住宅ローンの金利はどうして動くの?

公開日 2009年09月09日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
住宅ローンの金利はどうして動くの?

2018年10月現在、日本国内の金利水準は依然として超低金利の状態にあります。ただ、そんななかでも若干の金利変動は起きています。日経平均株価が2万4000円台という27年ぶりの水準に戻ってきたことや、長期金利(10年満期の国債の利回り)が7月は0.03%前後であったものが8、9月は0.12%前後にまで上がってきたことなどを受けて、住宅ローンの金利もわずかながら上昇しています。今回は、住宅ローン金利の特徴と、金利の変動要因についてまとめたいと思います。

景気や物価、為替等、さまざまな要因が住宅ローン金利に影響

【フラット35】をはじめ、民間の金融機関等が取り扱う住宅ローン商品は、その大半が「融資実行時点」の金利が適用金利となります。一部、ローンの「申し込み時点」の金利を適用金利とするところや、「申し込み時点」と「融資実行時点」のどちらかを選択できるところもあるようですが、非常に少数派です。

したがって、一般的な住宅ローン商品の場合、ローンを申し込んだときの金利水準よりも、融資実行時点の金利水準が上がっていると、当初の計画よりも返済額が増えてしまう可能性があります。逆に、申し込み時点よりも融資実行時点の金利水準が下がっていると、当初の計画よりも返済額が少なくなる可能性があります。

短い場合で1、2カ月先、長い場合で1年以上先になる融資実行時点の金利水準を、あらかじめ予想するのはほとんど不可能に近いですが、「金利がどうして動くのか」という金利のさまざまな変動要因について理解しておくことは大切です。現在の経済情勢や今後の見通しなどに基づいて、将来の金利動向についてさまざまなケースを想定できるようになっておくと、先行きの金利変動に関する不安も多少は取り除けるのではないでしょうか。

代表的な金利の変動要因と金利の動く方向を図示すると以下のようになります。

一般の住宅ローンを使った場合と預金連動型住宅ローンを使った場合の比較

このような金利の動きは、あくまでも教科書的なものなので、実際には必ずしも図表にある矢印の方向には動かない場合もありますが、方向性としてはおおむね矢印の方向に動く傾向があるということを知っておきましょう。

景気や物価がなぜ金利に影響するの?その理由を解説

では、それぞれの要因ごとにそのような動きになる理由を簡単にまとめましょう。

(1)国内景気
「景気がいい」とは働く人の収入が増えていくような状態をいいます。自営業の人でいうなら、売り上げが増えてもうかっている状態。事業が順調にもうかっていくと、将来のための設備投資を積極的に行おうとする動きが強まり、少しくらい金利が高くてもお金を借りようとする人が増えます。お金の需要が高まることで金利が上昇すると考えられます。「景気が悪い」場合はその逆になります。

(2)国内物価
一般的に、物価(モノの値段)が上昇する局面とは、景気がいい状態でモノを買う人が増えて、モノの値段が上昇していく状態です。住宅価格で考えるなら、今年よりも来年、来年よりも再来年と価格が上がっていきそうなときは、住宅ローンを組んででも早く買おうとする人が増えます。お金の需要が高まって金利が上がっていくと考えられます。
また、物価の急上昇によって紙幣の価値が減少することを嫌う日本銀行が、景気の過熱による物価上昇を抑えるために、利上げを行うことで金利が上がるとも考えられます。逆に、物価が下がるときには、お金を借りてまでモノを買おうとする人が減るので、お金の需要が減退し、金利が下がると考えられます。

(3)外国為替
円安になると輸入品が高くなったり、海外旅行の代金が高くなったりします。つまり、円安による輸入物価などの上昇が、国内物価の上昇につながって、金利が上昇すると考えることができます。円高の場合は逆で、輸入品が安くなったり、海外旅行が安く行けたりします。それが国内物価の低下につながって、金利が低下すると考えられます。

(4)海外金利
例えば、アメリカの国債の利回りが上昇すると、日本の国債を売ってアメリカの国債を買う動きが強まります。つまり、日本の国債価格が下落し、利回り(金利)が上昇すると考えられます。また、別の見方としては、海外金利が上がると、金利の低い日本でお金を借りて、海外で運用しようとする動きが強まります。日本のお金を借りようとする人が増える分、日本の金利も上がっていくと考えられます。海外金利が下がった場合は逆の動きになり、日本の金利も低下すると考えられます。

(5)金融政策
「金融」とは、お金の貸し借りのことをいいます。日本銀行が行う金融緩和策とは、お金の貸し借りを緩くすること。つまり、金利を下げて、お金を借りやすい状態にすることを指します。逆に、金融引締策は、金利を上げて、お金を借りにくくすることをいいます。

(6)株価
株価が上昇していくときには、債券市場から株式市場にお金が流れていく傾向にあります。債券が売られて、債券価格が下落(利回りは上昇)します。また、一般に株価が上昇するときは、先行きの国内景気が好況になると予想されている場合が多いので、国内景気の好況さを受けて金利が上がっていくと考えることもできます。

では、これから日本の金利は上がっていくのでしょうか。
予想は非常に難しいですが、国内景気の好転と株価の持続的な上昇があれば、高い確率で金利も上昇していくと考えることができるでしょう。

(参考)日本相互証券 長期金利推移 http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata01.html

イラスト/杉崎アチャ

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