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同棲や結婚を機に二人暮らしを始める二人にとって、新しい生活を想像するのは楽しいけれど「どれくらいの広さが必要?」「40m2や50m2って狭くない?」「どんな間取りがオススメ?」といった疑問が浮かんでいるのではないでしょうか。
この記事では、二人暮らしに最適な広さの目安から、ライフスタイルに合わせた間取りの選び方まで、分かりやすく解説します。さらに、空間デザイナー・インテリアコーディネーターの小笠原馨子さんに聞いた、おしゃれで快適な家具のレイアウト例も見ていきましょう。
二人暮らしの部屋を探すときには、どのくらいの広さを目安にすればよいのでしょうか。賃貸物件の情報に面積が記載されていても、いまいちイメージがわかないこともあるでしょう。
ここでは、二人暮らしの部屋に必要な広さについて解説します。
国土交通省が定める「住生活基本計画における居住面積水準」によると、世帯人数二人の場合、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な「最低居住面積水準」は30m2。また、豊かな住生活を送るために必要な広さである「誘導居住面積水準」は、都市部の共同住宅で55m2、郊外や都市部以外の戸建住宅で75m2とされています。
※国土交通省「住生活基本計画における水準について」
つまり、手持ちの家具や荷物の量、二人のライフスタイルによって異なるものの、二人暮らしには最低でも30m2は必要、ゆとりある暮らしをするには50m2以上の広さがいい、ということになります。
部屋探しが初めての人は、m2数をいわれてもピンとこないかもしれません。畳数に換算すると、1畳=1.62m2(不動産の表示に関する公正競争規約より)。専有面積30m2は、約18.5畳だということがわかります。ただし、これは収納や廊下、浴室、トイレも含む広さ(玄関ポーチ、バルコニーは含まず)。水回りなどが8畳程度と考えると、実際の居住スペースは約17m2、10.5畳です。荷物の量などにもよりますが、約10畳の空間に二人で暮らすのはちょっと狭いのでは……とイメージできますよね。
専有面積40m2の場合は、約24畳。そのうち居住スペースは16畳程度です。50m2だと約30畳で、居住スペースは22畳程度。こうして見ると、40m2以上の広さがあれば、二人で快適に暮らしやすいといえそうです。

二人暮らしにおすすめの40m2、50m2の物件だと、主な間取りは1LDKか2DK、2LDKです。
1LDKは、食事したりくつろいだりするスペース(LDK)+居室(寝室)1部屋。
2DKは、食事するスペース(DK)+居室2部屋。居室のうち1室をリビングとして、1室を寝室として使ったり、一人が1室ずつ個室として使うこともできます。
2LDKは10畳以上のLDKと居室2つ。居室の1室を寝室にして、1室を仕事部屋に、または将来子ども部屋にする、などさまざまに使えます。
二人暮らしをするなら、くつろげるリビングが欲しいという人が多いはず。ちなみに、平面図でよく見るDKやLDKは、何畳をいうのでしょうか。実は居室の数によって、目安となる最低の広さが異なるのです。
下の表のとおり、DKやLDK以外の居室が1つの場合、DKは4.5畳以上、LDKは8畳以上。居室が2つ以上の場合、DKは6畳以上、LDKは10畳以上と、不動産用語の使用基準で定められています。
二人暮らしにおすすめの40m2、50m2の物件だと、主な間取りは1LDKか2DK、2LDKです。
1LDKは、食事したりくつろいだりするスペース(LDK)+居室(寝室)1部屋。
2DKは、食事するスペース(DK)+居室2部屋。居室のうち1室をリビングとして、1室を寝室として使ったり、一人が1室ずつ個室として使うこともできます。
2LDKは10畳以上のLDKと居室2つ。居室の1室を寝室にして、1室を仕事部屋に、または将来子ども部屋にする、などさまざまに使えます。
それを踏まえ、次の章ではイラストでレイアウト例を詳しく紹介していきます。

