今の超低金利だからこそ、さらに徹底的に利息を減らしてトクしたい、という人にはどんなローンがいい?
▼お話をきいたプロ
住宅評論家 大森広司さん
住宅ローンをはじめ、住宅税制やマンション選び、住宅市場動向など幅広く取材・執筆。AllAbout「マンション入門」ガイドも務める
※保:保証料を金利に上乗せする「内枠方式」の場合。ほかに保証料の一部または全額を前払いする「外枠方式」があり、結果的に支払う保証料の合計額が異なる場合がある
※ネット:インターネットバンキング等のサービス利用の場合のみ0円。窓口では有料
最優遇金利が0.45%と、当初の引き下げ幅が大きく主要銀行の10年固定では最安値を付けている。また返済口座に指定した額を上回る残高があると、手数料無料で自動的に繰り上げ返済できるサービスがある。余裕の分だけローン残高が早く減っていくので、ムダなく支払い利息を減らすことができる。
0.575%は手数料が安い都銀・信託銀の変動では最も低い。保証料がかかるが、金利に0.2%上乗せ払いをすれば繰り上げ返済しても保証料が無駄にならない。返済口座を給与振込に指定しなくても金利優遇が受けられ、コンビニATMから無料で入金できるので近くに店舗がなくても便利だ。
日銀は物価が安定的に2%以上になるまでマイナス金利政策を続けると表明しており、当面は超低金利が続く見込みなので10年以下の短期固定や変動も選択肢になるだろう。早めに繰り上げ返済するなどでローン残高を減らしておけば、仮に金利が上がっても負担増を抑えられる。
変化の多い時代、買い替える可能性を考え資産価値重視で買う人も増えている。その場合はどんなローンがいいのか?
▼お話をきいたプロ
住宅評論家 岡本郁雄さん
これまでに3000件以上のマンションを見学し、市場に精通したコンサルタント&ファイナンシャルプランナーとして活躍
※保:保証料を金利に上乗せする「内枠方式」の場合。ほかに保証料の一部または全額を前払いする「外枠方式」があり、結果的に支払う保証料の合計額が異なる場合がある
※ネット:インターネットバンキング等のサービス利用の場合のみ0円。窓口では有料
買い替え前提であれば、買い替え時期までの金利の優遇幅がなるべく大きいローンを選びたい。同行の全期間引き下げタイプは、金利の優遇が最低でも1.70%と他行と比べて大きめ。優遇が手厚く適用金利が低い間にローン残高を減らしておけば、スムーズに買い替えができる。
手数料が借入れ額の2.16%と都銀よりも高いが、それを差し引いても10年固定でこの低金利はありがたい。10年前後で買い替えるなら、手数料分以上に低金利の恩恵を受けられるかなりトクなローンといえる。auの携帯・スマホ利用者にはキャッシュバックの特典も付くので、さらにおトク。
買い替えを前提に考えると、金利に限らず、買い替えるまでの短期間の総コストでの比較が必要。金利が安くても手数料や保証料などの諸費用が高いとペイしない場合がある。特に保証料は繰り上げ返済すると一部が戻るが、手数料は戻らないので注意。
金利の動向で固定と変動を切り替え可能
一部に手数料はかかるが、固定と変動の金利タイプをネットで簡単に切り替えることができる。翌月の金利を前月中旬ごろに発表するので、金利の動向を見ながら損得を計算し、金利を変更するかどうか判断可能。戦略的に利息を減らしたい人にはぴったりだ。
NISAや定期預金でさらに金利引き下げ
同行で証券口座やNISA口座をつくったり、定期預金を利用すると、金利が最大0.03%引き下げになる。配偶者や両親などが口座をつくった場合なども対象だ。金利をさらに引き下げてローン残高を早く減らしながら、買い替え時の頭金を増やすのもいいだろう。