災保険料など)だけで済むので、負担はぐっと軽くなります。

「賃貸では、部屋を借りたい人が集まるハイシーズン(1月~3月)は敷金・礼金がかかる物件が増え、逆に人が集まりにくい夏などは、敷金・礼金ナシのゼロゼロ物件になることも。貯金がないけど引越しを考えている人は、部屋探しの時期を少しずらすのも賢い手ではないでしょうか」

敷金・礼金の初期費用が抑えられるのであれば、引越しもぐっとしやすくなります。「更新が近づいてきたけど、思い切って引越したいな」「もっと広い部屋で暮らしたいな」-敷金・礼金を抑えた物件であれば、そんな思いも気軽にかなえられそうです。

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取材協力/株式会社アエラス 文/嘉屋恭子
公開日 2018年02月02日
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