40m2という広さは、荷物があまり多くない二人や、生活リズムが似ていて一緒に過ごす時間をたくさんつくりたいカップルに適しています。
そんな40m2の部屋では、実際にどんな暮らしができるのか、気になりますよね。ここからは、空間デザイナー・インテリアコーディネーターの小笠原馨子さんに提案してもらった、間取りごとの具体的な家具のレイアウト例を詳しく見ていきましょう。

「家にいるときは、いつもパートナーの顔が見えるところで過ごしたい」というように、二人で一緒の時間を過ごしたいカップルには、1LDKの間取りがぴったりです。LDKでは食事をしたりテレビを見たりしてくつろぎ、もう1つの部屋を寝室にすれば、自然とLDKが二人の生活の中心になります。
ただ、部屋の数が少ない分、収納が足りなくなったり、仕事をする場所に悩んだりするかもしれません。そんなときは、壁を上手に使ってみましょう。最近は、壁のダメージを抑えて設置できる棚や、床と天井で固定する突っ張りタイプのラックなど、賃貸でも気兼ねなく使える便利な収納グッズがたくさん出ています。
また、仕事専用の部屋がなくても、少し大きめのダイニングテーブルがあれば問題ありません。すてきなワークスペースに早変わりして、食事だけではなく、パソコン作業や趣味の場所としても大活躍してくれます。

結婚を機に新生活をスタートする二人や、将来を見据えて長く住める部屋を探しているカップルには、2DKのレイアウトが特にオススメです。DKと1部屋をつなげられるようにすれば、広々と使えます。
あと1部屋は寝室にして、もう1つは仕事や趣味に集中するための部屋にしたり、荷物が多い二人なら収納専用の部屋にしたりできます。そのため、ライフスタイルに合わせて自由に使い方を考えてみましょう。
将来、家族が増えたときには、そのまま子ども部屋として使うこともできます。収納が少し足りないと感じたら、壁に付けられる棚などを活用して「見せる収納」を楽しむのも選択肢の1つです。暮らしの変化にも柔軟に対応できる2DKは、二人の新しい門出にぴったりの間取りといえるでしょう。
寝室にクローゼットがない場合は、ワードローブ(衣類用の収納家具)をプラスしましょう。壁に付けるのではなくベッド横にレイアウトして、ウォークインクローゼットのような空間をつくるのも使い勝手がよくなります。

「二人で暮らすのは楽しみだけど、一人の時間も大切にしたい」と考える二人には、それぞれの部屋を持てる2DKの間取りが向いています。生活リズムが違うカップルや、在宅で仕事をする方にもオススメです。
食事をするダイニングキッチンのほかに居室が2つあるため、1部屋を寝室、もう1部屋をリビングや趣味の部屋として使えます。築年数が古い物件に多い間取りのため、比較的家賃が手頃なのも魅力の1つです。DKと隣の部屋が引き戸で仕切られているタイプなら、戸を開け放して広々とした1つの空間として使うこともできます。
荷物や家具が多い人や、テレワークするスペースを確保したい人は、もう少しゆとりのある50m2の部屋がおすすめです。
くつろぎ重視なら広々としたリビングのある1LDKを。自分のプライベートな空間が欲しい人や、シフトのある仕事などで二人の生活サイクルが違う人は、居室が2部屋ある2LDKを選ぶと使いやすいでしょう。
50m2の1LDKは、LDKで一緒に過ごす時間を大切にする人にオススメの間取りです。居室は寝室として使うのが一般的ですが、少し工夫するだけでもっと快適な空間をつくれます。
例えば、在宅ワークがあるなら、寝室の片隅にコンパクトなデスクを置いてワークスペースにするのもよいでしょう。そのとき、背の低い収納ラックなどでベッドとの間をゆるやかに仕切れば、生活にメリハリが生まれて気持ちよく過ごせます。
また、壁掛けタイプの全身鏡を使うと、部屋を広く見せる効果が期待できます。床に置くタイプよりも場所を取らず、部屋がすっきりして鏡の効果で空間に奥行きが生まれるのもうれしいポイントです。


10畳以上のLDKでゆったりくつろげるスペースを確保しつつ、居室が2つある50m22LDK。居室は左のAのように趣味のスペースにしたり、それぞれの寝室にしたり、ものが多いなら収納部屋にしたりと、フレキシブルに使える間取りです。仕事部屋にもできるので、家族にも見せられない資料がある人や、リモート会議が多い人にぴったり。また、子どもができてもそのまま住み続けたいという人にもおすすめです。
収納スペースが限られている場合は、ウォールシェルフや突っ張り棒を利用した縦型収納など、壁面収納で空間を有効活用しましょう。右のBのように、可動式のテレビスタンドを導入すれば、キッチンで料理中もソファでくつろぎながらでも映像が楽しめます。
二人が心地よく暮らせる部屋を見つけるには、広さや間取りのほかにも意識すべきポイントがあります。実際の生活をイメージしながら、事前に二人で話し合っておくと理想の部屋がぐっと見つけやすくなるでしょう。
二人暮らしを始める前に話し合っておきたいことは「お互いに一人の時間や空間がほしいかどうか」です。いつも一緒にいたい二人なら1LDKで十分ですが、生活のリズムが違うなどの場合は、それぞれが過ごせる部屋があると心地よく過ごせます。
その場合は、寝室とは別にもう1つ部屋がある2DKや2LDKが候補になってくるでしょう。もう一部屋を仕事や趣味の空間にしたり、一人になりたいときの場所にしたりするのもよいかもしれません。
また、将来的には子ども部屋にすることもできます。後から部屋は増やせないため、最初に「自分たちに個室はいるか」などと二人で話し合っておくのが、長く快適に暮らすための大切なポイントです。
「〇〇m2」という部屋の広さも大事ですが、それと同じくらい見逃せないのが収納の大きさです。一人暮らしのときと違って荷物は二人分になるため、思った以上に物が増えるでしょう。
せっかく広い部屋を選んだのに、収納が足りず物があふれてしまうと、狭く感じてしまいます。実際に部屋を見学するときは、クローゼットや押し入れの広さも見てみましょう。
特に、季節の家電や洋服、趣味の道具といったかさばる物が収納できるかは、しっかりと確認しておくのがオススメです。玄関の靴箱の大きさも忘れずにチェックしておくと、いつも玄関がすっきり片付けられます。
毎日を気持ちよく過ごすために、どんな設備が付いているかもチェックしておきたいポイントです。例えば、料理が好きな二人なら、コンロが二口以上あると同時に調理が可能になります。
また、オートロックやテレビ付きのインターホンの必要性なども二人の間で話し合うといいでしょう。
部屋自体はすてきでも、周辺環境が合わないと、毎日の生活が不便に感じてしまうこともあります。部屋を探すときは地図で見るだけではなく、実際に近所を歩いてどんな場所かを感じてみるのがオススメです。
毎日の買い物に使うスーパーやコンビニの位置、体調が悪いときにすぐに頼れる病院やドラッグストアの場所などを意識しながら歩いてみると、スムーズに新生活をスタートできます。また通勤・通学の観点から、駅からの距離だけではなく、電車の混み具合なども調べておくとより安心でしょう。
二人暮らしの部屋をすっきり使うには、収納の工夫が欠かせません。効率のいい収納のアイデアを、小笠原さんにうかがいました。
「収納も兼ねた家具を使うのも有効です。例えば、ベッドの下に引き出しが付いているタイプなど。頻繁に出し入れするものではなく、シーズンオフの衣類や、ふだん使わない趣味のアイテムなどを収納するといいでしょう」

ごちゃついてしまいがちな二人暮らしのクローゼット。洋服やものが多いとあふれてしまうことも。「完全に半分でなくても、それぞれの領域を決めて、エリア分けをすることが大切です」。ものが増えて収まりきらなくなったら、使っていないものを思い切って処分するなどして、荷物量を定期的に見直すこと。「トランクルームやクリーニングなどの預かりサービスを活用するのも手です」
玄関が狭くて靴が置ききれないという場合は、シューズボックスに入れ、居室内に収納をする方法もあります。「ただし、購入したときに付いてきたボックスだと、見た目もバラバラ。そこで、1個数百円でオーダーできるおしゃれなシューズボックスに入れて、インテリアの一部にしてしまってはいかがでしょうか」。中身が見えないタイプのものなら、インスタントカメラなどで靴を撮ってマステで貼っておくのも◎。

賃貸物件の多くは壁に石膏ボードが使われています。小さいピン穴で石膏ボードに取り付けられるウォールシェルフを使えば、空いている壁面が見せる収納スペースに。「材質も形も、さまざまなタイプが登場しています。『壁に付けられる家具』などで検索してみてください。また壁面にスペースがない場合は、突っ張り棒タイプで縦に収納できる家具もありますよ」

広いLDKなどは、収納を兼ねた間仕切りラックで仕切ると、暮らしやすさがアップ。背が低いものなら圧迫感もなく、カウンターのように上にもものが置けるほか、作業台にもなって便利です。寝室のベッドとワークスペースの間仕切りにも使えます。
二人暮らしの部屋を広く、快適に活用するためには、どんなところに気をつけたらいいのでしょうか。
背の高い家具に囲まれていると、空間は狭く感じてしまうもの。低い家具でそろえると、目線が低くなり、部屋が広く見える効果があります。「フロアライトや観葉植物など、背の高いものは部屋の奥の角に置くことで、バランスが取れてすっきり見えます」

「部屋を広く感じさせるのは、ベージュやカーキ、アイボリー、ライトグレー、白といった『ニュートラルカラー』。無彩色のやわらかい色合いです。逆に有彩色といわれる鮮やかなカラーが多いと、部屋に圧迫感が出てしまいます。部屋の中で大きな面積を占めるカーテンやソファ、ベッドカバーなどはニュートラルカラーで統一して、クッションやアートなどの小物にアクセントカラーとして有彩色を取り入れるといいでしょう」

「基本的なことですが、ものを増やさないことが肝心です。ものが多いと、部屋はごちゃつき、狭く感じてしまいます」。できるだけシンプルにすっきりとさせて、その中に上質なものをひとつ取り入れると、部屋の雰囲気がぐっとよくなるといいます。「例えば、名作椅子と呼ばれるものを一脚置く。収納にも使えるバスケットを質のいいものにする。なにかひとついいものにこだわって、素敵な空間づくりを楽しみましょう」
これから始める二人暮らし。限られた空間を快適にするために、間取りごとの家具レイアウト例とインテリアコーディネーターのアドバイスをぜひ参考にしてみてください。少しの工夫で、暮らしやすい空間がつくれるはずです。
二人暮らしの部屋を探していると「この広さで本当に大丈夫?」「この間取りに二人で住むことができる?」など、色々な疑問や不安が出てくることもあるでしょう。
ここでは、二人暮らしならではのよくある質問に分かりやすくお答えします。
1Kや1DKは、もともと一人で住むためにつくられている部屋がほとんどです。そのため、部屋のルールとして「二人入居禁止」とされていることが多く、物件探しに苦労するかもしれません。
もし運良く「二人入居OK」という部屋が見つかっても、注意が必要な物件かもしれません。1Kや1DKはくつろぐリビングがなく、収納も一人分しかないため、二人分の荷物を置くと部屋が物であふれて窮屈に感じてしまうでしょう。
一人の時間をつくる場所もないため、気付かないうちに疲れてしまうこともあります。二人が長く暮らすためには、もう少しゆとりのある1LDK以上の部屋から探してみるのがオススメです。
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国の基準では、二人で暮らすのに最低限必要な広さは30m2といわれています。数字だけ聞くと「大丈夫そう」と感じるかもしれませんが、この広さにはキッチンやお風呂、トイレ、廊下なども全て含まれているため、実際に使える部屋の広さは限りがあります。
ここにベッドやテーブル、そして二人分の荷物を置くことを考えると、かなり窮屈に感じてしまう可能性が高いでしょう。
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二人が心地よく暮らせる広さの目安は、家賃とのバランスもよい40~50m2
部屋の広さや間取りだけではなく、収納の大きさや周りの環境もチェックする
間取りは暮らし方で選ぶのがオススメ。いつも一緒なら1LDK、個室が欲しければ2LDK